犬はカブを食べてもよい?栄養満点なカブに期待できる効果とは

2023.01.01

犬はカブを食べてもよい?栄養満点なカブに期待できる効果とは

カブは根も葉も食べることが出来る、栄養満点な食材です。11月から1月が旬といわれるカブですが、愛犬にも食べさせても大丈夫なのでしょうか?この記事ではカブの栄養素や食べることで期待できる効果、与える際の注意点などを詳しくご紹介します。

犬はカブを食べても問題なし!

カブ

カブはアブラナ科の一種で、ご存知の通り淡白な味の野菜です。
ですので、犬にとって嗜好性が高い食べ物ではありませんが、犬のカラダに有害な成分は含まれていないので、犬が食べても大丈夫な野菜です。

カブといえば白い根っこの部分を食べるイメージも強いですが、根はもちろん、葉も茎も与えることができます。実は、カブは根よりも葉っぱの方が栄養満点で、生で食べても大丈夫です。


カブを与える際の注意点

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◆子犬には与えない

子犬の消化器官は未発達なので、カブを与えると消化時に胃腸に負担をかける可能性があります。子犬には与えない方が無難です。
子犬用から成犬用のフードに切り替わってから与えてみるようにしましょう。

シニア犬は消化器官も歯も衰えているので、加熱してから小さくカットして与えてくださいね。

◆与える前の下準備

カブの皮は、非常に食物繊維が多いです。皮つきで与えると、消化できずに下痢を引き起こすおそれがあります。必ず皮を剥いてから与えましょう。

茎や葉も与えて問題ありませんが、犬は野菜の消化があまり得意ではないため、消化不良を防ぐために細かく刻んであげましょう。

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◆アレルギー発症の可能性

どんな食べ物でも、アレルギーの原因になる可能性があります。初めて与える時は少量にして、与えた後は、様子をよく見守りましょう。

初期症状は皮膚に現れる可能性が高いです。フケが出たり、ずっと痒がっていたりしたら、動物病院に相談してください。診察時間帯に与えると安心ですよ。

アレルギー反応の主な症状は、下記のとおりです。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 目の充血

症状は、数時間経ってから現れることもあるため、できれば与えてから半日~1日ほど様子を見ましょう。
また、アレルギー症状が現れるのは、食べた直後だけではなく、1ヶ月後ということもあるため、アレルギーが疑われたら、動物病院で検査をすることをおすすめします。

◆甲状腺に問題がある子は避けた方がよい

アブラナ科の植物に含まれる「グルコシノレート」という成分は、体内で、ヨウ素の吸収を阻害する「ゴイトロゲン」に変化します。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの分泌に重要な物質であるため、吸収が阻害されると必要なホルモンの分泌に影響して、甲状腺に負担をかけると言われています。
症状悪化を避けるため、甲状腺疾患のある子、甲状腺ホルモン剤を飲んでいる子には与えないようにしてください。

◆与える量に気を付ける

犬は肉食寄りの雑食動物なので、野菜(食物繊維)の消化が得意ではありません。
胃腸に負担をかけないように、おろしたり、細かく切ったりしてから与えましょう。

また、カブは栄養が豊富に含まれていますが、犬にとって「カブ」という食べ物は必ずしも必要なものではありません。

犬のごはんを全て手作りの場合は栄養バランスを見ながら与えていただき、総合栄養食のドライフードを普段から与えている場合は、カブはトッピングやオヤツに少量与える程度にします。
栄養が豊富であるからといって、与え過ぎは逆効果になるので注意しましょう。

以下に犬の体重ごとに、1日の摂取量の目安をまとめました。

超小型犬:体重4kg未満⇒1日10g前後

小型犬:体重10kg⇒1日20~40g

中型犬:体重25kg以下⇒1日80~100g

大型犬:体重25kg以上⇒1日120~160g
    
超大型犬:体重40kgほど⇒1日160g程度

こちらはあくまで目安となりますので、それぞれ、愛犬の体重や体調、普段与えているフードやごはんに合わせて量を加減してください。また、葉っぱは消化しづらいので、上記の量をそのまま与えてしまうと、胃腸へ負担がかかったり、消化不良へと繋がる可能性があります。

与える際は、始めはほんの少量を様子を見ながら、トッピングや味見をする程度にしておきましょう。
また、よく食べるとなったとしてもたくさんの量を与えるのではなく、トッピング程度に留めておくことが好ましいでしょう。


カブは栄養満点な野菜!

カブを与える上での注意点や与えても平気な量を把握したところで、カブには一体どのような栄養素が含まれているのか、具体的に見てみましょう。

カブは、春の七草のひとつ「すずな」です。他にも「かぶら」「かぶな」などの呼び名があり、日本では古くから食べられています。

大根と同じくアブラナ科の植物ですが、ダイコンはダイコン属、カブはアブラナ属でチンゲン菜や白菜、キャベツなどの仲間です。
旬は年に2度あり、3~5月の春ものは肉質が柔らかく、11月~1月の寒い時期には甘みが増します。

βカロテンやビタミンCが豊富で、高い抗酸化作用が期待されるカブは、薬膳では胃腸を温める効能や、肺を潤す働きがあると考えられていて、冷えからくるお腹の痛みがある子、乾いた咳をする子に効果的と言われています。

◆ビタミンC

ビタミンCは葉に多く、生の葉には82mg含まれます。根に含まれるのは18mgなので、葉には根の約4倍含まれています。

ビタミンCには抗酸化作用があるほか、白血球の働きを高めて免疫機能を向上させます。また、コラーゲンの生成促進の働きがあり、関節炎の予防にもなり、鉄の吸収にも欠かせない大切な栄養成分です。タンパク質の活性化や疲労回復の効果も期待できます。

人間の場合、ビタミンCは体内で生成できない為、食事からとる必要があります。しかし、犬や猫はビタミンCを体内で生成できるため、食事から必ずとらなければならないという事はありません。

◆カリウム

カリウムの含有量は、葉で330g、根で250mgです。

カリウムには、余分な塩分(ナトリウム)を排出して、血圧を維持する働きがあります。また、利尿作用があり、体内の水分量を調節する働きもあり、代謝がよくなります。そのため、腎臓病の犬は積極的に摂取したい栄養素です。

さらに、免疫機能を健全に保つ働きや、筋肉の機能を調節する働きもしています。

ただし、過剰に摂取すると高カリウム血症を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

◆葉酸

葉酸は、葉に110μg、根に49μg含まれています。

葉酸は、細胞の生まれ変わりや成長をサポートするビタミンで、体内でも少量生成されますが、食べ物から摂取する必要があります。

◆鉄分

鉄分は、赤血球中のヘモグロビンを作るのに欠かせないミネラルです。赤血球は、酸素を体中に行きわたらせる働きを担っています。
葉には2.1mg、根には0.2mgの鉄が含まれています。

◆βカロテン

βカロテンは、葉には2800μgと豊富に含まれていますが、根には全く含まれていません。

βカロテンには強い抗酸化作用があり、カラダの免疫力を高めてくれます。ガンや心臓病の予防にも効果的と言われている栄養素です。
また、βカロテンは体内でビタミンAに変化します。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を維持する役割を担っていますので、重要な栄養素のひとつです。

◆食物繊維

カブの葉には2.9g、根には1.4gと、食物繊維が豊富です。

腸は、ビタミンの合成や、健康維持に働く重要な器官です。食物繊維には、腸内環境を整える働きがあり、便秘や下痢の改善、腸内細菌を活性化して善玉菌を増やすなどの効果があります。

ただし、犬は人間より腸が短いため、食物繊維の消化は苦手です。過剰摂取は消化不良のもととなり、栄養素を十分に吸収できないまま排出してしまうことにつながります。

※含有量:生の葉および生の根(皮なし)の可食部100g当たり(出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂))

◆その他

カブの根の部分に多く含まれるアミラーゼ(ジアスターゼ)は、でんぷんやグリコーゲンを消化する酵素で、食欲不振や消化不良の改善、整腸作用が期待出来ます。

他には、根をすりおろしたり、細かく切ったりすると、辛み成分のもとであるイソチオシアネートが生成されます。血液をサラサラにする働きがあり、血栓を予防することが期待できます。
他にも、抗酸化作用や免疫機能を高める効果、抗がん作用、肝機能向上による解毒作用、胃液の分泌の促進からの食欲増進も期待できます。


まとめ

カブには犬にとって有害な成分はなく、根にも葉にも豊富な栄養素が含まれているので、愛犬にも積極的に与えてよい食材です。手作り食をごはんとして与えている場合には、一度取り入れてみてはいかがでしょうか。

根は煮物などに使ったり、生のまま、すりおろしてトッピングしたりすると良いでしょう。葉は、茹でるなど加熱したものを細かく刻んで与えましょう。

ちなみに、選ぶときには、根の表面につやがあり、ずっしりと重みがあるものがおすすめです。葉つきの場合は、瑞々しくて、付け根がしっかりとして硬さがあり、きれいなものが新鮮ですよ。
葉や茎がついたままだと、水分や栄養が吸収されて根がスカスカになるので、切り分けて保存するのがおすすめです。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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