1.犬がゴキブリを食べてしまった
1-1.基本的には害はない
1-2.駆除剤の誤飲は危険
3.駆除剤は犬に危険なのか
3-1.殺虫剤
3-2.ハッカ油
5.犬にゴキブリを食べさせない方法
5-1.ゴキブリが出ない環境にする
5-2.犬がゴキブリを怖がるようにする
犬がゴキブリを食べてしまった

犬がゴキブリを食べてしまったなんて「飼い主さんが絶対に見たくない愛犬の姿ワースト3」にランクインすること間違いなしの行動ですよね。
しかし、実際に起こったことがあるという飼い主さんは意外と多いのです。
犬がゴキブリを食べてしまったら、一体どうすればいいのでしょうか。
◆基本的には害はない
まず安心して欲しいのは、ゴキブリを食べても犬の体に基本的な害はありません。
たしかに、ゴキブリからはサルモネラ菌・ピロリ菌・赤痢菌・チフス菌・大腸菌などのウイルスがよく検出されますが、犬がゴキブリを食べてもこれらに感染することはほとんどないのです。
万一生きたまま丸呑みするようなことがあっても、犬の胃の消化液はとても強力なのでゴキブリをしっかりと溶かし、すぐに便となって体外に排出されるでしょう。
◆駆除剤の誤飲は危険
生きたままのゴキブリを丸呑みしたり、駆除剤によって死んでいるゴキブリを食べたりしても犬の体に害はありませんが、犬が駆除剤をまるごと誤飲してしまうのは大変危険です。
例えば、ゴキブリ駆除グッズとして有名なホウ酸団子には、その名の通りホウ酸が含まれます。
体重1kgに対してホウ酸3gで致死量になるため、ホウ酸団子で死んでいるゴキブリを食べたとしても、そのゴキブリの体内のホウ酸の量は犬にとっては微微たるものであり、害はありません。
しかし、特に小型犬がホウ酸団子を丸ごと誤飲してしまったら話は別です。
すぐに以下の対応を取りましょう。
吐かせる
愛犬が駆除剤を食べているのを発見したら、できるだけすぐに吐かせる必要があります。
塩分濃度の高い水を飲ませると胃の中に入ったものを吐き出してくれるはずなので、塩水を作って与えてください。
塩の目安量は小型犬でスプーン1杯程度です。
動物病院へ連れていく
吐かせる作業と並行して、動物病院にもすぐに連絡をとりましょう。
塩水でうまく吐かせられなくても何らかの応急措置のアドバイスがもらえるはずですし、受診した際に説明がスムーズになります。
何も連絡をせずに動物病院へ急ぐよりも、まずは電話をして獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。
犬がゴキブリを食べる理由
日本人にもイナゴや蜂の子など虫を食べる文化があるように、虫はかつて貴重なタンパク源でした。
それは犬にとっても同様で、野生の頃には小動物を狩るだけでなく、虫も好んで食べていたようです。
その習慣の名残なのか、現在でもゴキブリに限らずセミやカブトムシなどの虫を食べる犬は多いのです。
愛犬がゴキブリを食べているなんて飼い主さんからすればショッキングな出来事ですが、犬に悪気はないようですね。
駆除剤は犬に危険なのか
生命力が強いゴキブリを駆除できることから、駆除剤には強力な薬剤が使われているイメージがありませんか?
愛犬への害が気になって、なかなか駆除剤を使えないという飼い主さんは決して少なくありません。
実際にゴキブリの駆除剤は犬にとっても危険なものなのでしょうか。
◆殺虫剤
殺虫剤には基本的にピレスロイド、イミプロトリという成分が入っています。
この成分はゴキブリを含む虫類には非常に効果的な毒となるのですが、人間や犬などの哺乳類には害がほとんどないとされています。
使用する時に多少吸い込んだ経験はあっても、体調を崩すほどの影響があったという人はほぼいないのがその証拠です。
ゴキブリにかけている、ゴキブリの致死量程度の量ならば愛犬がいても不安にならずに使用してください。
もちろん薬剤が犬に直にかかって思い切り吸い込んだりすることがないように気をつける必要はありますよ。
◆ハッカ油
ハッカ油スプレーボトルを使って吹きかけることで虫除け効果を発揮する植物油です。
あくまで油なので健康に心配がなく、特にオーガニック製品を好む人によく使われているゴキブリ駆除剤です。
ただ、健康に害がないというのは実は人間に限った話だというのをご存知ですか?
精油であるハッカ油は脂溶性化学物質として位置づけられており、動物にとっては体内でその成分を分解することができないため、中毒症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
犬の場合は1%程度に薄めたハッカ油スプレーであれば問題ないとされていますが、用法用量を守って希釈するのはとても大変な作業になります。
万が一濃度の濃いスプレーで愛犬を危険な状態に陥らせたらと考えると、ハッカ油を使用するリスクは相当なものです。
ペットがいるお家ではハッカ油を使用しないのが賢明でしょう。
犬がゴキブリを食べてしまった際の対処法
先にも述べたように、犬がゴキブリを食べたとしてもゴキブリの持つウイルスや寄生虫が犬に感染る可能性は非常に低いです。
しかし「何も問題はない」と言い切れないのも事実です。
ゴキブリは不衛生な場所を好んで生活しているため、その体はあまりきれいなものではありません。
過剰に心配する必要はありませんが、不安な場合は動物病院で検便検査をしてもらってください。
また、お家でできるケアとしては水やごはんを多めに与えて排泄を促すという方法もあります。
ゴキブリをなるべく早く愛犬の体から排出させたいという飼い主さんはぜひやってみてください。
犬にゴキブリを食べさせない方法
犬がゴキブリを食べても基本的に大丈夫ということは分かりましたが、やはり食べてほしくはないですよね。
今後愛犬がゴキブリを食べないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
◆ゴキブリが出ない環境にする
まず取り組むべきは、ゴキブリを寄せ付けない環境づくりです。
水回りを含め部屋をこまめに掃除、換気して清潔な状態を保ち、ゴミの処理にも注意を払いましょう。
ゴキブリは雑食なので髪の毛や段ボール、プラスチックまでも食い尽くすと言われています。
気をつけているのにも関わらずゴキブリを何度も目にするようであれば、害虫駆除のプロに一度頼んでみるのも手かもしれません。
◆犬がゴキブリを怖がるようにする
犬に「ゴキブリ=悪いこと」と認識させてしまうのも大切なことです。
方法はとってもシンプルで、愛犬と一緒にいる時にゴキブリを発見したら大きな音を出して犬を驚かせるだけで完了です。
ゴキブリに近づきそうな時には尚更大きな音や金属音などの不快な音を鳴らして、「だめ」とアピールします。
ゴキブリがよく出るお家でしかできない方法ではありますが、これを繰り返すことで犬は「ゴキブリ=悪いこと」と認識して食べることはおろか近づくこともしなくなるでしょう。
犬がいてもできるゴキブリ退治の方法
最後に、犬にとって安心安全なゴキブリ退治の方法を4つご紹介します。
万一に備えてぜひ参考にしてくださいね!
◆掃除機
まず1つ目はゴキブリを掃除機で吸ってしまうという方法です。
サイクロン式の強力な掃除機の場合は吸い込む勢いでゴキブリがバラバラになり、あとから掃除機内を掃除する手間が発生してしまうため、紙パック式の掃除機の方にのみおすすめします。
紙パック式の掃除機の場合は、吸い込んだ後もゴキブリは生きています。
そのため吸い込んだ後にすぐ紙パックを取り、紙パックごとゴキブリを捨てるというやり方になります。
生きたまま捕らえることに抵抗のある方は別の方法を参考にしてくださいね。
◆冷却スプレー
2つ目は冷却スプレーを使用する方法です。
近年、殺虫剤のコーナーでよく見かけるようになった冷却スプレーはその名の通り冷気でゴキブリを殺します。
薬剤を使用していないので安心して使用できるのが最大の特徴にして最高の魅力でしょう。
ペットや小さなお子さんがいて家族の健康を配慮したいというご家庭を中心に、今日では主流になりつつあるゴキブリ退治グッズです。
効果が怪しくて使用したことがなかったという方も、これを機会にぜひ検討してみてくださいね。
◆重曹
掃除グッズとしても優秀な重曹ですが、実はゴキブリ退治もできることをご存知でしたか?
重曹を食べると炭酸効果が発生しますがゲップのできないゴキブリはガスを抜くことができず、内蔵破裂を起こして死んでしまうのです。
ゴキブリが出そうなところに水で溶かした重曹を置いておくだけで退治できるので、ぜひやってみてくださいね。
もちろん犬は重曹を舐めても大丈夫ですよ。
◆熱湯
生命力が強くどんな場所でも生きていけそうなゴキブリですが、高熱に弱いという特徴があります。
なんと60度以上の熱湯をかけるだけで駆除できるのです。
やけどしないようにお湯の扱いには注意が必要ですが、この方法であれば確実に健康への悪影響はありませんよね。
まとめ
いかがでしたか。
この記事では、犬がゴキブリを食べてしまった時の対応や犬にとって安全なゴキブリ対策グッズについてご紹介しました。
健康にも害はないし、犬に悪気はなくても、愛犬がゴキブリを食べている姿なんて見たくないものです。
ぜひ、この記事を参考にして、今日から安全な方法でゴキブリのでない環境づくりをしましょうね。
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