1.ラブラドールレトリバーの特徴
2.ラブラドールレトリバーは肥満になりやすい
2-1.もし肥満になってしまったら…
3.ラブラドールレトリバーが肥満にならないためのエサ選び
3-1.高タンパク質で低脂肪のエサを選ぼう!
3-2.血糖値を上げにくい食品が含まれているエサを選ぼう!
3-3.体脂肪になりにくい油が使われているエサを選ぼう!
4.ラブラドールレトリバーが病気にならないためのエサ選び
4-1.皮膚炎に注意!
9.適正体重の管理は食事制限で!
9-1.ダイエットフードをあげよう!
9-2.毎日散歩に連れて行こう!
10.体重管理をしっかりしよう!
10-1.ラブラドールレトリバーの体重の測り方
10-2.犬の体重を測るときに気を付けたいポイント
ラブラドールレトリバーの特徴
本題に入る前に、ラブラドールレトリバーの特徴を抑えておきましょう。
ラブラドールレトリバーは大型犬で短毛の犬種です。
アメリカで非常に人気があり、その理由としてラブラドールレトリバーの性格があげられます。ラブラドールレトリバーは人なつっこい性格で、家族向けに適しています。
また、知能が高いのも人気の理由のひとつです。
その知能の高さから、盲導犬として活躍しているラブラドールレトリバーも多いです。
しかし、おとなしそうなイメージとは裏腹に、もともと漁師のパートナーとして水中の回収犬をしていた犬種でもあるので、水が好きで自分から飛び込むことも多いです。
ラブラドールレトリバーは肥満になりやすい
ラブラドールレトリバーが肥満になりやすいのはなぜでしょうか?
それは、ラブラドールレトリバーが水中犬だったからです。
冷たい水の中に入っても体温を維持できるように体脂肪が豊富な身体の造りになっており、高い体脂肪率を維持するためにはたくさん食べなければなりませんでした。
食欲旺盛なラブラドールレトリバーの食欲は現在でも変わらないため、水中犬として活躍していたときと同レベルの運動量がないと太ってしまいます。
しかし、現在の家庭犬として扱われているラブラドールレトリバーは、日常生活で狩りをするほどの運動量を確保することはなかなか難しいと思います。冷たい水の中に飛び込み狩りをすることもないので、カロリーだけ多量に摂取してしまい肥満になる傾向が高くなってしまうのです。
◆もし肥満になってしまったら…
もしラブラドールレトリバーが肥満になってしまったら、どうなるのでしょうか?
人間と同様、犬も肥満になると、病気にかかりやすくなります。
脂肪が関節や臓器などを圧迫してしまうと関節や呼吸器、肝臓がダメージを受けたり、免疫力が低下してしまいます。
それにより、「皮膚病」「膵炎」「心臓病」「糖尿病」などの病気にかかりやすくなってしまうのです。
ラブラドールレトリバーが肥満にならないためのエサ選び
肥満になると病気にかかるリスクが高くなるため、ラブラドールレトリバーのエサ選びは非常に重要です。
ここでは、ラブラドールレトリバーのエサ選びのポイントを紹介します。
◆高タンパク質で低脂肪のエサを選ぼう!
まずは、高タンパク質で低脂肪の食事を心がけましょう。
できれば主原料に低脂肪のお肉や魚を使っているエサが好ましいです。
タンパク質が不足すると、筋力の低下、それに伴う代謝の低下も懸念されるからです。エネルギーを多く消費できなくなる体質になってしまい、肥満になりやすくなります。
余分なエネルギーが脂肪に変わらないように、タンパク質はちゃんと摂るようにしましょう。
◆血糖値を上げにくい食品が含まれているエサを選ぼう!
糖質を多く含む炭水化物の摂りすぎはラブラドールレトリバーの肥満を加速させ、糖尿病のリスクを高めます。
糖質をとりすぎると血糖値が上がり、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
このインスリンには、血中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きがあります。
血糖値が急激に上昇するとインスリンが過剰に分泌されるので、体に脂肪をためこみやすくなってしまうのです。
このような事態を回避するためにも、炭水化物ばかり食べさせるのではなく、タンパク質などをバランスよく含んだエサを選んであげましょう。
◆体脂肪になりにくい油が使われているエサを選ぼう!
油の摂りすぎはよくありませんが、種類をちゃんと選べば肥満気味のラブラドールレトリバーでも摂取してもよい油があります。
たとえば、血液中の中性脂肪の増加を抑えやすいオメガ3脂肪酸を多く含む魚油や亜麻仁油(不飽和脂肪酸)です。
原材料に動物性脂肪(または動物性油脂)、牛脂、豚脂、鶏脂などが含まれているものではなく、魚の油や亜麻仁油が使われているエサを選ぶようにしましょう。
ラブラドールレトリバーが病気にならないためのエサ選び
次に、ラブラドールレトリバーが病気にならないためのエサの選び方を紹介していきます。
◆皮膚炎に注意!
皮膚炎になりやすいラブラドールレトリバーには、アレルギー源である小麦やトウモロコシは使用しないグレインフリーのフードを選ぶようにしましょう。
ラブラドールレトリバーは皮膚炎にかかりやすい犬種だからです。
皮膚のトラブルが起きやすく、特に急性湿性皮膚炎や外耳炎など耳のトラブルに悩まされることが多々あります。たれ耳で、耳の中が多湿になりやすく細菌やマラセチアが繁殖しやすい環境も理由です。
また、外耳炎による耳の掻き過ぎで耳介の中で出血を起こし、耳血腫になってしまうこともあります。
そのため、アレルギー源である小麦やトウモロコシは使用しないグレインフリーのフードを選びましょう。
もしアレルギーを発症してしまった場合、複数種のタンパク質を使用したフードだと何に対してアレルギーを起こしているのかが分かりにくくなってしまうので、単一タンパク質のフードを選ぶとなお良いでしょう。
ラブラドールレトリバーの適正体重と与えるエサの量の目安
次に、ラブラドールレトリバーの適正体重とエサの量の目安を、年代ごとに紹介します。
◎1か月
オス→4.2kg
メス→3.3kg
◎2か月
オス→9.0kg
メス→7.5kg
◎3か月
オス→14.2kg
メス→12.1kg
◎4か月
オス→19.0kg
メス→16.4kg
生後3週間ごろから2~3か月にかけては、離乳食を与えるようにしましょう。離乳食は、食べたいだけ食べさせるようにしてください。ただし、下痢などをした場合は注意が必要です。
また、様子を見て、4か月頃から徐々にドッグフードを与えていきましょう。
平均食事回数:離乳食の場合→食べたい分だけ与える
ドッグフードの場合→1日3回
◎5か月
オス→22.9kg
メス→20.0kg
◎6か月
オス→26.1kg
メス→22.7kg
生後5~6か月の子犬期は育ちざかりです。食事は、成犬の約2倍のカロリーと、多くのタンパク質、カルシウムが必要になります。
生後1年までは成長ホルモンの影響により身体の形成が行われる大事な時期ですので、おやつは与えずに栄養を吸収できるフードのみ与えるようにしてください。
胃腸がまだ未発達なので消化吸収の良いドッグフードを選ぶようにしましょう。
平均食事回数:1日3回
◎7か月
オス→28.4kg
メス→24.7kg
◎8か月
オス→30.1kg
メス→26.1kg
◎9か月
オス→31.5kg
メス→27.1kg
◎10か月
オス→32.7kg
メス→27.9kg
6~10か月の子犬期は、育ちざかりではありますが、いずれ来る成犬期のためにエサをあげる回数は減らしていくようにしましょう。
ですが、タンパク質・カルシウムは必要なので、量はたくさん与えるようにしましょう。
平均食事回数:2回(回数は少なくとも、量は5~6か月の頃よりも多く与えてください。)
◎11か月
オス→33.7kg
メス→28.6kg
◎12か月
オス→34.5kg
メス→29.1kg
10ヶ月~7歳の成犬期は、健康で丈夫な身体を維持するためにも、栄養バランスが整っていて動物性タンパク質がしっかりと摂取できるエサがおススメです。
肥満にならないためにエサを与えすぎないようにしましょう。
平均食事回数:2回
老犬期になると
食べむらが出て来たり、エサをまったく食べられない子が出てきます。
少量で十分な栄養が採れる高タンパク・バランスの良いエサを選びましょう。
運動量が落ち筋力も低下してくるので、肥満気味になってきたら低カロリーのエサに
しましょう。
さらに、消化能力も低下するので、身体に負担の少ない無添加フードを選ぶことも大事です。
腎臓の機能も弱ってくるので、塩分の摂りすぎには注意しましょう。
平均食事回数:2回(または、少量を数回)
1日に必要なカロリー計算方法
適正体重もエサをあげる回数もあくまで目安であり、ラブラドールレトリバーによって違います。ここで、1日に必要なカロリーを計算してみましょう。
【1日あたり摂取カロリー目安 計算方法】
(体重×体重×体重×√×√×70)×指数=摂取カロリー(kcl)/日
※電卓に付いている「√」マークを2回押すことで計算できます。
スマートフォンでは、機種を横にして電卓を使うことで√機能が使えるものもあります。
指数に入る数
・~生後4ヶ月:3
・生後4ヶ月~1歳:2
・成犬・避妊去勢済み:1.6
・成犬・避妊去勢なし:1.8
・7歳以上のシニア犬・避妊去勢済み:1.2
・7歳以上のシニア犬・避妊去勢なし:1.4
たとえば、生後8か月で適正体重が30kgのラブラドールレトリバーの場合、
(30×30×30×√×√×70)×2=1,792kcl
が1日に必要な摂取カロリーになります。
このように、上記の計算方法で1日に必要なカロリーがどれくらいか出すことができます。
また、どうしても不安な場合は、獣医さんに適切なエサの量を相談するようにしましょう。
適正体重を保つために
ラブラドールレトリバーが適正体重を保つために、飼い主ができることはなんでしょうか。人間と同じように運動すれば大丈夫、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、犬は運動で適正体重を維持することは難しいのです。
適正体重の管理は食事制限で!
ラブラドールレトリバーの適正体重は、食事制限をすることで維持しましょう。
ラブラドールレトリバーはもともと運動量の多い水中犬。
水中犬だったときと同じくらいの運動量となると、相当運動させなければなりません。
そのため、ラブラドールレトリバーが運動のみで適正体重を維持することは難しいので、
食事制限する方法が良いでしょう。
◆ダイエットフードをあげよう!
食事制限のために、ダイエットフードをあげるという方法があります。
犬のダイエットフードには「減量用」と「体重維持用」の2つがあり、用途によってどちらか選ぶようにしましょう。
減量用
・医師から「肥満」と診断された。
・適正体重まで体重を戻したい。
体重維持用
・適正体重だが、日々の運動量が少ない。
・日々食欲が旺盛。
・子犬の頃(生後6ヶ月頃まで)に太り気味の時期があった。
・避妊去勢手術をした。
今回の、適正体重を維持したい場合は、②の体重維持用のダイエットフードを与えましょう。
◆毎日散歩に連れて行こう!
いくら運動で適正体重を維持することが難しいといっても、適度に運動させることは必要です。
ラブラドールレトリバーは運動が大好きなので、積極的に散歩に連れて行ってあげましょう。
1日の散歩の回数は朝夕の2回、1回につき1時間程度の散歩が望ましいです。
体重管理をしっかりしよう!
適正体重を保つためには、食事制限と適度な運動が大事ですが、ちょっとの変化でも見逃さないように定期的に体重をチェックすることが大事です。
◆ラブラドールレトリバーの体重の測り方
ラブラドールレトリバーに体重計に乗ってもらう
そのままラブラドールレトリバーに体重計に乗ってもらい、「マテ」で静止してもらっている間に体重を測りましょう。
動物病院で測ってもらう
正確な数字が知りたい場合は、動物病院で測ってもらうのが良いでしょう。
◆犬の体重を測るときに気を付けたいポイント
①少なくとも月に一度は体重を測ること
できれば毎日体重チェックするのが望ましいですが、ラブラドールレトリバーは大型犬なので体重を測るのも一苦労だと思います。
ですが、あまり体重を測らないのも体調の変化を見逃してしまう危険に繋がります。
少なくとも月に一度は体重を測るようにしましょう。
②同じ時間帯に計測すること
人間でも、トイレに行く前と後、ご飯を食べる前と後だと体重が変わりますよね。犬もそれと同じです。
できれば朝起きて、排泄を済ませた後に体重を測るのが望ましいです。
③10グラム単位まで測れる体重計を使うこと
体が軽い子犬のうちは、100g単位だと体重の増減がわかりづらいので、できれば10g単位まで測れる体重計を使って測ってあげるようにしましょう。
④必ず静止して測ること
測定中に動いてしまうと正確な数字が分かりません。
普段から「マテ」の指示を覚えてもらうようなしつけを心がけましょう。
まとめ
ラブラドールレトリバーは肥満になりやすい他、皮膚炎や関節トラブルにもかかりやすいためエサ選びは慎重に行う必要があります。
エサ選びの際には、高タンパク質で低脂肪のエサ、血糖値を上げにくい食品が含まれているエサ、体脂肪になりにくい油が使われているエサを選ぶようにしましょう。
また、ラブラドールレトリバーの適正体重を保つためにも、飼い主さんが体重管理をしてあげることが大事です。
適度な食事制限と運動をさせ、ラブラドールレトリバーの健康を守ってあげましょう!
定期的な体重チェックも忘れずに!
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