犬が睡眠不足になるとどうなるの?
犬も人間同様、睡眠不足によって体調や精神に乱れをきたす場合があります。
何らかの理由で眠りが障害されて睡眠の質が悪い状態が続くと、睡眠不足が原因で体調を崩してしまう可能性があるのです。
例えば、愛犬が慣れない場所にいて不安・ストレスを感じ続けると、それが原因で眠れなくなり、睡眠不足となることで食欲不振や元気のない状態に陥ってしまうわけです。さらに影響は精神にも及び、気が立って吠えたり、反対に沈鬱になるなどの普段とは違う様子が出始めるかもしれません。
身体・精神状態に影響が出ると、免疫力低下や病気の発症に繋がる恐れもあるため、睡眠不足は犬にとっても大敵だといえるでしょう。
健やかな生活を送るためには、犬にも飼い主さんにも、快適に眠れる環境・時間が必要だというわけです。
それではまず、犬にとって必要だといわれる睡眠時間について紹介していきましょう、
あなたの愛犬はしっかり、十分な時間眠れているでしょうか?
犬の睡眠時間はどのくらい?
人間の場合一般的に、1日に6~7時間前後が平均的な睡眠時間の目安だといわれています。
これに比べて犬の場合は、成犬の平均睡眠時間が1日に12~13時間と、人間の倍は寝ている計算になるのです。子犬の時期には18時間以上の睡眠時間が必要だともいわれています。
◆睡眠サイクルの違い
睡眠時間だけみると犬は毎日寝てばかりいる動物なんだな…と思われてしまいそうですが、その睡眠サイクルには人間との大きな違いがあります。
人間はある程度まとめて眠ることで睡眠時間をとりますが、犬の場合、完全に熟睡している時間が短く、まとめて睡眠をとることはないのです。
睡眠時間の大半は外部の音・振動にすぐに対応できるような浅い眠り、もしくはウトウトしているだけの状態となります。しかしこのような時間帯も犬は寝ていないわけではないので、完全に起きていて寝ない場合に、睡眠障害に繋がる何かが潜んでいる可能性が考えられるでしょう。
平均睡眠時間を大幅に下回る状態であれば、早めに睡眠時間の確保について配慮・対策を練ってくださいね。
犬の睡眠時間が長い理由
犬の先祖だと考えられている狼は、夜行性の動物で夜間に活動します。そのため、日中は身体を休める必要があるので、昼間に活動する動物より睡眠時間が長いという特徴をもっているのです。
また、肉食動物はいかなる時も動けるように備えているので、日中でも熟睡はせずに睡眠時間の半分以上は半覚醒状態になっているそうですよ。睡眠が浅いために、体力を温存する目的から睡眠時間が長くなったといえるでしょう。
犬の場合は人と共生するようになったことで、人間の生活リズムに合わせて活動することが多くなりました。しかし、元々の本能は失われていないのです。そのため基本的には、人間よりも多くの睡眠時間を必要としているというわけですね。
ペットとなった愛犬達が日中も昼寝をしているのは、単に遊び疲れているわけではなく、本来夜行性だった動物が日中に活動をしていることが影響していると考えられるでしょう。
犬の睡眠不足の原因
愛犬が睡眠不足だと感じる場合、以下のようなサインが見られる場合が多いです。原因は何なのか、様子をしっかり観察することでその理由を突き止めましょう。
◆小さい音でも敏感
小さい物音でも敏感に起きてしまったり、傾眠(眠りが非常に浅い状態)の傾向が強く、いつもウトウトしている様子が見られる場合は注意が必要です。これが長く続く場合は、病気の可能性も考えられます。
◆疲れを感じる
人間と同様で睡眠不足が続くと、体力を回復することができずに無気力状態になる場合があります。
1日中同じ場所から動かない、散歩に出ても座り込んだり運動を嫌がったりするなど、明らかに普段と比べて元気がなくなる状態であれば、何らかの不調が原因となっているでしょう。
◆緊張
眠ってもすぐに起きてウロウロしたり、常に緊張しているようで落ち着きがないなど、愛犬の睡眠に変化・異変が見られた場合も注意が必要です。
環境の変化やストレスなどが原因で、ぐっすり眠れていない可能性があるでしょう。
睡眠に変化・異変が現れた頃に、愛犬にとって何が起きたかを思い返してみてください。
◆問題行動が増える
睡眠不足は情緒を不安定にもします。愛犬は些細なことでイライラしたり、不安になったりしているかもしれません。
そのストレスを発散させようとして、問題行動を引き起こすケースもあるのです。眠れないということは、常に緊張状態であるということです。
無駄吠えや破壊行動、攻撃的な行動・態度などが以前と比べて頻繁にみられるようになった場合は、睡眠時間が十分取れているのかチェックしてみましょう。
そして珍しいケースではありますが、呼吸器に問題があることから寝苦しくなり、中々眠りにつけないというパターンも可能性としてはあります。夜に突然起きて吠えたり、呼吸に異変を感じる場合は、一度獣医師に相談してみましょう。
◆食欲不振・下痢
無気力状態になると同時に、食欲が落ちるケースもあります。ある日を境に食事を残し始めたり、おやつに対する反応が薄くなったりなどの変化がみられるでしょう。
ただし、食欲減退は様々な病気の症状としてもみられる状態のため注意が必要ですね。
そのほかにも、下痢や嘔吐などの消化器症状を示す場合もあります。こちらも他の病気である可能性が考えられるものなので、自己判断をせずに動物病院を早めに受診することをおすすめします。
快適な睡眠にするには
愛犬に睡眠不足の様子が見られる場合、できるだけ早急に愛犬がぐっすり眠れるよう対策をとる必要があります。以下の方法を参考にし、是非実践してみてください。
◎愛犬の睡眠環境を整える
◎不安・ストレスの原因を知り軽減・解消に努める
◎散歩・遊びなどの運動をしっかり行う
一番重要なポイントは、まず寝床の環境を見直すことです。愛犬の寝床の場所は家庭によってさまざまだと思いますが、特にクレートやサークルで休む習慣がある場合、設置場所に配慮することが大切です。
性格・年齢によって、道路に面した場所・日光に当たる場所が寝不足の要因となる可能性があるため、個々の状態に合わせた場所を選択しなくてはなりません。常時外の喧騒が刺激となり気になったり、体温調節がしにくいスペースへの設置は避けるのが無難です。
また、寝床スペースが開放的すぎることも、愛犬の警戒心を強くさせてしまう可能性があるので注意です。
ただし犬にも個性があるので、生活環境や性格によって、愛犬にとっての「安心できる場所」というのは変わってくるでしょう。
室内でフリーに行動させている場合は、複数箇所に寝床を設置する方法も効果的です。その中で一番利用している場所が、愛犬のお気に入りのスペースだということがハッキリ分かるでしょう。
いずれの場合も、日々観察することで、愛犬の性格や気持ち、身体的状態を理解しておくことが重要だといえますね。
そしてもう一点、メリハリのある生活を心掛けることも大切です。遊ぶときはたくさんおもちゃで遊んだり運動させる、休むときはしっかり休ませる、ということを頭に入れておくとよいでしょう。
まとめ
人間同様、犬も睡眠不足によって健康被害を引き起こす可能性があるということですね。快眠できることが身体のメンテナンスにも繋がるというわけです。愛犬の寝床が快適な場所となるように、飼い主さんが尽力する必要があるでしょう。問題を感じる場合は、ベッド周りの環境整備をしていきましょうね。
犬種に限らず、睡眠不足は起こり得ます。大好きな愛犬が、健康でケガなく長生きできるように、できることから始めてみましょう。
寝床スペースに原因が見つからないのに、心配な様子や睡眠不足の疑いを感じる場合は、一度獣医師に問い合わせて相談してみるのも良いでしょう。睡眠不足の要因は何も環境だけに限らず、病気や認知症など様々な可能性が考えられます。問題なければないで、大丈夫でよかった!と安心できますよね。
ちなみに寝ている愛犬が可愛いからといって起こしたりするのは基本NG行為ですので注意してください。そんな時はただ眺めたり、静かに写真を撮るくらいにして、ゆっくり眠らせてあげましょう。
犬の睡眠不足に関しては、ネット上でも獣医師監修の解説などが記事としてたくさん紹介されています。愛犬の寝不足サインを発見したら、色々と情報を集めてみましょう。目次に愛犬と似た部分の様子が見受けられるようであれば、まずチェックしてみてくださいね。
今まであまり気にしていなかったという飼い主さんも、今はぐっすり眠れているな、ウトウトしているな、と愛犬の眠りの状態に注目してみてくださいね!
– おすすめ記事 –
・犬が寝る時には電気を消した方がいい!快適な睡眠環境を用意する方法 |
・犬の夜泣きを治す4つの方法!寝る前に大騒ぎする原因は? |
・お気に入りは飼い主さんの膝の上!犬が膝に乗る・寝るのは何故? |
・愛犬が布団やベッドを掘るのはなぜ?どんな理由があるの? |