1.子犬の乳歯は、いつ生えそろう?
4.抜けるときの予兆はあるの?
4-1.何かを噛んで破壊する
4-2.食欲が落ちてくる、食べ方がゆっくり
4-3.イライラしている様子
4-4.やたら興奮している
4-5.何も食べていないのに口を動かす
5.乳歯から永久歯への生え変わり後…どんな点に注意すべき?
5-1.乳歯が抜けたときの出血
5-2.乳歯が残る“乳歯遺残”
5-3.歯に負担のかかる遊び方をしない
5-4.永久歯が生えてこないこともある
5-5.普通よりも歯の本数が多いこともある
5-6.人間の甘い食べ物は食べさせない
7.歯みがきは子犬の頃から
7-1.生後3か月ほどから歯みがき習慣をつける
7-2.初めのステップは「口に触れる」から
7-3.歯みがきシートや歯ブラシで優しく磨く
7-4.いろいろとある歯みがきグッズも活用
子犬の乳歯は、いつ生えそろう?
わんちゃんは生まれてから3週間ごろに、少しずつ“歯”が生えてきます。
人間の感覚的でいうと、生後3週間で歯が生えるのは早い気がするかもしれません。
でも、犬は生後1年で人間の12~15歳にも相当する年齢。
スピーディーに成長するため、早い段階から乳歯が生えるのも納得です。
生後2か月ごろまでには28本の乳歯が生えそろいます。
乳歯が生えてくると、少しずつですが、固形のドッグフードも食べられるようになるでしょう。
ミルクを飲んでいた子犬が自分の歯を使ってドッグフードを食べているのを見ると、すくすくと成長している実感が湧いてきますね。
乳歯が永久歯に生え変わる時期とは?
生えてきた乳歯に感動しているのもつかの間、生後4~6か月ごろには永久歯へと生え変わっていきます。
乳歯は全部で28本ですが、永久歯は倍近くの48本。
少しずつ乳歯が抜けていき、生後1歳になる頃にはすべての歯が永久歯になる子が多いです。
いつの間にか生え変わっていることも
永久歯が生えているのに、「抜けた乳歯はどこに?」ことも多いです。
遊んでいるときに抜ければ、ポロリと床に落ちて飼い主さんも気づきやすいかと思います。
しかし、「いつの間にか歯が生え変わっていていた」と愛犬の生え変わりに気づかないということもよくあります。
実は、抜けた乳歯は犬が飲み込み、ウンチと一緒に体外に出されているケースが多いです。
たとえ、乳歯を飲み込んだとしても、排泄物と一緒に出ていくため、それほど心配しなくても大丈夫でしょう。
抜けるときの予兆はあるの?
歯が生え変わるとき、わんちゃんは口の中の状況がいつもと違い、辛い思いをします。
乳歯の下から永久歯が押し上げてくるので、違和感があるのは当然ですよね。
次に、生え変わり時期に見られる兆候をいくつか挙げてみます。
◆何かを噛んで破壊する
歯のかゆみや違和感からおもちゃや家具などをガシガシと噛む行動が見られます。
ときには、噛み過ぎと興奮で破壊することもあります。
噛んだときに何かが壊れて口内を傷つけないように注意しましょう。
テーブルやイスなどの木材は、ガシガシと噛み続けることで木の破片が口に刺さるかもしれません。
テレビやパソコンの電気コードを噛んでしまうと、感電のリスクもあります。
子犬が噛んでも安全なおもちゃや犬用のガムを与え、「噛んでもよいもの」を教えてあげましょう。
また、噛ませるためにガムを与えるのもいいですが、上手く噛めずに大きいまま飲み込んでは大変です。
犬用のおもちゃやガムを与えるときでも、飼い主さんが近くで見守りましょう。
◆食欲が落ちてくる、食べ方がゆっくり
歯の生え変わりにともなって、歯茎にも異変が起こります。
抜ける間際になると、乳歯がぐらぐらするので食事がしづらくなるようです。
いつもよりも食欲が落ちることもあります。
ドッグフードが硬くて食べづらそうな場合、柔らかく食べやすくするといいでしょう。
また、よだれが垂れていることもあります。
◆イライラしている様子
わんちゃん自身は「歯の生え変わり」の時期を理解しているわけではなく、いつもと違う自分の口内の異変にとてもイライラするかもしれません。
ひとりで退屈な時間が多いほど、イライラが増すため、散歩やコミュニケーションで気を紛らわせてあげましょう。
◆やたら興奮している
落ち着かず、とにかくテンションが高く、興奮するのも歯が抜ける前兆のひとつです。
◆何も食べていないのに口を動かす
抜ける感じがするためか、何かを食べているわけではないのに、口をクチャクチャと動かすこともあります。
乳歯から永久歯への生え変わり後…どんな点に注意すべき?
犬の乳歯が抜けて永久歯が生えるとき、いろいろな症状が起こります。
飼い主さんはどんな点に注意すべきなのでしょうか?
◆乳歯が抜けたときの出血
乳歯が抜けかかっている時期に、「硬めのおもちゃを噛む」「飼い主さんとのロープ遊び」などがきっかけになり、歯が抜けるのを促進することがあります。
そのような場合、遊んだ後におもちゃに血の跡があるかもしれません。
愛犬が口内で出血しているととても心配ですよね。
でも、歯からの血はそのうち自然に止まるため、様子を見ておく程度で大丈夫です。
ただ、出血があるときに、「硬いおもちゃで遊ばせる」「ロープで引っ張る」などは止血への影響もあるのでやめましょう。
また、たいていの場合、歯が抜けても血は止まります。
しかし、しばらく経っても出血が続いているなど、心配があれば動物病院を受診しましょう。
◆乳歯が残る“乳歯遺残”
子犬の歯の生え変わりは、飼い主さんが何かをしなくても、自然の流れにまかせておけば大丈夫です。
ただ、なかには抜けるはずの乳歯が残ったまま永久歯が映える「乳歯遺残」もあります。
乳歯遺残は、残った乳歯、そして生えてきた永久歯が並ぶため、歯間に食べカスが溜まってしまうリスクがあります。
また、歯の形や向きが本来とは違ってきます。
そのため、噛み合わせが悪く口の中を傷つけるトラブルも増えるでしょう。
特に、小型犬の場合、あごが小さいので乳歯遺残が起こりやすいと言われています。
「もしかして乳歯遺残では?」と思い当たることがあれば、動物病院で診てもらいましょう。
◆歯に負担のかかる遊び方をしない
すぐに生え変わる乳歯と違い、永久歯はこれからの生活に欠かせない大事な歯です。
引っ張り合いが楽しいロープ遊びですが、力加減をしなければ歯が折れることもあるので注意が必要です。
また、“犬用”ではない硬い素材のおもちゃ、骨のおやつなども歯が折れる原因にもなりやすいため気をつけましょう。
◆永久歯が生えてこないこともある
永久歯が生えてこないケース、もしくは永久歯の本数が足りないケースがあります。
●歯茎から出てこない「埋伏歯(まいふくし)」
本当は生えてくるはずの永久歯が、骨内に埋もれたままの歯のことを言います。
ちょっとだけ歯がでているときは「不完全埋伏歯」、まったく埋もれているのが「完全埋伏歯」です。
不完全埋伏歯は、部分的に汚れが溜まり、歯肉炎を起こすケースもあります。
完全埋伏歯の場合、症状がまったく現れず、レントゲンを撮る機会がなければ、気づかぬうちに年月が過ぎることも多いでしょう。
埋伏歯を放置していたことで、噛み合わせが悪くなることもあります。
口のなかから出血や赤み、顔の腫れなど気になる点が見られた場合、動物病院で歯を見てもらうようにしましょう。
●歯の数が少ない「欠歯」
犬の永久歯は、通常、「上顎に20本・下顎に22本」と全部で42本です。
しかし、遺伝的に何らかの異常があり、歯そのものが生えないことを「欠歯」と言います。
◆普通よりも歯の本数が多いこともある
欠歯とは逆で、本来あるべき本数よりも歯の数が多いのが「過剰歯」です。
歯並びが悪くなってしまいます。
◆人間の甘い食べ物は食べさせない
子犬の頃は好奇心旺盛で、自分のドッグフードを食べ終えても「美味しそうな香りにつられて飼い主さんの甘いお菓子に近寄ってくることもあるでしょう。
砂糖が入っている食べ物は、「犬の歯に付着する」「歯の隙間に入り込む」などで虫歯のリスクを高めます。
人間用に味付けされた甘いお菓子は食べさせないようにしましょう。
犬の虫歯とは?
わんちゃんのお口のなかはアルカリ性のため、虫歯の菌が増えづらい口内環境と言われています。
また、犬はドッグフードをほとんど噛まずに飲むので、口内での食べ物滞在時間が短いです。
それも「虫歯になりづらい要因」として考えられてきました。
人間とは違い、犬の「先端に向けて尖っている形」も歯の表面に虫歯菌が付きづらくしているようです。
ただ、糖分が多い人間の食べ物を与え過ぎると、虫歯になることもあります。
また、虫歯にはなりにくい反面、歯周病にはなりやすいと考えられています。
口内がアルカリ性の犬は、歯垢がつきやすい口内環境です。
症状が軽いうちは、歯肉が赤く炎症する程度です。
しかし、中度から重度になるにつれ、歯垢の付着により歯肉の腫れや出血が見られるように。
さらに、歯の周囲だけにとどまらず、心臓や腎臓などの病気にもつながる可能性も出てきます。
歯みがきは子犬の頃から
乳歯が生えてから永久歯になるまでの期間は短いため、歯みがきのタイミングに迷う飼い主さんもいるかと思います。
子犬の時期の歯みがきについて、いくつかのポイントを見てみましょう。
◆生後3か月ほどから歯みがき習慣をつける
「歯みがきに慣れる」という観点から、乳歯のころから歯みがき習慣を身につけることをおすすめします。
成犬を過ぎるまで歯みがきの習慣がないと、口に何かを入れられるのを嫌がり、必死で抵抗されて歯みがきどころではないことも多いです。
年齢とともに歯のトラブルも増えてくるので、子犬のころから歯に触れられることに慣れさせておきましょう。
◆初めのステップは「口に触れる」から
歯みがきのトレーニングは、初めが肝心です。
「綺麗に歯を磨いてあげたい」という気持ちから、犬の口に強引に手を入れると、口に触れられることさえ嫌がるようになります。
子犬の頃は「歯を綺麗にする」というよりも、「歯みがきの練習」というスタンスで取り組むといいでしょう。
上手くスキンシップをとりながら、口元に手を持っていったりする程度でもOKです。
◆歯みがきシートや歯ブラシで優しく磨く
口や歯に触れることに抵抗がないなら、実際に歯みがきをしていきましょう。
ただ、これまで飼い主さんの手で触れることができていた犬も、歯ブラシが口に入るとびっくりすることも多いです。
飼い主さんの指に巻きつけるタイプの「歯みがきシート」なら、わんちゃんも受け入れやすいかと思います。
慣れてきたら、犬用の歯ブラシで磨いてみてくださいね。
歯ブラシだけにこだわらず、わんちゃんが嫌がらない歯みがきアイテムを使って、優しく磨いてあげましょう。
◆いろいろとある歯みがきグッズも活用
わんちゃんによっては、歯みがきがどうしても苦手ということもあるかと思います。
もっとも効果がある歯のケアが歯ブラシや歯みがきシートで磨くことですが、それ以外にも歯みがきグッズを活用してみるのもいいでしょう。
歯みがきケアと謳われている「デンタルガム」、お口のなかにシュッと吹きかける「歯みがきスプレー」、歯茎に塗る「歯みがきジェル」などもあります。
ただ、愛犬の歯の寿命を伸ばすには、やはり歯みがきがもっとも効果的です。
飼い主さんが「歯みがきをしなきゃ!」と焦る気持ちで取り組むと、その熱気から「何かをされるかも…」と嫌がるわんちゃんもいます。
スキンシップのように優しく、犬もリラックスできるように歯みがきトレーニングも工夫してみてくださいね。
まとめ
乳歯から永久歯に生え変わると、愛犬の成長に感慨深いものがありますよね。
乳歯は自然に抜けていることが多いのですが、その時期がやってくると犬はムズムズと歯に違和感をおぼえます。
その予兆を知ることで、飼い主さんができることもたくさんあります。
犬にとって、歯はとても大切な部分。
でも、歯は口のなかに隠れているため、その様子がふだんは分かりません。
愛犬の大切な“歯”を守るためにできることを飼い主さんが考えてあげましょう。
愛犬が歯みがきを嫌いにならないように、優しい気持ちで子犬の頃から歯みがきに取り組んでみてくださいね。
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