1.アメリカンスタッフォードシャーテリアとはどんなわんちゃん?
1-1.筋肉質でがっちり体型の中型犬
1-2.発達したアゴと大きな口
1-3.光沢のある短毛種
2.アメリカンスタッフォードシャーテリアが誕生した歴史的背景とは?
3.アメリカンスタッフォードシャーテリアはどんな性格をしているの?
3-1.1.勇敢で頼りがいがある
3-2.2.主人に対する服従心が強い
3-3.3.愛情が深い
4.アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うのに向いている人は?
4-1.これまでに犬を飼った経験がたくさんある人
4-2.ほかの動物を飼っていない人
4-3.散歩の時間が確保できる人
4-4.力があって運動神経の良い人
5.アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うときのポイント
5-1.散歩と運動を毎日たっぷりと
5-2.しつけは子犬の頃から行う
5-3.短毛だからとお手入れをさぼらない
5-4.食事管理や健康管理への配慮
6.まとめ
アメリカンスタッフォードシャーテリアとはどんなわんちゃん?
画像:株式会社コジマ アニマル図鑑より引用
アメリカンスタッフォードシャーテリアを初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。
たくましくカッコいい見た目で、人気のある犬です。どんなわんちゃんなのか、身体的な特徴をピックアップしてみました。
◆筋肉質でがっちり体型の中型犬
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、とにかく筋肉質でがっちりした体つきをしています。“マッチョ”という表現がしっくりくるような犬で、浮き上がる筋肉の形が印象的です。
筋肉のバランスもちょうど良く、流れるようなラインの美しい体型をしています。
その肉体美から、ドッグショーでの活躍ぶりも知られています。
体重の平均は18~23キロほどの中型犬です。
オス・メスで大きな体格の差はなく、だいたい20キロ程度になることが多いでしょう。
非常に機敏に動ける犬種です。
◆発達したアゴと大きな口
発達したアゴと大きな口を持つアメリカンスタッフォードシャーテリア。闘犬によく見られるワイルド系の顔立ちで、噛む力もかなり強いです。
◆光沢のある短毛種
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、ブラックやブルー、ブリンドル、ブラック&ホワイト、タン&ホワイトなど認められている毛色はさまざまです。ただし、全体に占める白の割合が8割を超えることは好ましくないとされています。
アメリカンスタッフォードシャーテリアが誕生した歴史的背景とは?
アメリカンスタッフォードシャーテリアのルーツは「闘犬」です。
強い闘犬を作りだすために、スタッフォードシャーブルテリアやブルテリア、ブルドッグ、マスティフなどのパワフルで強い犬たちを掛け合わせて誕生しました。
優れたパワーと知性溢れる防衛能力が備わり、闘犬として広く知られていたわんちゃんです。
ただ、闘犬が流行していた時代が過ぎ去ると、愛好家のなかで「家庭でペットにしたい」という声も強まり、攻撃性を減らす改良が進められていきました。
その後、家庭犬だけでなく、ショードックとしても人気が高まっています。
アメリカンスタッフォードシャーテリアという長い名前を省略した「アメスタ」「アムスタッフ」という愛称もあります。
アメリカンスタッフォードシャーテリアはどんな性格をしているの?
ちょっと強面なアメリカンスタッフォードシャーテリアですが、どんな性格なのでしょうか。
◆1.勇敢で頼りがいがある
アメリカンスタッフォードシャーテリアには、体格からもイメージできるように闘犬の血が流れています。もともとの「闘争気質」が本能的に備わっているため、敵と闘う機会があれば強さを発揮するでしょう。
闘犬というと、激しく荒々しい気質の印象を受けるかもしれませんが、言い換えれば「勇敢」です。かつては闘犬のために誕生したアメリカンスタッフォードシャーテリアも、近年は「家庭犬」や「ショードック」のために闘争心を抑えるように改良されています。
そのため見た目はワイルドで強そうですが、現在のアメリカンスタッフォードシャーテリアは穏やかなところがあります。ただし、本能的には闘犬的気質がゼロではないため、自信家でパワフルなところも兼ね備えています。
それは“頼りがいがある”という魅力にもつながっているのかもしれませんね。
◆2.主人に対する服従心が強い
アメリカンスタッフォードシャーテリアは服従心の強い犬種です。これは、闘犬時代から備わっている気質で、飼い主さんとの絆が深いほど真っ直ぐな忠誠心を見せてくれます。ほかの犬との闘いに夢中になっている場合でも、「飼い主さんの指示は絶対…」とでも言わんばかりに、「止めろ」と指示されればすぐに従うとも言われています。
◆3.愛情が深い
凛々しい顔立ちでクールな印象のアメリカンスタッフォードシャーテリアですが、家族への愛情が深いです。信頼できると悟った家族に対しては、深い愛情で接してくれるでしょう。
アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うのに向いている人は?
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、どんな飼い主さんに向いているのでしょうか。
◆これまでに犬を飼った経験がたくさんある人
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、犬の飼育経験がない初心者では飼うのが難しいと言われています。闘犬気質は抑えられ穏やか系とは言われていますが、一般的な愛玩犬とは違う部分も多いです。予想外の行動にも臨機応変に対応できるような犬の飼育経験者に向いています。
しつけをしっかりできれば忠誠心を見せてくれる素敵なわんちゃんですが、犬種の特徴をよく理解していなければ難しいわんちゃんとも言えるでしょう。
また、アメリカンスタッフォードシャーテリアは自治体によっては「特定犬」と位置づけされることがあります。
飼い方の規制を満たすことが飼育する条件となっているケースもあるようです。
◆ほかの動物を飼っていない人
信頼できる家族に対しては愛情深いアメリカンスタッフォードシャーテリアですが、自分以外の動物には本能的に闘争心が芽生えるようです。
「闘いたい」という気持ちが強まり過ぎると、実際に攻撃を仕掛ける可能性も考えられます。闘争心を飼い主さんがコントロールできるとしても、「飼い主さん不在」のときが心配です。
家庭犬として、ほかの犬とも仲良くできると考えられているものの、飼い主さんの目の届かないところで攻撃する可能性もあります。
リスク回避のためには、アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うときは、単独の方が安心でしょう。
◆散歩の時間が確保できる人
体力豊富なアメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うなら、散歩や運動に付き合ってあげられる時間を確保できることが理想的です。
◆力があって運動神経の良い人
アメリカンスタッフォードシャーテリアは中型犬です。加えて、筋肉たっぷりで力強い犬種ですから、スタミナとパワーに満ち溢れています。飼い主さんがしっかりとしつけていれば、基本的にはおとなしく言うことを聞いてくれるでしょう。
ただ、突然、内に秘めていたパワーがみなぎる可能性もあります。
「散歩で見知らぬ犬を見て興奮」「知らない人に声をかけられてパニック」など、急に予想外の行動をするかもしれません。
そんなときに機敏に対処できるような体力のある飼い主さんに向いているわんちゃんです。
アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うときのポイント
次は、アメリカンスタッフォードシャーテリアを飼うときに、特に覚えておきたいポイントです。
◆散歩と運動を毎日たっぷりと
闘犬がルーツとなっているアメリカンスタッフォードシャーテリアは、スタミナ豊富で体力があります。最低でも毎日30分以上、理想的なのは1時間ほどの散歩や運動です。
ただ、散歩に出かけると他の犬に会うことで、アメリカンスタッフォードシャーテリアの闘争心を奮い起こさせるケースもあります。ふだんは穏やかなアメリカンスタッフォードシャーテリアも、気持ちに火がついて興奮するかもしれません。
いざというときに、アメリカンスタッフォードシャーテリアをコントロールできる人が散歩に連れ出してあげることが大事です。
◆しつけは子犬の頃から行う
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、愛情深く知性のある犬種です。信頼できる人には服従心が厚いので、子犬のころからきちんとしつけることが求められます。
攻撃性を抑えた改良がされたといっても、アメリカンスタッフォードシャーテリアのルーツにあるのは「闘犬」です。本能的に何らかの拍子に気持ちが昂ることもあるでしょう。
アゴが発達して噛む力も相当ですから、思いがけず大きなトラブルとなる可能性も考えられます。
アメリカンスタッフォードシャーテリアが興奮しているかも…と感じたタイミングで、飼い主さんの一言でクールダウンさせられるかがポイントになります。
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、成犬になってからでは主従関係を築き上げづらく、コントロールが難しいです。しつけを始めるのは、早ければ早いほどスムーズとなるでしょう。
また、しつけのポイントは「威厳」と「愛情」です。
アメリカンスタッフォードシャーテリアは愛を注いでもらっていることを感じた相手には、服従心を見せてくれます。
ただし、自己防衛の心理が働くと相手に攻撃的になるため、押さえ込むようなしつけはNGです。子犬の頃から社会性を育むことで、他者を見ても攻撃的な気持ちを最小限におさえられます。
忍耐力を養わせるため、アメリカンスタッフォードシャーテリアに向き合って根気よくしつける高度な技術が求められる犬種です。
◆短毛だからとお手入れをさぼらない
アメリカンスタッフォードシャーテリアの被毛は短いので、長毛の犬と比べるとお手入れしやすいでしょう。
ブラッシングは週に数回ほどでも大丈夫です。被毛についた汚れを取り除く、皮膚のマッサージをするという気持ちでブラッシングしてあげましょう。その際、皮膚に異常がないかもチェックしてくださいね。ブラッシングで身体に触れられることを慣らしておくことはとても大事です。
また、日常的に被毛に付着した汚れは、塗れたタオルで拭き取るようにしましょう。
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、もともと体臭の少ない犬種ですから、シャンプーは月に1回ほどでもじゅうぶんです。
逆に、シャンプーをし過ぎると皮膚への摩擦で負担が増えるため、注意しましょう。
◆食事管理や健康管理への配慮
アメリカンスタッフォードシャーテリアの体型と年代に合わせたフードを用意しましょう。
「総合栄養食」と謳われているドッグフードなら、栄養バランスが良いので安心して与えることができます。
ただ、ライフステージによって栄養バランスの内容が変わってくるため、「子犬期には子犬用」など年齢に合わせたものを食べさせましょう。また、日々の健康管理も重要です。
闘犬時代を経ているアメリカンスタッフォードシャーテリアは、忍耐強く「痛みに強く、我慢する」という傾向が見られます。
痛い・苦しい症状があっても、簡単には訴えない我慢強さの持ち主です。そのため、飼い主さんが先読みして病気の早期発見をしてあげましょう。
・尿・便の回数や状態
・被毛の艶
・皮膚の状態
・体重の増減
・食欲の変化
・元気の有無
など、健康に関わる観察ポイントはたくさんあります。常に観察していると少しの変化でも気づけるようになるかと思います。
まとめ
アメリカンスタッフォードシャーテリアはとても勇敢で賢く、飼い主さんに対しての愛情が深い犬種です。筋肉美と頼りがいのある凛々しい表情も大きな魅力となります。
ただ、中型犬でパワーがあり、闘犬がルーツということもあって、初心者の方が飼うのは難しいでしょう。
現在のアメリカンスタッフォードシャーテリアは、闘犬時代の“攻撃性”はおさえられ、人懐こいところがあります。
とは言え、本能的に持ち合わせている闘犬スピリッツがあるため、社会性を育むための徹底的なしつけが求められる犬種です。
一筋縄ではいかないところがあるかもしれません。アメリカンスタッフォードシャーテリアの特徴や性格、歴史的背景を細かく知り、真剣に向き合うことで愛犬もきっとそれに応えてくれることでしょう。
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