【掲載:2022.11.22 更新:2022.11.22】
【監修:かまくらげんき動物病院 相澤まな先生 イラスト:相沢るつ子】
肉球は限られた生物に備わる特別な物
ワンちゃん・ネコちゃんの肉球はぷにぷにとしていて見ているだけで癒されますよね。肉球は分類学上、食肉目(しょくにくもく)の生物にのみ備わった特別な物です。
食肉目(しょくにくもく)とは別名「ネコ目(ねこもく)」といわれ、イヌ科、ネコ科、イタチ科、アザラシ科などに分類されます。アザラシは海で生活しているので実際には肉球はありませんが、イタチ科のラッコは前足に肉球があります。
肉球には、足裏の保護、滑り止め、獲物を狙う時に足音を消すなどの役割があります。肉球はクッション性がよく、滑り止め機能もあるので、靴であり、丈夫なグローブといったイメージです。靴もグローブもお手入れをしないと傷やダメージがつきますが肉球も同様です。肉球マッサージでしっかりとケアをしてあげましょう。
肉球を見れば、ワンちゃん・ネコちゃんの健康状態がわかる!
肉球の構造は外側が角質層、内側は脂肪を含んだ弾性繊維、周りに汗腺が分布しています。肉球の独特なニオイは汗腺から出ています。
ピンク色に近い色味の肉球の子は、足裏の血行状態を通して体調がわかる場合もあります。例えば、貧血状態だと色味が淡くなります。また、ネコちゃんの場合いつもはピンク色の肉球に左右差があると、心臓の病気を判断する身体検査の重要なポイントになります。
東洋医学的には肉球はカラダの内部状態を映し出しているといっても過言ではありません。東洋医学では気血の巡りが悪くなると病気になると考えられているので、気血の流れをよくするためにツボ刺激、マッサージ、漢方薬で治療をしていきます。
肉球は飼い主さんが簡単に見て触って確認できるパーツです。状態を確認しながらマッサージを行うことで、血行の促進やツボの刺激になります。また、足先は経脈の始点と終点なので、足先の刺激が全身ケアにもつながります。
健康的な肉球はハリと弾力があり、表面は適度なかたさがあります。お散歩の量やライフスタイルでかたさには差がありますが、肉球はデリケートですのでケアをすることはもちろん、ケガや春夏の時期の熱いアスファルトでのやけどにも注意してください。
足裏の優しい刺激で全身ケア!肉球マッサージ
▶手順1
足先を手のひらで優しく包み温めます。いきなりグイグイ揉んだり、飼い主さんの手が冷たいとビックリしてしまいますので、手を温めてゆっくりと行いましょう。ぬくもりはそれだけで心地よいものですし安心感につながります。
▶手順2
大きい肉球を縦方向から10〜20回程度揉みます。湧泉(ゆうせん)のツボがあるのでよく揉みましょう。足腰とつながっている部位なので足腰の悪い子は特に念入りに行ってください。足腰を丈夫にし、生命エネルギーのアップにつながります。
▶手順3
小さい肉球を一つずつ横からつまみ、さらに指、つめの際(きわ)まで10〜20回揉んでください。つめの際(きわ)には重要なツボがあります。力を入れすぎると繊細な場所なので痛がりますので優しく行いましょう。足の動きの鈍い子は特に念入りに揉んでください。
▶手順4
指と指の間の皮膚をつまみましょう。通常はここをつまむと反射で足を引っ込めます。
指のはらで、優しくつまんで離す動作を5〜10回程度行いましょう。
また、皮膚疾患が出やすい場所ですので日々の肉球ケアで皮膚のチェックも行うことができます。反射が俊敏でない、皮膚が赤い、痒そう、腫れているなど異変に気がついたらかかりつけの動物病院を受診してください。
▶手順5
かかとから足先を手のひらで10〜20回揉んで終了です。
マッサージの際に肉球クリームを塗りながら行うのもおすすめです。肉球クリームは、滑り止めの役割がある肉球のはたらきを助けます。乾燥し過ぎているとフローリングで滑りやすくなる原因にもなります。乾燥していなくても肉球クリームを塗ることは肉球の保護の観点からおすすめです。
ぜひ、みなさんも愛犬・愛猫の肉球マッサージにチャレンジしてみてくださいね♪マッサージで愛犬・愛猫も飼い主さんも心もカラダもリラックスできちゃうはずです。
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