1.嘔吐と吐き出しの違い 1-1.吐き出しとは?
1-2.嘔吐とは?
3.様子見でOKな嘔吐・吐き出し
3-1.ドッグフードをそのまま吐いた
3-2.空腹時に吐いた
3-3.草を食べて吐いた
4.すぐに動物病院へ連れていくべき嘔吐.
4-1血が混じっている.
4-2.吐くときに苦しそうにしている
4-3.異物が混じっている
4-4.便臭がする
4-5.何度も吐く
4-6.ほかの症状を伴う
嘔吐と吐き出しの違い
一般的に、嘔吐と吐き出しの意味合いは異なります。
両者の違いは、犬が吐き出したものが消化された状態のものであるか否かで、少しでも消化されている場合は「嘔吐」。
全く消化されていない状態であれば「吐き出し」と区別されています。
◆吐き出しとは?
「吐き出し」の場合は、犬の口腔内に入ったものが胃に入る手前で逆流して口から戻り、食後すぐに吐くケースがほとんどです。
胃に食物が到達していないので、大抵は胃液が殆ど混ざっていないのが特徴です。
犬の吐き出しは、喉頭や咽頭、食道などに何かしらの問題が生じて起こり、単純にむせたり一気に食物を飲み込んだときなどにも吐き出すことがあります。
また、生まれつき心血管奇形であったり、食道が圧迫されやすい状態の犬も吐き出すことがあります。
◆嘔吐とは?
「嘔吐」とは、口腔内から胃や腸の消化器官に食物が到達した後に口から戻すことを意味し、この場合は胃腸障害やウイルス感染、中毒など病気が原因で引き起こされることもあるので注意が必要です。
一度胃に入った食物ですので、犬の嘔吐の場合は事前に吐き気(口をなめる・よだれを垂らす・落ち着かないなど)が現れることが多く、胃の内部に入ったものが逆流して口からでます。
胃腸障害やウイルス感染、中毒の他にも、異物の誤飲や寄生虫、胃腸の閉塞、悪性腫瘍など様々な病気が原因となります。
嘔吐の原因
嘔吐の原因は、空腹により吐くような単純な原因から重度の病気が原因で吐くなど様々です。
吐いた後、2日以内であれば様子を見ても大丈夫なケースもありますが、すぐに動物病院に連れて行った方が良いこともあります。
吐いた原因の判断が難しい場合は、何よりかかりつけの動物病院で相談・検査してもらうことが大切です。
様子見でOKな嘔吐・吐き出し
◆ドッグフードをそのまま吐いた
単純に犬がドッグフードをそのまま吐いて、元気や健康状態に問題ない場合はしばらく様子を見ても良いでしょう。
ただし、嘔吐が継続する場合や嘔吐物に血や異物が混じっている、元気がないなど少しでも他の症状が併発している場合は動物病院で検査を行いましょう。
◆空腹時に吐いた
空腹時間が長いときに犬が吐いた場合、胃液の分泌が胃の粘膜が刺激されていることがあります。
大抵は、吐いたものが白や黄色の液体のため、犬の1日の食事量を変えずに食事回数を増やすことで改善することがありますが、逆流性胃炎を起こしていることがあるので、食事回数を増やして空腹時間を短くしても改善しない場合は、早めに動物病院で検査しましょう。
◆草を食べて吐いた
犬は草を食べて吐き出すことがありますが、これは胃を正常に保つための自然な行為ですので、過剰に食べて吐かない限りは大抵問題ありません。
ただし、自宅の庭以外で犬が散歩中に食べてしまう場合、農薬や除草剤が付着している危険性があるので気をつけなければいけません。
また、雑草の種類によっては犬に危険な植物もあるのでできる限り食べさせないようにしましょう。
すぐに動物病院へ連れていくべき嘔吐
◆血が混じっている
吐いたものに血が混じっている場合は、胃炎や胃潰瘍、食道炎などを中心に消化器に問題が生じている可能性があります。
その他、感染症や犬にとって毒性のある物質を飲み込んだ際にも吐いた物に血が混じることがあります。
◆吐くときに苦しそうにしている
犬が吐いたときに、胸や腹部、横隔膜などの筋肉を動かすように苦しそうに吐く場合、急性の病気が原因であることがあります。
◆異物が混じっている
ペットシーツやおもちゃの破片など、何かしらの異物が嘔吐物に混じっている場合は、誤飲の可能性があります。
全て吐き出していることを確認できればそれほど心配する必要はありませんが、誤飲を頻繁に繰り返し胃の中に異物が溜まっている可能性がある場合は、早急に動物病院でレントゲンやバリウム、内視鏡などの検査をして犬の体内に異物が残っていないか確認する必要があります。
◆便臭がする
便臭をはじめとし嘔吐物がの異臭が目立つ場合、腸閉塞を発症していることがありますので、早急に動物病院で検査してもらうことをおすすめします。
腸閉塞の他にも、犬が吐いた物から異臭がする場合はガスが異常に発生している可能性があることから、細菌繁殖、毒物の誤飲などの危険性もあります。
中毒症状やショックにより命の危険性を伴うことがあるので、異臭がする場合は早急に検査しましょう。
◆何度も吐く
何度も吐いた場合、毒性のある物質を飲み込んでしまったり感染症を発症していることがあります。
その他、重度の消化器系疾患の可能性もあるので、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
◆ほかの症状を伴う
犬の嘔吐に合わせて熱や下痢、痙攣など何かしらの他症状が伴う場合は、病気の可能性があります。
犬が吐いたときに考えられる病気
◆消化器官の病気
食道炎・慢性胃炎・急性胃炎・胃潰瘍・膵炎・腸閉塞・腫瘍・消化管内寄生虫症・胃膨張・胃捻転
◆感染症
レプトスピラ症・犬パルボウイルス感染症・犬ジステンパーウイルス感染症・フィラリア感染症
◆その他(腎臓や泌尿器官など)
腎炎・糸球体腎炎・腎不全・尿毒症・膵炎・アレルギー・子宮蓄膿症・中毒・熱中症・糖尿病性ケトアシドーシス
嘔吐後の食事について
犬が嘔吐した後は極力食事は避け、早めに動物病院で検査しましょう。
一度しか吐かず、元気がある状態で食欲に問題ない場合は、再度吐くことがないか試験的に食事を与えて様子を見るのも良いでしょう。
ただし、この場合も2回以上繰り返し吐くようでしたら、食事を与えずに早めに動物病院で検査することをおすすめします。
嘔吐症状が長引くと脱水症状を引き起こす危険性があるので、獣医師に相談して病気であれば早期治療を行うことが大切です。
一般的には、半日~1日程度水と食べ物を与えずに様子をみると良いといわれていますが、犬の年齢や体の状況によっては脱水症状が引き起こされることがあるため、普段お世話になっている獣医師の判断を仰ぐのが一番安心です。
嘔吐跡の掃除方法
嘔吐後は素早く掃除をしないと胃液や嘔吐物の跡が残ってしまうことがりますので、入念に掃除をしましょう。
液体状の嘔吐物であれば、ペットシーツやキッチンペーパーなどを使用すると吸収しやすいのでおすすめですが、嘔吐物に個体状の物質が含まれている場合は、下敷きやちり取りのような薄くて平たいもので個体を取り除いた後に処理すると良いでしょう。
最後に嘔吐跡が残らないよう、ペット用の除菌スプレーや中性洗剤などを活用します。
洗剤類を使用した後は、雑巾やいらないタオルなどにぬるま湯をつけてきれいにふき取りましょう。
吐いたときや粗相したときにおすすめ!お掃除用品
まとめ
犬が吐く原因は本当に様々で、何もしなくても健康に問題がないものから、すぐに緊急手術が必要なものまであります。
緊急性がある場合は、かかりつけの動物病院に早急に連絡をし、嘔吐回数や嘔吐した物の詳細、犬の様子などを説明。
獣医師の指示を仰ぎましょう。
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