1.アイリッシュウルフハウンドの歴史
2.アイリッシュウルフハウンドの特徴
2-1.見た目
2-2.大きさ
2-3.被毛
2-4.寿命
3.アイリッシュウルフハウンドの性格
3-1.社交的
3-2.チャレンジが好き
4.アイリッシュウルフハウンドの病気
4-1.拡張型心筋症
4-2.胃捻転
4-3.股関節形成不全
アイリッシュウルフハウンドの歴史
アイリッシュウルフハウンドの歴史は古く、紀元前までさかのぼります。
紀元前273年前には存在しており、紀元前15年前後にギリシアからアイルランドに渡ってきたと推測されています。
アイルランド原産の犬種であり、アイルランドで大型化されローマ帝国への貢物などに用いられていました。
その巨大な姿は威風堂々としており、当時の権力者たちに人気を博していました。
18世紀前後までは農民にもその存在は必要不可欠とされており、家畜を狼などから守る番犬として力を発揮してきました。
しかし、アイルランドから狼が駆除されたことと19世紀に発生した大飢饉により絶滅寸前まで追いやられてしまいます。
その後愛好家たちの手により、種の保存が進められ他のハウンド種などとの掛け合わせを経て現在の姿が確立しました。
日本へは戦後に一部の裕福層により家庭犬として輸入され、日本でも少数ですが飼育されるようになりました。
アイリッシュウルフハウンドの特徴
アイリッシュウルフハウンドの基本的な特徴について紹介します。
アイリッシュウルフハウンドに興味のある方は是非参考にしてくださいね。
◆見た目
アイリッシュウルフハウンドの最大の特徴は全犬種中最も体高が高いという点です。
体高が高い点と固い剛毛な毛質が特徴です。
マズルは長めであり、耳は半垂れ耳が多いです。
筋肉質な体つきをしており、脚はしなやかに長くスタイリッシュはフォルムをしています。
グレーハウンドのように胸が深い犬種であり、日本ではグレーハウンドと間違えられることもあります。
◆大きさ
犬の中で最もサイズの大きな超大型犬に分類されており、二本足で立ち上がった時の高さが2メートルを超える個体もいるとても迫力のあるサイズの犬種です。
平均体高は85センチ〜100センチを超えるものまでおり、体重は50kg以上になります。
個体によっては、80Kgまで成長する子もおり成人男性の重さに相当するダイナミックな犬種です。
大きさだけでもトップクラスのアイリッシュウルフハウンドは、その力も強く大人でも力負けして転倒してしまう可能性もあり、取り扱いには注意が必要です。
◆被毛
被毛は固く、剛毛でダブルコートの犬種ですが、アンダーコートは厚くない場合が多いです。
先端が少しカール気味のクセがあり毛質も特徴的です。
上記にグレーハウンドに類似しているとして紹介しましたが、グレーハウンドは短毛なのに対してアイリッシュウルフハウンドの毛量は明らかに多くなります。
この毛質の違いは明白であり、2犬種を見分ける決め手にもなります。
◆寿命
超大型犬に分類されるアイリッシュウルフハウンドは他の犬種に比べると寿命が短めの傾向にあり、6年〜10年前後が一般的な寿命になります。
個体によっては、12年前後生きる子もいますが平均寿命は短く一般的な超大型犬と同等の寿命年数になります。
アイリッシュウルフハウンドの性格
身体が大きく、迫力満点のアイリッシュウルフハウンドは恐いイメージがありますが、身体の大きさとは裏腹に心優しい穏やかな性格の子が多いです。
故に家庭犬としても適応しやすく、家族を大切にする犬種です。
詳しいアイリッシュウルフハウンドの性格を紹介していきます。
◆社交的
家族想いで優しい穏やかな性格をしており、我慢強いため他の犬や他人に対しても柔軟に対応できる社交性があります。
小さな子供やお年寄りに対しても力加減を考えて接することが可能であり、ふれあいはしやすい犬種です。
さらには、喧嘩はあまり好まない個体が多く縄張り意識も他の犬とも比較的仲良くしやすい傾向にあります。
アイリッシュウルフハウンドの多頭飼いは現実的に難しいですが、他犬種な多頭飼育もしやすいです。
マイペースでみんなの和の中でのんびり過ごすことを好む子が多い平和主義は、アイリッシュウルフハウンドの魅力になります。
◆チャレンジが好き
身体の大きさからは想像できないアクティブな性格でもあり、物おじしないチャレンジ精神が強い傾向にあります。
初めての場所や初対面の犬や人に対しても自分から進んで近寄ることができます。
細かい変化を読むことは苦手であり、コミュニケーションを取ろうとズンズンいってしまうので、神経質な子や犬が苦手な人からは怖がられることがあります。
大抵のことにはびっくりしない度胸も持ち合わせており、飼い主さんの指示にはマイペースに従います。
新しいことが大好きなチャレンジ精神があるので、しつけも入りやすいですが、やや気分屋な面があるためアイリッシュウルフハウンドの状態に合わせてしつけを組み合わせるのが大切です。
ポイントは、メリハリをつけて短時間で終わらせるのがしつけを進めることになります。
アイリッシュウルフハウンドの病気
アイリッシュウルフハウンドは犬種の中でも丈夫な方であり、強い面がありますが他の犬種に比べて老化が早い傾向にあります。
毎日の健康チェックをしっかりしつつ、なりやすい病気について紹介しますので参考にして下さいね。
◆拡張型心筋症
心臓を構成する筋肉が何らかの原因で、薄くなったり厚くなったりして心臓の動きに異常が出る疾患です。
拡張型心筋症は超大型犬に多い病気の一つであり、心筋が薄く伸びてしまうことで血液の循環不順などを起こします。
ハッキリとした原因は不明ですが、遺伝的な要因や老化により発生すると考えられています。
また、骨格的に胸の深い犬種に起こりやすくアイリッシュウルフハウンドもその一つになります。
主な治療法として、血液の流れを良くする薬や心臓の薬などの投薬治療を行います。
一度発症すると完治することのない疾患であり、対処療法をしながら愛犬の健康を守ることになります。
◆胃捻転
こちらも胸の深い犬種に多い疾患であり、緊急性を伴うことが多いので注意が必要です。
胃捻転とは、水のカブのみや激しい運動、早食いなどにより何らかの負担がかかることにより胃が捻れてしまい機能不全を起こす疾患です。
捻れてしまった胃を早めに元の位置に戻す必要があり、レントゲン検査をして位置を確認後開腹手術を行い対処するケースが一般的です。
主な症状は、よだれが大量にでる、空咳、泡を吐く、嘔吐、下痢、腹部膨張などがあげられます。
重篤化すると血流が遮断されるためチアノーゼや意識喪失、神経症状などが現れます。
最悪死に至る可能性もある胃捻転を予防するためには早食いをさせない、水のがぶ飲みに注意するなどがあげられます。
特に食後すぐに散歩に行くなどの激しい運動をしないように注意が、必要です。
◆股関節形成不全
アイリッシュウルフハウンドは巨大な身体つきをしていますが、四肢は細めであり重い体を支えるために足腰に負担がかかります。
股関節形成不全は遺伝的な要因が強いものですが、股関節の変形などが起こり歩行以上や痛みを伴う疾患です。
アイリッシュウルフハウンドの家系の中に股関節形成不全の個体はいないか、幼少期に股関節に異常はないかなどチェックしてからお迎えするのが大切です。
アイリッシュウルフハウンドの飼い方
アイリッシュウルフハウンドの基本的な飼育について紹介します。
体の大きさからは意外なほどアイリッシュウルフハウンドは穏やかな性格をしており、家庭犬向きです。
しかし、その身体の大きさや餌代、医療費が高額になりやすい点や広大な飼育スペースと長時間の散歩が必要なこともあり、すべての家庭で飼育できるというわけではありません。
こちらの項目を参考に、飼育を検討して下さいね。
◆お手入れ
健康な個体であれば、月に一度犬用シャンプーで洗ってあげることが理想的です。
家庭でのシャンプーは限界があるため、超大型犬に対応したトリミングサロンを見つけると良いでしょう。
また、アイリッシュウルフハウンドは半垂れ耳のため湿気が耳道内にこもりやすく外耳炎などに注意が必要です。
その毛質からブラッシングも最低でも3日に1度はしてあげるのが良いでしょう。
毛玉になると皮膚炎の原因になるため定期的なブラッシングが必要です。
◆しつけ
穏和な性格であり、飼い主さんにも愛情深く接するためしつけはしやすくなります。
その大きな身体をコントロールするためにもしつけは幼少期から必須であり、社会科をしながらしつけをすることが大切です。
飽き性な面もあるため、メリハリをつけてしつけを行いましょう。
まとめ
犬種の中でも一番体高が高いアイリッシュウルフハウンドについて紹介しました。
犬好きであれば、超大型犬の飼育は憧れるものですが、事前準備と飼育環境を整備してからお迎えすることが重要です。
経済的な面でもアイリッシュウルフハウンドは他の犬種より負担があるため、計画的にお迎えを検討してくださいね。
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