1.犬がベッドでおしっこをしてしまう主な6つの理由
1-1.トイレの場所を理解していない
1-2.マーキング行為
1-3.ホルモン反応性尿失禁
1-4.不安・恐怖などを感じたため
1-5.病気の影響
1-6.愛犬の高齢化
2.おしっこで汚れたベッドの洗い方
2-1.まずは拭き取り!その後、洗おう!
2-2.除菌消臭スプレーだけで済ませないで!
2-3.愛犬のベッドをキレイに!おすすめアイテム
3.犬がベッドでおしっこしてしまうときの対処法
3-1.騒いだり怒鳴りつけたりしない
3-2.トイレでおしっこできたら褒める
3-3.防水シートなどのアイテムを使おう!
【掲載:2020.12.23 更新:2024.03.27】
犬がベッドでおしっこをしてしまう主な6つの理由
愛犬との快適な生活を送るために、トイレトレーニングは必要不可欠なしつけの一つです。
しかし、きちんとトイレトレーニングを済ませたと思っていても、愛犬がトイレ以外の場所でおしっこをしてしまうケースは珍しくありません。
普段はトイレの失敗をしない子が、突然ベッドの上などでおしっこをしてしまった…。そんなシーンに直面すると、飼い主さんも驚いてしまいますよね。
特に、日常的に使用しているベッドに漏らされてしまうと、困ることはもちろんですが、愛犬の体内に何らかの異変が起きているのでは?と心配になる方もいるでしょう。
まずは、愛犬がトイレを失敗する理由についてみていきましょう。
◆トイレの場所を理解していない
愛犬がトイレの場所や排泄ルールを理解できておらず、ベッドでおしっこをしてしまう可能性があります。
特に子犬の場合は膀胱が小さく未発達で、成犬ほど排泄を我慢することができません。トイレスペースが分からなくて混乱してしまったり、遊び疲れて熟睡した結果、排泄衝動を我慢できずに漏らしてしまうこともあるでしょう。
◆マーキング行為
主に縄張りを主張するための行動であるマーキング。本来犬がもっている本能的なこの行動が原因となっている場合があります。
「ここは自分の場所だ」というサイン・アピールをするために、ベッドにおしっこをしてしまうのです。
個体差はありますが、犬のマーキングは一般的に大体生後6ヶ月頃から1歳の間に始まり、身体が成熟すると共にその頻度が高くなるといわれています。
愛犬が生後3ヶ月以下の場合はこれに該当せず、他の病気である可能性を考えましょう。
◆ホルモン反応性尿失禁
血液中のエストロゲン・テストステロンの濃度低下に起因し、尿道括約筋の緊張や低下による不随意の排尿を起こす状態のことをホルモン反応性尿失禁といいます。特に避妊手術を受けたメス犬が術後に、尿道括約筋機能不全による失禁を起こす、という報告が多くされてます。
正確なメカニズムは十分に明確化されてはいませんが、エストロゲン欠乏・ホルモンの慢性的な上昇、などが原因だと考えられているそうです。
ほとんどの場合、年齢を重ねることで起こる筋肉の衰えにより引き起こされますが、若い犬が影響を受けることもあるようです。
いずれも、薬での改善が見込めるので、動物病院で獣医さんに相談してみましょう。
ちなみに、オス犬の場合も去勢によって膀胱の括約筋が弱くなることもあるようですが、これは極めて稀なケースです
◆不安・恐怖などを感じたため
愛犬が強い不安や恐怖を感じることで、ベッドにおしっこをしてしまう場合があります。特に神経質な性格を持つ子が不安を感じると、安心を得るために飼い主さんの匂いがするベッドに向かい、そこで粗相をするケースもあるでしょう。
雷や花火などの大きな音がしたタイミングでおしっこを失敗したのであれば、不安による失禁である可能性が考えられます。
◆病気の影響
尿路感染症(尿道炎症や細菌膀胱炎など)・膀胱結石・異所性尿管・肝臓病・結石前立腺炎・脳または脊髄の疾患など、様々な病気の影響で頻尿や排尿障害が起こり、愛犬が失禁してしまう場合があります。
ちなみに尿路感染症は、大腸菌が主体の腸内細菌が原因となっている確率が約6割だといわれています。
膀胱炎などの発症には、水分摂取量が少ないことも起因します。水分を十分に摂取していなければ、尿量も減りますよね。それが膀胱に尿を溜める時間を長くし、細菌の増殖を助けることとなってしまうのです。
反対に多飲を招く病気も多数あります。
糖尿病・腎臓病・クッシング症候群などがそれにあたり、発症すると飲む水の量が増え、その水分の多量摂取に起因して、頻尿やおしっこの失敗が増えてしまいます。
◆愛犬の高齢化
健康状態の犬であれば、尿を膀胱に溜めておき、容量がいっぱいになると膀胱壁の筋肉収縮が誘発され、括約筋を緩めることで排尿します。しかし犬も高齢となると括約筋が弱くなってしまい、弛緩しやすくなるのです。そのため尿の流出が抑えられずに、失禁するケースが増えてきてしまいます。
そして認知症も、失禁の原因として挙げられます。
おしっこで汚れたベッドの洗い方
洋服などと違って、ベッドは気軽に洗えないものの一つです。もしも愛犬がベッドにおしっこをしてしまった時、どのような方法で洗えばよいのでしょうか?
◆まずは拭き取り!その後、洗おう!
最初に行うべき工程は拭き取りです。雑巾などで、おしっこをされた部分の水分を取り除きます。
その後、水で濡らして固く絞ったタオルで更に拭き取りましょう。
そして一旦、陰干しするのがポイントです。太陽に当てようとしてしまいがちですが、それでは汚れの酸化や定着を促し、シミとなってしまうそうです。
陰干しの後は、洗う工程に入ります。拭き取りだけで放置すると、アンモニア臭がきつくなってしまいます。シミや臭いつきの原因ともなりますので、早めのクリーニングが必要です、
自宅で部分洗いする場合は、汚れた部分のみを手洗いしましょう。ぬるま湯を溜めて中性洗剤を溶かし、洗浄液を作ります。そして指先でつまむように擦って洗いましょう。
その後は干して、しっかり乾燥させます。
◆除菌消臭スプレーだけで済ませないで!
そこまで臭いがしないから大丈夫、と除菌消臭スプレーをかけるだけで済ませるのはよくありません。
アルコールと糖が成分となっているタイプの除菌消臭スプレーは、アルコールで殺菌し糖で臭いを包み込んで消す仕組みとなっているのですが、かけすぎると糖が酸化してしまい、更に臭いを発する結果を招く可能性があります。
まずはしっかり洗うことが大前提です。その後スプレーを使用するのであれば、ペット用の消臭スプレーを使用してくださいね。ペット専用のものでなければ、人間にとって問題はなくとも、愛犬にとって有毒となる場合があるので注意が必要です。
◆愛犬のベッドをキレイに!おすすめアイテム
ペット用品を洗うための衣料用洗剤です。マットやタオル、ペット服、毛布などの愛犬グッズに幅広く利用できます。漂白剤でも落ちにくいペット特有の皮脂(ニオイのもと)までスッキリ落としてくれる上に、洗うたびに離毛効果が高まるという嬉しいポイントも!抗菌・除菌成分配合で、グリーンフローラルの微香性つきです。
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犬がベッドでおしっこしてしまうときの対処法
愛犬がベッドでおしっこをしてしまった場合、飼い主さんは適切な対処法をとらなければなりません。
どのように対処すればよいのか、しっかり覚えておきましょう。
◆騒いだり怒鳴りつけたりしない
愛犬の粗相を発見した際に、飼い主さんが慌てたり、何らかの反応をみせるのはNG行為の一つです。
驚いて声をあげてしまいがちですが、そこは平静を装いましょう。
愛犬が「おしっこをしたら構ってくれた」と、勘違いしてしまう可能性があります。それが習慣化すると、粗相が繰り返されてしまうのです。
後始末をする際には愛犬と目を合わさず、黙って片付けることが大切です。
◆トイレでおしっこできたら褒める
愛犬がトイレの場所を理解できていない場合は、トイレスペースで少しでもおしっこができた時に大げさなくらい褒めてあげましょう。繰り返すと、トイレの場所を愛犬が認識するようになります。
トイレトレーニングのしつけ直しとはなりますが、トレイ以外へのアクセスを一時的に遮断するなどして、トイレでの排泄を習慣化させてください。
◆防水シートなどのアイテムを使おう!
老化に伴う失禁などの場合、改善するのは難しいのが現状です。
介護の一環と考え、おむつを防水シートなどをベッドに敷いておくのが最も効果的な対処法となるでしょう。ペット用の防水シートも多数販売されていますし、人間用の介護シーツなども使いやすいですよ。オムツの使用も視野に入れた方がいいかもしれませんね。
このケースは愛犬にとってもどうしようもない事態なので、失禁を防ぐのではなく、後始末が楽になるように工夫する、という方法へシフトチェンジしましょう。
まとめ
愛犬のベッドでのおしっこは、飼い主さんにとって大問題ですよね。適切な対処法と正しいお掃除の仕方で、この難問を乗り切りましょう。
突然の失禁には、紹介してきた通り様々な原因が可能性として考えられます。
再トレーニングが必要であれば、改めて愛犬と一緒に頑張りましょう。人間と犬とが心身共に快適に暮らしていくためには、家庭でのルールをしっかり覚えさせる必要があるのです。
病気が疑われる場合は早めに獣医さんに相談し、症状を詳しく伝えて尿検査などをしてもらってください。病気によっては、ドッグフードや食事内容の改善が指示されるケースもありますので、まずは診断を受けましょう。
基本的に愛犬のおしっこは、健康のバロメーターともいえます。毎日愛犬の様子を確認すると共に、定期的なおしっこチェックも欠かさずに行ってくださいね。
回数に異常はないか、血尿は出ていないかなど、ささいな変化に気付けるように注意深く観察しておきましょう。
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