1.どこの国のワンちゃん?
1-1.歴史
1-2.エスキモードッグとの関係は?
2.特徴
2-1.大きさ
2-2.被毛
2-3.毛色
2-4.寿命
2-5.しつけ
2-6.値段
3.かかりやすい病気
3-1.股関節形成不全
3-2.ミニチュア
3-3.進行性網膜萎縮症
3-4.ピルビン酸キナーゼ欠乏症
3-5.お散歩
3-6.お留守番
どこの国のワンちゃん?
アメリカンエスキモードッグという名前からおおよそ想像できるのではないかと思いますが、その名の通りアメリカが原産国のワンちゃんです。
◆歴史
いまから200年ほど前のアメリカに、アメリカンエスキモードッグの祖先である「ジャーマンスピッツ」がドイツからの移民によって持ち込まれました。
スピッツという言葉はドイツ語で「尖った」という意味を持ちます。第一次世界大戦が始まる影響でアメリカ国内では、ドイツへの嫌悪感が大きく、こちらのジャーマンスピッツも改名されました。こういった関係で、「ジャーマンスピッツ」は現在の「アメリカンエスキモードッグ」に改名されました。
いまでは「エスキー」という愛称で親しまれており、アメリカではものすごく人気なワンちゃんです。
◆エスキモードッグとの関係は?
名前に「エスキモー」と入っているので、カナダ地方のそり犬と関係があるのではないかと思った方は多いのではないでしょうか。そり犬と呼ばれる犬種としては、ハスキーやサモエドなどの被毛がモフモフで大きめの犬があげられます。なんだか見た目も似ていますよね。
しかしアメリカンエスキモードッグは、これらそり犬とはなんの関係もありません。先ほども記載したようにスピッツを祖先にもつ犬種ですので、そり犬である「カナディアンエスキモードッグ」とは異なります。
特徴
アメリカンエスキモードッグの歴史をまとめたところで、ここからはさまざまな特徴をまとめていきます。
◆大きさ
まず、アメリカンエスキモードッグは大きさによって3つに分かれています。
トイ
体重:2.5kg~4.5kg
身長:23cm~30cm
ミニチュア
体重:4.5kg~10kg
身長:30cm~38cm
スタンダード
体重:11kg~15kg
身長:38cm~50cm
◆被毛
アメリカンエスキモードッグは、ダブルコートと呼ばれる被毛の犬種です。
太く長めのオーバーコートという毛の下に、柔らかいふわふわとしたアンダーコートが生えている2重構造のことをダブルコートと言います。ダブルコートの犬種は、このアンダーコートの毛の量で体温調節をいたします。
◆毛色
アメリカンエスキモードッグの毛色は真っ白の毛色をしています。
もしくは、少しだけ黄色みがかった毛色のホワイト・ビスケットクリームと呼ばれる2種類のみ認められています。
ピンとまっすぐ立った耳とアーモンド型の瞳から造られる凛々しい顔立ちに、この真っ白な被毛は非常に特徴的で非常に美しい見た目をしています。
◆寿命
アメリカンエスキモードッグの寿命は、他の犬種とあまり変わらず12歳~16歳くらいまで生きる子が多い傾向です。さまざまな犬種を交配させてできた犬種ではないので、比較的健康な犬種です。しかし遺伝子関係の疾患がいくつかあるため、健康管理は必須です。
この寿命はあくまでも平均寿命ですので、これよりも長く一緒にいれる可能性はもちろんあります。そのためにはこまめな健康チェックや、お散歩の時間なども考慮するようにしましょう。
◆しつけ
大きな声でよく吠える犬種ですので、まずはその吠え癖をなくすようにしつけましょう。
吠え癖をなくすためには、アメリカンエスキモードッグがなぜ吠えているのかを理解しなければなりません。基本的にアメリカンエスキモードッグは非常に縄張り意識が強い犬種です。そのため初めて会った人や、新しく置いた家具、聞きなれない音などに過敏に反応します。広大な庭のある地域でしたらそこまで気にしなくてもいかもしれませんが、住宅地やアパートなどで飼育する際には、子犬の頃からきちんとしつけておきましょう。そうでないとご近所トラブルに発展してしまうかもしれません。
アメリカンエスキモードッグはサーカスで活躍していた犬種が祖先ということもあって、新しいことが大好きで好奇心旺盛な賢いワンちゃんです。新しく芸を覚えるのもお手の物ですよ。
そのため最初は頻繁に吠えてしまっていたとしても、吠えるのはダメなこととしつけていけば、アメリカンエスキモードッグもそれを理解してくれます。子どもの頃からたくさんコミュニケーションをとって、アメリカンエスキモードッグとよい関係を作り上げましょう。
◆値段
日本でほとんど見ることのないアメリカンエスキモードッグは、一体どのくらいの価格で入手できるのでしょうか。
前提としてアメリカンエスキモードッグを日本国内のペットショップではまず見かけることがないでしょう。
アメリカンエスキモードッグの平均価格は10~18万円ですが、原産国であるアメリカのブリーダーから輸入するしかありません。その際、輸入の手数料なども加わり、さらに高価になるでしょう。英語が堪能でない場合は、輸入代行業者を活用することになると思うので、
さらに費用がかかると考えられます。
また、ブリーダーから輸入する際に気をつけなければならないことがいくつかあります。1点目はそのブリーダーの飼育状況です。世の中には販売利益のことだけを考えて、犬を大量に繁殖させているブリーダーも少なくありません。
きちんとした環境で飼育されているか、またそのブリーダーにアメリカンエスキモードッグについての知識がきちんとあるか、確認してから輸入するようにしましょう。英語に不安がある方や、輸入の知識がない方は、個人輸入ではなく輸入業者を利用することも視野に入れてみてくださいね。
かかりやすい病気
アメリカンエスキモードッグは比較的健康的な犬種であると記載しましたが、注意しなければならない遺伝的疾患が3つ存在します。一つずつ簡単に説明していきます。
◆股関節形成不全
まず一つ目は股関節形成不全です。この疾患は関節部分の骨が変形してしまい、他の骨とのかみ合わせが悪くなってしまう疾患で、特に大型犬によくみられます。他の骨とのかみ合わせが悪くなってしまうと、痛みが出たり、歩きにくくなったりします。そのためワンちゃんが運動しなくなってしまい、肥満傾向になってしまうこともあります。
◆進行性網膜萎縮症
そして二つ目は、進行性網膜萎縮症です。目の中にある網膜が徐々に変形してしまい、最後は失明してしまう疾患です。これはアメリカンエスキモードッグのみならず、多くの犬種で見られる遺伝子疾患です。それぞれの犬種によって発症する時期に違いがあります。
◆ピルビン酸キナーゼ欠乏症
最後はピルビン酸キナーゼ欠乏症という疾患です。これはピルビン酸キナーゼという酵素が体内で不足した結果、赤血球の破壊による貧血を引き起こしてしまう疾患です。症状としては、食欲の低下や呼吸が浅くなったり、疲れやすくなるといった傾向が見られます。この疾患は遺伝子疾患のため予防法がありません。そのためブリーダーから入手する際に、疾患の有無などを聞いて対策を考えてあげましょう。事前に対策を考えてあげることは、飼い主さんにとっても、アメリカンエスキモードッグにとってもよいことです。
◆お手入れ
真っ白でモフモフのあの被毛を保ちたい方は多いのではないでしょうか。アメリカンエスキモードッグはダブルコートなので、抜け毛が多いです。そのため3日に1回くらいのペースでブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングすることで、被毛についた汚れやゴミなどを落とすことができます。
年に2回ある換毛期は特に丁寧なお手入れが必要です。2か月に1回のペースでお風呂に入れて、ブラッシングでは取り除けない汚れを綺麗に洗い流してあげましょう。お風呂にあまり頻繁に入れてしまうと、皮脂がなくなってしまいよくありません。定期的なブラッシングとお風呂で綺麗な被毛を保ってあげましょう。換毛期は1日に1回のペースでブラッシングをしてあげてもいいですね。
また、アメリカンエスキモードッグは涙やけがしやすい犬種のワンちゃんです。真っ白な被毛だと余計目立ってしまいますよね。そのため専用のローションやウエットティッシュなどを使用してこまめに拭いてあげましょう。また犬の涙やけは食事でケアもできるので心がけましょう。
◆お散歩
アメリカンエスキモードッグはかなりエネルギッシュで運動量の多い犬種です。そのため1回のお散歩で30分~1時間ほど運動させてあげるとよいでしょう。室内に長時間いるとストレスが溜まってしまい、イタズラが増えたり、肥満気味になってしまう可能性があります。
雨の日は仕方ありませんが、よい天気の日は必ずお散歩に連れて行ってあげましょう。アメリカンエスキモードッグは暑さに弱い犬種です。そのため夏のお散歩はもちろん、あたたかくなり始めた季節のお散歩などは、注意が必要です。太陽が出る前の朝方や、太陽が沈んだ後の夜にお散歩するようにしましょう。
◆お留守番
アメリカンエスキモードッグは飼い主さんにものすごく従順なため、長時間のお留守番は向いていません。飼い主さんとのスキンシップがないと寂しくなってしまいます。急用などで長い時間、ご自宅を空けることがある場合は、たくさんスキンシップをとってから外出するようにしましょう。その間は、お気に入りのおもちゃやフードを入れることのできるおもちゃなどを置いてあげましょう。
また、アメリカンエスキモードッグは元々寒い地域にいる犬種ですので、暑さには向いていません。エアコンの温度を確認して、アメリカンエスキモードッグが過ごしすい環境を作ってあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アメリカンエスキモードッグの魅力が伝わりましたか?真っ白でモフモフの被毛をもつアメリカンエスキモードッグは、非常に賢く、しつけのしやすいワンちゃんです。
飼い主さんに非常に従順で、飼い主さんとのスキンシップが大好きな傾向があるため、長時間のお留守番は苦手かもしれません。やむを得ず家を空けるときは、たくさんのおもちゃを用意してあげてください。帰ってきたらたくさん褒めてあげてくださいね。
アメリカンエスキモードッグを飼育するのであれば、「お散歩の時間」はきちんと確保しなければなりません。もともとサーカスで活躍していた犬種ということもあり、運動量が多く、毎回のお散歩は最低でも30分~1時間ほど時間をかけてあげる必要があります。そのためお仕事が忙しかったり、用事で頻繁に家を空けやすい方にはアメリカンエスキモードッグとの暮らしは向いていないかもしれません。
お互いストレスなく暮らせることが一番ですので、せっかくアメリカンエスキモードッグをご家族として迎え入れたのであれば、一緒にいる時間を大切にしてあげましょう。
アメリカンエスキモードッグとの楽しい時間を過ごしてくださいね。
– おすすめ記事 –
・サモエドの子犬はどのように成長する?体重推移の例としつけをご紹介! |
・スピッツってどんな犬種?特徴や性格、飼い方から値段までをご紹介! |
・サモエドとスピッツは似ているけど、どこが違う?見分け方は? |
・モフモフの白い毛並みとつぶらな瞳が愛しい!日本スピッツの性格や特徴をご紹介☆ |