1.一人暮らしでも犬を飼うことは出来る?
1-1.毎日のお世話をこなせる環境か
1-2.万が一の時に預けられる先はあるか
1-3.十数年先まで一緒に過ごす覚悟はあるか
1-4.ペット可の物件に住んでいるか
2.犬のお迎えには入念な準備を!
2-1.飼育グッズを揃える
2-2.動物病院を調べる
2-3.しつけの方法などを知っておく
2-4.いざという時に預けられる先を探しておく
3.一人暮らしの人に向いている犬種は?
3-1.シーズー
3-2.トイプードル
3-3.パグ
一人暮らしでも犬を飼うことは出来る?
結論から言えば、一人暮らしでも犬を飼うことはできます。
しかし、犬を飼うということは『ひとつの命を預かること』です。犬は、ゴハンも食べれば、うんちやおしっこもしますし、病気やケガをすることもあります。
ですので、飼う前にいろいろなことを考えなくてはなりません。
ここでは、一人暮らしで犬を飼う前に考えておきたいことをご紹介します。
◆毎日のお世話をこなせる環境か
犬を飼うと、毎日のお世話が必要になります。
ごはんを準備し、トイレの片づけをし、散歩にも連れていかなければなりません。愛犬との絆や信頼関係を築くためには、遊んであげることも大切です。
これらに費やす時間はあるでしょうか?また、散歩や遊びには体力が必要ですが、その体力はどうでしょうか。
さらには、ごはんやリード、首輪、おもちゃなどを適切に準備するためのお金も必要になります。
あとで詳細にご紹介しますが、迎え入れる時だけではなく、犬と暮らし続ける限り、毎年一定のお金が必要です。
◆万が一の時に預けられる先はあるか
犬にとっては飼い主さんが全てで、頼れるのは飼い主さんだけです。
もし、飼い主さんに、病気や事故など万が一のことがあった時、犬は自分では生きていけません。
そのため、万が一の時に愛犬を預けられる先が必要です。
家族や親族、友人など、飼い続けられなくなったときに託すことができる人を、事前に見つけておく必要があります。
◆十数年先まで一緒に過ごす覚悟はあるか
2020年度の犬の平均寿命は、14.1歳(アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」)です。
犬を迎える方法としては、ペットショップやブリーダーから迎える、保護犬の里親になるという選択肢があります。保護された成犬を迎える以外は、生後2ヶ月~数ヶ月の子犬を迎えることが多いですね。
つまり、迎えてから十数年先まで、責任を持って飼わなければならないということです。
ぜひ、今後十数年間の生活を想像してみてください。
中高齢者であれば、十数年後、何歳になっているでしょうか?
若い人は、十数年の間に、就職や結婚、子供が生まれるなど、いくつものライフステージの変化があるでしょう。お勤めをしていれば、転勤があるかもしれません。引っ越し先にも、犬を連れていけるでしょうか?
一方、十数年の間に、犬も年を取ります。犬は、人間のおよそ4倍で年を取ると言われています。人間と同様、年を取るにつれて病気になることが増え、介護が必要になるケースも少なくありません。
そのとき、看病や介護にかける時間や体力があるでしょうか?
飼いたいという気持ちだけを優先せず、犬を飼うことで生まれる責任によく向き合う必要があります。
◆ペット可の物件に住んでいるか
犬に限らず、ペット可の物件に住んでいることは大前提です。
ペット不可の物件でこっそりペットを飼うと、最悪の場合、退去を迫られることもあります。その際には、原状回復のために、高額の退去費用がかかることもあるのです。
近年、ペット可の賃貸住宅は増えつつあります。しかし、まだまだ数は多くありませんし、地域によって事情は大きく異なります。
ペット可の物件であっても、飼育できるペットの種類や数が制限されていることも多いです。
契約書を確認するか、大家さんや管理会社などに問い合わせて、ペット可の物件であることを確認し、飼えるペットの種類や数も確かめておきましょう。
犬のお迎えには入念な準備を!
さまざまなことをよく考えたうえで犬を迎えることを決めたら、お迎えまでにしっかりと準備をしておきましょう。
◆飼育グッズを揃える
犬を迎える前に揃えておかなければならない飼育グッズは、以下の通りです。
- ドッグフード
- 食器・水入れ
- リード・首輪
- ベッド
- キャリー
- ケージまたはサークル
- トイレ・トイレシート
これに加えておもちゃやおやつ、洋服など、必要に応じて買い足していきましょう。
◆動物病院を調べる
犬も病気やケガをすることがありますし、何より、毎年の狂犬病予防接種は法で定められた義務です。迎えたばかりのワンちゃんは、思わぬ体調の急変があることもあります。
犬を迎える前に、かかりつけの候補となる動物病院をいくつか調べておきましょう。
まず、犬を連れて通える範囲にあることが重要です。キャリーに入れた愛犬を、徒歩あるいは公共交通機関を使って連れていける動物病院を見つけておきます。
探す際には、近所でペットを飼っている人に聞いてみるのもおすすめです。獣医師さんによって得意な分野も異なりますし、飼い主さんとの相性も大切です。
◆しつけの方法などを知っておく
散歩で外に行くため、犬にはきちんとしたしつけが必要です。また、トイレトレーニングは、最初にしなければならないしつけです。
今は、インターネット上でいろいろな情報を得られますが、誤った情報もあるのが現実です。
お迎えの前に、専門家が執筆あるいは監修した飼育書を読むことをおすすめします。飼育方法も日々アップデートされていますので、最新のものを数冊読んでおくといいですよ。
◆いざという時に預けられる先を探しておく
出張もあるかもしれませんし、病気やケガで入院することもあるかもしれません。
ゴハンやトイレのお世話、散歩は毎日欠かすことができないので、留守の間の預け先を確保しておきましょう。
家族や親族、友人で、犬の扱いに慣れている人を見つけて、お願いしておきましょう。いない場合には、預かってくれるペットホテルや動物病院などの施設、あるいはペットシッターを探しておくといいでしょう。最近は、「犬の保育園・幼稚園」といったサービスもあります。
一人暮らしの人に向いている犬種は?
ここまで、一人暮らしで犬を飼う場合に考えておきたいポイントについて解説してきました。
そのうえで、それでも飼いたいという方に、おすすめの犬種をご紹介します。
一人暮らしの人に比較的向いている犬の特徴は、以下の通りです。
- 小型犬
- 毛が抜けにくく、お手入れが楽
- 性格が穏やか、または明るく人懐こい
- 無駄吠えが少ない(鳴き声が小さい)
- 運動量が多くない
- しつけがしやすい(学習能力が高い)
- 体が丈夫で病気になりにくい
◆シーズー
性格が温厚で人懐こい一方、ひとり遊びも上手なので、お留守番も苦手ではありません。ある程度なら、放っておいてもストレスを感じることが少ないので、一人暮らしに向いています。
抜け毛もあまり多くないので、お世話もしやすいでしょう。
◆トイプードル
全犬種の中で2番目に頭が良いと言われ、しつけがしやすいです。
吠え癖は比較的少なく、身体も丈夫な傾向があり、一人暮らしでも飼いやすいでしょう。
抜け毛や体臭がほとんどないので、お世話の手間も比較的少なくて済みますが、毛玉ができやすいので、日々のブラッシングと定期的なトリミングは必須です。
◆パグ
非常に穏やかな性格で、落ち着いた犬種です。過度な興奮をすることがないので、無駄吠えなどの問題行動も少ないでしょう。
愛嬌があり、陽気な性格で、遊び好きです。人といることを好むため、長時間のお留守番は苦手です。
短毛でトリミングの必要はありませんが、毛は抜けやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
犬を飼育する為の費用はどれくらい?
◆飼い始めるときの初期費用
まず、飼い始めるときにかかる費用を押さえておきましょう。
最初に、犬を購入する費用が必要です。
ブリーダーの場合、トイプードルなど人気犬種では30~40万円ほどが相場です。ペットショップは、お店にもよりますが、ブリーダーよりやや高くなる傾向があります。
次に、飼い始めるときに用意しておくグッズにかかる費用の目安を見ていきましょう。
用品 | 購入金額(目安) |
---|---|
ケージ・サークル | 10,000~40,000円 |
トイレトレー | 2,000~4,000円 |
ペットシーツ(レギュラー100枚入り) | 1,500~2,000円 |
フード(子犬用3kg) | 2,000~4,000円 |
ベッド | 1,500~2,000円 |
食器・水入れ | 3,000円 |
お手入れグッズ(ブラシなど) | 3,000円 |
おもちゃなど | 1,000~2,000円 |
合計 | 25,500~60,000円 |
グッズにも様々な種類があり、値段もピンキリであるため見積もりにも、幅が出てしまいますが高めに見てみると合計6万円になります。
これに、狂犬病予防接種と混合ワクチンの費用が加わります。狂犬病予防接種は、自治体によりますが、3,500円前後です。混合ワクチンには2種から11種まであり、価格は大きく異なります。一般的には5種を接種することが多く、動物病院によりますが、1回5,000~7,500円程度*です。混合ワクチンは、初年度は複数回行います。
以上から、飼い始めるのに必要な初期費用は、
・生体代:40万円
・用品代:6万円
・予防接種(2回):1万5千円
となり、合計は47万5千円です。これは、あくまで目安ですが、犬を飼うことを考える際の参考にしてみてくださいね。
*参照:公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」(令和3年11月)
◆犬を飼うための費用
犬を飼うということは、十数年にわたって、食費やトイレシーツ代、医療費などがかかるということです。
そこで、1年にかかる費用の目安をご紹介し、さらに生涯にかかる費用についても見ていきます。
「アニコム家庭どうぶつ白書2022」によると、2021年に飼い主さんが愛犬のためにかけた1年間の費用の平均は、以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
ケガや病気の治療費 | 59,387円 |
フード・おやつ | 65,924円 |
サプリメント | 15,370円 |
しつけ・トレーニング料 | 7,489円 |
シャンプー・カット・トリミング料 | 50,723円 |
ペット保険料 | 46,187円 |
ワクチン・健康診断等の予防費 | 32,695円 |
ペットホテル・ペットシッター | 5,001円 |
日用品 | 14,364円 |
洋服 | 13,096円 |
ドッグランなど遊べる施設 | 2,650円 |
首輪・リード | 6,984円 |
防災用品 | 761円 |
交通費 | 12,929円 |
光熱費(飼育に伴う追加分) | 12,012円 |
合計 | 345,572円 |
このデータは、ペット保険に加入している飼い主さんのものなので、愛犬に比較的お金をかけている人の場合と考えられます。それでも、安く見積もったとしても、年に30万円程度の費用が必要です。
一般社団法人ペットフード協会が行った「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」では、1ヶ月間の犬に関する支出総額は平均15,165円です。これを平均寿命14.76歳まで積み上げた金額を「生涯必要経費」として計算すると、2,517,524円となります。
一人暮らしに向いている小型犬に限っても、2,460,133円(平均寿命14.28歳)です。
両調査から考えると、1頭の犬の飼育にかかる費用は、生涯250~400万円ほどと言えるでしょう。
まとめ
犬を買うことは簡単ですが、飼うことには重い責任が伴います。
お迎えする前にしっかりと考えて、自分が犬を飼うことができるか検討してみてくださいね。もし、飼うための条件をクリアできないなら、飼わないのも愛情です。
最後まで責任を持つ心構えができたら、入念に準備をして、犬を迎え入れましょう。
愛情を持ってお世話をすれば、犬は素晴らしいパートナーになってくれます。一人暮らしの寂しさや仕事の疲れも、吹き飛ばしてくれることでしょう。
唯一無二の相棒を見つけて、互いに癒し癒される素敵なドッグライフを送ってくださいね!
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