ドッグトレーナーになるために取得したい資格!訓練士との違いは?

2022.05.21

ドッグトレーナーになるために取得したい資格!訓練士との違いは?

犬が好きで犬と関わる仕事をしたい方の選択肢として、ドッグトレーナーがあります。ドッグトレーナーとは、犬にしつけや訓練を施す職業で、対象は主にペットとして飼われている家庭犬です。では、ドッグトレーナーになるには、どうしたらいいのでしょうか?今回は、ドッグトレーナーになる方法を、有用な資格の取り方とともにご紹介します。よく似た職業である訓練士との違いも解説するので、参考にしてみてくださいね。

ドッグトレーナーとはどんな仕事

犬と散歩

まず、ドッグトレーナーがする仕事の内容を、きちんと押さえておきましょう。
ドッグトレーナーは、犬にしつけや訓練を行う職業で、主な対象は家庭で飼育されている犬です。

ドッグトレーナーが行うしつけは、犬が人間と一緒に暮らすうえで不可欠なもので、飼い主さんと愛犬がよりよいパートナーシップを築けるようにするために行います。
仕事内容は、飼い主さんのニーズによってさまざまです。具体的には、トイレや「おすわり」「マテ」などの基本のしつけから、吠え癖や噛み癖といった問題行動の改善・矯正のほか、アジリティなどのドッグスポーツや芸(トリック)を教えたりすることもあります。
犬種や個々の犬の性格に合わせてトレーニングを行う必要があり、豊富な知識と高いスキルが求められます。
さらに、犬の訓練のほかに、飼い主さんの相談に乗ったり、犬との接し方などについてのアドバイスをしたりすることも大切です。したがって、人とのコミュニケーション能力も問われます。
就職先には、犬のしつけ教室、ペットショップ、ペットホテルなどがあります。動物病院やトリミングサロンに就職することもでき、独立してスクールを開くことも、フリーランスとして働くことも可能です。


ドッグトレーナーの資格とは

では、ドッグトレーナーになるために、資格は必要なのでしょうか?
現在、国家資格はないため、特別な資格を必要としません。極論ですが、何の資格もなくても、誰でもドッグトレーナーを名乗ることができるのです。

しかし、前述のように豊富な知識と高いスキルが求められることから、資格がなければ実務をこなすことは難しいでしょう。
また、実績が物を言う世界なので、就職したり、飼い主さんから信頼されたりするには、資格があると非常に有利です。
ドッグトレーナーのほとんどは、民間団体や専門学校が認定する資格を取得して活動しています。


代表的なドッグトレーナーの資格と取り方

複数の民間団体や専門学校が資格を認定していますが、ここでは代表的な資格と取得方法についてご紹介します。

◆ドッグトレーナーライセンス

日本ドッグトレーナー協会(JDTA)が認定する資格で、家庭犬に必要なしつけに重点が置かれています。
A級・B級・C級があり、ドッグトレーニングの基礎を習得するC級は、スクーリングを受講して、そこで学んだ内容から出題される認定試験に合格すれば認定されます。
B級は動物病院などでしつけ教室を開催することが可能なライセンスで、ドッグトレーニングの応用を習得していると、認定されるものです。受験資格は、C級ライセンスを取得しているJDTA会員であることです。試験内容は、C・B級のスクーリングで学んだ内容から出題されます。
A級は、犬と飼い主さんに合わせたしつけ方を提案し、アドバイスができるレベルです。受験資格は、B級ライセンスを取得しているJDTA会員であることです。試験は、一次(課題提出)と二次(面談)からなり、課題は「子犬が1歳になるまでに必要な10のこと」より出題されます。

◆CPDT

CPDT(Certified Pet Dog Trainer) は、日本で唯一の世界基準の資格です。日本ペットドッグトレーナーズ協会(Japan Association of Pet Dog Trainers) が、認定しています。プロのドッグトレーナーが対象で、高いスキルを保持している証明となります。
CPDTは、ペットドッグトレーナーズ資格認定協会(CCPDT)が認定する資格で、世界最大のドッグトレーナー組織であるAPDT(Association of Pet Dog Trainers)によって企画制作されました。
受験には、ドッグトレーニング経験が過去3年間で300時間以上あり(うち75%に当たる225時間は主任トレーナーまたはインストラクターとして実際の教授を行っている)、獣医師・顧客・他のドッグトレーナーからの推薦状の提出が必要です。
3時間で最大180問の選択式記述試験の内容は、指導スキルや動物の管理、動物行動学、学習理論、トレーニング道具です。
また、合格後も、資格更新には必要な単位(CEUs)を取る必要があり、常に最新の情報を提供できる資格となっています。
合格者は、CPDTの称号が与えられ、自分の名前の後にCPDTという表示をすることが認められます。

◆愛玩動物飼養管理士

動物取扱責任者としての資格要件の1つとして国や自治体が定めている資格で、日本愛玩動物協会が認定しています。
ドッグトレーナーとして独立して営業するには、第一種動物取扱業として登録する必要があり、動物取扱責任者が居なければなりません。
ドッグトレーナーとして活動すること自体に必須ではありませんが、独立する場合には、出張訓練だけを行う場合でも必要になります。


ドッグトレーナーになる方法

勉強

ドッグトレーナーになるには、犬のしつけや訓練についての専門的な知識と経験が必要で、どちらも独学での習得は難しいでしょう。
ここでは、必要な専門知識や経験を身につける方法についてご紹介します。

◆専門学校に通う

専門学校に通うことで、実践的なスキルを学ぶことができます。ドッグトレーナーを目指す人が対象の「ドッグトレーナー専攻」や「ドッグトレーナーコース」などの課程がある動物関連の専門学校を調べてみましょう。
実践的な科目が多く、経験豊富なプロの指導を直接受けることができます。しつけや訓練のやり方を学べる実習や、校外での訓練競技会などへの参加が取り入れられている場合もあります。
在学期間は2~3年制が多く、卒業までに150万~250万円ほどの学費が必要ですが、就職のサポートまで行ってくれるので、すぐにドッグトレーナーとして働くことができる可能性は高いでしょう。

◆通信講座で勉強をする

もう一つは、通信講座で知識を学び、資格取得を目指すことです。
専門学校と異なり、犬に実際に触れる経験を積むことはできませんが、自分のペースで学ぶことができ、最短3ヶ月で習得できる講座もあります。
カリキュラムの内容によって費用は異なり、安い講座では10万円程度で受講することができます。
ただし、就職のサポートは行っていない場合がほとんどなので、ドッグトレーナーとして就職するなら、専門学校で学ぶことをおすすめします。

◆実務経験を積む

特別な資格が必要ではないため、専門学校などで学ぶことなく、独学で目指す人も少なくありません。
しかし、知識以上に、実技面の実力を身につけることが最も大切な要素であるため、参考書で身につけられる内容だけでは難しいでしょう。
専門学校や通信講座を利用しない場合には、実習の場を確保するためにも、実務経験を積むことができる環境で学ぶという方法を取ることをおすすめします。
また、専門学校などで学んでから就職した場合にも、はじめは「見習い」として実務経験を積みながらキャリアアップを目指すことになります。

◆大学で動物について学ぶ

大学で、動物に関する学部・学科を卒業してから目指すことも可能です。
大学では、生物学や、動物に関する心理学、福祉、看護など総合的な知識を身につけることができますが、実践的な勉強に関しては、専門学校に劣ります。
そのため、民間の資格を取得してから目指す人が多いようです。


ドッグトレーナーと犬の訓練士(警察犬、盲導犬)との違い

「犬の訓練士」はドッグトレーナーと似た職業ですが、この2つの違いをご存知でしょうか?
最も大きな違いは、対象とする犬の違いです。

対象が家庭犬であるドッグトレーナーに対し、訓練士は盲導犬や警察犬、災害救助犬などの「使役犬」を訓練します。

「ドッグトレーナー」を犬の訓練やしつけをする職業の総称としている場合もありますが、本来、ドッグトレーナーと訓練士は異なる職業であることを理解しておきましょう。
盲導犬や警察犬の訓練士も国家資格を必要としませんが、それぞれに必要な資格があります。
盲導犬の場合、国家公安委員会指定の盲導犬育成団体で研修を受けなければなりません。
嘱託警察犬の公認訓練士の場合、日本警察犬協会の試験に合格する必要があります。受験するために、公認訓練士がいる訓練所に入所して、実践的に学ぶ人もいます。


まとめ

ドッグトレーナーは、ペットである家庭犬を対象に、しつけや訓練を行う職業です。警察犬や盲導犬などの使役犬を対象とする訓練士とは、仕事内容も取得する資格も大きく異なります。
特別な資格は必要なく、独学でもドッグトレーナーを目指せますが、実践経験をつむためには専門学校などで学ぶ方が近道と言えるでしょう。
国家資格はありませんが、飼い主さんの信頼を得るためや就職のためには、専門的な知識やスキル、経験を裏づける民間資格を取得しておくと有利です。
ドッグトレーナーの勉強をするのは、愛犬との共同生活をより良いものにするためにもおすすめです。大切な愛犬のために、C級ライセンスや愛玩動物飼養管理士の勉強をしてみるのもいいかもしれませんね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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