1.ペキニーズってどんな犬?
1-1.ペキニーズの歴史
1-2.ペキニーズの性格・特徴
1-3.ペキニーズの毛色
1-4.ペキニーズの寿命・病気
3.ペキニーズの飼い方
3-1.食事
3-2.しつけ
3-3.散歩
3-4.お手入れ方法
4.ペキニーズのミックス犬も可愛い
4-1.チワペキ
4-2.ペキポメ
4-3.ペキプー
4-4.ペキダックス
4-5.ペキズー
4-6.マルペキ
ペキニーズってどんな犬?
◆ペキニーズの歴史
ペキニーズ(Pekingese)は、「北京の犬」という意味で、その名の通り、原産国は中国です。もっとも古い記録は8世紀、唐時代のものですが、歴史は紀元前まで遡ります。
祖先犬は、チベタン・スパニエルともラサ・アプソとも言われています。ラマ教寺院で繁殖され、獅子に似た姿のペキニーズが生み出されると、始皇帝をはじめ、代々の中国皇帝に献上されました。
神聖視されたペキニーズは、皇帝と皇族だけが飼うことができる犬となり、西太后も多くのペキニーズを寵愛していたそうです。
長く門外不出だったペキニーズですが、1860年の阿片戦争に勝利したイギリス軍が持ち帰ったうちの1頭が、ビクトリア女王に献上されると、貴族たちの間で繁殖されるようになりました。
1893年、ドッグショーに出陳されると、鼻ぺちゃで愛嬌のある姿が人気を博し、やがて世界中に広まりました。
◆ペキニーズの性格・特徴
体重は3~6kg、体高20~25cmの小型の愛玩犬です。
犬種標準を定める犬の登録団体・ジャパンケネルクラブ(JKC)の規定では、理想体重はオスで5kgを超えてはならず、メスは5.4kgを超えてはならないとされています。オスよりメスの体重の方が重いという珍しい特徴を持ち、小柄な見た目より意外と重いです。
ガニ股気味でがっしりした前脚、細めの後ろ脚、ボリューム感のある長く豊かな被毛が、ペキニーズを獅子のような風貌に見せています。また、耳やしっぽなどに飾り毛があり、小柄ながら堂々とした佇まいです。
歩き方が特徴的で、体を横に揺らして歩く「ローリング」をします。短頭で目と鼻が並んでいるような顔をしていて、つぶらな瞳は少し飛び出た感じです。
短い鼻とライオンのたてがみのようなふさふさの被毛から「ライオン・ドッグ」、また中国の皇帝が袖の中に入れて連れ歩いていたことから「袖犬」とも呼ばれます。
「猫のようにマイペース」と称される性格は、「自己中」と言えるほど意志が強く、気分が乗らないと飼い主に呼ばれても無視を決め込むこともあると言われています。
普段はおっとりしていて温厚ですが、勇敢で大胆な面も持ち合わせています。自分からケンカを仕掛けることはありませんが、一旦ケンカになると自分から引き下がることがないため、攻撃的だと誤解されがちです。
飼い主さんには忠実で愛情深く、甘えん坊ですが、時間をかけて人を見ていくため、すぐに懐くことはありません。自分のペースで生活することを好み、抱っこされるのを好まない子が多いです。
一般的に、男の子は女の子よりも甘える傾向があります。一方、女の子は場の空気を読むものの、猫のような性格が、より出やすいです。
◆ペキニーズの毛色
ブラック、ホワイト、フォーン、パーティーカラーなどさまざまな毛色があり、アルビノとレバー以外は認められています。一番人気が高いのは白で、フォーンやブラックも人気です。
◆ペキニーズの寿命・病気
ペキニーズの寿命は12~15歳とされ、アニコム家庭どうぶつ白書2021によると、2019年度の平均寿命は12.9歳です。小型犬全体の平均寿命14.4歳より、若干短い傾向にあります。
目が飛び出ているため、「チェリーアイ」「睫毛重生」「乾性角結膜炎(ドライアイ)」などの目の病気にかかりやすいです。
短頭種であるため、「軟口蓋過長」や「鼻腔狭窄」「気管虚脱」などの呼吸器疾患にかかりやすいです。これらを総称して、「短頭種気道症候群」と言います。
心臓が弱い傾向があり、「僧帽弁閉鎖不全症」を若いうちに発症する可能性があるため、年に1~2度の健康診断をおすすめします。
ペキニーズの値段
ペットショップやブリーダーでの価格相場は、15~30万円ほどです。人気の高いメスの方が、オスよりも数万円高く設定されているペットショップもあります。
ペキニーズの飼い方
◆食事
ペキニーズは関節疾患を抱えやすいと言われているので、グルコサミンやコンドロイチンが含まれているものや、良質なタンパク質が取れるドッグフードを与えましょう。
ただし、タンパク質を摂りすぎると、涙やけを引き起こすので注意が必要です。
◆しつけ
気位が高く、聡明なため、しっかりとしたしつけをしないとワガママになることがあります。成長に伴って頑固になり、しつけがしづらくなる傾向があるので、子犬のうちに甘やかさずにしつけましょう。
無駄吠えや噛みつきといった問題行動は少ないですが、嫌なことには歯を当てて抵抗することもあり、しつけには根気が必要です。毎日15分程度のしつけを繰り返し行うのがおすすめです。
◆散歩
活発な犬種ではないので、運動量はそれほど必要ありません。散歩は、1日20~30分ほどでよいでしょう。暑さに弱いので、早朝や夜の散歩がおすすめです。
マイペースな性格から引っ張りが出ることがあるので、リーダーウォークを徹底しましょう。
◆お手入れ方法
ペキニーズは、ダブルコートでアンダーコートの量が多いため、換毛期には抜け毛が非常に多いです。死毛が残っていると、皮膚の通気が悪くなったり、毛玉がフェルト状になったりして、皮膚病のリスクが高くなります。
このため、毎日のブラッシングが必要不可欠です。アンダーコートの根元までブラシを入れて、優しく梳いてあげてくださいね。
シャンプーは、月に1回を目安に行います。シャンプーが残ると皮膚病になりやすいため、しっかりと洗い流して、乾かすことが大切です。
また、顔のしわに汚れが溜まりやすい傾向があります。放置すると、皮膚糸状菌症、膿皮症など皮膚病を発症する可能性があるので、濡らしたタオルやガーゼで、しわの間の汚れをこまめに拭き取りましょう。
特に食後は、口周りを丁寧に拭いてあげてください。
ペキニーズのミックス犬も可愛い
◆チワペキ
チワワ×ペキニーズのミックス犬です。「ペキチワ」「ペキチー」とも呼ばれて、親しまれています。
性格は、どちらかと言えば、ペキニーズ寄りになる傾向があります。マイペースでプライドの高い子が多く、また勇敢なところもあるため、扱いにくいと感じるケースがあるかもしれません。
📌【おすすめ記事】チワワとペキニーズのいいとこどり!かわいすぎるチワペキの飼育方法とは?
◆ペキポメ
ペキニーズとポメラニアンの組み合わせによる、少し珍しいミックス犬です。
遊び好きで、やや気の強いところのあるポメラニアンと、穏やかなペキニーズを合わせることで、落ち着きや穏やかさが加わると考えられます。
見た目の全体的な雰囲気は、ポメラニアンが出ることが多いようです。鼻周りにはペキニーズの愛らしい鼻ぺちゃの特徴が出るかもしれません。
◆ペキプー
ペキニーズとトイプードルの間のミックス犬です。ペキニーズのミックス犬の中でも、人気上位に入ります。
トイプードルの人懐こさと、ペキニーズの気位の高さやマイペースさを併せ持ちますが、どちらかと言えばペキニーズ寄りになることが多いようです。
ふわふわの被毛は、トイプードル同様、抜けにくくなっています。
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◆ペキダックス
ペキニーズ×ダックスのミックス犬です。
顔立ちはユーモラスなペキニーズに近く、ダックスの胴長短足の体型を受け継ぎます。性格は両方の良いところを受け継ぎ、穏やかで大人しい子が多いため、初心者でも飼いやすいでしょう。
◆ペキズー
あまり知名度は高くありませんが、ペキニーズ×シー・ズーのミックス犬です。
基本的には人懐こく、愛情深いです。忠実で頭もよく、しつけもしやすいですが、ペキニーズの勇敢で頑固な一面が見られることがあり、注意が必要です。
マズルが短い受け口、丸い頭に丸い眼、大きな垂れ耳と、愛嬌のある顔つきをしていますが、骨格は意外としっかりしています。
◆マルペキ
ペキニーズとマルチーズのミックス犬で、「ペキマル」とも呼ばれます。
マルチーズの遊び好きで素直な性格と、頑固な一方、温厚なペキニーズの性格を合わせた感じの性格です。愛情深い一方で、プライドの高さや頑固さも持ち合わせているため、しっかりとしたしつけが必要です。
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ペキニーズを飼う際の注意点
マイペースで、自分1匹だけの時間が欲しい犬種です。また飼い主さんはもちろん、お気に入りの場所やおもちゃなどにも独占欲が現れやすいため、基本的に多頭飼いには不向きです。ただ、ペキニーズ同士や猫との同居は、上手く行くことも少なくないようです。
鼻が短いため暑さに弱く、熱中症のリスクが高いです。室温を25℃程度に保ち、除湿をこまめに行ってあげましょう。
椎間板ヘルニアや関節疾患のリスクも高いため、ぴょんぴょん跳ねさせたり、階段の上り下りをさせたりしないようにします。滑りにくいような床にしてあげることや、体重管理も大切です。
一旦ケンカになると引かない性格なので、トラブルにならないよう、外ではリードを離さないようにし、店先などに繋いでおいたりしないようにしましょう。
まとめ
中国やイギリスの宮廷で愛されてきた犬種だけあり、王子さまやお姫様のような印象を持つ飼い主さんも少なくないようです。
温厚で、運動量もあまり必要がなく、無駄吠えもないので、マンションでの飼育に向いています。聡明で頑固な分、しつけには根気が必要なため、初心者には不向きかもしれません。
人に媚びないため、懐くまでに時間はかかりますが、信頼する飼い主さんには甘えん坊で、愛情深いところもあります。とはいえ、猫のようなマイペースな性格なので、気が済むとすっと離れて行ってしまうそうですよ。そんなツンデレなところが、ペキニーズの魅力と言えるでしょう。
里親募集サイトには、家族を待っているペキニーズも少なくありません。保護犬を迎えることも、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
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