屋外用犬小屋の選び方と夏・冬の温度調節方法

2020.01.06

屋外用犬小屋の選び方と夏・冬の温度調節方法

最近では犬小屋の種類がとても多く、どれを選んだらよいのか迷ってしまいます。一番大切なことは、愛犬にとって犬小屋が快適な環境であることですが、それ以外にも種類別の特性や愛犬に合ったサイズを選んであげることが重要です。夏や冬の季節対策をしっかりと行って、居心地の良い寝床をつくってあげましょう。

犬小屋が必要な理由

犬小屋

外に設置する犬小屋に関しては、飼い主さんによって用途が様々で、犬を外で飼うために設置する方や、基本的に室内飼いだが一時的に外で過ごさせるために設置する方もいます。

いずれにせよ犬が外で安心して寝るためには、犬舎とも呼ばれる犬小屋が必須となります。

たまに犬小屋を設置せずに庭などの広いスペースに犬を放置している飼い主さんがいますが、これでは犬が安心して寝ることができません。

犬は歴史的に考えると巣穴で生活をしていたため、そもそも広い空間で眠る習性を持っていません。

さらに、犬を室外に長い時間いさせる場合は、犬は常に外部の刺激を受けて生活しているということになり、精神的に開放される時間がありません。

人がいかに安全な場所であると確信できる場所であっても、野生で生きてきた歴史がある犬にとっては、決して外の広々としたスペースは安心できる場所ではないということです。

犬にとって自分だけの狭い安心できる寝床は必ず必要ですので、犬が外で長時間過ごすことがある場合は必ず犬小屋を設置しましょう。


犬小屋の特徴

◆木製

木製の犬小屋は、湿気や雨などの水分に弱いため長く使用できないのがデメリットですが、軒下など屋根がある場所には適しています。

木の暖かみがあるため、犬が中で安心して過ごすために役立ちます。

ちなみに木製の犬小屋には、「コテージ調」のものや「ログハウス調」のもの、「ロッジ調」の犬小屋などがありますが、大抵の商品は犬小屋を丸洗いできないので、衛生管理について考えると手間がかかるのがデメリットです。

木製犬舎

木製犬舎

●三重構造の屋根
アスファルトルーフィング(防水シート)と砂を重ねた砂付きルーフイングの屋根で、耐久性、防水性に優れています。
●脚部カバー付き
地面に接する部分の腐食を防止します。

購入
メーカー名 リッチェル
材質・素材・成分など 木部:天然木ボルト・ナット・木ネジ:スチール(ユニクロメッキ)脚部カバー:ポリエチレン屋根被覆材:砂(砕砂)・アスファルト
適応ペットのサイズ 700:超小型~中型犬、830:超小型~中型犬用、900:超小型~大型犬用
適応体重 700:15kg以下、830:20kg以下、900:40kg以下

◆プラスチック製

プラスチック製の犬小屋は、長く使用できるというメリットがあります。特に湿気や雨などの水分を吸収しにくいため、腐ったりかびたりするリスクが低い犬小屋です。

やはりプラスチックで作られているので、温かさや暖かみに関しては木製の犬小屋の方が上ですが、寒い時期は犬用の柔らかいベッドやブランケットを入れてあげると寒さ対策には有効です。

その他、プラスチック製の犬小屋の特徴は大抵の商品が丸洗い可能であること。
外に犬小屋を設置する場合、どうしても汚れがつきやすく、ダニやノミをはじめとした虫の繁殖や細菌繁殖のリスクが高いので、丸洗いできる犬小屋は衛生管理のしやすさでは優れています。

ただし、プラスチック製の場合、噛み癖がある犬には適していません。
犬小屋を構成する接続部分などを噛んでしまうと、きれいな状態で長く使用できないことはもちろん、噛み砕いたプラスチックの破片を犬が飲み込んでしまう危険性があります。

◆スチール製

耐久性を重要視するなら、スチール製の犬小屋を選ぶと良いでしょう。銅や鉄などの金属を利用してつくられているスチール製の犬小屋は、傷や腐食に関して耐久性が強く、犬が多少噛んでもプラスチック製の犬小屋のように簡単に壊れることがありません。

犬小屋自体に重さがあるので、運ぶ際に移動するのが大変だというデメリットがありますが、犬小屋の位置を定期的に変える方はあまりいないかと思います。

スチール製の場合は処分時に手間がかかり、地域によっては処分費用がかかることもあります。


犬小屋の選び方

◆まずは種類を選ぶ

まずは木製、プラスチック製、スチール製の中からどれにするのかを選びましょう。

暖かみを重要視するのであれば木製、衛生管理を重要視するのであればプラスチック製、耐久性を重要視するのであればスチール製がおすすめです。

◆犬の大きさで選ぶ

犬の大きさで犬小屋のサイズを決めるのも大切です。

普段広いスペースにいるのであれば、寝床となる犬小屋は広いスペースは必要ないため、犬が安心して眠ることができるサイズを選びましょう。

目安としては犬が立っても屋根に頭が付かないサイズ、犬が立った状態で左右や前後に動くことができるサイズです。広すぎない犬小屋で身動きが不自由なく行えるサイズを目安にすると良いでしょう。

万が一大きいサイズを購入してしまった場合は、夏はクールマットなど、冬は犬用ベッドや毛布を入れて広さを調節することをおすすめします。

◆屋根がついていることは必須

犬小屋は犬が寝る場所ですので、雨や風をしのぐための屋根がついていることは必須条件です。寝ているときに雨に濡れているような環境は、健康被害を引き起こす直接的原因となるため、絶対に避けましょう。

大抵の犬小屋には屋根がついていますが、たまに屋根がない、または屋根はあるが耐久性を考えると雨漏りしやすい商品もあるので注意が必要です。

木製の場合は、屋根部分のみ雨漏り防止素材がついているものもあるので、長期間使用しても雨漏りの危険性がないかをしっかりと事前に調べてから購入することをおすすめします。


犬小屋の温度調節方法

◆夏の温度調節方法

●日があたらない場所に設置する

夏の熱さをしのぐために、直射日光が当たらない場所に犬小屋を設置することをおすすめします。

犬小屋は全般的に隔離されたスペースになり、空気がこもりやすくサウナのようになってしまうので、夏は本当に危険です。

熱中症になると数時間で多くの犬が死んでしまうので、基本的に夏場はエアコンの効いた室内に入れてあげなければいけませんが、どうしてもそれが出来ない場合は日光が当たらない涼しい場所に犬小屋を設置してあげましょう。

●暑さ対策グッズを使用する

クールマットなどの電気を使用しない暑さ対策グッズも多少の効果は期待できます。

自分で手づくりする場合は、ビニール製でなくプラスチック製の入れ物に入った保冷剤にカバーをつけてあげると良いでしょう。

保冷剤カバーをつくる際は、耐久性のある厚みのあるタオルなどを利用することをおすすめしますが、万が一犬が保冷剤を食べてしまった場合、エチレングリコール中毒で命を落とす危険性が高いので、保冷剤の取り扱いには細心の注意が必要です。

◆冬の温度調節方法

●冬の間は室内に入れる

一般的に犬は寒さに強いといわれていますが、小型犬やシングルコートの犬にとっては寒さが大敵となることがあります。

また、体温調節機能が低下しやすい子犬や老犬、病気を発症している犬にとっては、寒さが命取りになることがあるので、室内に入れてあげるのが一番です。

●犬小屋に毛布やベッドを敷く

室外の犬小屋の寒さ対策には、柔らかい犬用ベッドや毛布を敷いてあげると良いでしょう。

毛布に関しては冷気が通りやすい犬小屋の側面のみならず、側面と壁の接触部分4方向が埋まるような大きめサイズの毛布がおすすめです。

人間の赤ちゃん用の毛布は通常の犬用毛布よりもサイズが少し大きいので便利です。

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【冬用おすすめベッド】暖かいベッドで犬の寒さ対策をしよう!うちの子にあったベッドの形は?

犬の暖かいベッドを準備しましたか?これからの時期は小型犬やシングルコートの犬種、体温調節が上手くできない老犬にとっては、冷えが伴いやすい季節です。 今回は、犬の暖かいベッドについて幅広くご紹介致しますので、是非犬の寒さ対策にご活用ください。

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●湯たんぽなどのあったかグッズを使う
最近では犬用の湯たんぽも販売されていますが、夜など特に寒さが厳しい時間帯は、お湯を入れたペットボトルにペットボトルカバーをつけてあげるのも効果的です。

犬が寒さに強いとはいえ、小型犬の場合10度前後気温が下回ると健康被害が生じる可能性があります。個体差はありますが、中型犬や大型犬であっても大体気温が5度前後を下回ると寒さを感じやすいと考えられているので、犬小屋の寒さ対策をしっかりとしてあげましょう。

●犬用の服を着せる

衣類を着ることに抵抗がない犬の場合は、冬用の犬服を着せてあげると寒さ対策にとても効果的で、ベッドと比較すると全体的に洗いやすいのが特徴です。

●おすすめ商品
ぬくぬく着る毛布

アルパカタッチのもこもこ生地に包まれてぬくぬく!
着せやすいボタン式。裏面はマイクロファイバーフランネル。

購入


犬小屋に関するまとめ

室外用の犬小屋についてご紹介致しました。

最近では犬小屋の種類やサイズが豊富でどれを選んでいいのか迷ってしまいます。そんな時は何より犬が快適に過ごすことができるかどうかを重要視して選んであげましょう。

夏場や冬場は温度変化で体調を崩しやすく、最悪の場合は命に関わる危険性もあるので、しっかりと季節ごとの対策を行ってあげることが大切です。



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smochijp

smochijp

動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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