愛犬の尻尾が下がる理由とは?対処法はある?

2022.03.15

愛犬の尻尾が下がる理由とは?対処法はある?

愛犬の尻尾が下がっている様子を見たことがあるでしょう。一般的に怖がっている時に尻尾をまく、という認識が広がっていますが、尻尾が下がっている理由はそれだけに限りません。今回は尻尾が下がっている時の犬の感情などをチェックしていきましょう。実は心情的・肉体的な理由からみられるこの行動、しっかり覚えておけば愛犬のことを更に理解できるようになるでしょう。

なぜ犬の尻尾が下がるの?

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犬は言葉を話せませんが、表情やボディランゲージで気持ちや自分の状態を表します。尻尾はそのための重要なパーツだといえるでしょう。その動きにさまざまな意味を込め、飼い主さんや相手にサインを送っているのです。
尻尾の動きから愛犬の気持ちを知れるほか、病気・老化による体調の異変にも気付くことが可能となります。
日頃からよく観察しておくことで、愛犬からの大好きというアピールに気付けたり、体調不良・病気の早期発見に繋げることもできるこの行動です。理由や意味をしっかり理解しておくことが、愛犬との毎日を元気に過ごす為の大きなメリットとなるでしょう。

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多くの人は、犬は嬉しいことがあると尻尾を振って喜ぶと認識していると思います。確かに犬は嬉しい時も尻尾を振るのですが、それ以外の時でも尻尾を振ることがあるのです。犬の尻尾には一体どのような役割があるのでしょうか。

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犬の尻尾が下がる理由

犬の尻尾が下がっている時、以下の5つが主な理由として考えられます。一つずつ解説していきますので、愛犬の尻尾の位置が下がっていた状況を思い返しながらチェックしてみてください。

◆リラックスしている

犬の尻尾がだらんと垂れ下がっている時は、リラックスして落ち着いている状態であるといえるでしょう。
尻尾の力を抜いた脱力状態で自然に下がっている、というのが下がり方の特徴を判断するポイントです。この時、耳も同様に力が抜けて自然な方向を向いているでしょう。
この場合は、愛犬がリラックスしている良い状態であるため特に対処する必要はないので、普段通りに接してあげてください。

◆不安・恐怖を感じている

犬が不安や恐怖を感じている時も、尻尾が下がります。この場合、お腹にくっつくほどに尻尾を巻き込むケースもあるでしょう。
飼い主さんに怒られた時や、たくさんの犬が周囲にいる場所へ行った時、初めての散歩の時など、気持ちが不安定な状況に陥った際によくみられる仕草だといえます。
その子によって不安や恐怖に陥る状況は違いますので、愛犬の普段の様子や性格をしっかり把握しておくと、早めに気持ちに気付くことが出来たり、対策がとれる場合もあるでしょう。
尻尾を巻き込む他にも、耳が後方にペタンと倒れる様子も見られるので、併せて確認してみてくださいね。

◆ストレス

不安や恐怖を感じている時と同様、ストレスというネガティブな気持ちを感じている際にも尻尾が下がる場合があります。
例えば病院が苦手な子であれば、苦手な場所へ連れてこられたことで精神的な疲れを感じて尻尾が下がってしまうのです。この理由に関しても個体差があり、ストレスの感じ方や場面はワンちゃんごとに違うので、愛犬の様子をしっかり観察しておきましょう。

◆警戒している

相手に対して敵意を向けている際にも、尻尾が下がる場合があります。
愛称の悪い犬が遠くからやってきた、前から苦手だと感じている人が近付いてきた、聞きなれない音がして周囲を気にしているなど、警戒心を強めている場面でよくみられるでしょう。
警戒中は意識がその対象に集中するため、尻尾に力が入らなくなるというのも一つの原因でしょう。少なからず不安な気持ちにもなるので、不安・恐怖から尻尾を下げることにも通じているのかもしれませんね。
尚、何かに集中している時には、尻尾の位置が水平となる子もいます。

◆体調不良

前述した理由は全て心理的状況から現れた行動でしたが、犬は尻尾を下げることで肉体的状況を表す場合もあります。病気や体調不良が原因で、尻尾が下がっているケースもあるというわけです。
体調不良が原因の場合は、普段よりも多く寝ていたり、いつもより歩調がゆっくりである、尻尾を触ると痛がるなどの特徴があります。これらの様子が見られたら、病気の症状である可能性を疑ってみましょう。
日常的に愛犬の様子を観察したり、身体を触ってチェックをしておくことが、病気の早期発見にも繋がります。気になる場合は早めに動物病院を受診するなどして、獣医師に相談してください。
犬の尻尾が下がるといった異変から考えられる主な病気として、以下のようなものが挙げられますので覚えておきましょう。

肛門囊炎

肛門嚢に肛門腺液が溜まったまま放置することで、細菌感染が起こり炎症となってしまう病気です。予防するためにも、月に1度くらいの頻度で肛門腺絞りを行い、分泌液を出してあげるケアを忘れずに行いましょう。

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脱臼・骨折

尻尾への外傷によって、脱臼や骨折が起こる場合があります。正しい病名を、尾椎間脱臼、尾椎骨折
といいます。軽い力が加わる程度でも尻尾は外傷を受けやすいので、日頃から注意してください。

馬尾症候群

膀胱・肛門・後ろ足などの神経に繋がっている、馬尾神経のいずれかに異常が生じる病気です。尾骨神経・坐骨神経・骨盤神経・陰部神経などが影響を受けます。病状が進行すると、後ろ足の筋肉の萎縮や麻痺などの症状が次第に現れるでしょう。

椎間板ヘルニア

椎間板が、脊髄という神経の束を押し潰してしまう病気です。神経がダメージを受けるため、痛みや足の麻痺などの症状が現れます。


犬は高年齢になると尻尾が下がる?

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犬は高齢犬になってくると、腰の位置が低くなり、それに伴って尻尾も下がってきます。
愛犬がシニア期に入り、以前よりも尻尾が下がった様に感じる場合は老化が原因かもしれません。
犬の老化のサインとしては下記のような症状もありますので、併せて確認してみましょう。

●被毛の色が薄くなる。
●寝ている時間が長く、多くなる。
●歩くスピードが以前より遅くなる。
●小さな段差でつまずいたりする。
●物などに頻繁にぶつかるようになる。

老化のタイミングやサインには個体差があるため、ペットによって現れ方には多少の違いがあると思います。尻尾が下がる様子においては病気のサインとも似ている部分もあるため、判断に迷った場合は獣医師やドッグとレ-ナーなど、プロの方に相談してみるのも一つの方法です。


犬の尻尾が下がる時の対処法

犬の尻尾が下がる原因によって対処法を用いることができる場合があります。
不安や恐怖、ストレス、警戒。この3つに関しては、飼い主さんが愛犬に対してケアをしたり、対処をすることができるのです。
それぞれの対処法を紹介しますので、参考にしてみてください。

◎不安や恐怖が原因の場合
愛犬が不安や恐怖を感じている問題を、解決してあげることが一番の方法です。ビクビクした心情が続くと、ストレスを溜めこんでしまうことに繋がります。
まずは愛犬の様子をじっくり観察し、問題が何かを判明させる必要があります。その問題を取り除くことで、安心感を得られるでしょう。

◎ストレスが原因の場合
ストレスを感じる場面も犬によって様々です。
病院・トリミングなど、愛犬のために我慢をさせなくてはいけないシーンも中にはあるでしょう。そのような場面では仕方ないのですが、ストレスを感じる時間を乗り越えられた時にはご褒美を与えたり、沢山褒めてあげるなどして愛情をしっかり伝えてあげましょう。
ただし、必要以上に何度も怒りながら叱る、社会性を培うために愛犬が苦手だと感じている犬と無理やり触れ合わせる、などという避けられるストレスも中にはありますよね。こういった行動は愛犬にとって良い影響を与えないため、おすすめできません。
しつけを施すのは大切なことですが、避けられるストレスの原因に関しては可能な限り取り除いてあげてくださいね。

◎警戒心が原因の場合
愛犬が緊張や警戒心を抱いている時は、飼い主さんが毅然とした態度で「大丈夫だよ」と愛犬に伝えることが大切です。それによって、愛犬も安心感を抱けるでしょう。優しい言葉を掛けたり、寄り添って撫でてあげるなどして、自分が側にいるから大丈夫だよという気持ちを伝えることで愛犬を安心させてあげてください。
大好きなおもちゃなどがその場にあれば、そういったアイテムを利用して、愛犬の警戒・緊張感をほぐしてあげるのもおすすめの方法です。


まとめ

犬の尻尾が下がっている時は、リラックスしているというプラスな感情を示している場合と、ネガティブな気持ちや体調不良を表している場合があります。
愛犬の尻尾が下がっていることに気付いたら、まずどういった感情なのかを注意深く観察し、原因の判断をしなくてはいけません。
ネガティブな感情が原因だと思われる場合は、飼い主さんができる対処法をすぐに行ってみてください。
病気が疑われる場合は、一旦獣医師に相談してみましょう。前述したように、病気の早期発見に繋がるケースもありますよ。
尻尾の動きから読み取れる感情・心情は複数あり、これを理解することで愛犬のことを今まで以上に理解できるようになります。ボディランゲージや尻尾の動きに関しては、獣医師やトレーナー監修記事も多いので、様々な情報を参考にしてみてくださいね。
愛犬からのサインを見逃さないためにも、普段からしっかり愛犬の行動を観察し、コミュニケーションを積極的にとることを意識しましょう。尻尾の動きにも是非、注目してみてください。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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