「ヒコーキ耳」ってどんな耳?後ろにぺたんと倒れた耳が表す感情とは

2022.04.23

「ヒコーキ耳」ってどんな耳?後ろにぺたんと倒れた耳が表す感情とは

SNSのハッシュタグ「#ヒコーキ耳」は、人気のタグです。「ヒコーキ耳」とは、犬が耳を後ろにぺたーんと倒した仕草を指しています。この形が飛行機の翼のように見えることから、ヒコーキ耳(飛行機耳)と呼ばれているようです。では、犬はどんな時にヒコーキ耳をするのでしょうか?実は、ヒコーキ耳には、犬の様々な感情が表れているのです。今回は、ヒコーキ耳について詳しくご紹介するとともに、猫のイカ耳とも比較します。

犬のヒコーキ耳とは

ヒコーキ耳

「ヒコーキ耳」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか?近年、ネット上、特にインスタグラムなどのSNSでよく見られる言葉です。
ヒコーキ耳とは、犬が耳を後ろにぺたーんと倒した仕草を指しています。

この形が飛行機の翼のように見えることから、「ヒコーキ耳」(飛行機耳)と呼ばれているようです。
ハッシュタグ「#ヒコーキ耳」は非常に人気があるので、この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ検索してみてくださいね。可愛いヒコーキ耳の写真や動画が、たくさん見られますよ。
また、ヒコーキ耳の可愛さは万国共通のようで、海外でも人気が高いようです。「#airplaneears」というタグで検索すると、海外のワンちゃんの可愛いヒコーキ耳の画像もたくさんヒットします。

◆耳は口ほどにものを言う

言葉を持たない犬は、体全体を使って感情を表現したりコミュニケーションを取ったりしています。これが、「ボディランゲージ」や「カーミングシグナル」と言われるものです。
ボディランゲージとは、耳やしっぽなどの全身を使って、自分の感情や気持ちを相手に伝える仕草や行動です。
一方、カーミングシグナルとは、落ち着かせるという意味の「カーミング」と、信号という意味の「シグナル」という言葉から成り立っている通り、相手との争いを避けるために自分や相手を落ち着かせるためのサインを表します。

犬の耳の耳介には、「耳介筋」(じかいきん)という筋肉が発達しています。
耳介筋は、顔面神経によって動かしたい方向に自在に動かすことができるので、犬は耳を自由に動かせるのです。
顔面神経は、顔の表情をつくる時に重要な働きをしています。つまり、耳介筋を使って耳を動かすとき、犬は音がどこから聞こえるのかを探っている場合と、表情をつくるように感情表現をしている場合があるのです。
しっぽと同様、犬の耳は「口ほどにものを言う」と言ってよさそうですね。

◆ヒコーキ耳は赤ちゃん犬の真似?

耳がペタンと後ろに倒れると、頭を撫でやすくしてくれているかのように見えますね。これは、実は頭を丸く広く見せることで、赤ちゃん犬の真似をしていると考えられています。
確かに、ヒコーキ耳をしているときの愛犬は、どことなく幼く見えるようです。


犬がヒコーキ耳をする理由

では、犬がヒコーキ耳をする時、どんな感情を表現しているのでしょうか?

◆撫でて欲しい

ヒコーキ耳になった犬は、まるで撫でやすくしてくれているかのようだと前述しました。頭が広くなって手を置きやすくなるため、実際撫でやすいと言えるかもしれません。
犬がそれを意図して耳を倒しているわけではありませんが、「撫でて!」という気持ちがヒコーキ耳に表れているのは、確かなようです。
頭を撫でやすくなるのは、副次的効果と言えるかもしれません。

◆甘えたい

ヒコーキ耳をするのは、赤ちゃん犬や子犬の真似だとお伝えしました。
赤ちゃん犬の真似をするのは、「ボク(わたし)は、子犬のように小さくて弱い存在ですよ」とアピールするためだと言われていて、ヒコーキ耳にもそのアピールの意味があると考えられています。
つまり、「小さくて弱いボク(わたし)を守って!かまって!」と甘えているのです。

◆リラックスしている

信頼している気持ちの表れで、リラックスした状態を表しています。
この場合には、耳を倒すと同時に、口角が上がった笑顔のような表情や、しっぽを左右に大きく振る行動が見られます。

◆嬉しい

飼い主さんが仕事や学校から帰宅した時に、ヒコーキ耳でお出迎えするワンちゃんは少なくありません。また、ゴハンや散歩の支度をしているときに、ヒコーキ耳で尻尾をぶんぶん!という姿も珍しくないですよね。
こんな時は、大好きな飼い主さんが帰ってきて嬉しい、散歩やゴハンにわくわくして喜びが抑えられないなど、嬉しい気持ちを全身で表しているのでしょう。

◆敵意を表している

耳が後ろに倒れてヒコーキ耳になっていても、歯をむき出していたり、表情が強張っていたりする時は、威嚇や警戒などの敵意を示すサインです。
このような場合に、うかつに手を出すと噛まれる恐れがあるので、部屋を出るなどして少し距離を置き、犬が落ち着くのを待ちましょう。

◆敵意がないことを伝えようとしている

ヒコーキ耳になると同時に、口角が下がる、舌をペロペロさせる、しっぽを下げている、低い姿勢を取るなどの仕草や行動が見られる場合には、相手に対して敵意がないことを伝えようとしています。
相手が緊張状態にあることを察知して、「大丈夫、緊張しないで」と相手をなだめようとしているのです。
このような時、犬も相手がどんな反応をするか不安になっているので、驚かしたり怖がらせたりする行動を取らないように気をつけてくださいね。

◆緊張や恐れの表れ

極度の緊張や何かに対する恐れを感じた場合、耳を倒すわんちゃんもいます。この場合も、耳以外の表情を見てみると、強張っているのが分かるでしょう。
直前に大きな音がしたなど、とても怖い思いをした後や、何か嫌なことを思い出した時などに、複雑な心理が入り混じっている状態と考えてあげてください。
このような場合には、わんちゃんも「今は触られるのも嫌!」という気持ちになっていることもあるので、そっとしておいてあげましょう。


ヒコーキ耳をしやすい犬種

犬の耳

非常にかわいいヒコーキ耳ですが、「うちの愛犬はしたことないかも…」と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
実は、ヒコーキ耳をしやすい犬種とそうではない犬種があるのです。これには、耳の形が大きくかかわっています。

◆犬の耳の形は大きく分けて3種類

犬の耳の形は、「立ち耳」「半立ち耳」「垂れ耳」の3種類に大きく分けることができます。JKC(ジャパンケンネルクラブ)などでは、犬種の特徴や理想形としてさらに細かく分けていて、耳の形は10種類以上もあるんですよ。

立ち耳

上に向かって立ち上がっている耳を、立ち耳と呼びます。もともとは、立ち耳の犬しかいなかったのです。
主な犬種は、柴犬などの日本犬や、ポメラニアン、ジャーマンシェパードドッグ、シベリアンハスキー、フレンチブルドッグ、チワワ、パピヨン、ブルテリアなどです。

半立ち耳

立ち耳の先端が折れている耳は、半立ち耳です。耳の根元が立っていて、途中からぺこりと折れています。
主な犬種は、ボーダーコリーやシェットランドシープドッグ、ジャックラッセルテリア、ワイヤーフォックステリア、ブルドッグ、パグ、ウィペットなどです。

垂れ耳

下や横に向かって垂れ下がった耳を、垂れ耳と呼びます。
主な犬種は、トイプードルやビーグル、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、バセットハウンド、ミニチュアダックスフンド、キャバリア、アメリカンコッカースパニエルなどです。

◆ヒコーキ耳をしやすいのは立ち耳の犬!

耳の動きが確認しやすいのは、立ち耳の犬です。
ヒコーキ耳の場合、立っている状態からぺたんと倒れた状態へと大きく変化するため、ハッキリと確認することができます。また、三角形に近くとがった立ち耳は、倒れると飛行機の翼に見えやすいのです。
半立ち耳の子も、耳の動きを比較的確認しやすいのですが、先が折れている分、飛行機の翼には見えにくいかもしれません。
垂れ耳の場合、他の2タイプに比べて動きは分かりにくいですが、耳を動かすと根元が動いているのが分かります。
しかし垂れているため、飛行機の翼のような形になることがなく、ヒコーキ耳とは言い難いかもしれませんね。

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犬のヒコーキ耳と猫のイカ耳の違い

犬も猫も飼っていたり、野良猫を見たりする機会があると、猫も耳をぺたんと倒すことがあることに気づくかもしれません。
これは、俗に「イカ耳」と呼ばれています。イカ耳とは、猫の耳がぴんと張って外を向いている仕草を指しており、多くは耳を横に寝かせたような状態ですが、上向きになっている場合もあります。
このような時の猫のシルエットは、そのものずばり、海にいるイカに似ているため、イカ耳という名前がついたと言われています。上向きになっている場合には、飛行機の翼のように見えることから、ヒコーキ耳と呼ばれることもあります。
犬のヒコーキ耳とは異なり、猫のイカ耳は、猫が警戒しているときに見せる仕草です。耳を外側に向けることでわずかな物音でも聞き取れるようにしている、いわば臨戦態勢なのです。
イカ耳が見かけられるのは、猫がイライラしているとき、不満がある時、不安な心理状態にある時が多いようです。
このような心理が表れているため、猫ちゃんに対してフォローが必要な場合もあります。様子をよく観察して気持ちを汲み取り、猫ちゃんが安心して暮らせるようにサポートしてあげましょう。
一方で、何かに夢中になって集中しているときになることも少なくなく、聞き耳を立てている場合もあります。この場合のイカ耳は、少し立ち上がり後ろに引いているような形になっていて、よく見ると顔つきも異なります。


まとめ

犬のヒコーキ耳とは、耳をぺたんと後ろに倒すしぐさを指しています。ぺたーんとなっている耳が飛行機の翼のように見えることから、こう名付けられたと言われています。
犬は耳介筋を自由に動かすことができ、この動きによって感情を表すこともあります。ヒコーキ耳が表す感情は、嬉しい、わくわくする、撫でてほしい、甘えたいなどポジティブな感情が多いですが、敵意や、緊張、恐れを表していることもあります。顔つきが異なるので、後者の場合にはうっかり手を出さないように気をつけてくださいね。
とてもかわいらしいわんこのヒコーキ耳。インスタなどSNSでも人気が高く、ハッシュタグで検索するとたくさんの投稿が見つかります。ぜひ、チェックしてみてくださいね。


 

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