ワクチンを接種する理由とは
ワクチン接種をすることで、ワンちゃん・ネコちゃんを感染症から守ることができます。一般的に集団の接種率(免疫)が75%以上で、その地域の病気は予防できるといわれています。ワクチンの予防効果は一定ではありませんので、定期的な接種が重要です。
感染症はどうやって感染するのか
主な感染経路は4つあります。
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①感染犬の咳やくしゃみから病原体が空気中に散り、それを吸って感染する「空気感染」
②病原体が付着したものを口にする「経口感染」
③感染した犬・猫に接触して感染する「接触感染」
④母体から感染する「母子感染」
感染しても必ず発病するわけではありませんが、発病すると命に関わることもあります。また、人に感染する病気もあるので注意が必要です。
ワクチンの種類について
ワクチンには国で義務づけられているものと任意での接種を行うものがあります。どのようなワクチンの種類があるのかを知っておくと、ライフスタイルにあわせて予防ができます。
狂犬病ワクチン(ワンちゃんのみ)
「狂犬病ワクチン」は法律でワンちゃんへの接種が義務づけられています。狂犬病はワンちゃんだけでなく、人を含めたすべての哺乳類が感染し、発病するとほぼ100%死亡する極めて危険な人獣共通感染症です。日本では狂犬病予防法にもとづき、1年に1回の狂犬病ワクチンの接種と登録が義務づけられています。
混合ワクチン(ワンちゃん・ネコちゃん共通)
飼い主さんが任意で受けさせる感染症予防接種は、一般的に「混合ワクチン」といいます。ワンちゃん・ネコちゃん同士で感染が広がり、症状が重篤化しやすい病気を未然に防ぎます。
◎混合ワクチンにより予防できる病気
【ワンちゃんの場合】
・犬ジステンパー
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)
・犬伝染性咽頭気管炎(アデノウイルス2型)
・犬パラインフルエンザ感染症
・犬コロナウイルス感染症
・犬レプトスピラ感染症
【ネコちゃんの場合】
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
その他、猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症、猫免疫不全ウイルス感染症のワクチンがありますが、扱っていない病院もありますので各病院にご相談ください。
※ワクチンは稀に副反応を引き起こすことがあるので、接種後は安静にして様子を見ましょう。
予防薬の大切さについて
フィラリアやノミ・ダニの対策には予防薬を使用します。予防薬は単なる寄生虫予防だけではなく、危険な病気の予防につながります。これらの感染症が重症化してしまうと死に至ることもあります。フィラリアやノミ・ダニがワンちゃん・ネコちゃんにもたらす病気を理解し、しっかりと予防を心掛けましょう。
室内飼いでも予防はした方がよいのか
飼い主さんの中には、うちの子は完全室内飼いだから大丈夫、お散歩で草むらに行かないので予防は必要ないですか、といった質問を受けることがあります。しかし、ペットが外や草むらに行かなくても、ノミや蚊は窓や玄関からの侵入、飼い主さんの衣服に付着しておうちの中に持ち込まれる場合も考えられます。特にノミは繫殖力も強く寄生する可能性が十分ありますので、全てのワンちゃん・ネコちゃんに予防を推奨します。
フィラリア予防
フィラリアは蚊によって運ばれ、吸血により体内に侵入すると、成虫へと大きく成長して心臓に寄生し、心臓の機能に障害を起こします。ワンちゃん・ネコちゃんどちらも感染する恐れがあります。予防の目安は、蚊が出はじめる4月頃からいなくなって1ヶ月後の12月頃までをおすすめします。
ノミ・ダニ予防
ノミが寄生するとノミアレルギーや寄生虫感染の原因になります。また、ノミにかまれた部分が化膿することによるリンパ節の腫れや、発熱が見られることもあります。
ダニはマダニ類とダニ類に大別され、マダニは吸血性を持ちますがダニの多くは非吸血性です。マダニに大量に吸血されてしまうと貧血の恐れや、吸血時に寄生虫や細菌などを吐き出して感染させることがあります。
ダニで多いものがミミヒゼンダニです。耳の皮膚に住みつくと耳アカが増え、強い痒みと炎症を引き起こし、症状が進行すると外耳炎や中耳炎になることもあります。
暖かくなって活動が活発になるノミ・ダニですが、草むらや林の中などの自然が多い場所では、年間を通して現れることもあります。ライフスタイルによっては、通年予防をおすすめします。
予防薬の種類
予防薬は大きく分けて「経口剤タイプ」「スポットタイプ」があります。ワンちゃんはフィラリアの通年予防ができる「注射タイプ」もあります。ライフスタイルやそれぞれのワンちゃん・ネコちゃん、飼い主さんの希望にあったものを選ぶことができます。詳しくはお近くのコジマ動物病院にご相談ください。
感染症やフィラリア・ノミ・ダニがもたらす病気は、ワクチン接種と予防薬で防ぐことができます。感染してから治療を考えるのではなく、感染しないために対策を取り、大切な家族を守りましょう。
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