1.犬にほうれん草を与えてもいいのか
1-1.与えてもいい
1-2.効果
3.犬にほうれん草の与え方
3-1.食べやすい多さにする
3-2.茹でてアク抜きをする
3-3.食後に水を飲ませる
犬にほうれん草を与えてもいいのか
ほうれん草はたくさんの栄養素が含まれていて、特にビタミンAや鉄分が豊富に含まれている野菜です。
人間には鉄分不足という深刻な症状がありますが、犬にも勿論鉄分不足という症状があります。
犬もほうれん草を食べれるというのであれば、食べさせてあげて犬の体調管理もしっかりしてあげたいですよね。
◆与えてもいい
結論から申し上げると、犬もほうれん草を食べることができます。
食べられるとは言っても、どの食材も共通していえますが、犬には適切な量しか与えることができません。
適切な量以上を与えてしまうと、犬の胃や腸に負担をかける可能性があるため、ほうれん草に限らず野菜を与える時は注意が必要です。
しかし与え方に注意するだけで、犬の健康に良い栄養素がたくさん入っているので、健康維持に効果的な食材です。
◆効果
ほうれん草には様々な成分が豊富に含まれていて、鉄分不足を補うことができる以外にも、貧血予防もすることができます。
犬にほうれん草を与えることによって、犬の胃腸の調子を整えて免疫力を上げてくれる効果だったり、皮膚の活性化にも効果が期待でき、量や調理方法などの与え方に注意するだけで、犬の健康維持に効果があります。
それ以外にも、骨の形成に効果的だったり、視力維持に効果的な栄養素が含まれているので、皮膚や被毛など目に見える効果だけではなく、内面にも効果的な要素がしっかりと含まれています。
ほうれん草に含まれる栄養素
ほうれん草は栄養素が豊富に含まれている野菜で、ほうれん草といえば鉄分がたっぷり含まれている野菜と思いがちですが、実は他にもたくさんの栄養素が含まれているんです。
ほうれん草にはどんな栄養素が入っているのか、どんな効果があるのかご説明します。
鉄分
まず、ほうれん草といえばこれ、とほとんどの方が思うほどに代表的ともいえる栄養素の鉄分です。
ほうれん草の鉄分は100gあたり2.0mg含まれていて、ビタミンCや消化酵素と一緒に摂取することで鉄分を身体に吸収することができます。
鉄分は赤血球の成分となるので、身体の中で酸素を運ぶ動きをしてくれます。
そのため、貧血を予防してくれる効果があります。
ビタミン
ほうれん草にはビタミンも豊富で、ビタミンCやビタミンA、ビタミンK、ビタミンBなどが含まれています。
その中でも特にビタミンCが多く含まれていて、犬の肌を健康に保ってくれる効果があり、免疫力を高める効果もあります。
ビタミンBにも犬の皮膚や被毛を健康に保つ効果があり、それ以外にも白内障予防にも効果的です。
ビタミンKには骨折を予防する効果があるので、膝蓋骨脱臼になりやすい犬種には骨の形成に効果的です。
そしてビタミンAですが、βカロテンという成分が犬の体内でビタミンAに変換されます。
このビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保つ役割があり、視力の維持にも効果的です。
カリウム
カリウムは、摂取しすぎてしまった塩分を体外に排出してくれる大切な栄養素です。
ドッグフードなどにも塩分は含まれていますが、摂取しすぎてしまうと当然ですが、犬の身体にとって悪影響を及ぼします。
そこで、摂取しすぎた塩分を体外に排出することによって、犬の健康維持にも効果があります。
また、血圧を下げるという効果もあるので、高血圧の犬にとっては、身体に必要な栄養素でもあります。
犬にほうれん草の与え方
ほうれん草は犬にとって大事な栄養素がたくさん含まれています。
しかし与えすぎもよくありませんし、生で与えるなんてもってのほかです。
特に初めてほうれん草を与える場合は、量や調理方法に注意して、犬の体質に合っているか見極めながら与えることが大切です。
◆食べやすい多さにする
ほうれん草は与える量に注意が必要な野菜で、与えるのであれば、おやつとして与えることをおすすめします。
実はほうれん草は、環境省が発表している『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』というもので注意が必要といわれていて、犬の体格によっても与えられる量の目安が挙げられています。
-
・超小型犬(4kg未満)5グラム~25グラム
・小型犬(10kg以下)25グラム~50グラム
・中型犬(25kg以下)50グラム~90グラム
・大型犬(25kg以上)90グラム~140グラム
いくらこの目安の範囲内だからといっても、初めて与える場合は少量から与える、ということを心がけてください。
決して食べるのが大好きな子だから、と上限ぎりぎりまで与えないでくださいね。
また、与える際は切らずに大きいまま与えてしまうと、消化器官に詰まらせてしまう可能性があります。
そのため、犬が食べやすい大きさに細かく切る、もしくはすりつぶして与えるようにしてください。
◆茹でてアク抜きをする
ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、このシュウ酸というのは尿路結石の原因のひとつといわれています。
もし生でほうれん草を与えてしまうと、シュウ酸カルシウム尿石症という、命の危険につながる病気にかかるリスクが上がってしまいます。
このシュウ酸カルシウム尿石症という病気は、頻尿や血尿、排尿痛といった症状が見られ、もしも尿路閉塞が引き起こされてしまうと、腎不全を引き起こしてしまう恐ろしい病気です。
しかし、ほうれん草を茹でてアク抜きすることで、シュウ酸の量を減らすことができますし、シュウ酸カルシウム尿石症のリスクも減らすことができます。
この時、シュウ酸の量を減らしたいがために、長時間茹でてしまうと、大切な栄養素たちが流れていってしまうので、湯通しする程度の短い時間だけ茹でるようにしてください。
シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っているため、アク抜きした後は必ず水にさらしてから与えてください。
◆食後に水を飲ませる
ほうれん草を与えた後は、尿路結石の予防のために、たっぷりと水を飲ませましょう。
シュウ酸カルシウム結晶という結石の元となる結晶を作らないためには、しっかりと尿を排出することが大事です。
尿の量が増えれば、結石が犬の体内にとどまりにくくなり、犬の身体にシュウ酸の影響を受けさせないという大事な役割を果たします。
ほうれん草を食べた・食べてないに関わらず、普段から水をたっぷり飲むことで結石を作りにくくする効果があるので、毎日注意してみてください。
犬にほうれん草を与える際に注意すること
いくら犬の健康に良い影響を与える野菜だからといって、むやみやたらに与えると、せっかく良い影響を及ぼすほうれん草でも、逆効果になってしまい、犬の健康を害する可能性もあります。
犬の健康を害するひとつの要素が先ほど述べたシュウ酸と尿路結石です。
先ほど述べたシュウ酸カルシウム結晶を今までに作ったことがある犬だったり、できやすい犬は、ほうれん草を食べることで結石ができやすくなってしまうので、避けたほうが犬の健康を考えると安心することができます。
それ以外にも勿論、注意するポイントがいくつかあります。
◆食物アレルギー
何かしらの食べ物にアレルギーを持っている犬は、もしかするとほうれん草もアレルギーだった、なんてことも有り得るので、いくら犬の健康に良い野菜だからといっても、いきなり与えることは避けましょう。
またアレルギーを持っていない犬でも、ほうれん草が犬の体質に合わないと、下痢や嘔吐、発疹やかゆみといった症状が出てしまう可能性があります。
そのため、初めてほうれん草を与える場合は、少しずつ与えるよう、注意が必要です。
もしも下痢や嘔吐、発疹やかゆみの症状が見られたら、迷わず動物病院へ行ってくださいね。
◆ほうれん草の加工食品
最近はほうれん草の加工食品も多く見かけますが、犬に与える際は、ほうれん草の加工食品を与えるのは避けてください。
なぜなら、ほうれん草の加工食品には味付けされているものだったり、塩茹でされているものだったりと、塩が含まれていることが多く、犬はあまり塩分を摂取すると犬の健康を害するといわれています。
そのため、ほうれん草の加工食品を与える際は、塩が入っているのか、入っていないのかしっかりと確認しておくことが必要です。
まとめ
ほうれん草は犬の健康にとって効果的な食材です。
しかし、与え方や与える量によっては犬の健康に悪影響を及ぼします。
ほうれん草を与える場合は必ず茹でて水にさらしてから、ということを徹底し、シュウ酸のこともありますので、毎日与えることは避けましょう。
しかしながら、愛犬の健康を内面からも外面からもサポートしてくれる食材なので、愛犬の体質や体調などを見ながら、適切に与えてみてくださいね。
また、犬の手作りご飯を作ろうと考えている飼い主さんは、ほうれん草を入れたメニューも是非考えてみてくださいね。
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