紀州犬はどんな犬?特徴や性格などを紹介

2020.12.17

紀州犬はどんな犬?特徴や性格などを紹介

日本犬といえば柴犬や秋田犬を想像する方は多いかと思いますが、紀州犬という犬種を聞いたことがあるでしょうか? 現在日本犬は、柴犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、北海道犬、四国犬の6種類いますがその中の一つになります。 紀州犬は主に現在の三重県から和歌山県にかけての地域原産の日本犬であり、キリッとした表情とふわっとした尾が特徴の犬種です。 本記事では、紀州犬の特徴や性格、価格などを紹介します。 紀州犬に興味のある方や飼いたいと考えている方の参考になれば、幸いです。


紀州犬とは

紀州犬は冒頭でも紹介したように三重県から和歌山県にかけての地域が原産の日本犬になります。
柴犬に次いで飼育登録数が多い紀州犬は家庭犬にも向いており、人気の高い中型犬です。

紀州犬の歴史や体の特徴について紹介します。

◆紀州犬の歴史

紀州犬は1934年に甲斐犬や北海道犬とともに天然記念物に指定された犬種であり、現在の和歌山県周辺の紀伊の国でイノシシ狩りの際に猟師のサポートをする猟犬として重用されていました。

イノシシ猟で活躍していた紀州犬は、土着犬を品種固定したものであり、現在も家庭犬としての愛好家の多い犬種になります。

文化財保護法にもとづく国の天然記念物に指定されている紀州犬の産地である和歌山県では種の保存に力を入れており、極めて優秀な紀州犬に「優良紀州犬章」を与えて種の存続に力を入れています。
現在は猟犬としてよりも、家庭犬としての需要があり番犬としても有能なことから民家で愛され飼育されています。

◆紀州犬の特徴

紀州犬の最大の特徴は、すっきりとした鼻筋の通った顔に三角耳の凛とした顔つきです。
日本犬の特徴が顕著に現れている紀州犬ですが、尾は柴犬などに多い巻尾ではなく差尾なことが多い特徴があります。

硬い直毛のオーバーコートと柔らかい密集したアンダーコートのダブルコートの被毛を持つ紀州犬は寒さに強い犬種であり、厳しい山岳地帯を軽々と走れるスタミナを持ち合わせています。
そのため運動能力も大変高く、ボール遊びやドッグランなど運動が好きです。

そんな紀州犬の主な身体的特徴を紹介します。

①毛色

現在は白が多いですが、胡麻や虎毛なども紀州犬として認められた毛色になります。
白が多い理由として、うっそうとした山間部でもイノシシと間違えないために多いという説がありますが、現在では白が好まれるという点から白の飼育数が多いようです。

②大きさ

中型犬に分類される紀州犬は成長すると、15キロ〜23キロ前後になります。
体高は、50センチ前後です。

筋肉質な身体つきをしている紀州犬はオスの方が大きい傾向にあり、メスは俊敏な動きをする子が多いです。

③鳴き声

日本犬らしいよく通る声をしており、ワンワン!とはっきりと吠える個体が多い特徴があります。

イノシシ狩りの際にイノシシを吠えたてて誘導したり、漁師に居場所を伝えていた経緯から大きい声がよく響きます。
幼少期からきちんとしつけを行わないと無駄吠えなどの問題行動に発展する可能性もあるため、しっかりとしつけることが大切です。

④体臭

紀州犬自体、体臭はそこまで感じることがない犬種です。
しかし、ダブルコートは換毛期になると大量に抜けるため、被毛が換気できるようにブラッシングは必須になります。

ブラッシングを怠ると毛玉や皮膚炎の原因にもなり臭いが発生するため注意が必要です。
健康な犬であれば、月に一度はシャンプーをして被毛を清潔に保ってあげましょう。

被毛のブラッシングやケアを行っていれば、体臭はそこまで気にならないため室内飼いもしやすい犬種ですよ。

◆紀州犬の性格

紀州犬の性格は日本犬特有の警戒心の強さと縄張り意識の高さがありますが、飼い主やその家族に対しては愛情深く、従順に接します。

また、忠実な性格からしつけもしやすく一度信頼関係を築くことができれば心強いパートナーになります。
また、陽気で遊び好きな面もあり飼い主さんに甘えたがりな性格の子も多いので一緒にお出かけや旅行を楽しむことをも可能です。

一つ注意したいのは、紀州犬のみならず日本犬は上下関係をはっきりとさせることが大切であり、幼少期からのしつけは必須です。
しつけにより他人や他の犬に慣らしておけばある程度友好的に接することができるようになります。

一つ注意したいのは、紀州犬は縄張り意識が強く飼い主さんに対する独占欲もあるため多頭飼いにはあまり向かない犬種になります。
飼い主さんと一対一の関係に幸福を感じることが多いので、嫉妬や他の犬に対するストレスから犬同士の喧嘩に発展する危険もあります。

多頭飼いが可能かどうかはその子の性格に由来するところがあるため、不可能とはいえませんが慎重に見極めた方が良いでしょう。

◆紀州犬の魅力

紀州犬の最大の魅力は飼い主さんとその家族に一途に信頼を寄せて接する点です。
信頼関係を正しく築くことができれば、一生涯の頼れるパートナーになってくれますよ。

さらには、白いフワッとした被毛も触り心地がよく見た目にも日本犬らしさを残しながら、独特の可愛らしさがあります。
ペットOKの賃貸で飼育するのにもベストなサイズ感も魅力の一つになります。


紀州犬をお迎えする

紀州犬の特徴や歴史について紹介しましたが、実際にお迎えする際にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか?
紀州犬をお迎えするポイントについて紹介します。

◆紀州犬の価格相場

紀州犬は柴犬に続き飼育等数の多い犬種であるため、比較的ペットショップなどでも入手しやすい犬種になります。
紀州犬の血統などにより、値段は変わってきますが約10万〜14万前後で購入することが可能です。

コンテストの優秀経験があるなど血統の良い紀州犬は高額になることが多いようですね。

特にこだわりがない場合でも、直接紀州犬のブリーダーから購入することも可能です。

◆紀州犬を迎え入れる場所

紀州犬は専門のブリーダーからの購入がおすすめになります。
もちろん、最寄りのペットショップや日本犬専門のショップで購入しても問題はありません。

ポイントはしっかりと実績のある飼育環境可愛い整ったブリーダーやショップで購入することです。
口コミやお店のホームページなどがある場合には、事前に調べた上で購入を検討します。

ブリーダーから直接購入する場合には、親犬を見せてくれるブリーダーもいるためある程度の体の大きさや性格などを予測する役にたちます。

しかし、ブリーダーが遠かったり紀州犬の取り扱いがない場合には最寄りのペットショップにて紀州犬の取り扱いがあるかチェックしてみると良いでしょう。

◆快適な飼育環境を整える

紀州犬の飼育のためにはまずケージや快適な飼育環境を整えることが大切になります。
ケージはどこに設置するか、トイレの場所はどうするかなど家族で事前に話し合っておくことがポイントです。

屋外での飼育も紀州犬は丈夫なため、対応可能ですが室内飼育を基本に考えるようにします。

◆紀州犬の飼育に必要なもの

飼育に必要な主なグッズを紹介します。

    ・ケージ
    ・リード
    ・首輪
    ・エサ
    ・食器
    ・トイレ
    ・ブラシなどのケア用品
    ・おやつ
    ・おもちゃなど

紀州犬の飼い方 

紀州犬の基本的な飼い方について紹介します。

◆紀州犬の食事

最小の頃の食事は、購入元で与えていたものと同じものを与えるのがおすすめです。
餌を変更する場合には、徐々に新しいフードの比率を増やして変更するようにします。

年齢に合わせた総合栄養食のドライフードと新鮮なお水があれば栄養バランスは問題ないです。
適量おやつや野菜、果物を与えることによりドッグフードだけではまかないきれない栄養素をバランス良く摂取することができます。

◆紀州犬の散歩と運動

紀州犬は散歩が大好きですので、1日2回1時間前後の散歩が理想的です。
運動不足は体調不良の原因にもなるため、しっかりと運動させてあげる必要があります。

◆紀州犬との遊び方

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紀州犬はアクティブな犬種ですので、ボール遊びやロープの引っ張りっこなどを好みます。
おもちゃで一緒に遊ぶことはコミュニケーションにもなりますので、飼い主さんは時間を作って遊んであげましょう。

◆紀州犬の好きなこと

紀州犬は飼い主さんやその家族といっしょに過ごすことが大好きです。
できるだけいっしょに過ごし、絆を深めてあげることがポイントです。


紀州犬がかかりやすい病気

身体が丈夫な犬種である紀州犬は魅力的ですが、外耳炎などの耳の疾患や皮膚炎に注意が必要です。

皮膚と被毛の間に湿気がこもらないようにブラッシングをこまめにして被毛の換気に努めましょう。
また、脱毛や皮膚を痒がるなどの症状がある場合には動物病院にて早めに診察を受けましょう。

あわせて読みたい:【獣医師監修】犬の外耳炎とは?かかりやすい犬種は?症状・原因を知って予防しよう
【獣医師監修】犬の外耳炎とは?かかりやすい犬種は?症状・原因を知って予防しよう

犬の外耳炎は耳の穴から鼓膜までの間の管(外耳道)に炎症が起きることを指します。 外耳炎の症状は、痛み、痒み、耳垢の変化から始まり、悪化すると自律神経系の症状も出ます。 外耳炎を繰り返していると、耳血腫という耳の内出血も置きやすく、慢性化すると手術が必要になることもあります。 原因は細菌、真菌(カビ)、耳ダニ、外傷など様々で、治療法も原因に合わせ多種多様です。 感染率の高い外耳炎を避ける為には、毎日の健康チェックで外耳炎を未然に防ぐ事が大切です。 犬の外耳炎について、詳しく確認してみましょう。

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◆寿命

紀州犬の寿命はその子により前後しますが、13歳〜15歳前後と言われています。

子によっては、17年生きた子もいます。
他の犬種に比べても長生きの子が多い傾向にあります。

◆成犬になるまでの期間

成犬に成長するまでの期間は約一年です。
犬は一年で人間で言うと二十歳前後まで成長して、その後緩やかに年をとります。

◆特に注意が必要な病気

上記で紹介した病気の他に紀州犬は腫瘍や目の疾患にも注意したい犬種です。

下痢や嘔吐、食欲不振や元気消失など少しでも異常を感じた場合には、診察を受けることがおすすめです。


紀州犬のしつけ

紀州犬は忠実な性格であり、しつけはしやすい犬種ですが、警戒心が強く自我がしっかりとしているため毅然とした態度でしつけに取り組むことが大切になります。
ポイントとして、

・社会性を身に着ける 
・ほめて伸ばす 
・性格や特性を理解する 

これらのポイントを抑えてしつけを行うとスムーズにしつけを行うことが可能です。
特に他人や他の犬に対して警戒心の強さから攻撃してしまう危険もあるため、幼少期から社会性を身につけるしつけは重要です。


紀州犬のお手入れ方法

基本的な紀州犬のお手入れについて紹介します。
日々のお手入れの参考にしてくださいね。

◆ブラッシング

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できれば毎日ブラッシングしてあげましょう。
特に春先や秋口の換毛期は抜け毛が大量に抜けるため、毛玉防止のためにもこまめにブラッシングしてあげましょう。

◆シャンプー

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シャンプーは犬用のものを使用して月に一度のペースで洗うことが理想的です。
皮膚疾患などがある場合は、薬浴の必要も出てきますので獣医さんの指示に従いましょう。

◆耳掃除

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立ち耳である紀州犬は耳の周りの汚れを拭き取るだけでも効果があります。
しかし、耳の内部に湿気がこもりやすい梅雨時期や夏場などは外耳炎など耳のトラブルにかかりやすくなります。

耳掃除は無理にすると信頼関係の崩壊やトラブルの原因になるため、愛犬の様子を見ながら行いましょう。
定期的に動物病院でしてもらうこともおすすめです。

◆歯磨き

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歯磨きは苦手な子が多いので、無理に行わずにガムなどを与えて歯石予防をしましょう。
無理やり歯磨きをすると噛まれる可能性もあります。

◆爪切り

耳掃除や歯磨き同様に無理に行うことは、思わぬトラブルや怪我につながるため慎重に行います。
犬は神経が透けて見えているため、白い部分のみ専用の爪切りできることで爪切りできますが、神経を切ってしまうと出血してしまい、痛みもあるため慣れるまでは動物病院などでプロに行ってもらうことが安心です。


まとめ

紀州犬の基本情報や飼育についてのポイントを紹介しました。
日本犬は古来より日本の気候に馴染んできた犬種ですので、丈夫な点が魅力になります。

また、飼い主さんや家族に忠実な一途さも素敵な魅力ですよね。
紀州犬に興味のある方は是非こちらの記事を参考にお迎えを検討してみてくださいね。



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のえコアラ

のえコアラ

犬の専門学校を卒業後、犬のテーマパークにて飼育員を5年間しておりました。 様々な犬種の飼育経験があります。 その後ホームセンターでペット用品の販売をしておりました。 現在はペット系の記事を中心にライター活動しております。 資格 愛玩動物飼養管理士1級 小動物看護士

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