1.まずはミニチュアピンシャーの性格を理解する
2-1.ミニチュアピンシャーのしつけは難しいの?
2-2.◆賢いミニチュアピンシャーはリーダーを見極める
2-3.◆主従関係が大事って言われるけれど…
3.ミニチュアピンシャー問題行動とは?
3-1.◆吠え癖に悩んだら…?
3-2.◆噛み癖に悩んだら…?
4.しつけのポイント、コツ、注意点
4-1.◆その1.ミニチュアピンシャーのリーダーになろう
4-2.◆その2.叩くなどの体罰はよくない
4-3.◆その3.家族みんなでしつけに向き合おう
4-4.◆その4.リーダーウォークをマスターしよう
4-5.◆その5.「叱る」はリアルタイムで
4-6.◆その6.褒めるときは、オーバーに
まずはミニチュアピンシャーの性格を理解する
ミニチュアピンシャーの体は小さいですが、見た目はドーベルマンに似ていて凛々しい顔立ち。
カッコよさも兼ね備えている犬種で、小さな体でも気が強くて勇敢です。
大きな相手にもひるむことはなく、見た目の強そうな相手にも向かっていくことができます。
また、小さい体だからこそ、「弱いと思われたくない」「負けると怖い」という神経質なところもあります。
そんなナイーブなところを悟られたくないからこそ、ワンワン吠えたり、相手に噛みついたりという行動が起こることも。
ただ、勇敢で強気な性格の裏側には、家族に対しての「愛」があります。
飼い主さんへの忠実性も高めで、愛玩犬として家族の大事な一員となってくれるでしょう。
ミニチュアピンシャーのしつけは難しいの?
ミニチュアピンシャーは元気で活発で、家族への愛が深い素敵なワンちゃんです。
ただ、しつけは難しいと言われることがあります。
いったいどうしてなのでしょう?
◆賢いミニチュアピンシャーはリーダーを見極める
ミニチュアピンシャーは賢い犬種です。
その知能を活かして、海外では、使役犬や番犬的に用いられているケースもあるようです。
賢いワンちゃんは、基本的にしつけやすい傾向にあるかと思います。
しかし、ミニチュアピンシャーは勇敢で物怖じしないところがあって、プライドも高めです。
そのため、相手を見極めるところがあります。
「賢いなら、しつけは簡単だろう」「すぐに覚えてくれるはず」とミニチュアピンシャーの能力を過信する飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、ミニチュアピンシャーは「頭が良い」からこそ、逆にしつけが難しくなることもあるようです。
ミニチュアピンシャーが思う飼い主さん像は、それぞれ異なります。
飼い主さんとの関係性によっては「自分が一番偉いのだけど?」と勘違いしてしまっているミニチュアピンシャーもいるかもしれません。
そんなときには、飼い主さんが何かを言っても、言うことを聞いてくれないこともあるでしょう。
ミニチュアピンシャーは忠誠心が高いので、「主」に対しては逆らわないようなところがあります。
大好きな飼い主さんからの指示は守りたい気持ちになるものです。
しかし、飼い主さんのしつけに対する態度が曖昧だったり、普段まったくコミュニケーションを取れていない状態だったりすると、関係性は良いとは言えません。
ミニチュアピンシャーにとってのリーダーになれなければ、しつけが十分にできないこともあるでしょう。
そういった理由から、「しつけは難しい」と言われることもあります。
◆主従関係が大事って言われるけれど…
しつけには、「主従関係が大事」と耳にしたことがある人も多いかと思います。
“主従関係”と聞くと、「力で従わせるの?」「きつくあたるのはかわいそう…」と犬を支配するようなイメージを持つかもしれません。
しかし、主従関係とは、犬を力づくで支配することは違います。
集団で生きていた犬にとって、自分だけの独断で単独行動することはあまり得意ではありません。
誰か頼りになるリーダーに引っ張っていって欲しいのです。
しかも、人間社会のルールはよく分からないので、ミニチュアピンシャー的にはリーダーとなる人の存在が必要です。
犬が安全に安心して生きられるように指示で誘導してあげるのが「しつけ」です。
犬が「この人の指示に従えば安心だ」と思えるようなリーダーになるのが、信頼関係と言えるでしょう。
ミニチュアピンシャー問題行動とは?
ミニチュアピンシャーは、狩猟犬であった過去から、勇敢で警戒心があります。
自分の縄張りを守ろうと、何かに立ち向かうところはよく見られるでしょう。
しかし、何にでも反応していくうちに、それが問題行動になることも。
問題行動になる前に、しつけで直してあげることが大事です。
◆吠え癖に悩んだら…?
ミニチュアピンシャーは番犬的な役割もできる有能なワンちゃんです。
そのため、ちょっとしたことで反応してしまうところがあります。
「家のチャイムが鳴るたびに吠える」「外の自動車が通るときに吠える」「散歩で知らない人を見ると吠える」と、日常的に吠えることもあるでしょう。
しかし、吠えてばかりでは迷惑になってしまいますよね。
ミニチュアピンシャーが何かに対して吠えるのは、という意味があります。
なかには、別の意味で吠えていることがあるかもしれませんが、知らない人や動物に対して吠えている場合には、吠えないようにしつけていくことが大事です。
吠え癖には、「吠えても意味がないこと」を教えていくのがいいでしょう。
ミニチュアピンシャーが吠えたときに、「だめ」と低い声で一喝するという方法があります。
飼い主さんの指示で吠えるのを止めたら、褒めてあげることが大事です。
「ミニチュアピンシャーが吠える⇒止める⇒飼い主さんが褒める⇒ミニチュアピンシャーが喜ぶ」という流れで、吠えるのは無駄なこと、でも吠えなければ飼い主さんが喜ぶということを学習させていきます。
また、ミニチュアピンシャーは珍しいものや敵だと思うと反応するので、子犬の頃からいろいろなものに慣れさせておくようにしましょう。
◆噛み癖に悩んだら…?
ミニチュアピンシャーは、さまざまな理由から「噛む」こともあります。
子犬の頃の場合、興味あるものに対して確認の意味で噛むことが多いでしょう。
飼い主さんが遊んでくれるときの「手」を、おもちゃ感覚で噛んだりもします。
乳歯から永久歯への生え変わりのときに、ムズムズした痒みから何かを噛むこともあるかもしれません。
甘噛みの場合、噛む力は弱めで、噛まれた飼い主さんもあまり痛くないでしょう。
それどころか「甘えてくれる様子が可愛い」とさえ思ってしまいますよね。
でも、甘噛みが常態化して成犬になると、噛まれた人がケガをするかもしれない「噛み癖」になる恐れがあります。
子犬の頃に、しっかりしつけることが大事です。
吠えるときの対策と同様に、噛まれたら「イタイ!」「だめ!」と一喝し、噛むことはいけないことと覚えさせます。
噛むのを止めたら「褒める」で、叱った後にはご褒美を忘れないようにしましょう。
しつけのポイント、コツ、注意点
ミニチュアピンシャーは賢い犬種ですが、やみくもにしつけていっても難しいだけです。
ミニチュアピンシャーの気持ちを理解しつつ、コツや注意点をおさえておきましょう。
◆その1.ミニチュアピンシャーのリーダーになろう
ミニチュアピンシャーは、自分にとってのリーダーに対しては忠実な気持ちを抱くワンちゃんです。
賢いミニチュアピンシャーは、相手の行動を見極めています。
すでに述べたように、力だけで支配するのは真のリーダーとは認めてもらえません。
ミニチュアピンシャーのやりたい放題を容認していると「自分の方が上」と勘違いされてしまうでしょう。
「だめなことは注意して教える」「良いことをしたら褒めてあげる」というメリハリをつけて接することを心掛け、ミニチュアピンシャーの親代わりとして愛情を注ぐことが大事です。
◆その2.叩くなどの体罰はよくない
人間と違い、
叩かれると「だめなことをやってしまったから」という感情よりも先に、怖いから自分を守らなきゃという本能が働き恐怖心が生まれます。
もともと信頼関係が築けていない状態のときに体罰を行うと、不信感から逆に狂暴になる可能性もあります。
そして、それが頻繁になるとストレスが溜まり、無駄吠えや噛み癖など、問題行動が増えてしまいます。
ミニチュアピンシャーはナイーブなところがあるので、飼い主さんの体罰をきっかけに、攻撃的になることもあるので注意しましょう。
◆その3.家族みんなでしつけに向き合おう
ミニチュアピンシャーは賢いので、根気よく教えるといろいろ覚えてくれます。
ただ、家族のなかでミニチュアピンシャーに対する態度がバラバラだと、頭のなかが「???」でいっぱいになります。
家族間でミニチュアピンシャーの飼育に関するルールを統一させた方がいいでしょう。
特に、しつけで用いる指示語は家族みんなで同じ言葉を使いたいところです。
指示に用いる「コマンド」は、
・座らせるとき=おすわり、シット
・呼ぶとき=おいで、こい
・褒めるとき=グッド、おりこうさん、ナイス
・動作を待たせるとき=まて、ステイ
など、英語も交えるとさまざまあります。
犬が混乱しないように、コマンドは話し合っておくといいですね。
◆その4.リーダーウォークをマスターしよう
ミニチュアピンシャーは好奇心旺盛なので、散歩に出るとあちこち動き回りたがるでしょう。
自分の興味のあるものを発見すると、いきなりのダッシュもあり得ます。
体が小さいとは言え、いきなり走ろうとするとリードが外れてしまうかもしれません。
「事故に巻き込まれる」「人や子供に飛びつき迷惑をかける」というリスクもあるでしょう。
外では、飼い主さんの横を並んで歩く「リーダーウォーク」をマスターすることが大事です。
言葉どおり、リーダーとなる飼い主さんの横を散歩させる散歩です。
飼い主さんが主導権を握って歩くスタイルを習慣にしましょう。
◆その5.「叱る」はリアルタイムで
吠えるとき、噛むとき、イタズラしたとき、散歩中にダッシュしようとするときなど、ミニチュアピンシャーの行動をコントロールしなければならないことがあります。
体罰はNGですが、言葉で「だめなこと」を伝えて叱ることは大事です。
ただ、タイミングを間違わないようにしましょう。
時間差で叱っても、ミニチュアピンシャーにとっては意味が分かりません。
「これをしたから叱られている」とミニチュアピンシャーが連動づけてくれるように、叱るときはリアルタイムにしましょう。
◆その6.褒めるときは、オーバーに
ミニチュアピンシャーは甘えん坊なところがあるので、褒められると飼い主さんにさらに甘えてくるでしょう。
「褒めて伸ばす」という言葉どおり、褒めることで愛犬も飼い主さんもどちらも気持ちが豊かになります。
自分のやったことによって飼い主さんが喜んでくれたことが分かると、頭の良いミニチュアピンシャーはさらに学習効果がアップするかと思います。
ただ、褒めるときには、いくつかのコツがあります。
単に褒めただけでは効果がないことも。
犬が「自分は褒められているのだ」と実感できるように、
・おやつと一緒に褒める
・撫でながら褒める
・高めの声で褒めてあげる
・良いことをしたタイミングで褒める
など、愛犬にとって分かりやすい褒め方をしましょう。
まとめ
ミニチュアピンシャーは、活動的で好奇心旺盛なワンちゃんです。
狩猟本能から、吠えたり噛んだりなども起こりやすいかもしれません。
放置すると問題行動になるので、早めのしつけが重要です。
本来、飼い主さんに忠実なワンちゃんなので正しくしつけてあげると、物覚えもいいでしょう。
ただ、神経質なところがあり、信頼関係が確立しないまま、きつくあたると反抗的になることもあります。
家族みんなで、ミニチュアピンシャーのしつけに取り組み、素敵な生活を送ってくださいね。
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