1.アラスカンマラミュートの歴史
2.アラスカンマラミュートの特徴
2-1.外見
2-2.被毛(毛色など)
4.アラスカンマラミュートの気を付けたい病気
4-1.股関節形成不全
4-2.白内障
4-3.胃捻転
4-4.異物の誤飲
【掲載:2021.04.12 更新:2022.08.26】
アラスカンマラミュートの歴史
アラスカンマラミュート(アラスカン・マラミュート)は、アラスカ西部で暮らすエスキモーと呼ばれる人々のうち、マラミュート族と呼ばれる部族が飼っていた労働犬です。アラスカンマラミュートの仕事の内容は、そり引きや狩猟、漁業など多岐にわたりました。
確証はありませんが、アラスカンマラミュートの起源は、シベリアを原産地とするサモエドやシベリアン・ハスキーなどと同じではないかとも言われています。
そんなアラスカンマラミュートですが、18世紀に入ってアラスカに上陸した白人によって厳しい寒さの中働く様子が都市圏に知れ渡り、犬ぞりレースのために他犬種との雑交が流行してしまいます。
その結果、純粋なアラスカンマラミュートの血統は衰退してしまいましたが、近年ではアメリカ国内で純粋犬を保存しようという運動が高まっており、伝統的なアラスカン・マラミュートを残すための改良が行われています。
元々、北極などの寒い国で飼われていた犬ということもあり、日本での飼育頭数は35頭(JKC 2021年(1月〜12月)犬種別犬籍登録頭数より)となっています。
アラスカンマラミュートの特徴
ここまでアラスカンマラミュートの歴史について説明してきました。ここからは、アラスカンマラミュートという犬種の特徴について説明をしていきます。シベリアンハスキーと非常に似ているアラスカンマラミュートですが、具体的な違いは何かあるのでしょうか?
◆外見
アラスカンマラミュートの外見は、シベリアンハスキーに非常に似ています。深い胸とがっしりした骨格、そして力強い筋肉を持ち、シベリアンハスキーと比べると全体的に丸みを帯びています。
これらの筋肉のおかげで、先述の犬ぞりや漁業の手伝いといった重労働も難なくこなすことが出来ます。歩き方も軽快で、四肢の強靭さを物語っています。
耳や尾もシベリアンハスキーに非常に似ており、立ち耳で巻尾です。また、目は茶色く、その点はシベリアンハスキーと異なっていると言えそうです。シベリアンハスキーの目は青いですからね。
体重は、オスメスどちらも30〜40キログラムくらいとなり、体高は大体60センチ前後となります。
◆被毛(毛色など)
アラスカンマラミュートの被毛は、耐寒性に特化しています。それを可能にしているのが二層構造です。上の層には長く硬い毛が生えており、下の層を守る役割を担っています。下の層には油性の毛が生えており、皮膚から体温が逃げるのを防いでいます。尻尾は特に毛量が多く、顔を覆って眠ることが出来ます。
またアラスカンマラミュートの毛は色も特徴的で、黒やグレーの中に少しずつ白が入っているような色合いとなっています。
アラスカンマラミュートの性格
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先述のように、狼のような特徴を持つアラスカンマラミュートですが、実は性格は非常に温厚です。人にも非常によく慣れ、笑顔で近づいていく子が多いです。アラスカで色々な仕事をしていたことも頷けるほどの忠犬っぷりです。
また、非常に遊び好きで飼い主さんがヘトヘトになっても、あるいはそれ以上に遊びたがります。厳しいアラスカの大地を、かつソリを引きながら駆け回っていたのですから体力は十分あります。
アラスカンマラミュートの気を付けたい病気
非常に力強く活発なイメージのあるアラスカンマラミュートですが、起こしやすい病気が複数あります。また、それらの中には命に関わるものも少なくありません。しっかりと目を通し、日頃から気をつけておきましょう。
◆股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節に炎症が起こり痛みなどを引き起こす病気です。股関節の発達が悪く、骨同士が擦れたりすることで起こります。アラスカンマラニュートは非常に活発な犬ですので、それにより股関節に生じる負担もとても大きなものになります。
先天性の病気のため未然に防ぐことはできませんが、日頃から歩き方などを注意してみるようにし、もし異常を見つけた場合は速やかに動物病院へ連れて行きましょう。また、食生活や生活習慣を見直すことで炎症や股関節への負担を減らすことが出来ます。そちらの指導も獣医さんからしっかり受けましょう。
◆白内障
白内障は、目の中の水晶体という組織が濁り、光が網膜まで通らなくなってしまう病気です。動物は網膜で光を認識しているため、網膜に光が届かないと目が見えなくなり、ものにぶつかる、ボールを追えないなどの症状が現れ始めます。
飼い主さんが気付かずに過ごすということも多々あり、放置してしまって、遅ければ失明してしまうということも多々あります。完治はしませんが進行を遅らせることはできる病気なので、少しでも早く治療が始められるよう、日頃から目をしっかりとチェックし、少しでも異常があるようであればすぐに動物病院に連れて行きましょう。
◆胃捻転
食後などで大きく膨らんでいる胃がねじれてしまっている状態や、それに伴う症状のことを胃捻転と呼びます。具体的な症状としては、吐き気を催しているのに何も出てこない、胃の鬱滞などが挙げられます。胃の入口や出口がねじれて塞がってしまうことでこれらの症状が起きるわけですね。
最悪の場合循環器障害などで死んでしまうこともある病気ですので、「おかしいな?」と感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
アラスカンマラミュートは先述のように非常に胸の深い犬種です。そのため、体の中での胃の可動域(腹腔といいます)も他の犬種に比べて広く、そのために捻れやすくなっているのです。
◆異物の誤飲
これは病気ではないのですが、異物の誤飲はとても危険です。家の中や散歩しているとき、落ちているものをパクッ!これ、実は非常に危ないんです。家の中には気管や消化管に詰まってしまうような小さなものや、犬の健康に害を与える食べ物がたくさんあります。
何も食べていないはずなのに口をパクパクする、吐こうとするのに何も出ないなどの症状がみられた場合、小さなプラスチック類や金属類を飲み込んだ可能性が非常に高いです。すぐに動物病院で診察後、摘出してもらいましょう。もし放置していて腸管などに詰まった場合、先述の胃捻転のような症状が現れ、最悪死に至ることもあります。
また、玉ねぎやチョコレートなどの犬の健康に害を及ぼす食品を口にしてしまうケースもあり得ます。その場合、中毒症状が非常に顕著に現れるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
散歩中など外にいる場合、タバコの吸い殻などを食べてしまう可能性があり非常に危険です。家の中でも屋外でも常に愛犬の動向には気を配り、また知らないものを口に入れないよう躾けることも非常に大切です。
アラスカンマラミュート値段
ここまでアラスカンマラミュートの特徴について説明をしてきましたが、実際にアラスカンマラミュートを飼うとなると値段はどれくらいになるのでしょうか?
結果から言うと、およそ30万円ほどかかります。ペットショップ等で販売されている大量に繁殖された個体の場合は20万円ほど、血統にこだわっているブリーダーさんなどから購入する場合は50万円ほどの価格がかかります。
また、飼い始めるときはケージやえさ、リードなどの飼育に必要な道具も買い揃える必要があるため、実際にはもう少しかかると思っておいたほうがいいかもしれません。
アラスカンマラミュートの飼い方
ここからは、アラスカンマラミュートの飼い方について説明をしていきます。主に飼い始めの買い方について説明していきますので、その点には注意してくださいね。
◆散歩
アラスカンマラミュートの散歩時間は1日2~3時間程度行うことが理想です。先述のように厳しいアラスカの大自然を駆け回っていた犬種ですので、あまり短いと運動不足になってしまいます。
持久力があり、犬ぞりやレースをしていた歴史があるので、お休みの日にはドッグランなど広い場所で走らせてあげることも良いでしょう。
1回にまとめるよりも、1時間を2~3回行うなどの工夫を行うことで、わんちゃん的にも飼い主さん役にも無理なく散歩を行うことが可能です。日によってコースを変えるなどを工夫を行うのも、良い刺激となって良いかもしれません。
◆食事
アラスカンマラミュートの食事には、タンパク質が豊富に含まれているフードを与えるのが望ましいです。先述のように、アラスカンマラミュートは非常に筋肉が発達しています。筋肉が発達していると言うことは、当然その筋肉を形成・維持する材料が必要です。
具体的には、50%以上のタンパク質含量を持つフードを上げることが望ましいです。アラスカンマラミュートのような大型犬は大体2歳前後で成犬となるので、それまでは高タンパクフードを与えるようにしましょう。
◆しつけ
アラスカンマラミュートは非常に大型の犬種です。そのため、全ての行動のスケールが大きく、場合によっては大事故につながることもあります。しっかりとしつけを行うようにしましょう。
まず大切なのは、しっかりと主従関係を身に付けさせることです。飼い主さんの方が立場が上なのだと理解すれば、自ずと粗相がなくなってきます。この際、体罰を行うことは厳禁です。攻撃的なアラスカンマラミュートが出来上がってしまいます。褒めることを中心としてしつけを行いましょう。
◆お手入れ
アラスカンマラミュートはモフモフとした毛に覆われています。ダブルコートで換毛期の時期には特に毛が抜けるので、日々のブラッシングが必須となります。
毎日こまめにブラッシングを行うことで、毛艶を保つだけでなく、コミュニケーションをとることが出来るので、できる限りブラッシングを行ってあげましょう。
まとめ
ここまで、アラスカンマラミュートについてたくさんのことを説明してきました。全体をまとめると、アラスカンマラミュートはアラスカを起源とする非常にパワフルな犬種で、そのパワフルさゆえの病気やしつけに注意が必要!となります。
現在アラスカンマラミュートを飼っている人、これから飼う人の助けになれば幸いです!それでは良いペットライフを!
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