1.犬の被毛タイプは2種類~シングルコートとダブルコートの違いとは?
1-1.犬の「オーバーコート」と「アンダーコート」とは?
1-2.シングルコートは「オーバーコート」のみで構成
1-3.ダブルコートは「オーバーコート+アンダーコート」
1-4.シングルコートには「換毛期」がない
3.シングルコートにはどんな犬種がいる?代表的なわんちゃんをご紹介!
3-1.シングルコートの小型犬
3-2.シングルコートの中型犬
3-3.シングルコートの大型犬
犬の被毛タイプは2種類~シングルコートとダブルコートの違いとは?
犬の被毛構造には「シングルコート」と「ダブルコート」という2つの種類があります。
身体全体が被毛に覆われている点はどちらも同じですが、毛の生え方やお手入れの方法が違います。
◆犬の「オーバーコート」と「アンダーコート」とは?
まず、覚えておきたいのが「オーバーコート」と「アンダーコート」という層のことです。
犬の被毛の種類となるのが、これらの2つの層です。
◎オーバーコート
オーバーコートは、「上毛」や「トップコート」とも呼ばれ、犬の皮膚を守るための太くて硬い毛です。
◎アンダーコート
アンダーコートは「下毛」と呼ばれます。
オーバーコートと皮膚の間に生えている毛で、細くて柔らかく、そして短いという特徴があります。
保温や保湿などの役割を持っています。
◆シングルコートは「オーバーコート」のみで構成
シングルコートは、オーバーコートだけで被毛が構成されています。
被毛の層が1層なので、ダブルコートのように保温のための被毛が備わっていません。
そのため、ダブルコートの犬種よりは、シングルコートの犬種の方が「寒がり」な傾向があります。
◆ダブルコートは「オーバーコート+アンダーコート」
ダブルコートは、「オーバーコート+アンダーコート」というように2つの層から構成されています。
保温機能を持つアンダーコートのおかげで、冬でもボリュームのある被毛に包まれて暖かいです。
シングルコートの犬種と比べると、冬には厚着をしているイメージで寒さに強いですが、逆に夏には「暑がり」となる傾向にあります。
◆シングルコートには「換毛期」がない
ダブルコートは季節の移り変わりのタイミングで衣替えのように被毛が生え変わります。
換毛期には、ダブルコートのわんちゃんの抜け毛ケアは「まだ抜けるの!?」とびっくりするくらい抜けることも多いです。
シングルコートには換毛期がないため、抜け毛が少なそうな感じがするかもしれません。
でも、実際には抜け毛がゼロというわけではありません。
特定の時期に集中して抜け毛が増えるダブルコートに対し、1年を通じてちょっとずつ毛を生え変わらせるのがシングルコートです。
ただ、最近は冷暖房で過ごしやすい温度管理のなかで暮らす室内犬も多いです。
そのため、ダブルコートでも換毛期がずれるケースもあります。
シングルコートとダブルコートは見分けが可能?
「シングルコート」と「ダブルコート」は、あくまでも“毛の構造”のため、外見だけではなかなか見分けられません。
「短毛種で毛が少ないからシングルコートではないか」
「長毛種でボリュームのある毛並みだからダブルコートだろう」
とイメージするかもしれませんが、実は被毛の量だけでは判断しづらいです。
シングルコートにはどんな犬種がいる?代表的なわんちゃんをご紹介!
抜け毛が少ないと言われているシングルコートのわんちゃん。
いったいどんな犬種がいるのでしょうか。
体のサイズごとに、代表的な犬をご紹介していきます。
◆シングルコートの小型犬
まずは、シングルコートのなかでも体の小さい小型犬から見ていきましょう。
・トイプードル
トイプードルは、ふわふわした豊富な被毛に包まれ、ぬいぐるみみたいな可愛さの持ち主です。
小型犬のなかでも人気があり、たくさんの人に親しまれています。
明るく友好的、家族に無邪気に愛情を注いでくれる素敵なわんちゃんです。
トイプードルはふわふわしたボリュームのある被毛をしていますが、シングルコートで抜け毛が少ないことから「飼いやすい」と人気があります。
📌【おすすめ記事】トイプードルってどんな犬?特徴や性格、価格などもチェック!
・マルチーズ
真っ白で絹のような被毛が特徴的なマルチーズ。
丸っこい体型、惹きつけられるつぶらな瞳…と、ぬいぐるみ感が満載のわんちゃんです。
小さな体をしているマルチーズですが、結構アクティブ。
小柄ながらにも、明るく快活に動き回ります。
“抱き犬”としての歴史も長いこともあり、人間に対して慣れやすい性格をしています。
家族に対する愛情も深く、子供のいる家庭でも一緒に楽しく遊ぶ様子も見られるでしょう。
テディベアスタイルやライオンスタイルなどカットで外見をイメチェンできるのも楽しみのひとつです。
📌【おすすめ記事】マルチーズの性格・特徴は?飼い方や値段も知りたい!
・ヨークシャーテリア
“ヨーキー”という愛称で人気があるヨークシャーテリア。
小型犬のなかでも平均体重2~3キロと軽量で、超小型犬と言えるサイズです。
絹糸のような艶やかさと輝きを放つ美しい被毛が特徴的で、その見惚れるような姿は「動く宝石」と形容されるほど…。
成長にともなって変化する被毛の色や、カットによってさまざまな表現ができるスタイルなどを楽しめるわんちゃんです。
小柄で上品な見た目のヨークシャーテリアですが、「テリア」の気質も受け継いでいることから勇敢で活発な毎日を過ごします。
📌【おすすめ記事】ヨークシャーテリアを子犬から飼いたい!選び方や飼育方法などをご紹介!
・パピヨン
パピヨンは、ピンと立った耳がトレードマークで蝶をイメージさせる外見をしています。
可愛らしく人気のパピヨンは、まるでシルクのようで光沢のある長い被毛が特徴的で、耳やしっぽの飾り毛が豪華です。
体重は4~5キロ前後でスレンダー、それなりに筋肉質でとてもバランスが良い立ち姿をしています。
かつては貴族の間で可愛がられていただけあって、“可愛さ”と“エレガントさ”が感じられます。
愛玩犬として多くの人に愛されていた歴史から、人間に対しても友好的で天真爛漫。
運動神経がいいので、楽しく一緒に遊べます。
子どもや高齢の方との相性もよく、どんな家庭でも受け入れやすいわんちゃんです。
📌【おすすめ記事】パピヨンの魅力はどんなところ?気になる性格・価格・しつけ方法もご紹介
・ミニチュアピンシャー
ドイツ原産のミニチュアピンシャーは、スリムな体型とスタイリッシュな外見が特徴的です。
黒をベースに褐色が混じり、短い被毛ですっきりした印象を受けます。
同じくドイツ生まれのドーベルマンに似た雰囲気です。
4~6キロと小柄ながらにも運動量が多く、引き締まった筋肉でスタイル抜群です。
凛々しい佇まいから受ける印象はそのままで、勇敢に立ち向かう頼りがいのある性格です。
📌【おすすめ記事】ミニチュアピンシャーってどんな犬?性格・特徴・子犬の選び方は?
・イタリアングレーハウンド
「イタグレ」と呼ばれて親しまれているイタリアングレーハウンド。
細身ですらっとした体型をしていますが、適度な筋肉質で凛々しく頼りがいも感じられる風貌です。
古代エジプトやローマ遺跡からイタリアングレーハウンドらしき記録が残っていたことから分かるように、かなり古い時代から存在していたようです。
勇敢でクールな印象を受けますが、実際はとても穏やかで社交的。
見知らぬ人に対しての警戒心は少しあるものの、家族に心を開くのは早く、穏やかな表情に癒されることでしょう。
甘えん坊で温厚、しつけも早く習得してくれるわんちゃんです。
📌【おすすめ記事】イタリアングレーハウンドってどんな性格?気になる価格も紹介します!
◆シングルコートの中型犬
次は、シングルコートの中型犬を見てみましょう。
・バセンジー
古代エジプトの時代から存在していたのではないか…とも言われているバセンジー。
立ち耳と引き締まった体型で猟犬らしい部分もあるものの、独立心が高く、用心深さから内気な一面もあります。
身体能力が高いですが、性格的にはどちらかと言えば穏やかです。
バセンジーは“吠えない犬”と言われるほど、とても落ち着いています。
飼い主さんには心を開き、控えめながらにも甘えてくる様子も見せます。
シングルコートのうえ、短毛ということもあり、冬は苦手で寒がりな傾向にあります。
📌【おすすめ記事】バセンジーはどんな犬?特徴・性格・価格は?
・ウィペット
美しい曲線美が特徴のウィペット。
小顔で無駄のない引き締まった体で、モデルのようなスマートな外見をしています。
細身の体ですが、ウィペットは優れた運動能力の持ち主です。
走る姿は美しく、思わず見惚れるほど。
ドッグレースなどでもよく見かける犬種です。
颯爽と走る姿は凛々しく勇敢ですが、いったん走るルートを離れれば、物静かで気品ある雰囲気を保ちます。
他者に対して攻撃的になることも少なく、社交性があるわんちゃんです。
📌【おすすめ記事】ウィペットってどんな犬?性格、特徴、値段は?
・アメリカン・コッカー・スパニエル
スペイン原産のアメリカン・コッカー・スパニエルは、猟犬だった歴史から運動好きで活発なわんちゃんです。
丸い頭に垂れた耳、黒々とした丸い瞳で多くの人を魅了する愛らしさがあります。
キュートな見た目をしていますが、もともと猟犬でしたから筋肉質です。
胴体や足元にまでおよぶ豊かな被毛のカットスタイルはバリエーションが豊富です。
洗練された雰囲気の風貌と人懐こい性格から、人気のある犬種と言えるでしょう。
📌【おすすめ記事】【陽気で人懐こい】アメリカン・コッカー・スパニエルの特徴、飼い方まるわかり!
◆シングルコートの大型犬
最後に、シングルコートの大型犬について見ていきましょう。
・スタンダードプードル
「プードル」という犬種の4つのサイズのうち、最も大きいのがスタンダードプードルです。
20~30キロほどの大きな体型をしています。
モコモコした特徴的な被毛は水を含んでも乾きやすい特徴から、スタンダードプードルはカモ猟においてカモを回収する役割を担っていた歴史があります。
もともと猟犬として人間の近くで生きていたこともあり、従順性が高くフレンドリー。
人とともに行動するのを好むわんちゃんです。
アフロやライオンカットなど、さまざまなスタイルが楽しめます。
📌【おすすめ記事】スタンダードプードルの魅力はどんなところ?トリミング・しつけ・価格・性格は?
・ドーベルマン
黒く艶やかな被毛にシュッと引き締まったボディ、凛々しく整った顔立ちが印象的なドーベルマン。
知性と防衛力を兼ね備えた犬で、警察犬・軍用犬・作業犬など多方面で活躍しています。
ドーベルマンには、一見、近づきがたいクールな印象がありますが、実際は友好的で穏やかです。
繊細で見知らぬ人への警戒心こそあるものの、飼い主さんからの愛情には忠誠心で応えてくれます。
短い被毛が密集しているため、お手入れがしやすいでしょう。
📌【おすすめ記事】実は甘えん坊!ドーベルマンの飼い方は?特徴や性格・価格を知ろう
シングルコートのお手入れについて
換毛期があるダブルコートと違い、シングルコートは時期によって大量に抜け毛が出ることはありません。
ただ、シングルコートと言ってもお手入れは必要で、犬種によっては適度なタイミングで伸び続ける毛をカットしなければなりません。
また、シングルコートの犬種にはトイプードルやマルチーズなど、見た目にボリュームのあるわんちゃんも多いです。
抜け毛自体はダブルコートの犬よりも少ないですが、これらの長毛や巻き毛の犬に言えることは「毛がもつれる」「毛玉ができる」ということです。
ブラッシングを怠っていたばかりに毛玉ができるケースもあるため、犬種の毛の長さに合わせて丁寧にブラッシングをしましょう。
まとめ
今回は、シングルコートについて詳しくお伝えしました。
犬の毛の構造には「オーバーコート」と「アンダーコート」があり、そのうちオーバーコートのみで構成されているのがシングルコートです。
シングルコートには、アンダーコートの層がないので抜け毛の量が時期的に集中することはありません。
ただ、シングルコートの犬種のなかでも、巻き毛や長毛の場合、「抜け毛がない」というよりも「抜けても毛のなかに埋まっている」というイメージです。
日頃から、被毛のお手入れには気を配ることが大事です。
今回は、シングルコートの犬種を小型犬から大型犬まで、いくつかご紹介しました。
外見にはいろいろな特徴がある犬種ばかりで、「シングルコートかどうか」は見た目では分かりにくいかもしれませんね。
また、保温の役割をするアンダーコート層がないため、シングルコートの犬種は寒がりな子が多いです。
家族に迎えたときには、寒さ対策も含めた飼育環境を考えてあげましょう。
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