1.犬が毛布を噛む理由
1-1.ストレス
1-2.遊んでいる
1-3.構ってほしい
1-4.運動不足
1-5.遺伝的要因
3.犬が毛布を噛むのをやめさせる方法
3-1.毛布を噛む原因を突き止める
3-2.噛み癖自体を治す
3-3.お散歩を増やす
3-4.一緒に過ごす時間を増やす
3-5.毛布の素材を変える
3-6.毛布やタオルを置かない
3-7.動物病院を受診する
犬が毛布を噛む理由
まずは、毛布を噛む理由を把握しておきましょう。
◆ストレス
第一に考えられる理由は、ストレスが溜まっていることです。
特に、飼い主さんと離れることで不安になる「分離不安」が要因となっています。
飼い主さんに長時間放置されたり、一緒にいる時間が少なかったりすると、毛布を噛むなどの「問題行動」を起こし、ひどくなると「分離不安症」と診断されることもあります。
◆遊んでいる
単純に、毛布をおもちゃにして遊んでいる場合もあります。
毛布を噛むことが、ただ楽しくてしょうがないという状態です。
子犬の頃に多く、大人になるにつれて自然におさまることも多いです。
◆構ってほしい
飼い主さんの気を引いて、遊んだり構ったりしてほしいという気持ちを表現していることもあります。
毛布を噛んだ時に飼い主さんが慌てて取り上げたり、叱ったりというリアクションをすることで、犬は構ってもらえたと感じます。
犬は、構ってもらえたことを覚えているので、構ってほしい時に毛布を噛むようになります。
◆運動不足
お散歩や遊びが少ないために、運動不足になっている可能性があります。
運動不足は、ストレスに繋がるので、なおさら毛布を噛む行為を続けてしまいます。
◆遺伝的要因
遺伝的な要因があるとも、言われています。
毛布を噛む「ブランケットサッキング」を起こしやすい犬種の1位は、意外なことにドーベルマン・ピンシャーです。
ワイマラナーやダックスフントも、ブランケットサッキングを起こしやすい犬種と言われています。
ブランケットサッキングは心の病気なのか
犬が繰り返し毛布を噛むことを、「ブランケットサッキング」「ウールサッキング」と呼びます。
毛布を噛んだり、吸ったり、前足でもみもみしたりする行為は、犬の「心の病気」と言われています。
人間の「強迫性障害」と同じような病気で、「常同障害」の一つです。
ウールサッキングは、母乳を吸う本能的な行動に基づいていて、自分の脇腹を吸っていることもあります。
強迫性障害は同じ行動を繰り返し行う病的な状態で、何かの強迫観念があり、不安になって、同じ行動をとることで落ち着きます。
逆に、その行動を取らないと不安になり、また同じ行動を繰り返すという、悪循環に陥ってしまいます。
ブランケットサッキングを含む強迫性障害は、原因を調べて取り除く治療が必要です。
犬が毛布を噛むのをやめさせる方法
◆毛布を噛む原因を突き止める
愛犬が毛布を噛む理由によってやめさせる方法が異なってくるので、まずは、原因を突き止めましょう。
愛犬との生活を思い返して、ストレスが溜まっていないか、遊びや散歩が十分かなどをチェックしてみてください。
◆噛み癖自体を治す
毛布などを噛むこと自体を楽しんでいる場合は、噛み癖になっていると考えられます。
噛み癖自体を治すためには、噛んではいけないものを噛んでいる時に、叱って取り上げます。
この時、噛んでもよいおもちゃを与えて、噛んではいけないものと交換する形にするとよいでしょう。
叱る時には、噛んでいるその時その場で叱りましょう。
噛んだ毛布を見つけたから後になってから叱っても、犬にはなぜ叱られたかが分かりません。
愛犬との信頼関係を損なう可能性もありますので、気をつけましょう。
◆お散歩を増やす
毛布を噛む原因が運動不足の場合には、お散歩を増やすとよいでしょう。
毎日でなくても構わないので、たっぷり時間をかけたお散歩を取り入れましょう。
また、犬はニオイで情報収集をしています。
たっぷりとニオイ嗅ぎをさせてあげることで、お散歩が充実します。
他の犬や動物の排せつ物は避け、誤飲しそうなものには近づけないよう注意してください。
また、愛犬がニオイ嗅ぎをしたいままにぐいぐいと引っ張るのに任せるのはよくありません。
ニオイ嗅ぎをしたがる様子を見せた時、何回に1回嗅がせてあげるかなど、最低限のルールを決めておきましょう。
いつものお散歩コースとは違うコースを歩くのもおすすめです。
新しい環境で、愛犬の探索欲求を満たしてあげましょう。
◆一緒に過ごす時間を増やす
飼い主さんに構ってほしくて毛布を噛んでいるようなら、一緒に過ごす時間を増やしてあげましょう。
ちょっとした時間を見つけて、愛犬とスキンシップをしたり、遊んであげたりしてみてください。
ただし、構ってほしくて噛んでいる時にいつも相手をしてあげていると、毛布を噛むと構ってもらえると覚えてしまい、逆に噛むことが増えることがあります。
構ってあげることより、愛犬の注意を毛布からそらすことを意識しましょう。
大きな音を立てたり、独り言を言ってみたりすることでも、犬の意識を毛布からそらすことができます。
◆毛布の素材を変える
犬にもよりますが、フリース素材の毛布に替えたり、シャカシャカした感触のナイロン製の寝袋などに替えると、噛んだりかじったりするのをやめる場合があります。
噛みちぎることができないような丈夫な素材を選ぶのも、1つの選択肢です。
◆毛布やタオルを置かない
どうしても毛布を噛むことをやめない場合や、ちぎれた切れ端を飲み込んでしまう子の場合には、犬の届く範囲に毛布やタオルを置かないようにしましょう。
まず、毛布などを置かず噛むことを防いだうえで、遊んであげたり散歩の時間を増やしたりといった対処をしてあげてみてください。
◆動物病院を受診する
ブランケットサッキングは、犬の心の病気の一つであることを認識しておきましょう。
毛布を噛むことが治らない場合は、動物病院を受診して獣医師さんの指示を仰ぐとよいでしょう。
犬が毛布を噛む危険性
◆毛布を誤飲してしまう
ブランケットサッキングには、食べられないものを食べてしまう「異嗜症」を伴うことが多いです。
毛布を噛むだけでなく、噛みちぎった切れ端を誤飲してしまう恐れがあります。
誤飲すると、気管や食道で詰まって呼吸困難に陥ったり、腸で詰まって腸閉塞になったりする恐れがあります。
腸閉塞になると、初期は食欲不振や嘔吐などの症状を示します。
放置すると、腸の詰まった部分の血行不良から、壊死が生じ、激しい腹痛や嘔吐を起こします。
腸閉塞は、死に至ることもある恐ろしい病気です。
毛布などの布製品は、犬の腸閉塞を起こす異物の代表的なものなので、誤飲しないように注意しましょう。
それでも犬が布団に入ってくる
◆犬と一緒に寝てもいいのか
愛犬と一緒に寝ているという飼い主さんは、少なくないでしょう。
しかし、犬と一緒に寝ることにはリスクが伴います。
その一つが、ここまで述べてきたブランケットサッキングです。
犬用のものだけではなく、飼い主さんの毛布や布団を噛んでしまう子も少なくありません。
その場合には、上述のような対策を取り、毛布や布団を噛むことをやめさせましょう。
毛布などを噛むことをやめさせられないうちは、一緒に寝ないのも愛犬への愛情です。
一緒に寝るリスクとしては、飼い主さんが犬を圧迫して潰してしまう危険性も挙げられます。
特に小型犬は、命にかかわることもあるので要注意です。
また、ベッドの場合には高さがあるので、落下の危険性もあります。
一番注意したいのは、犬から人間にうつる「人畜共通感染症」(ズーノーシス)のリスクです。
代表的な感染症には、レプトスピラ症、エキノコックス症、パスツレラ症、狂犬病(現在日本では発症例はありません)などが挙げられます。
感染症のほか、原虫や回虫などの寄生虫症や、ノミ・ダニにも注意が必要です。
◆おすすめの犬用のベッド
犬が飼い主さんの布団に入ってこないように、犬用のベッドを見直してあげるのも一つの対処法です。
お気に入りのベッドを飼い主さんの布団やベッドの傍に置いてあげると、愛犬も安心して自分のベッドで寝るようになるでしょう。
ペットベッドスクエア
本体は弾力性のあるプラスチック製で、布製品を噛む子におすすめのベッドです。
スクエアな形状で、ケージにピッタリ収まります。
中のクッションは、ポリエステル製で表面がツルツルして爪が引っ掛かりにくく、ベッド本体に固定できます。
ホリホリしてクッションを破ってしまう子でも、傷がつきにくいという口コミもありました。
また、丸洗いができるので、清潔に使うことができます。
クッション単品での販売があり、傷んだ場合にも交換できるのも嬉しいポイントです。
カドラーベッド SSV Cuna
ゆったりくつろぐことができるスクエア形状で、顎を乗せてくつろげる縁がついているので、愛犬もきっと気に入るでしょう。
取り外し可能なクッションとコードを通す穴があるので、年間を通して使うことができます。
手洗い可能で、清潔に使えるのもおすすめポイントです。
まとめ
犬が毛布を噛む様子は子犬のようで可愛らしく見えますが、ブランケットサッキングと呼ばれる犬の心の病気の一種です。
単なる遊びとして噛む場合もありますが、原因がストレスや運動不足、飼い主さんに構ってほしい気持ちの表れなどの場合もあります。
毛布を噛むだけではなく、噛みちぎった切れ端を誤飲してしまうと、腸閉塞を起こして死に至る恐れもあるので、放置しないようにしましょう。
やめさせるには、しっかりお散歩をして運動不足を解消したり、スキンシップや遊びの時間を取りストレスを解消したりしてあげましょう。
原因が分からず、対処が難しい場合には、動物病院を受診して獣医師さんに相談してみるとよいでしょう。
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