犬が寝る時には電気を消した方がいい!快適な睡眠環境を用意する方法

2021.07.29

犬が寝る時には電気を消した方がいい!快適な睡眠環境を用意する方法

寝る時、電気(照明)を消す人の方が多いでしょう。では、犬が寝る時には、電気を消すのと消さないのと、どちらがよいのでしょうか?犬はもともと夜行性で、昼間は狭く暗い穴倉で眠っていました。人と生活を共にすることで、朝起きて行動し、夜寝るようになったのです。そのため、本来は暗い方が犬も眠りやすいと言えます。ここでは、犬が快適に眠れる環境を用意するために、犬の睡眠についてご紹介していきます。

【目次】
1.犬は本来どんな環境で眠る動物?
 1-1.犬の睡眠サイクル
 1-2.犬の睡眠時間
 1-3.犬は夜行性?

2.犬にとって快適な睡眠環境とは
 2-1.暗くて狭い
 2-2.家族の気配を感じられる
 2-3.寝場所にふさわしくない場所

3.犬が寝る時、電気を消した方がいい?

4.犬が寝る時テレビやラジオは消した方がいい?

5.一緒に寝ると犬の睡眠環境にはよくない?
 5-1.犬の睡眠の質を下げる
 5-2.上下関係の構築に影響することも
 5-3.愛犬を潰してしまうかも
 5-4.病気のリスクが高まる

6.犬を夜ぐっすり眠らせるためにしたいこと
 6-1.適度な運動
 6-2.日光浴

7.サークルの中を暗くするおすすめグッズ
 7-1.ドームベッド
 7-2.ケージカバー

8.まとめ

犬は本来どんな環境で眠る動物?

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犬が快適に眠れる環境を知るために、本来どんな環境で眠る動物なのかを見ていきましょう。

◆犬の睡眠サイクル

昼間活動し、夜まとめて眠る人間とは異なり、犬は16分の睡眠と5分の覚醒からなる21分の周期で、1日に何度も睡眠を取っています。
睡眠には、眠りが浅く脳が起きている状態のレム睡眠と、脳も体も活動を休んでいるノンレム睡眠があり、これが交互に繰り返されます。
人間ではレム睡眠が20%、ノンレム睡眠が80%ですが、犬は正反対のレム睡眠80%、ノンレム睡眠20%です。
犬は、一日の大半を眠って過ごしているように見えますが、その大半は浅い眠りのレム睡眠なのです。

◆犬の睡眠時間

犬も、レム睡眠だけでは体力を回復することはできません。
短い周期で睡眠と覚醒を繰り返しながら、少しずつノンレム睡眠を取ることで眠りの質を担保しています。
犬にとって理想の睡眠時間は、子犬で18~20時間、成犬で12~15時間、老犬で18~19時間とされています。

◆犬は夜行性?

犬は、本来夜行性でしたが、昼行性の人間と生活を共にするようになって、夜眠り、朝起きて活動するようになったと言われています。
夜行性であったころには、昼間は薄暗く狭い穴倉のような場所で眠っていました。


犬にとって快適な睡眠環境とは

◆暗くて狭い

犬はもともと狭く薄暗い穴倉を巣穴として過ごしていたことから、現在でも、広い場所よりも狭くて薄暗い場所の方が安心できます。
無防備になる睡眠中には、特に安心できる場所が必要です。
また、犬はテリトリーを守る習性があり、広い場所ではその全てを守らなくてはならず、緊張状態が続きます。
これらのことから、犬にとって快適な睡眠環境は、周囲を囲まれた狭く薄暗い場所と考えてよいでしょう。
おすすめなのは、全体的に囲われていて光が入りにくいクレートです。
愛犬が、中で1周回れる程度の大きさのクレートを準備してあげましょう。
成長に合わせて買い替えてあげるのがベストです。
クレートに慣れていると、地震などの際に落下してくるものから身を守ったり、パニックになった時に逃げ込む場所にしたりすることができます。
また、災害時に避難所などで過ごす際にも、慣れない環境からくるストレスや睡眠障害を引き起こすリスクを軽減できます。

◆家族の気配を感じられる

犬はもともと、群れで生活していました。
人と暮らす現在の犬にとっては、飼い主さんや家族が群れの仲間です。
そのため、家族や飼い主さんと一緒にいることで安心することができます。
犬にとって快適な睡眠環境は、飼い主さんの気配を感じることができ、かつ、刺激を受けにくい場所です。
寝室やリビングなど飼い主さんのいる部屋で、人の動線上から外れていて、音や気配の入ってくるドアや窓から離れた場所が適しています。

◆寝場所にふさわしくない場所

廊下や玄関は、人通りがほとんどなく、飼い主さんの気配を感じることができないため、愛犬が寂しく感じてしまいます。
また、玄関は、外の気配が伝わるため、犬には落ち着くことができない場所でもあります。
リビングは家族の気配を感じることができるので、愛犬に適した寝場所ですが、テレビの近くやドア付近はおすすめできません。
テレビの音や人の出入りで、犬の眠りが妨げられてしまいます。
窓の近くは外気の影響を受けやすく、夏暑く、冬は冷気が入り込むため、寝場所にふさわしくありません。
エアコンで室温調整をする場合には、エアコンの風が直接当たる場所も避けましょう。
夏場は、愛犬の体を冷やしすぎてしまいます。


犬が寝る時、電気を消した方がいい?

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人は、蛍光灯などの明るい照明のもとで眠ると、「メラトニン」という物質の分泌が抑制されます。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも言われ、自然に眠りに誘う物質です。
メラトニンが抑制されると、目を覚まさせて眠りを妨げます。
さらに、昼夜を問わず明るい光にさらされると、朝の明るい光を浴びても「体内時計」がリセットされにくくなります。
犬も同様に、夜には暗い環境で眠り、朝、明るい光を浴びることで調節される体内時計を持っています。
犬にとって快適な寝床が暗くて狭い場所であることと合わせて、犬が寝る時には電気を消した方がいいと言えるでしょう。


犬が寝る時テレビやラジオは消した方がいい?

飼い主さんがいつもテレビやラジオをつけた状態で過ごしている場合、愛犬もそれに慣れて、テレビやラジオの音をそれほど気にしなくなります。
むしろ、ついたままの方がかえって落ち着くという子もいるでしょう。
しかし、これまで述べたとおり、犬の眠りのほとんどは浅いレム睡眠です。
レム睡眠の間、犬は周囲の音を聞いています。
そのため、寝る時にテレビやラジオがついていると、その音や光の刺激によってぐっすりと眠ることができません。
犬が寝る時には、テレビやラジオも消した方がいいでしょう。


一緒に寝ると犬の睡眠環境にはよくない?

愛犬と一緒に寝ている飼い主さんは少なくありませんし、飼い主さんと一緒に寝たがる愛犬もいます。
では、愛犬と一緒に寝た場合、犬の睡眠環境に影響はないのでしょうか?

◆犬の睡眠の質を下げる

ここまで述べてきたとおり、犬の眠りは浅く、レム睡眠の間は周囲の音や気配を感じて寝ています。
このため、一緒に寝ると、飼い主さんのちょっとした動きや気配で愛犬の睡眠を妨げてしまうこともあります。

◆上下関係の構築に影響することも

諸説ありますが、しつけの観点から愛犬とは一緒に寝ない方がよいとする専門家は多いです。
犬にとって家族は群れの仲間であり、飼い主さんが群れのリーダーでなければ安心することはできません。
一緒に寝ることによって、愛犬が、飼い主さんと対等、または自分の方が上であると感じる可能性があります。
上下関係の構築がまだできていない場合や、上手くいっていない場合には、一緒に寝ることは避けた方がいいでしょう。

◆愛犬を潰してしまうかも

子犬や超小型犬・小型犬の場合、飼い主さんが寝返りを打つなどした場合に潰してしまう危険性があります。
ケガはもちろん、最悪の場合、圧死させてしまうかもしれません。
また、ベッドは高さがある分、落下してケガをするリスクもあります。

◆病気のリスクが高まる

犬と人間がともに感染する「人獣共通感染症」(ズーノーシス)にかかるリスクが高まります。
犬の唾液が飼い主さんの口につく場合のほか、寝具に付着した唾液から感染することもあるため、注意が必要です。

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愛犬と一緒に寝るのはダメ?やめるべきと言われる理由5つ

夜眠るとき、愛犬家の皆さんはどんな方法をとっていますか?愛犬と同じベッドで一緒に寝る、寝るときはケージなどを利用して一緒には寝ない。飼い主さんによって、考え方は様々でしょう。犬と一緒に寝るのはよくない!という意見を聞くことは多いですが本当の所はどうでしょうか? 今回は、愛犬との眠り方にスポットをあてます。愛犬と一緒に寝る上でのリスクや、守るべきルールを紹介しますので、チェックしてみてくださいね。

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犬を夜ぐっすり眠らせるためにしたいこと

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人の生活リズムに合わせて犬も昼間起きているので、夜はぐっすり眠る時間にしてあげましょう。
犬の睡眠環境をよくするために、電気やテレビ・ラジオを消すほかにもできることがあります。

◆適度な運動

ストレスは、睡眠のバランスを崩す原因になります。
犬にとって運動不足はストレスなので、適度な運動をさせてあげましょう。
また、適度な運動は、脳や心身に刺激を与えて快適な睡眠をもたらします。
日々の散歩はもちろんですが、家の中でもしっかり遊んであげると、運動不足やストレスを解消できます。

◆日光浴

体内時計をリセットすることで、生活リズムを整えることができます。
体内時計をリセットするには、朝、日光を浴びることが有効です。
また、日光を浴びると、「メラトニン」の原料となる「セロトニン」というホルモンの分泌が促されます。
メラトニンは自然な眠りを促すホルモンなので、日光を浴びると夜の眠りの質が良くなります。
窓越しの日光浴でも大丈夫ですが、朝のお散歩を習慣にすると、飼い主さんも愛犬も夜ぐっすり眠ることができるでしょう。


サークルの中を暗くするおすすめグッズ

昼間明るく、夜は暗い環境が犬の睡眠には適していますが、現代の人間の生活では夜遅くまで電気がついていることが多いです。
犬に快適な睡眠環境を用意してあげるためには、犬の寝床となるサークルの中などを暗くしてあげるとよいでしょう。

◆ドームベッド

犬が中に入って眠ることができるドームベッドは、周りを囲まれ、中は暗く、快適な睡眠環境と言えます。
サイズ的にもサークルの中に置くことができるので、犬が夜寝るための寝床としておすすめです。

◆ケージカバー

ケージやクレートの中は、愛犬にとって落ち着く寝場所になります。
しかし、ケージはクレートに比べて光が入りやすいので、ケージカバーを掛けてあげるとよいでしょう。
光や気配を遮ることで、より快適な睡眠環境を整えることができます。
専用のケージカバーではなくても、毛布や大きめのタオル、段ボールなどで、天井部分や側面を覆ってあげても大丈夫です。


まとめ

犬の眠りは、主に浅い眠りであるレム睡眠のため、周囲の音や気配ですぐ目を覚ましてしまいます。
また、犬は本来、狭くて薄暗い穴倉を寝床としていたため、人と暮らす現在でも、適した睡眠環境は周囲を囲まれた薄暗い場所です。
これらのことから、犬が寝る時には、電気やテレビ・ラジオを消して暗く静かにしてあげた方がいいでしょう。
寝床としては、クレートやケージが適しています。
光を遮るために、サークルの中にドームベッドやクレートを入れたり、ケージをカバーやタオルで覆ったりしてあげましょう。
犬の健康のためにも、安心して眠れる睡眠環境を整えてあげてください。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。

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