【掲載:2022.02.09 更新:2024.10.18】
細い犬の特徴
見た目がシュッとしていて、スタイリッシュで、立っている姿も走っている姿もかっこいい!と思う細い犬ですが、おそらくはサイトハウンドと呼ばれる犬種です。
サイトハウンドといっても、様々な特徴を持っています。
まずは犬種の前にどういった特徴を持っているのか、ご紹介します。
◆サイトハウンドと呼ばれるグループ
このハウンドというのは、犬の分類群のひとつであり、猟犬という意味を持っています。
ハウンド種には、『サイトハウンド』『セントハウンド』の2種類があり、それぞれ異なる優れた部分を持っています。
その中でもサイトハウンドと呼ばれるグループは、視覚ハウンドのことを指し、視力と走力に優れた犬種といわれています。
足が速くて、獲物を捕らえる時は俊敏な動きで捕らえるので、ドッグレースではその特徴を活かして活躍する犬もいます。
ちなみにセントハウンドと呼ばれるグループは、嗅覚ハウンドのことを指し、嗅覚に優れた犬種といわれており、獲物を探す時は嗅覚で探す犬種です。
海外であれば、サイトハウンドは猟犬として活躍している犬種もいるようですが、日本では猟犬としてではなく、家庭犬として私たち人間と一緒に穏やかに日々を送っています。
◆全体的にスリム
細い犬という印象を持つほどですから、サイトハウンドは見た目がスタイリッシュでスリムな犬種ばかりです。
もちろんサイトハウンドのような細い犬でも長毛種と短毛種の犬種に分かれていますが、どちらにも共通していえることは、速く走るために進化した犬種なので、他の犬種に比べると遥かにスリムということです。
長毛種は、頭が小さく尖った長い鼻を持ち、かっこいいクールな印象を持ちます。
短毛種は、毛が短い分、筋肉質な美しい身体のラインが出て、いかにも細い犬といった美しさを感じることができます。
どちらも、速く走るために風の抵抗をあまり受けないよう、顔・身体ともにスリムであることが特徴です。
◆走り方が綺麗
サイトハウンドは猟犬であったことから、俊敏な動きで獲物を捕らえるために、長い脚を持っています。
サイトハウンドなどの細い犬は、速く走るために進化した犬種であるので、他の犬種に比べると遥かに走るスピードが速く、ドッグレースに参加する犬も多いです。
長い脚を持ち、風の抵抗を受けないスリムな身体を持ったサイトハウンドは、走るフォームも美しく、当然歩いている姿も美しく、ドッグレース以外にも、お散歩で見かけると目を奪われてしまう、なんて方も少なくはないはずです。
走り方が綺麗なのには理由があり、独特の走り方でもある” ダブルサスペンションギャロップ “という走り方で走っているからといわれています。
この走り方は、身体を伸ばしたり丸めたり、前足と後ろ足を伸ばしたり縮めたりと、まるでジャンプを連続でしているような動きをします。
この走り方は身体がスタイリッシュな細い犬種のサイトハウンドだからこそできる走り方で、軽々とこの走り方ができるので、走るフォームが綺麗といわれるのは、この走り方のおかげでもあります。
◆穏やかな性格
サイトハウンドは海外では細い犬ではあるものの、本来の猟犬として活躍している犬種もいるなか、日本では家庭犬として、私たちと穏やかな生活を送っています。
そんなサイトハウンドですが、性格はどんな性格なのか?といいますと、おとなしい性格で愛情深い犬が多いです。
物覚えも良いですし、判断力も他の犬種に比べると遥かに優れていることから、飼い主として信頼関係を築き上げることができれば、聞き分けも良いので、お互いに良い関係になれるでしょう。
また、愛情深い一面も持っているので、家族に対しての愛情を深く持ってくれ、家族としても良い関係を築くことができるはずです。
サイトハウンドの代表犬種【小型犬】
視覚が優れているサイトハウンドですが、もちろん他の犬種と同様に小型犬から中型犬・大型犬が存在します。
見た目が細い犬種というだけでも、なかなか普段見かけることはありませんが、細い犬サイトハウンドの小型犬種はどんな犬種がいるのか、ご紹介します。
◆イタリアングレーハウンド
サイトハウンドの小型犬種の代表的な犬種といえば「イタリアングレーハウンド」でしょう。
通称・イタグレと呼ばれている見た目が引き締まった細い犬種です。
体高と体長が等しく、身体が四角いのが特徴の短毛種のサイトハウンドで、体重は最高5キロ程度、他の小型犬と比べると引き締まった体格だからか、少し大きく見える犬種です。
陽気な性格をしていて、愛情豊かな一面を持っていて、家庭でも飼育しやすい犬種なので、比較的街中で見かけることも多いでしょう。
サイトハウンドの代表犬種【中・大型犬】
サイトハウンドには中型犬・大型犬のほうが多く、当たり前ですが大きさは犬種がそれぞれ違います。
すべての犬種が温厚で飼育しやすいというわけもなく、もし『サイトハウンド』の中型・大型犬を飼育してみたいと考えている方へ、どんな犬種が代表的なのかご紹介します。
◆サル―キ
体高が58センチから71センチと高く、体高と体長が等しい体型がサルーキではスタンダードといわれています。
牝の場合は体高が少し低めではありますが、周りから見ると目を引く犬種です。
サルーキはサイトハウンドという細い犬種の大型犬に分類され、引き締められた身体は自慢の長毛・フリンジに覆われています。
特別神経質というわけでも、攻撃的というわけでもなく、他人に対しては控えめの性格をしています。
◆スルーギ
サイトハウンドの中でも桁違いの動体視力を持ったスルーギは、砂漠地方の出身です。
オスは体高66センチから72センチ、メスは61センチから68センチと大きな身体を持っています。
細い犬種サイトハウンドらしい、引き締まった身体で、心肺機能も高く、身体の大きさから大型犬に分類されています。
こう聞くと力強い印象を受けますが、砂漠地方出身だからか、寒さに弱い一面を持っています。
スルーギは神経質な性格で、警戒心も強いところが特徴です。
◆ウィペット
サイトハウンドの代表的な中型犬として挙げられるウィペットですが、体高がオスは47センチから51センチ、メスは44センチから47センチ、身体つきが細い犬種であるものの、筋肉質な体型をしていて、先祖犬でもあるグレーハウンドとよく似ている犬種です。
ウィペットと呼ばれるようになったのは、力強くしなるムチのように走る姿からといわれています。
優しく愛情深い性格を持っており、家庭でも飼育しやすい犬種なので、どんな環境下においても適応しやすいところが特徴です。
◆ボルゾイ
サイトハウンドの長毛種でもあるボルゾイは、身体を長毛やフリンジで覆っていて、一見、上品で優雅な雰囲気を持っています。
しかし、長毛やフリンジの下にはサイトハウンドらしい引き締まった身体を持っており、体高大型犬に分類されています。
体高が、オスは75センチから85センチ、メスは68センチから78センチと大型犬の『サイトハウンド』の中でも比較的大きな体格をしているのが特徴です。
静かな性格をしていて、一見優雅に見えますが実際は獲物を見つけると大興奮してしまう一面も持っている犬種です。
◆グレーハウンド
ウィペットの先祖犬といわれているサイトハウンドの大型犬種であるグレーハウンドは、サイトハウンドの中でも特に走る速さが桁違いの犬種です。
その走る速さが時速70キロを超える子がいたり、なんとグレーハウンドより速い動物はチーターだけ、といわれています。
体高がオスは71センチから76センチ、メスは68センチから71センチ、がっしりとした身体つきをしているのが特徴です。
またグレーハウンドは、がっしりとした身体つきとは裏腹に、優しい性格をしていて、理解力もあり、愛情豊かな犬種です。
◆アフガンハウンド
サイトハウンドの中でも古い犬種のアフガンハウンドは、長毛種の大型犬種です。
アフガニスタン出身で、イギリスに1900年頃にやってきました。
体高がオスは68センチから74センチ、メスは63センチから69センチと特別大柄ではないものの、長い毛が美しく、華々しいスタイルのアフガンハウンドは、ドッグショーでも多くの人々を魅了しました。
知的で活発、献身的な性格をしているアフガンハウンドは、自立した精神を持っていて、信頼関係を築きやすい犬種でもあります。
◆イビザンハウンド
地中海のスペイン領・イビザ島生まれのイビザンハウンドは、大きく耳がピンとしている、ちょっぴり原始的な見た目をしています。
体高が、56センチから74センチの大型犬種に分類されるイビザンハウンドは短毛・長毛・剛毛の3種類のコートがおり、身体が細い犬種なのでパッと見だと鹿に見間違われることもあるそうです。
イビザンハウンドは温厚で優しい性格をしていて、家族には愛情深く接する反面、他人に対しては神経質になってしまったり、強い警戒心から臆病な態度を取ってしまう一面もあります。
細い犬を飼う際の注意点
細い犬種サイトハウンドの代表的な犬種をご紹介してきましたが、当然飼育する際に注意すべき点がいくつかあります。
身体が細い犬種というのは、愛玩動物と呼ばれるトイプードルやポメラニアンなどよりも、大変な一面もありますし、どのような点に気をつければ良いのか、紹介しますので是非参考にしてみてくださいね。
◆温度調節に気を付ける
サイトハウンドは身体つきが細い犬種で筋肉質なので、他の犬種と比べると寒さに弱い一面を持っています。
そのなかでも特に短毛種であるイタリアングレーハウンドであったり、ウィペットは特に寒がりなので、寒さを凌げるような洋服は必須といえるでしょう。
それ以外にも部屋の温度調節に気を配ることで、寒さからの体調不良を防ぐことができます。
細い犬種であり、短毛であれば、寒さが原因で体調を崩しやすいので、洋服は防寒対策ができるしっかりと暖かさを感じることができるものを選びましょう。
◆十分な飼育ができる広さ
サイトハウンドは、がっしりとしたように見え、実は身体つきが細い犬種ではあるものの、もともと狩猟犬だったこともあって、運動が大好きなため、他の犬種よりも十分に部屋の広さを確保する必要があります。
マンションによっては、飼育する動物のサイズ規定に引っかかってしまう場合もありますが、飼育ができる住宅であれば、サイトハウンドは他の愛玩動物と比べると体格も大きいので、犬の生活スペースは広々と取れる部屋で飼育することをおすすめします。
◆首輪のサイズ感
身体つきが細い犬種では悩みがちな首輪のサイズですが、サイトハウンドの首輪やハーネスを選ぶ際は、幅が広めの首輪・ハーネスを選ぶようにしましょう。
ハウンド種専用の首輪やハーネスを売っているところもあるので、初めて選ぶという方は専用のものを選ぶことをおすすめします。
サイトハウンドは、身体だけではなく、首も細い犬種で、頭が小さいという体型の特徴があり、しっかりとどんな首輪・ハーネスなのか見なければ頭からすっぽり抜けてしまう場合もあります。
◆運動不足にさせない
もともと猟犬だったサイトハウンドは、愛玩動物に比べると遥かに運動量が多い犬種です。
見た目はあまり肉付きがなく、細い犬種のサイトハウンドですが、スタミナがとにかくたくさんあるので、朝・夕のお散歩を最低でも1時間ずつできれば理想といえるでしょう。
もちろん、ドッグランで思い切り走りまわったり、ボールだったり、フリスビーなどのおもちゃを使ってスタミナを消費させるのも、ひとつの手段です。
サイトハウンドが気を付けたい病気
スタイリッシュで身体つきが細い犬種サイトハウンドは、細い身体つきだからこそ気をつけなければいけない病気があります。
他の犬種ではなかなか見ない細い犬種だからこそ、どんな病気に注意が必要なのか、是非参考にしてみてください。
◆骨折
身体つきが細い犬種のサイトハウンドだからこそ、最も注意しなければいけないのが、骨折です。
細くて長い脚をもっているサイトハウンドは、とにかく骨折しやすく、ちょっと着地の仕方が悪いだけでぽっきりと骨折してしまいます。
いくら運動神経が良くても、興奮している際はただ勢いよくジャンプしただけでも骨折してしまう可能性があります。
◆パテラ
膝蓋骨脱臼、別名パテラと呼ばれる病気は、脚が長く細い犬種サイトハウンドだけではなく、ポメラニアンのような小型犬にも、どんな犬種にもかかる可能性のある病気です。
膝の皿が内側にずれてしまう、とても危険な病気です。
この病気は完治することはなく、手術をしてもグレードが下がる程度ではありますが、歩けなくなるほど悪化することはありません。
原因は滑りやすいフローリングだったり、もともと膝の皿がずれやすかったり、様々ですが脚が細い犬種で骨折しやすいサイトハウンドは、細心の注意が必要です。
まとめ
視力や運動神経が優れたサイトハウンドですが、海外では猟犬として、日本では家庭犬として、世界中で愛されている犬種です。
街中で、あの細い犬はなんて犬だろう?と思って見ていた、あの犬種はどんな犬種なのか、少しは知ることができましたか?
身体や脚が細い犬だからこそ、気をつけなければいけない病気があったり、飼育環境があります。
犬種によっては、日本ではあまり見かけない犬種もいるので、もし飼いたいと思う犬種がいたのであれば、是非探してみると良いかもしれませんね。
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