1.犬にはなぜサークルが必要?
1-1.サークルとは
1-2.犬にサークルが必要な理由
2.サークル飼いのメリット
2-1.誤飲や事故を防ぐ
2-2.脱走防止
2-3.ストレスを軽減できる
5.犬が心地よく過ごせるサークルにしよう
5-1.ベッド
5-2.おもちゃ
5-3.トイレ
5-4.水飲み
5-5.必要に応じてサークルカバー
犬にはなぜサークルが必要?
犬を檻に閉じ込めているようで、サークル飼いに抵抗感がある飼い主さんは少なくありません。
一方で、ブリーダーやドッグトレーナーなどの「プロ」の方は、サークル飼いを推奨しています。
なぜ、プロはサークル飼いを勧めるのでしょうか?
◆サークルとは
サークルは、一般的に、何枚かの柵を組み合わせて四方を囲うもので、天井がないものを指します。
似たものとして、ケージがありますが、こちらは天井があるものです。
サークルには、一般的な柵を組み合わせたものの他に、布製のものや床付きのもの、トイレスペースが区切られているものなど、様々なタイプがあります。
◆犬にサークルが必要な理由
犬にサークルが必要な理由は、その特性や習性に基づいています。
犬は狭い場所を好む
犬は、祖先とされるオオカミの時代から、斜面に横穴を掘り、寝床にしていたと言われています。
これは、背後や上下、左右が囲まれた場所の方が、外敵から身を守ることができるからです。
そのため、犬は、現在も狭く囲まれた場所を好みます。
雷や苦手な来客から身を守ろうとして、机の下などに隠れる愛犬と暮らしている飼い主さんも少なくないでしょう。
サークルやケージは、犬にとって安心して休むことのできる「自分のスペース」となります。
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犬は縄張りを守る
犬は、自分の住む領域を「テリトリー(縄張り)」として守ろうとする習性も持っています。
これも、野生で暮らしていたころには、敵がテリトリーに入ってくることが安全な生活を脅かしていた名残でしょう。
室内で放し飼いにしている場合、テリトリーは室内全体になります。
犬は、広いテリトリーを守るために神経を張り巡らせることになり、結果、ストレスになることがあります。
サークル飼いをすれば、犬にとってのテリトリーはその中だけとなり、過剰に神経を張り巡らせる必要がなくなります。
犬は群れで生活する
犬は、もともと群れをつくって生活をしていました。
飼育されている犬は、自分を飼い主さんと作る群れの一員と考えています。
さらに、犬は強いリーダーに従い、守ってもらえることで安心感を得ます。
犬にとって飼い主さんが強いリーダーであれば、守ってもらえる安心感から、飼い主さんとの信頼関係を強めることができます。
サークル飼いをすることで、自分に安全な場所を与えてくれるリーダーとしての飼い主さんへの信頼感を高めることになります。
犬は綺麗好き
犬は、きれい好きな動物なので、寝床を含む生活空間の中で排泄することを嫌がります。
トイレトレーニングを終えた子には、トイレと生活空間を離すことで、ストレスを軽減してあげられます。
サークル内での長時間のお留守番の時以外は、サークルとトイレを分けて設置してあげると、ストレスを溜めることなく生活できるでしょう。
サークル飼いのメリット
犬の習性に基づくサークルの必要性の他にも、サークル飼いにはメリットがあります。
◆誤飲や事故を防ぐ
犬は、口に入れることで物を確かめる習性があります。
そのため、食べ物以外のものも口に入れてしまうことが少なくありません。
放し飼いでお留守番をさせた場合、思わぬものを口に入れ、誤飲してしまう危険があります。
また、コード類を齧って感電する事故や、物を落としてケガをする事故の可能性もあります。
サークルで犬の行動範囲を制限しておけば、誤飲や事故を防ぐことができ、安全が守られます。
📌【おすすめ記事】犬が誤飲しやすい物ランキング!身近に潜む誤飲の原因と症状、対処法
◆脱走防止
室内で放し飼いをしていると、脱走するリスクがあります。
雷や花火の音に驚いた犬が脱走してしまった例は、少なくありません。
特にお留守番中には、リスクが高まります。
ケージやサークルでお留守番をさせることで、そのリスクを軽減することができます。
◆ストレスを軽減できる
サークルやケージに慣れていれば、苦手な来客が来た時にも安心して過ごせます。
また、入院や、長期のお留守番でペットホテルに預ける場合、災害で同行避難をする場合には、犬はケージで過ごすことになります。
日頃からケージやサークルで過ごすことに慣れていれば、もしもの時のストレスを軽減することができます。
サークル飼いのデメリットはある?
サークル飼いのメリットを見てきましたが、デメリットはないのでしょうか?
サークル飼いをする上で最も大きなデメリットは、運動不足です。
十分な散歩や遊びで、運動不足を解消しましょう。
また、犬は、基本的にケージの中で飼ううさぎなどの小動物とは異なります。
ずっとサークルに閉じ込めておくことは、やはりストレスとなります。
サークルから出して自由にさせたり、たっぷりと遊んであげたりして、サークルに入れっぱなしにしないようにしましょう。
サークルの中で過ごす時間は1日何時間がベスト?
サークル飼いをする上で気になるのが、1日にどの程度の時間、サークルで過ごさせればいいかです。
これは、犬の性格や飼い主さんとの生活環境などにより個々に異なり、一概に「1日何時間」ということはできません。
例えば、仕事や学校で留守にする場合、およそ8~9時間のお留守番をすることになります。
この間サークルで過ごすとすれば、飼い主さんが帰宅してからもサークルに入れっぱなしにするとストレスに繋がるでしょう。
飼い主さんが家にいて目を離さずにいられる時間は、できるだけ長い時間、自由にさせてあげるという形が良いのではないでしょうか。
また、子犬の場合は、トイレトレーニングやしつけが済んでいないことや好奇心が旺盛であることから、サークルで過ごさせる方が安全と言えます。
長時間自由にさせるのではなく、短い時間で回数を増やして自由に過ごせる機会を増やしてあげるとよいでしょう。
犬が心地よく過ごせるサークルにしよう
サークル飼いの必要性とメリット・デメリットを知ったところで、犬にとって心地よいサークルの作り方をご紹介します。
◆ベッド
犬は、ふかふかしたところで寝ることを好みます。
また、猫ほどではありませんが、1日の多くをうとうとと寝て過ごします。
特にお留守番の時には、寝床で寝ていることが多いです。
そこで、サークルの中には、ふかふかのお気に入りのベッドを入れてあげましょう。
◆おもちゃ
限られた空間の中にいると、犬も退屈してしまいます。
気を紛らわすためにも、おもちゃを入れてあげるとよいでしょう。
この際、誤飲してしまう恐れのある大きさのものや、齧って壊してしまう可能性のあるものは入れないようにしましょう。
◆トイレ
長時間サークルの中で過ごさせる場合、トイレを中に設置してあげましょう。
基本的にトイレと生活空間が離れていることを好む犬ですが、長時間トイレを我慢することはストレスになりますし、膀胱炎などの病気に繋がるリスクもあります。
サークルは、トイレとベッドを十分離して置ける程度の広さを確保しましょう。
◆水飲み
犬には、新鮮な水をたっぷり与える必要があります。
特に夏場は、熱中症対策としても、十分な水が必要です。
サークルの中には、必ず水飲みを用意してあげましょう。
子犬など水飲みをひっくり返してしまう子や、サークルに十分な広さがない場合には、サークルに取りつけられる給水器を利用するとよいでしょう。
◆必要に応じてサークルカバー
犬にとって落ち着けるのは、囲まれた狭くて薄暗い場所です。
十分な広さのあるサークルの場合、逆に落ち着けないことがあります。
吠えるなど落ち着きのない様子が見られたら、布や毛布でサークル全体を覆うとよいでしょう。
視界が遮られることで、犬が落ち着くことができます。
特に子犬の場合、サークルの中にいることが寂しかったり退屈だったりして、鳴いたり吠えたりすることがあるので、サークルカバーを掛けてあげるとよいでしょう。
サークルの設置場所
サークルの設置場所にも気をつけましょう。
窓際や玄関付近などは、外の刺激が入りやすいので、犬も落ち着くことができません。
また、夏場は直射日光で暑くなりすぎ、冬場は外の冷気が入りやすく冷え込む点からも、窓際や玄関付近は避けましょう。
犬は群れで生活する動物なので、家族と一緒に過ごせるリビングなどがおすすめです。
人の動きの多い出入り口付近や、人の導線近くも落ち着くことができないので、部屋の角などがよいでしょう。
犬のサークル飼いまとめ
愛犬を檻の中に閉じ込めるようで、サークル飼いに抵抗感を持つ飼い主さんも少なくありません。
しかし、犬の習性から考えると、サークル飼いをすることは犬にとって安心感を与え、ストレスを軽減する側面があります。
特に、お留守番の時や家事などで飼い主さんが目を離す時には、サークルに入れることで誤飲や事故のリスクを軽減できます。
一方で、限られた空間にいることで運動不足になったりストレスの原因になったりするので、サークルにずっと入れたままにすることは止めましょう。
長時間サークルに入れた後は、たっぷりと褒めたり遊んだりして、しっかりと愛犬とのコミュニケーションを取りましょう。
快適に過ごせるよう、サークルの中には、ベッドやおもちゃ、トイレ、水のみを置きます。
快適な環境を整えてあげれば、愛犬にとってサークルが嫌なものになることはないでしょう。
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