1.犬にゴマを与えても良いの?
1-1.ゴマとは
1-2.ゴマの主な成分
1-3.ゴマの種類
1-4.ゴマの主な効果
1-5.アレルギー
2.ゴマの与え方
2-1.ゴマを与える量
2-2.トッピングとして
3.ゴマの加工品は与えていいの?
3-1.ゴマせんべい
3-2.ゴマクッキー
3-3.ゴマ油
3-4.ゴマ豆腐
3-5.胡麻ドレッシング
3-6.ゴマプリン
3-7.ゴマ団子
5.犬用にゴマが入ったおやつもある
5-1.ホームメイドシリーズプレミアム 黒ごま山羊ミルクボーロ 40g
5-2.First 特選わんこあられ ごま 45g
犬にゴマを与えても良いの?
結論から言えば、ゴマは犬に与えても問題のない食材です。
犬に有害な成分は含まれていないので、与える量や与え方に注意すれば、愛犬の健康のためにもおすすめの食材と言えます。
◆ゴマとは
ゴマは、ゴマ科ゴマ属の一年草です。荒地でも栽培でき、少々の干ばつであれば平気という、強い生命力を持っています。日頃、食べているのは、種です。
◆ゴマの主な成分
※可食部100g当たりの量を示します
脂質
54.2gの脂質が含まれています。ほとんどが、不飽和脂肪酸であるリノール酸とオレイン酸です。
脂質は、効率の良いエネルギー源であり、細胞膜などの身体の構成成分でもあります。
リノール酸は、体内で作ることができない必須脂肪酸で、細胞膜の成分です。身体の組織の維持や、免疫の働きを高める働きがあります。
オレイン酸には、「善玉コレステロール」(HDLコレステロール)は下げず、「悪玉コレステロール」(LDLコレステロール)を下げる働きがあると言われています。
食物繊維
1.0gの食物繊維が含まれており、特に不溶性食物繊維が豊富です。
タンパク質
20.3g含まれています。メチオニンやステインなどが多い、良質なタンパク質です。
タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚など体をつくる大切な栄養素です。また、身体の機能を調節するホルモンや酵素などの材料にもなります。
ゴマリグナン
ゴマ特有の成分で、主成分はセサミンです。他に、セサモリン、セサミノール、セサモールなどの成分も含まれています。
微量成分で、1~1.5%ほどしか含まれていませんが、健康効果は絶大と言われています。
強い抗酸化力を持ち、がんや生活習慣病の予防、肝機能向上などの健康効果があるとされます。また、アンチエイジング効果などでも注目されている成分です。
セサミンには、血清中性脂肪濃度を低下させる効果や、血圧を下げる作用があります。
◆ゴマの種類
ゴマには、白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマと種類がありますね。
黒ゴマは外側の皮が黒く、白ゴマは皮が少し柔らかい食感です。金ゴマは、白ゴマよりやや黄色がかった色合いをしています。
いずれも栄養成分に大きな違いはありませんが、黒ゴマの皮にはポリフェノールの1種であるアントシアニンが含まれています。白ゴマは、黒ゴマに比べて、少しだけ脂質が多いですが、主にリノール酸とオレイン酸です。金ゴマは更に脂質が多めで、黒ゴマほどではありませんが、ポリフェノールも含んでいます。
◆ゴマの主な効果
セサミンの持つ抗酸化作用は、がん予防や老化防止の効果があるとされています。
オレイン酸の働きで悪玉コレステロールを低下させる効果が、リノール酸の働きで皮膚の健康維持や毛艶を良くするなどの効果が期待されます。
不溶性食物繊維は、腸内環境を整え、腸内細菌叢を良好に保つと言われています。特に、便秘気味の犬に効果的と言えそうです。
ビタミンCやビタミンE、ビタミンB1、β-カロテンなどが含まれるため、血行を良くする、鉄の吸収を促すなどの効果や、疲労回復効果も期待されます。
◆アレルギー
どんな食べ物でも、アレルギーの原因となることがあります。
初めて与える場合には、ごく少量にとどめ、与えた後の愛犬の様子をよく見守りましょう。何らかの異常が見られた場合には、すぐに動物病院を受診してくださいね。
受診する際には、いつ、どのくらい食べたか、また、どんな症状か伝えられるよう、メモしていくと良いでしょう。
アレルギーの症状は、以下の通りです。
・下痢
・痒みや湿疹
・皮膚の赤み
・外耳炎
・元気がない
等
ゴマの与え方
愛犬の健康維持に役立つゴマですが、与え方を間違えるとかえって健康を損なうので注意が必要です。
◆ゴマを与える量
与える際の適量は、小型犬で小さじ1程度です。
アレルギーや体質に合わない場合もあるので、初めて与える際には、小さじ1/2程度のごく少量から始めましょう。
体重別の1日当たりの適量の目安は、下記の通りとなります。
●小型犬:小さじ1
●中型犬:小さじ2
●大型犬:大さじ1
あくまで目安なので、愛犬に合わせて加減してくださいね。
ほとんどが脂質であるため、高カロリーです。与え過ぎは肥満のもとなので、与えるのは1週間に1回程度にしておきましょう。
◆トッピングとして
ゴマは、香りも高く、食欲増進にもつながるので、いつものドッグフードにトッピングして与えるのがおすすめです。
ただし、皮は固くて消化しづらいので、すりゴマや練りゴマにするとよいでしょう。
市販のすりゴマや、すり潰して時間の経ったものは酸化しているため、与える直前にすりましょう。酸化すると、味や風味が落ちたり、栄養成分が変化してしまったりして、せっかくの効果が期待できなくなります。
また、市販の練りゴマには添加物が入っていることもあるため、おうちで煎りゴマをフードプロセッサーにかけて作ってあげると安心です。
ゴマの加工品は与えていいの?
健康効果が期待できることもあり、加工品もたくさん市販されています。では、それらを与えてもよいのでしょうか?
◆ゴマせんべい
与えてはいけません。
塩分が高く、また、さまざまな材料が使われているため、犬が食べてはいけない成分が含まれている可能性があります。
◆ゴマクッキー
糖分が高いため、NGです。
◆ゴマ油
与えても大丈夫ですが、高カロリーなので、与える量は少量にしておきましょう。
香りが高く、食欲増進につながるので、食欲の落ちているときに適量をフードにかけてあげてもよいですね。
また、潤滑油の役目を果たすので、便秘気味の愛犬に与えるのもおすすめです。
◆ゴマ豆腐
ゴマ豆腐に使われているのは、すった白ゴマと葛粉とだし汁だけで、犬に有害な成分は使われていません。
しかし、通常、少量の塩を加えて作るので、市販のものは犬には与えない方がよいでしょう。
与えたい場合には、愛犬用に、塩を使わず手作りしてあげましょう。
◆胡麻ドレッシング
糖や油、添加物などが入っているため、与えてはいけません。
◆ゴマプリン
糖分が多すぎるので、与えることはおすすめできません。
◆ゴマ団子
糖分が多すぎるので、NGです。
ゴマを使ったレシピ
愛犬の健康に良いゴマを使って、手作りのおやつやご飯を作ってあげてもいいですね。
※COOKPADから引用しています
◆犬用練り切り風おやつ
和菓子の練り切り風のおやつを、「蚊遣豚」の形に。SNS映えも、ばっちりですよ。
【材料】1個分
・ジャガイモ(男爵) 45g
・さつまいも 15g
・ほうれん草パウダー 少々
・キャロブパウダー 少々
・黒ゴマ 2粒
*ジャガイモ、さつまいもの量は皮を除いた正味量
1.皮を剥いたジャガイモとさつまいもを、レンジで柔らかくなるまで加熱
2.(1)を熱いうちにマッシュして、それぞれ裏ごしする
3.(2)のサツマイモを10g、ジャガイモは30g、20g2つ、少量2つに量り分ける
4. 2gのジャガイモ1つをほうれん草パウダーで緑色に、少量のジャガイモ1つをキャロブパウダーで茶色に着色
5.(4)の緑色に着色したジャガイモを、適当に3つに分けて丸める
6. 30gのジャガイモを手のひらでのばし、(5)を適当な位置に乗せて、指でなじませる
7.(6)をひっくり返して、さつまいもを包んで丸め、俵型に整える
8.卵の先を押し当てて、頭とお尻の部分を凹ませる
9.ナイフの背で、切込みを5本入れる
10.残りの2gのジャガイモを4等分して丸め、(9)の裏側につけ、脚にする
11.少量の無着色のジャガイモを適量取り、△の形に整えたものを2つ作る
12.(11)を2本目の切れ込みの上の左右に乗せて耳にする
13.茶色に着色した少量のジャガイモを細長く伸ばし、半分に折り曲げ、幅1.5cmほどにカットする
14.(13)の両端を両耳の裏側に当てるようにして、ふんわり乗せる
15. 黒ゴマを眼の位置に乗せて、完成
犬用にゴマが入ったおやつもある
◆ホームメイドシリーズプレミアム 黒ごま山羊ミルクボーロ 40g
ワンちゃんの大好きなボーロに、栄養満点の黒ゴマが入っています。小麦粉の代わりに、馬鈴薯でんぷんが使われていて、グルテンフリーなのも嬉しいですね。
もちろん添加物は加えられていないので、安心して愛犬に与えることができますよ。
◆First 特選わんこあられ ごま 45g
国産の無添加もち米を使ったひと口あられです。
原材料は、もち米とゴマだけと至ってシンプルなので、安心して与えることができますね。
ゴマを与える時の注意点
最後に、与える際の注意点をまとめてご紹介します。
◆与えすぎない
高カロリーなので、与えすぎると肥満につながります。特に肥満の犬には、与えすぎない方がよいでしょう。
また、過剰に摂取すると、悪玉コレステロールだけではなく、善玉コレステロールも低下させてしまう恐れがあります。
必ず適量を守り、1週間に1度程度、フードにふりかけて与える程度にしておきましょう。
◆酸化したものは与えない
脂質を多く含むため、酸化しやすいです。
酸化した油を摂取すると、お腹が痛くなったり、食中毒になったりします。多量に摂取してしまうと、内臓への負担などから、健康を損ねるおそれがあります。
まとめ
ゴマは、人にも犬にも嬉しい健康食材ですが、50%が脂質なので高カロリーです。与え過ぎには注意して、適量をいつものフードにトッピングして与えると良いでしょう。
皮は食物繊維が多く硬いので、すりゴマや練りごまにして与えるのがおすすめです。酸化しないよう、与える直前にすって与えましょう。煎りごまをフードプロセッサーにかけると、練りごまも簡単に作れます。
人間用の加工品は、添加物や塩分、糖分が多く含まれるため、与えないようにしてくださいね。
市販されている犬用のおやつや、犬用の手作り食のレシピもたくさんあるので、取り入れてみてはいかがでしょうか?
– おすすめ記事 –
・健康食品としても有名なひじき!犬が食べても大丈夫? |
・犬に昆布を与えても大丈夫?!効果や与え方について徹底解説します! |
・犬にしらすを与えても大丈夫?気をつけるポイントやおすすめレシピをご紹介! |
・愛犬におからを与えても良い?期待できる効果やデメリットは? |