【獣医師監修】【要注意】子犬が吐いた時 考えられる原因と対処法を徹底解説

2021.03.30

【獣医師監修】【要注意】子犬が吐いた時 考えられる原因と対処法を徹底解説

うちに来たばかりの子犬が突然吐いた!とても心配な状況ですよね。病気によるものなのか、そうじゃないのか、病院に連れていくべきなのかなど多くの考えが頭に浮かぶと思います。子犬が吐くことには、必ず理由があります、その理由をきちんと理解し対処をすることがとても大切です。 今回の記事では、子犬が吐いた時に考えられる原因や対処法について詳しく解説をしていきます。飼い主さんの心配や不安を軽くさせることができる内容となっておりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

子犬が吐く原因

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子犬が吐いてしまう理由には多くのことが考えられます。理由によって、症状も様々です。
ここからは、どんなことが原因として考えられるのかを説明していきます。

◆空腹または早食い

まず軽めの理由として考えられるのが、空腹または早食いです。元気だけど空腹時に黄色い液体を吐く、あるいはガツガツご飯を食べた後に食べたものを吐くという症状が見られます。

空腹時に吐く症状は、胆汁嘔吐症候群と呼ばれています。空腹の時間が長くなると、胃の中が空っぽになり圧力が小さくなります。その結果十二指腸内に分泌されている胆汁が胃に逆流して刺激し、嘔吐が促されます。胆汁が黄色いため、吐くものも黄色い液体となるわけです。

早食いで吐いてしまうというのは、人でも同じ症状が見られますね。空っぽの胃に突然大量の食べ物が入ってくることで胃が収縮して吐き気を催す、というものです。原因そのものは単純で病的ではないのですが、実はここには大きな危険が潜んでいます。

嘔吐する、という動きは子犬の体に大きな負担をかけます。本来体は口から肛門まで一方通行で進むようにできていますから、逆流するには大きなリスクが生じるわけです。具体的な内容としては、嘔吐による急激なエネルギー消費や胃酸が逆流することによる粘膜障害などが挙げられます。

上記の症状は長く続くと膵炎や胃炎など様々な病気を引き起こすことにつながるため、何度も早食いによる嘔吐を子犬が起こす場合は注意が必要です。

◆消化不良

消化不良によっても子犬は嘔吐を起こすことがあります。一口に消化不良といっても様々な原因が考えられますが、最もよく起こるのが子犬が消化できないものを与えてしまった場合です。消化できないものの例としては、ブドウの皮などが挙げられます。

これらのものを食べてしまった場合、消化ができないために胃や腸の鬱滞が起こり、それが嘔吐を引き起こすことがとても多いです。また、腸の鬱滞によって腹部がぽっこりと膨れたり、うんちが上手くできなくなって循環障害を起こしてしまうといったケースも考えられます。
子犬に当てる食べ物には十分に注意しましょう。

◆水をがぶ飲みした

水をがぶ飲みしたために吐く、というのは実はあまり起こりません。考えられるとすれば、先述の早食いのように突然胃が刺激されることにより嘔吐が促される場合です。しかし、胃がびっくりするほど水を飲むというのはあまり頻繁に起こることではありません。

しかしたくさん水を飲むという症状が現れる病気は存在し、それによって嘔吐が引き起こされているというのは十分に考えられます。具体的な病名としては、腎不全やクッシング症候群などです。これらの病気は場合によっては命にも関わる深刻なものであるため、たくさん水を飲んだり頻繁におしっこをするようになった時は早めに動物病院へ連れていきましょう。

◆食物アレルギーや中毒

食物アレルギーや中毒を体が起こしてしまった場合、体を守るための仕組みとして嘔吐や下痢が起こる場合があります。人でも同じような症状が現れる場合がありますよね。犬に中毒を起こす食品としてはチョコレートやネギ類が挙げられます。

アレルギーを起こす食材に関しては、人へのアレルゲンと同じような小麦や蕎麦などが候補にあがります。子犬が吐いた際には、これらのものがフードに含まれていないか確認してみてください。また、どのアレルゲンが子犬に反応を起こしたのかを断定するのは飼い主さんだけの力だと不可能に近いです。アレルギーかな?と思ったら動物病院へ連れていきましょう。

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◆誤飲

誤飲をしてしまった場合、先述の消化不良と同じような症状が起こります。誤飲しやすいものとして、子供の小さなおもちゃやボタン、おはじきなどが挙げられます。子犬は好奇心が非常に旺盛で、なんでも口に入れて飲み込んでしまいます。

子犬にケージの外を歩かせる時には、しっかりと目を光らせておくようにしましょう。

◆熱中症

熱中症が起こると、体内の温度が次第に上がっていきます。それによって内臓や脳がダメージを受け嘔吐してしまうことがあります。人間でも同様のことが起こりますね。

この熱中症ですが、非常に危険です。熱中症が起こるということは、体内の水分が非常に少なくなっています。これに加えて嘔吐をしてしまうと、体内の水分の大部分が失われてしまうことになり最悪命を落とすこともあみます。室温やケージ内の水の量には常に気を遣うようにしておきましょう。

◆ウイルスや細菌の感染症

様々なウイルスや細菌による感染症でも嘔吐は見られます。主要なものとして、サルモネラ症やカンピロバクター症などが挙げられます。

これらの細菌やウイルスの感染源は様々ですが、子犬への感染経路としては飲み水や食べ物が主です。何日もボトル内の水を変えていなかったり、細菌が付着した生野菜等を食べたりすると嘔吐や下痢を起こしてしまいます。

また、散歩中にも細菌やウイルスに感染するリスクがあります。主なものとして、食糞と川の水が挙げられます。道端に落ちているうんちや川の水には細菌やウイルスが非常にたくさんいます。これらを散歩中口にしてしまうことで感染するということがよく起こります。あまり目を離し過ぎずに散歩を行うようにしましょう。

◆ストレス

ストレスによっての嘔吐は、自律神経の機能が狂うことで起こります。これを防ぐためには、ワンちゃんになるべくストレスを与えないことが大切です。室温や餌などの生活環境はもちろんのこと、散歩やふれあいなどでストレスを発散させてあげることが大切です。

ストレスは目に見えず、どうしても対応が遅れてしまいがちになります。些細な変化にすぐに気づくことができるように、日頃からよく観察をしておくようにしましょう。

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子犬は、免疫や胃腸の機能が成犬に比べ非常に未熟です。そのため少しの刺激や細菌感染で嘔吐や下痢を起こしてしまいます。成犬以上に気を遣ってあげることが必要になるため、よく注意してあげるようにしましょう。


子犬が吐いた時の対処法

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ここまで子犬が吐く原因について説明してきましたが、実際に子犬が吐いた時どのように対処していいのか分かりませんよね。最善の解決策は動物病院へ連れて行くことですが、いつでも連れて行くことができるわけではありません。ここでは、病院へ連れて行くことができない場合の対処法について説明していきます。

子犬が吐いた時は、まず様子を見ることが大切です。
脱水を防ぐために水をあげることも大切ですが、吐いてすぐに水をあげてしまうと胃が収縮しまた吐いてしまうことがあります。一旦症状の程度を確認し、繰り返し吐くようなことがなければ少量の水や餌をあげるようにしましょう。

症状がおさまらない場合、病院へ連れて行く判断基準についてここから書いていきます。

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子犬が吐いたら、病院に連れていく判断基準

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◆食欲や元気がない

食欲や元気がない場合が数日続く場合、病院へ連れていきましょう。脱水を起こしている可能性や、感染症にかかっている可能性があります。また、臓器の機能不全等も可能性として挙がってくるため、早めの受診をおすすめします。

◆繰り返して吐く

繰り返して吐く場合、非常に危険です。感染症や臓器の機能不全の可能性が非常に高く、また繰り返し嘔吐することで体内の水分や体力が急速に失われていくからです。こうなってしまった場合、おうちでできることはほとんどないため、すぐに病院へ連れていき適切な処理を受けるようにしましょう。

◆嘔吐物に血、異物が混じる

嘔吐物に血が混じる場合、消化管内で出血が起こっている可能性があります。その場合、便が黒色になる場合もあります。また異物が混じっていた場合、その異物が何なのかをしっかりと確認するようにしましょう。もしおもちゃやボタンなどであった場合、吐き出せてラッキーといったところです。しかし、中毒症状を起こすタマネギやチョコレート、タバコ等であった場合さらに症状が起こる恐れがあります。

◆その他気になる症状がある

その他気になる症状がある場合、動物病院へ連れていきましょう。嘔吐に関連する症状としては、多飲多尿や腹部の膨満、体が痩せるなどが挙げられます。他にも気になる症状が見られる場合は遠慮せず動物病院へ連れていきましょう。


子犬が吐かないように気をつけること

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◆フードをふやかす

生後半年くらいになるまでは、フードをふやかして与えるようにしましょう。軽く温めた水に1分間ほど浸してあげると良いです。また、生後3〜4ヶ月までは粉ミルクを振りかけても喜ぶでしょう。

◆早食いをさせない

子犬は基本的に早食いをしがちです。お皿を出し途端、10秒ほどで平らげてしまいます。それを防ぐための策として有効なのが、餌を2回に分けることです。こうすることで、胃の中に入る量を制限することができ、嘔吐を防ぐことができます。ぜひ試してみてください。

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まとめ

ここまで、子犬が吐いた際の原因と対処法について説明してきました。どんな原因であれまずは様子を見て、症状が続くようであれば動物病院へ連れていくようにしましょう。これから長く生活していく中で、嘔吐や下痢は最も多い症状のうちの一つです。きちんと理解して、対処できるようになってくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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