特徴
マルプーはマルチーズとトイプードルを両親に持つミックス犬だと知っている方も多いと思いますが、これには一つ基準があり、両親ともに“純血種”であることが原則です。
したがって、両親のどちらかが純血種でない(血が混ざっている程度の)場合は“雑種”になってしまい、“ミックス犬”とは言えません。
◆見た目
マルプーはマルチーズとトイプードルが持ち合わせている、クリンとした丸い目が特徴的で、耳も両親の垂れ耳を受け継いでいて、マルプーも同様に垂れ耳です。
まさにマルチーズとトイプードルのいいとこ取りですね!
トイプードルに似ると首や足が長くなる傾向にあり、反対にマルチーズに似ると首や足が短くコロンとした見た目になるそうです。
マルプーは両親のどちらに似るかで見た目が変わります。
そのため、兄弟でも見た目が違って似ていないことが少なくありません。
◆大きさ
マルプーは小型犬に分類されています。
しかし、マルプーは公式な犬種として認定されておらず、標準体重・標準体高の基準がありません。
そのため、個体差が大きく体重等も個体によって違います。
-
【成犬の場合】
体高:20~35cm
体重:2~4kg
ほとんどの子が親犬同士の間の大きさになるとされています。
マルチーズとトイプードルがそこまで体の大きさに差がないためとても大きくなるということはありません。
◆性格
マルプーのようなミックス犬は性格をはっきりと断言する事が難しいと言われています。
マルチーズの朗らかな性格、トイプードルの甘えん坊で社交的な性格のどちらに似るかも飼育して成長していく中での楽しみといえます。
ミックス犬は“両親の性格”に近い性格になります。
そのため、遊ぶのが大好きな親なら遊び好きになるかもしれませんし、噛み癖のない親なら、あまり噛まない子に育つでしょう。
犬種、血統の性格ではなく、個体の性格を受け継ぎやすいということを頭に入れておきましょう!
両親のマルチーズとトイプードルが比較的賢くてお利口なので、マルプーはしつけがしやすい可能性が高いです。
しかし、マルチーズの気の強い部分を受け継いでいる場合は、辛抱強くしつけをしてあげましょう。
◆毛色ごとの性格
マルプーは毛色で性格が違うと言われています。
両親の性格が分からない場合は子犬の毛色を確認しましょう!
レッド、アプリコット系
マルチーズの気の強さや、トイプードルのヤンチャな性格を受け継いでいる可能性があり、しつけに注意が必要になる可能性があります。
ブラック系
トイプードルの色が強いので、比較的飼育しやすい可能性があります。
また、前述したようにミックス犬がこれらの特徴を受け継ぐという判断が難しいため、毛色は一つの目安程度で考えておくといいでしょう。
しっかりと子犬自身の性格をよく見て、向き合ってあげましょう!
◆被毛
マルプーはふわふわとした被毛が特徴的ですが、両親のシングルコートを受け継いでいるため、比較的抜け毛が少ないです。
ただ、アンダーコートがないシングルコートなので、寒さに弱いという特徴があります。
マルチーズの特徴を強く受け継いでいる場合は直毛になり、トイプードルの特徴を受け継いでいる場合はクルンとした巻き毛になります。
また、両親の特徴をバランスよく受け継いだ場合は、緩やかな巻き毛になることがあり、マルプーのほとんどがこの毛並みになるそうです。
中には、部分的に毛並みが違うといったこともあります。
マルプーに多い毛色は、白やクリーム色が多いですが、成長するにつれて毛色が変化していく個体もいます。
よく見られる色
・白
・クリーム色
・アプリコット
・褐色
・グレー
・シルバー
・パーティーカラー(2色の組み合わせ)
珍しい色
・ブラック
・青
・赤
・シルバーベージュ
街中で、丸い顔に大きなクリンとした瞳のプードルを見かけたら、それはマルプーかもしれませんね!
飼育方法
マルチーズの飼い主に従順な性格か、トイプードルの社交的な性格かでマルプーの飼育のしやすさは変わってきますが、どちらも賢い一面を持っているため、しつけをしっかり行えば飼育しやすいでしょう。
しかし、甘えん坊な部分を受け継いだ場合、マルプーだけを置いて外出することは難しいと言えます。
そのため、寂しい思いをさせない事が重要です。
どうしても、マルプーを置いて外出しなければいけないときは、犬好きの知り合いや、ペットホテルに預けるなどの工夫が必要です。
◆お手入れ方法
マルプーは毛が長い犬種なので、外で遊んだ際は汚れが目立ってしまいます。
特に、白やクリーム色などといった白っぽい毛色が多いので、定期的なシャンプーが必要です。
シャンプー
シャンプーが必要とは言え、そこまで神経質になる必要はありません。
頻度としては、トリミングの間に1回行う程度で大丈夫です。
よって、月に1回のトリミングであれば、シャンプーも月1回で問題ありません。
※シャンプーのしすぎは逆に皮膚によくないので注意が必要です!
可能であれば、飼い主さん自身でシャンプーをしてあげてもいいかもしれませんね!
犬とのスキンシップにもなり、成長や変化に気づけるようになると、愛犬のいる生活がより楽しくなるのではないでしょうか!
耳掃除
マルプーの耳は垂れ耳で通気性が悪く、立ち耳の犬と比べて外耳炎などの耳の病気になりやすいです。
耳を清潔に保つことで、耳の病気を予防することができる上に、ちょっとした異常にも気付くことができます。
病気は早期発見が何よりも大事なので、意識して耳掃除を行うようにしましょう!
犬の耳はとてもデリケートですので、犬用の道具を使用してください。
掃除しすぎると逆に炎症を起こす原因にもなるので、力を抑えめに優しく行うのが良いです。
歯磨き
人間と同じように、食事後の口腔ケアは必須です。
口腔ケアを怠ると、歯周病等の原因になってしまいます。
歯周病になってしまうと、口臭の悪化や歯がぐらつくなどの症状が現れ、気が付かずに放置してしまうと心不全等の重い病気に繋がってしまう可能性があるので、歯磨きは必ず行いましょう。
犬の歯垢は3~5日で歯石へと変わってしまいます。
歯石に変わってしまうと、歯磨きだけでは取り除くことが不可能になってしまいます。
毎日の歯垢除去が理想的ではありますが、難しい場合は最低でも週に3日は歯磨きをしてあげてください。
小さい犬種は、口が小さい分歯磨きが難しいので無理をせずに、少しずつ慣れさせてあげましょう。
無理に歯磨きをやってしまうと、信頼関係が壊れかねません。
信頼関係が壊れてしまうと、歯磨き以外の他の事にも言うことを聞かなくなってしまうので、注意が必要です!
また、ペットフードには「ウェットタイプ」「ドライタイプ」の2種類があり、ウェットタイプは歯垢が付きやすいです。
歯の健康や口腔内の環境を意識するのであれば、ドライタイプのペットフードがオススメです!
目の周り
毛が白い犬種は涙やけしやすい傾向にあり、マルプーは白い被毛の個体が多いので、目のお手入れに気を配る必要があります。
繊維の荒いティッシュペーパーやタオルを使うと目を傷つけてしまうので、綿棒やガーゼを使うと良いです!
目などのデリケートな部分をお手入れする際は、細心の注意を払って行いましょう。
また、元が赤茶色に変色することを涙やけ目といいます。
溢れでた涙を拭かないで置くと、雑菌が繁殖し毛が変色してしまいます。
目の洗浄には刺激が少なく、殺菌作用がある「ホウ酸水」がオススメです。
ホウ酸を水に溶かし、濃度2%以下に調整したものを使用してください。
水道水でも代用することができますが、塩素などが含まれているので、日常的に使用するのはオススメできません。
ホウ酸は薬局で安く手に入れることができます。
特別な理由がない限り水道水は避けましょう。
ホウ酸水を使用する際は、
①涙やけの部分やその周りに傷がないこと
②濃度が2%以下であること
これらを確認してから使用してください。
爪切り/足裏の毛のカット
爪が伸びすぎてしまうと、歩行が困難になり足をかばうことで体のバランスを悪くして、間接を痛めてしまう可能性があります。
また、曲がった爪が肉球に刺さってしまうこともあるので、定期的に切ってあげる必要があります。
爪の神経まで伸びてしまうと流血して痛がります。爪を切るのが不安な方は病院やトリミングサロンでお願いするのも手です。
また、足裏の毛が伸びすぎると、フローリングの床などで滑って関節や足を痛める可能性があるため、爪同様に定期的に足裏の毛のカットをしてあげてください。
また、室内飼いの場合、肉球が見えなくなるくらい毛が伸びることがあります。
爪ほど神経質にならずに、伸びてきたと感じたらバリカンなどでカットしてあげましょう。
ケガによって運動ができないことにストレスを抱えてしまうので、足のケアは怠らないようにしましょう!
◆かかりやすい病気
遺伝的疾患以外に、生まれた後の後天性のかかりやすい病気をご紹介します。
外耳炎
前述したように、マルプーは垂れ耳のため耳の換気がしにくく、蒸れやすい傾向にあります。
蒸れてしまうと真菌や細菌などが繁殖し外耳炎になってしまうリスクがあります。
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【症状】
・耳が赤くなる
・耳をかゆがる
・頭をよく振る
・耳の中からの悪臭
以上の症状が見られます。
外耳炎を予防するために耳掃除はこまめに、優しくおこなってあげてください。
流涙症
両親のマルチーズとトイプードルが流涙症になりやすいことから、マルプーも同様に流涙症になってしまう可能性があるので注意が必要です。
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【症状】
・涙が異常に目から流れ出す
【原因】
・目に刺激や痛みが生じることで発症
・涙の排出路が狭い。もしくは閉塞している
マルプーの被毛は伸び続ける性質があり、目の周辺の毛が伸びすぎると目の中に入ってしまい、刺激となって流涙症をおこすと考えられています。
被毛が目にかぶっていたらすぐにカットしてあげましょう。
皮膚疾患
マルプーの被毛はカールのかかった可愛らしい毛質が多いですが、その被毛が皮膚疾患を引き起こしてしまう可能性があります。
ブラッシング不足で毛が絡まった状態が続くと、通気性が悪くなり、皮膚疾患に繋がります。
ブラッシングは毎日して毛並みを整えるように心がけましょう。
ブラッシングしていても、被毛自体が汚れていると皮膚疾患を起こします。
月に最低1回は必ずシャンプーをしてあげて、清潔な状態を保ちましょう!
入手難易度
両親のマルチーズとトイプードルともに人気の犬種で、マルプーはミックス犬の中で人気があるため、ペットショップでよく見ますね!
ぜひ一度ペットショップに足を運んで、ご自身の目で見て、両親犬がともに健康であることを確認しましょう。
店員さんにも聞いてみてはいかがでしょうか!
◆平均相場
マルプーの平均相場は10万円~45万円となっています。
小さい子や特にかわいい子は50万円ほどの子もいて、相場の開きが大きいことが分かります。
相場の開きの要因は、珍しいカラーの子もいたり、人気による需要であったり様々です。
まとめ
マルプーは成長しないと性格が分からなかったり、育っていくうちに毛色が変わったりする可能性があるなど、とてもワクワクする犬種です。
運動は好きですが、散歩頻度は20分程度の気晴らし感覚で良いのに加えて、抜け毛も少なく、平均寿命も12~15年と長いので、初心者でも飼育しやすいでしょう!
また、飼い主を楽しませてくれる犬種であると言えます!
この機会にペットショップで一度会ってみてはいかがでしょうか?
思わず迎え入れたくなってしまうかもしれませんね!
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