1.犬についているイエローリボンの意味って?
2.どんな犬がイエローリボンを付けている?
2-1.人間や他の犬が怖い
2-2.健康上の理由がある
2-3.トレーニング中
3.イエローリボンはどこにつけているの?
3-1.一般的にはリードについている!
4.イエロードッグプロジェクトって?
4-1.プロジェクトのできた経緯は?
4-2.イエロードッグとしての扱い方には注意!
犬についているイエローリボンの意味って?
イエロードッグプロジェクトという活動をご存じですか?黄色いリボンを犬に付けることでメッセージを表明する運動のことをこう呼びます。
このイエローリボンが示すメッセージには、「犬をそっとしておいて欲しい」という意味が込められているのです。
人間にも個性があるように、犬にもそれぞれ個性があり、育ってきた環境や背景、その子がもつ事情も違います。全てのワンちゃん猫ちゃんなどのペットが誰にでもフレンドリーではないのです。
このリボンを付けている犬、また飼い主さんは、さまざまな理由から、触ったり構ったりしないで欲しいという意思を示しているのだと受け取りましょう。
全ての愛犬が人間社会・地域で笑顔のまま暮らせる可能性を広げるためにも、この機会にぜひこのイエローリボンという存在に興味をもってみてください。
どんな犬がイエローリボンを付けている?
イエローリボンを付けているいわゆるイエロードッグとは、一体どのようなワンちゃんなのでしょうか。
近付かないで欲しい、そっとしておいて欲しい、という意思表示が込められているイエローリボンですが、必ずしも犬が攻撃的だからという理由に限りません。犬・人間の双方を守ること、ストレスなく過ごせるようにするための目印がイエローリボンなのです。
散歩中に可愛い犬を見掛けると、つい不用意に触ってしまう人も少なくないでしょう。しかし、その子がさまざまな事情や健康上の問題を抱えていて、距離を置いてほしいと思っているかもしれません。
自分に置き換えてみても、見知らぬ人から突然触られるとびっくりしますし、決して気持ちの良いものではないですよね。
犬はそのような感情を直接人間に伝えることができません。それを伝えるための目印としてイエローリボンが作られたのです。
では実際にどのような犬がイエローリボンを付けているのか、詳しく解説していきましょう。
◆人間や他の犬が怖い
ワンちゃんの中には他の人間や犬に強く反応してしまう子がいます。好奇心旺盛な性格で近付いてきた人に飛びついてしまう、他の犬に対して興奮しやすい、といったような子には、近付きすぎないよう距離を取る配慮をすることでトラブルを回避することができるのです。
また元々臆病な性格を持つ子や、過去に見知らぬ人に強い恐怖心を抱いたことがあり、それがトラウマになってしまった子も中にはいますよね。こういった場合はワンちゃんがパニックに陥ってしまう可能性があるため、イエローリボンを見て距離を取ってもらうことが大切だといえるでしょう。
◆健康上の理由がある
体が不自由であったり、手術後の回復期であるなど、健康上の理由で愛犬をそっとしておいてほしい場合もあります。この場合、他の犬や人に近づかれることが要因で、病気やけがが悪化することを防ぐことが目的となります。
◆トレーニング中
子犬・成犬に関わらず社会化が不十分だったり、虐待を受けた過去があるなどの理由から、人間社会に馴染む訓練中のためにイエローリボンを必要としているケースもあります。保護されたばかりの保護犬などの社会復帰の際中にも、付けられている場合があるでしょう。
そのような状態の子は、他人や他の犬との接触になれていませんし、それを苦手としている子も多いです。そのため、相手に対して強いストレスを感じ、怪我をさせてしまう可能性があるのです。
ケガをさせた側、させられた側の両者が嫌な思いをしないためにも、イエローリボンに注目しそっとしておいて欲しいという意思表示がされています。
イエローリボンはどこにつけているの?
イエローリボンには、大きさなどサイズの決まりがありません。注意しないと見逃してしまう場合もあるでしょう。
犬と飼い主さんにとって重要なサインを見逃さないためにも、イエローリボンがどんな場所についていることが多いのかを把握しておく必要があります。
◆一般的にはリードについている!
できるだけ分かりやすいように、基本的にはリードにイエローリボンが付いていることが多いです。
街で犬を見掛けるとやはり犬自体に目がいき、リードが中々目に入らないかもしれません。犬を見掛けた時は、まずリードをチェックする習慣をつけておくと良いでしょう。そうすることが、トラブル回避やお互いに気分を害することを防ぐのに役立ちます。
また、イエロードッグプロジェクトの一環で、黄色いバンダナを付けている犬もいます。「怖がりです」「触らないでね」といったメッセージが書かれている場合も多いので、こちらの方が意思が伝わりやすく気付きやすいかもしれませんね。
散歩中などの犬を見掛けた際には、黄色のリボンやバンダナが付いていないかを、はじめに確認するよう注意してください。そのサインを発見した場合は、近付かずに離れてあげたり、狭い道の場合は道を譲ってあげるなどして配慮してあげると尚よいですね。
実際にイエローリボンやバンダナがどういう見た目なのか気になる方は、ネット上で写真を見てみてください。色々なタイプが存在しますが、大体のイメージは掴みやすいでしょう。
イエロードッグプロジェクトって?
前述したように、イエローリボンを付けることで「そっとしておいて欲しい」という意思表示をする運動をイエロードッグプロジェクトといいます。
紹介してきたように、性格上・健康上の理由や、重い問題を抱えている場合など、様々な事情からこのリボンを付けている子がいるのです。
メッセージを伝えたいと願う愛犬や飼い主さんが幸せな生活を送るためにも、沢山の人が知るべき活動だと個人的にも思います。
このプロジェクトをよく知るためにも、イエロードッグプロジェクトがどう始まっていったのかを紹介していきましょう。
◆プロジェクトのできた経緯は?
このイエロードッグプロジェクトの発祥はスウェーデンで、2016年6月に始まりました。
オーストラリアのドッグ・クラブで、他の人・犬に強い興味を示したり、怯えてしまう犬へ目印が付けられていたことをヒントに、作られたプロジェクトだといわれています。
スウェーデンの犬の心理学者・トレーナーなどのグループが始めたものですが、すぐにその趣旨への賛同が集ました。アメリカ・イギリス・フランスなどの欧米をはじめとし、日本などのアジア、南米・南アフリカなどと世界中に広がりを見せ、いまやこれらの有志が基金を立ち上げて大規模なプロジェクトに発展しつつある運動となっています。
ウェブサイトやSNSなどで世界に拡散されており、日本でも啓発用ポスターが訳されて配布されていますが、国内での知名度はまだ高いとはいえないでしょう。
今日この取り組みを知った方はぜひ、Yellow Dog projectと検索しチェックしてみてください。掲示板・コラム・記事・体験談などでこのプロジェクトの理解を深め、賛同した方でTwitterやFacebookなどのアカウントをお持ちであればコメントを発信するなどして啓発活動に参加してみてはいかがでしょうか。
◆イエロードッグとしての扱い方には注意!
イエロードッグプロジェクトは、そっとしておいて欲しい犬への配慮としては、とても分かりやすく効果的な運動です。
しかし、イエローリボンに決まりがないように、イエロードッグとして扱う場合にも何らかの判定や検査を要するわけではありません。飼い主さんが安易に愛犬をイエロードッグとして扱うには注意も必要だというわけです。
犬に限らずペットとして生きる動物達は、人間と一緒に密接な関係を築きながら生きていきます。
人間社会の中で生きていく必要があるため、環境・社会に慣れること、コミュニケーション能力を養うことが大切でもあるのです。
むやみイエロードッグ扱いをしてしまうと、その機会を奪うことになるため気を付けなくてはいけません。
飼い主さん自身で判断がつかない場合は、プロのドッグトレーナーを仕事としている方や、実際に愛犬がイエロードッグである方のお話を聞くなど、他者に相談する機会を探してみるのも良いかもしれませんね。
イエローリボンを見かけたら
犬が好きな方は、犬を見掛けるとついつい近づいたり撫でたりしたくなるものです。その時の人気犬種や自分の好きな犬種を見るとテンションが上がってしまい、咄嗟に触ろうとしてしまう方もいるかもしれません。
しかしまずは、イエローリボンやバンダナをチェックすることが重要です。
犬が好きならば、犬の気持ちを最初に考えてあげましょう。個性やそれぞれの事情があることを、常に頭に入れておきましょう。
イエロードッグを見掛けた場合は、絶対に近づいたり触ったりせずに、そっと距離をとってあげてください。見るだけならいいかな?と、見つめることもNG行為ですよ。中には見つめられるだけでストレスを感じてしまう子もいます。
距離を取れば、トラブルや怪我を回避できますし、そのワンちゃんが加害者になってしまうことも避けられるのです。愛犬家であるならばイエローリボンプロジェクトのトップになったつもりで、イエローリボンが両者を守るためにあるのだということをしっかり認識し、配慮を怠らないようにしましょう。
まとめ
イエローリボンやイエローリボンプロジェクトのことを知らない人は、まだまだ沢山います。
今回初めて知った方は、黄色いリボンやバンダナには「色々な事情があって今は近づいて欲しくないよ。そっとしておいて欲しいんだよ。」という犬からのメッセージが込められているということを、是非、周りの方へ教えてあげてください。
このプロジェクトが廃れずにもっと広く認識されるように、愛犬家の私たちがみんなで一歩を踏み出していきましょう。
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