1.犬の散歩の重要度は高い!その理由とは?
1-1.理由1.飼い主さんと出かけてコミュニケーションを深めるため
1-2.理由2.犬の運動欲求を満たすため、犬を健康にするため
1-3.理由3.お外に出て気分転換をするため
2.犬の散歩と食事との関係性…行くべきタイミングは食前?それとも食後?
3.食後の散歩でリスクが高まる胃拡張と胃捻転とは?
3-1.胃拡張、胃捻転ってどんな症状?
3-2.胃拡張や胃捻転って、どんな犬でも起こるの?特徴は?
4.食後の散歩…どんなポイントをおさえておくべき?
4-1.◆1.食後に散歩に行くなら最低でも2時間後
4-2.◆2.食事の量&回数を調整する
4-3.◆3.食事はゆっくりと食べさせる
4-4.◆4.多頭飼いが早食いにつながることも…
4-5.◆5.水をがぶがぶ飲んだときも散歩は控える
4-6.◆6.具合が悪そうなら無理をせずに…
4-7.◆7.帰宅直後に食事をさせるのもNG
犬の散歩の重要度は高い!その理由とは?
散歩は、犬を飼う時に欠かせない日課。
わんちゃんにとっても毎日の楽しみの時間です。
まずは、犬にとって“散歩”がどれだけ重要なのか、その理由について見ていきましょう。
◆理由1.飼い主さんと出かけてコミュニケーションを深めるため
おひとりさまで過ごすのを好む傾向にある猫と違い、犬は野生でも飼い犬でも「誰かと一緒」が好きです。
犬の性格によっても異なりますが、「飼い主さんを遊びに誘う」「抱っこをせがむ」など、ペットとなれば飼い主さんに愛情を向けます。
飼い主さんとの距離が近いわんちゃんも多いです。
そこで、大好きな飼い主さんとの外出となる散歩は、犬にとって楽しいもの。
“家”という閉鎖空間から抜け出すせるうえ、飼い主さんと一緒の時間にワクワクを感じるでしょう。
散歩という楽しいコミュニケーションの時間を通して、ますます飼い主さんとの距離を縮めることができるのです。
◆理由2.犬の運動欲求を満たすため、犬を健康にするため
犬には運動欲求が備わっているため、室内だけで暮らしていると「もっと運動したい」という気持ちになります。
特に、大型犬の場合、動く範囲が「室内だけ」に限定されると、本来必要な運動量が満たされません。
それがストレスの原因となるでしょう。
また、人間にも通じて言えることですが、健康のためには“適度な運動”が必要です。
散歩で足を動かし筋肉や関節の曲げ伸ばし、年齢を重ねても体がしなやかに動けるようにしてあげましょう。
📌【おすすめ記事】うちの犬は大丈夫?愛犬の運動不足が引き起こす5つの危険
◆理由3.お外に出て気分転換をするため
家の中で過ごしてばかりでは、犬の脳への刺激があまりありません。
大好きな飼い主さんと過ごせても、単調な毎日…となってしまうでしょう。
そもそも犬は好奇心が旺盛で、アクティブに動き回ることが大好きです。
狩猟犬だった犬種なら、なおさら本能的に「何かを探したい・追いかけたい」など、外で得られる刺激を欲しているでしょう。
散歩は室内飼いの犬にとっては気分転換の時間。
わんちゃんの脳を刺激するためにも、散歩はとても大切なものです。
犬の散歩と食事との関係性…行くべきタイミングは食前?それとも食後?
犬の散歩ですが、毎日、定刻に行くという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
「朝起きたらすぐに行く」「朝食の後に行く」「仕事から帰宅した夕方に」など、飼い主さんの都合の良い時間帯かもしれません。
そこで知っておきたいのが、犬の散歩と食事との関係です。
散歩の前の食事、もしくは食事の後の散歩のどちらかによっては、犬の体を危険に晒してしまうことになります。
「お腹がすいた状態で散歩に行くとかわいそう…」「食事をした後に運動をすればダイエット効果があるかもしれない」という気持ちから、食後に散歩に行くケースもあるかもしれません。
しかし、ダイエット効果よりも知っておきたいのが「食後の散歩のリスク」です。
散歩と言っても、“ゆっくり派のわんちゃん”や、“走るように動くわんちゃん”など様々でしょう。
たとえ、ゆっくりと歩いていても、食後に散歩で体が活性化すると胃拡張や胃捻転のリスクが伴います。
愛犬の体を危険に晒さないためには“食前”がベストと言えるでしょう。
食後の散歩でリスクが高まる胃拡張と胃捻転とは?
食後に散歩をすると「胃拡張」や「胃捻転」を起こしやすくなります。
◆胃拡張、胃捻転ってどんな症状?
食べたものが胃で滞り、胃が広がることを「胃拡張」と言います。
お腹がガスでパンパンに張った感覚、「腹部膨満感」が起こり、不快になる症状です。
そして、胃がねじれてしまうと「胃捻転」となります。
この胃拡張と胃捻転とは多くの場合、
●胃の中でガスが大量発生して、膨らむ
●ガスが排出できずに、さらに膨らむ
●ねじれで血流が阻害される
●ひどければ周辺臓器を圧迫して重度のショックを起こす
という流れで体に異変が起こります。
初期症状のときに発見して病院に連れていければいいですが、症状が進み過ぎると死にもつながることがあるのです。
「寝れば治る」という簡単なものではなく、最悪の場合、愛犬の命をも脅かす可能性があるでしょう。
◆胃拡張や胃捻転って、どんな犬でも起こるの?特徴は?
人間と違って、犬は胃捻転を起こす可能性があると言われています。
ただ、体格が犬種によって違うため、「起こしやすい犬」の傾向があります。
胃拡張や胃捻転は、胸板の厚みがある大型犬でよく見られる症状。
小型犬と比べると、圧倒的に大型犬の方が異変を起こしやすいです。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、秋田犬、ドーベルマン、シェパードなどが発症しやすい犬種と言われています。
しかし、小型犬でも胃拡張や胃捻転を起こさないとは言い切れません。
また、年齢を重ねるとガスが溜まって胃が膨らみやすく、胃拡張の症状を起こすことがあります。
食後の散歩…どんなポイントをおさえておくべき?
犬の散歩で理想的なのは、食事の前です。
ただ、食後に連れていかなければならない事情もあるかと思います。
食後の散歩は、「胃拡張・胃捻転」が起こるかもしれないため、愛犬を危険なリスクにさらさないためにも、食事や散歩のポイントをおさえておきましょう。
◆1.食後に散歩に行くなら最低でも2時間後
食後の散歩でリスクがあるのは「食べてすぐの時間帯」です。
私たち人間でも、食事の直後には走るなどの運動はもちろん、歩いているだけでもお腹の痛さや苦しさを感じますよね。
わんちゃんもそれは一緒です。
食事をして胃のなかがいっぱいの状態で動くことは、犬の胃への負担がかなり大きいでしょう。
胃捻転までの症状はないにしても、「食べたものを吐く」など体調を崩すことも考えられます。
そのため、散歩前に食事をした場合は、最低でも2時間あけましょう。
◆2.食事の量&回数を調整する
一度に大量の食事は止めましょう。
1日に必要なカロリーを計算した“まとめ食い”となれば、かなり大量です。
食後の運動というよりも、そもそも食事自体が犬への負担となるでしょう。
さらに、犬の興奮状態が長引くリスクもあります。
たとえば、1日に1回だけの食事にすれば、犬にとっては「お腹がすいた状態」が長引きます。
たった1回の食事をがっついてしまい、早食いとなる可能性があるのです。
1日に2~3回に分けて食べると、1回の食事量が多過ぎることがありません。
また、シニア期になると消化機能がグッと落ちますから、1日3~4回に分けて胃への負担を減らしましょう。
◆3.食事はゆっくりと食べさせる
早食いも胃拡張や胃捻転のリスクを高めます。
フードが入った食器を見ただけで興奮状態となる子もいるでしょう。
食べ物が一気に胃の中に入ると消化不良を起こしやすくなってしまいます。
通常よりも、胃にとどまっている時間が長引くため、食後ある程度休ませたつもりで散歩に行っても、胃の中に残った食べ物のせいで胃捻転を起こす可能性も考えられるのです。
食事の回数を増やすだけでも早食い防止につながりますが、そのほか、早食いを防ぐための食器を使うのもおすすめです。
食器内に凹凸があるため、スピードがおさえられるでしょう。
ただ、犬の口のサイズや形によっては、突起の隙間に挟まったフードが食べられないこともあります。
愛犬に合ったものを選んであげてくださいね。
◆4.多頭飼いが早食いにつながることも…
多頭飼いが要因で早食いになることがあります。
「食事量・食事回数」を減らしても、そもそも他の犬達と同じ場所で食事をしていると、「自分の食べ物を取られたくない」という意識が働きます。
犬は元々咀嚼をあまりしない食べ方をする動物です。
細かなフードなら咀嚼がなくても消化はできますが、早食い傾向になると空気と共に飲み込んで胃への負担が増えます。
食事の時間にライバルと競い合うように食べてしまうと、消化不良を起こして散歩時に胃捻転のリスクが高まるので注意しましょう。
◆5.水をがぶがぶ飲んだときも散歩は控える
盲点となりがちなのが「水のがぶ飲み」です。
「水は食事ではないのでは…」と思うかもしれませんが、大量の水を飲んだ場合に胃捻転を起こしている犬も実際にいます。
散歩前に水をがぶがぶと飲んだ場合はもちろんですが、帰宅後のがぶ飲みにも注意しなければなりません。
◆6.具合が悪そうなら無理をせずに…
食後2~3時間もすれば、胃拡張や胃捻転のリスクがかなり減るでしょう。
ただ、体調が悪い場合は、2~3時間経っていても油断ができません。
そもそも消化に時間がかかっている可能性もあるからです。
「日課だから」と無理して散歩に連れ出した結果、胃への負担から具合を悪くするケースもあるので注意しましょう。
◆7.帰宅直後に食事をさせるのもNG
食事から時間をあけての散歩。
歩いたり走ったりとエネルギーを消費し、きっとお腹が空いていますよね。
帰宅したら、すぐにでもごはんをあげたいところですが、“散歩直後の食事”もよくありません。
というのも、大好きな運動から帰宅したばかりの犬の心理はちょっぴりテンション高め。
そんなときにフードを差し出すと大喜びで、ますますボルテージが高まるでしょう。
食べ方がダイナミックとなり、空気を飲み込んでしまうかもしれません。
それが原因で胃捻転を引き起こすケースもあります。
散歩中に具合が悪くなったら…早期に対処して重症化を防ごう
食後に散歩に行くと、胃捻転を疑うような症状が起こる可能性はあります。
食後すぐではなく2~3時間ゆっくりさせてからの散歩が理想的です。
しかし、
無事に散歩を終えても油断はできません。
帰宅後に「水をがぶがぶと飲んだ」「テンション高めで食事をした」などが胃捻転の引き金となる可能性もあるからです。
胃捻転を起こすと、
●お腹がぱんぱんに膨れる
●口から粘液や泡が出てくる
●吐く
●お腹を痛そうにする
●げっぷをたくさんする
●呼吸が苦しそう
などの症状が現れますが、ひどくなると臓器の壊死が起こり、命を落とすこともあります。
元気がない、自立ができないと明らかにいつもと違う状態というのが分かるでしょう。
胃のねじれは、自然にはもとに戻りません。
「様子を見よう」と動物病院に行くのが遅れると間に合わないというケースも残念ながらあるのです。
気になる症状が現れた場合、すぐにでも動物病院に相談し、早期対応をしましょう。
まとめ
わんちゃんにとって大切な意味を持つ“散歩”。
楽しいはずの散歩が愛犬へ重大なリスクをもたらすなんて悲しいことですよね。
お腹のなかに食べ物が入った状態で散歩に出かけると、胃捻転や嘔吐のリスクがあります。
安全に散歩をするには、「食前」がベストなタイミングです。
くれぐれも、“食後すぐ”というタイミングで散歩に連れ出すことは避けましょう。
ただ、散歩の時間は飼い主さんの都合もあり、どうしても食後となるケースもあるかもしれません。
そんなときは、お腹をゆっくり休めてから体を動かせるように、食事をしてから2~3時間後に行きましょう。
「食事の量を少な目にする」「早食いや水のがぶ飲みをやめさせる」などごはんの食べさせ方にも配慮することが大事です。
愛犬との散歩が楽しく幸せな時間となるように、犬の食事や散歩について改めて見直してみてくださいね。
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