犬にココナッツオイルを食べさせても大丈夫?

犬には有害とされている食べ物がいくつかあり、ナッツ類はそのうちの1つです。
「ココナッツ」は響きがナッツ類とよく似ており、愛犬家の中には与えてはいけないと考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ココナッツとナッツ類は別物であり、ココナッツオイルは犬に食べさせても全く問題ありません。
ちなみに「ココナッツ」はココヤシの果実のこと、「ココナッツオイル」はココナッツの種の胚乳から抽出されたオイルのことです。
◆ココナッツオイルに含まれる主な成分
ココナッツオイルには主に以下の5つ成分が含まれており、とても健康効果の高いオイルです。
愛犬に必要な成分は何かを考えながら読んでみてください。
➀脂質
ココナッツオイルは3大栄養素の1つである脂質を豊富に含んでいます。
脂質と聞くと肥満の原因だと考えられがちですが、脂質は細胞膜やホルモンを形成するのに欠かせない成分であるだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収にも役立ちます。
脂質が不足すると成長不足や皮膚炎を引き起こすこともあり、健康に暮らすためには欠かせない大切な栄養素です。
➁飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は生活習慣病の原因として挙げられることの多い、重要なエネルギー源となる成分です。
摂取する量が少なくても多くても生活習慣病になってしまうため、適切な量をしっかり摂る必要があります。
ココナッツオイル以外では、乳製品や肉類などの動物性脂肪に多く含まれています。
➂オレイン酸
オレイン酸は一価不飽和脂肪酸の1つであり、油に含まれる脂質系の栄養素です。
ココナッツオイル以外では動物性脂肪やオリーブオイルなどに多く含まれており、そうした油から取り入れるほか、体内でも合成することができる成分として知られています。
オレイン酸には悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があります。
➃ラウリン酸
ラウリン酸は抗菌・抗炎症作用で雑菌やウイルスなどから身を守ったり、肌トラブルを予防したりする成分です。
ただ防ぐだけでなく免疫力を上げる効果もあり、摂取するのにメリットしかないと言っても過言ではないでしょう。
➄中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸は体の中の栄養の吸収を良くして新陳代謝を活発にさせ、蓄積した脂肪を燃焼させるのに役立ちます。
また、水溶性で体内に吸収されやすいという特徴を活かし、体が弱っている時の回復を助けます。
肥満が気になる犬や、病気から回復中の犬などにおすすめの成分です。
◆期待できる効果は?
上記の成分の特徴から、犬がココナッツオイルを摂取することで得られる主な効果は以下の4つです。
①皮膚トラブルの予防
湿疹やかゆみの鎮静化に効果が期待できるほか、パサついた被毛に艶を出しや荒れた肉球のケアにも使えます。
ココナッツオイルはもともと食べられるものなので、犬がなめてしまっても安心です。
なめやすい場所にも躊躇せずに使えるのが嬉しいですね。
②抗菌・抗炎症作用
犬は一般的に草むらで遊んだり、とりあえずものを噛んでみたりするのが大好きな動物です。
ココナッツオイルを与えれば犬の免疫力を上げられるだけでなく、犬のわんぱくな行動が招いた予期せぬ病原菌への抗菌・抗炎症作用が期待できます。
③善玉コレステロールの増加
悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加させる働きは、犬の心臓病のリスクを軽減させるのに効果的です。
特に愛犬が高齢の場合は、ココナッツオイルを与えるだけで効率よくエネルギーを摂取できるだけでなく、病気のリスクを減らすこともできるので、試してみる価値があるでしょう。
④肥満解消
ココナッツオイルは新陳代謝を活発にさせるので肥満解消や肥満予防が期待できます。
ボール遊びやランニングなどの運動、長めのお散歩などを組み合わせることでより効果的になります。
◆犬にココナッツオイルを与えるデメリット
正しい量を守って与えていれば、特にデメリットはないでしょう。
ココナッツオイルを多く与えてしまった場合には、犬の腎臓や膵臓へ負担がかかったり、軟便や胃のムカつきといった症状があらわれたりと、反対に健康を損ねてしまう可能性があります。
せっかくなら愛犬の健康のために少しでも多く…という気持ちになってしまいそうですが、何事もやりすぎは禁物ですので注意してください。
また、量を正しく与えていても体質的にココナッツオイルが合わない犬もいます。
まずは規定よりも少量から与えてみるなど、愛犬の様子をみながら進めましょう。
犬にココナッツオイルを与える時の注意点
量を守ること以外に、犬にココナッツオイルを与えるときの注意点が2つあります。
①補助食品であることを忘れない
ココナッツオイルは様々な成分を含んでいて健康効果の高い食品です。
しかし、それだけを与えておけば安心だというものではありません。
あくまでも補助食品だという意識を持って、ココナッツオイルに頼りすぎず、犬の具合が悪そうな時は病院に行きましょう。
②高品質なものを選ぶ
街中で売られているココナッツオイルには用途に合わせていくつか種類があり、食用は添加物が少なく、安全性が高い傾向にあります。
犬の皮膚に塗るために買いたいという場合でも、できるだけ食用のものを選ぶと安心です。
なかでも特におすすめなのが「オーガニック・ヴァージンココナッツオイル」です。
ヴァージンココナッツオイルは無添加なだけではなく、非加熱(あるいは低温)で抽出されているため、健康成分の含有量が多いという特徴があります。
ココナッツオイルの使用方法

犬にココナッツオイルを与える際は、食事に混ぜてあげるといいでしょう。
甘い匂いがするため、そのままでも食べてくれる犬もいますが、食べやすさを重視するなら食事に混ぜるのが最適です。
ドッグフードに直接かけたり、お肉を焼くのに使ったりしてみてください。
犬に与えるお肉は塩胡椒などで味付けはせず、ココナッツオイルで焼いただけのシンプルなものにしてくださいね。
犬にココナッツオイルを与える際のポイントは以下の3つです。
1日の目安量は体重4.5kgにつき小さじ1杯 (体重13~14kgで大さじ1杯)
初めは目安の4分の1程度の量から始めて、1ヶ月ほど時間をかけて目安量にする
与えすぎは犬にデメリットをもたらしてしまいます。
繰り返しになりますが、必ず目安量を守り、愛犬の様子を見ながら与えてください。
◆皮膚ケア
ココナッツオイルを塗るものとして使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
先にも述べたように、ココナッツオイルには湿疹やかゆみに効果的な成分が入っているほか、保湿効果も期待できます。
地肌や肉球など、炎症やカサつきが気になる部分に塗布してあげましょう。
塗りすぎるとベタついてしまうので、初めは「足りないかな?」と思うくらいの少量を塗布して、様子を見ながら行ってください。
炎症があまりにもひどい場合や、改善が見られない場合には、すぐに病院に相談することも心がけましょう。
また、ココナッツオイルは低い気温では白く変色し固形化するという特徴があります。
劣化ではないので安心してくださいね。
冬など気温の低いときにココナッツオイルを使う場合は、一度手のひらにとって温め、液状にしてから塗るようにしましょう。
体調を崩した場合の対処方法は?
どんな食べ物にも当てはまることですが、ココナッツオイルが犬のアレルギー症状を引き起こす可能性はゼロではありません。
また、アレルギーでなくとも、体が慣れていない初めてのものを食べた後には下痢を引き起こす可能性もあるでしょう。
愛犬になにか異常が出たら、すぐに与えるのをやめて病院に行くようにしてください。
不安な場合は、与え始める際に愛犬のかかりつけの病院で一度相談してみることもおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではココナッツオイルの犬への効果や与え方について徹底解説しました。
ココナッツオイルは人間だけでなく、犬にも大変効果的な健康に良いオイルです。
この記事をきっかけに、ココナッツオイルデビューされてみてはいかがでしょうか。
愛犬と一緒に素敵な健康ライフを送ってくださいね!
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