1.子犬が噛んでくる原因5選
1-1.歯の生え変わりで痒いため
1-2.犬の習性的なもの
1-3.興奮しているため
1-4.構ってほしい、遊んでほしいため
1-5.ストレスを感じている
3.子犬の噛み癖を直すしつけ方法
3-1.①家族で統一した短い単語で叱る
3-2.②噛むのをやめたら褒める
3-3.③噛まなくなるまで繰り返す
3-4.それでも、噛むのをやめない場合
3-5.怒鳴る・叩くは厳禁
3-6.専門家に頼る
4.噛むのが好きな子犬におすすめのおもちゃ
4-1.かみかみフルーツボーン パピー&シニア ピーチ S
4-2.パピーコング
4-3.JOYSele デンタルトーイ
5.子犬の噛み癖を直さないとどうなる?
5-1.飼い主さんや周囲の人にケガをさせるかも
5-2.日頃のお手入れが難しくなる
5-3.物や家具などを壊す
子犬が噛んでくる原因5選
はじめに、子犬が何故噛んでくるのかを知っておきましょう。
◆歯の生え変わりで痒いため
犬も、人間と同じように、乳歯から永久歯に生え変わる時期には、歯茎がむず痒い感じや違和感を覚えています。このため、物を噛むことで違和感を紛らわしたいという生理的な欲求が生まれるのです。
犬の乳歯は、生後1~2ヶ月ごろに生えそろいます。その後、生後5~8ヶ月ごろには永久歯に生え変わります。この時期を「歯牙脱換期」(しがだっかんき)と言い、この時期を過ぎると噛み癖がなくなる子犬も多いです。
この場合、噛むことを禁止することはできません。噛んでもよいおもちゃを周囲に置いてあげるようにしましょう。
◆犬の習性的なもの
犬にとって噛むことは、本能的な習性です。
野生で暮らしていたころ、犬は獲物を狩って食べていました。そのため、獲物を仕留め、食いちぎるための鋭い歯と、強い顎の筋力を備えています。また、鋭い牙や顎の力は、外敵と戦うための武器でもありました。
犬は、人間のように手を器用に使って物を運んだり、身の回りの環境を触って確かめたりすることができません。その代わりに、口でくわえて運んだり、噛んで確認したりしています。また、遊びやコミュニケーションを取るにも、歯や口を使います。
◆興奮しているため
子犬は、落ち着いているときには噛むことはありません。つまり、噛むときは興奮しているということです。興奮すると、本能的な狩り遊びになって強く噛むようになります。
子犬をケージから出して自由にさせていたり、逆に撫ですぎていたりすると、子犬は興奮してしまいます。
子犬は、飼い主さんが落ち着かせようとしないと、興奮してしまうものです。
顔の周りをわしゃわしゃ撫でることを繰り返す飼い主さんも、犬に嚙まれやすい傾向があります。子犬と人間ではサイズが大きく異なります。このため、顔周りをわしゃわしゃと撫でまわされると強い圧迫感があり、子犬は不快になるでしょう。繰り返されると、手が近づくだけで、ドキドキして興奮するようになるのです。
さらに、手をおもちゃにして噛ませていると、手が近づくだけで興奮しやすくなります。
◆構ってほしい、遊んでほしいため
子犬は、飼い主さんに構ってほしい、甘えたいという気持ちから噛むことがあります。噛むこと自体が、子犬にとって楽しい遊びでもあります。
子犬が「遊んで!」と足や服の裾にじゃれついて噛んでくるたびに、構ったり、服の裾を引っ張り返したりすると、これらは子犬にとっては「噛むことで得た報酬」になってしまいます。
すると、子犬は「噛んだら遊んでもらえる」と学習してしまい、さらに噛んでくるようになるのです。
◆ストレスを感じている
ストレスを感じて、家具を噛んだり、飼い主さんに噛みついたりすることがあります。
ストレスの原因は、歯磨きやブラッシングなどの日常のケアであることも多いです。また、撫でられること自体が苦手な子もいます。
ストレスを感じていると、振りむいて触られている場所を見ようとしたり、しきりにあくびをしたりします。これらの仕草の後に噛んでくる場合には、やめてほしいという気持ちを噛むことで表している可能性が高いです。
さらに強いストレスや恐怖を感じると、恐怖や不快感が極限になった時、自分の身を守ろうとして攻撃をするようになります。
ストレスで噛む場合には、自分の足やしっぽを噛むなどの自傷行為をすることもあるため、注意が必要です。
ストレスの原因を探って、取り除く、または徐々に慣れさせていきましょう。また、散歩の回数を増やすなどして、思い切り体を動かすようにするのもおすすめです。
子犬の噛み癖はいつまで続くのか
前述したとおり、歯の生え変わりにともなう甘噛みの場合、生え変わりの終わる生後8ヶ月ごろには自然に治まることが多いです。遅くても、1歳までには治るでしょう。
しかし、興奮して噛んでくる場合や、構ってほしくて噛む場合には、自然に治ることは難しいかもしれません。また、歯の生え変わりで噛んでくる場合も、噛んではいけないと教える必要があります。
子犬の噛み癖を直すしつけ方法
子犬の噛み癖は、将来のために直しておきたいですね。噛み癖を直すしつけ方法について、見ていきましょう。
◆①家族で統一した短い単語で叱る
子犬が噛んできたとき、大きな声を出したり、リアクションを取ったりするのは逆効果です。上述の通り、子犬にとって噛んだことに対する報酬になってしまうからです。
噛んできたときには、短い単語で叱るようにしましょう。単語は「いけない」「ダメ」などなんでも構いませんが、1つの単語に決めておきます。
また、噛んできたときの対応には一貫性を持たせなければなりません。ある時は噛んでも叱らず、ある時には叱る、となってしまうと、子犬は混乱してしまいます。
家族で飼っている場合には、家族全員が統一した単語を使い、噛んだときには必ず叱ることを徹底しましょう。
◆②噛むのをやめたら褒める
叱られた子犬が噛むのをやめたら、しっかりと褒めましょう。
◆③噛まなくなるまで繰り返す
噛んだときに短く叱ることと、噛むのをやめたら褒めることを、噛まなくなるまで繰り返しましょう。
◆それでも、噛むのをやめない場合
どうしても噛むことをやめない場合には、構わないことが一番です。
子犬にとって、飼い主さんに構われることは嬉しいこと=報酬です。逆に、構ってもらえないことは、つまらない、嫌なことになります。
噛むのをやめないときには、一切反応をせず、手を背後に隠しましょう。可能であれば、別室に行くなどすると、より効果的です。
遊んでいて噛んでくる場合も、噛まれた時点で遊びを中断して、犬を無視します。1分ほどおいて、また遊んであげるといいでしょう。
この時、子犬をケージに入れて閉じ込めることはNGです。ケージは、あくまで犬がひとりで落ち着ける場所でなくてはならないからです。
◆怒鳴る・叩くは厳禁
大きな声で怒鳴る、愛犬を叩くといったことは厳禁です。
人間に対する恐怖心を植え付けることになり、警戒心や防衛反応から行為がエスカレートする危険性があります。
◆専門家に頼る
愛犬が怖くなるなど、上手くしつけられない場合には、ドッグトレーナーなどのプロに相談してみましょう。
飼い主さんと一緒に問題解決をしてくれるようなトレーナーさんを、探してみてくださいね。
噛むのが好きな子犬におすすめのおもちゃ
◆かみかみフルーツボーン パピー&シニア ピーチ S
パピーやシニア犬にぴったりの、ソフトタイプの嚙むおもちゃです。
歯や歯茎に優しい嚙み心地で、口内のお掃除や、歯茎を刺激するマッサージの効果があります。
フルーツのフレーバーがついているので、ワンちゃんも大喜びですよ。
◆パピーコング
コングは、チョココロネのような形で、中が空洞になっているゴム製の知育玩具です。中の空洞部分におやつを詰めることで早食いを防止したり、コング自体を噛むことでストレスの発散になったりします。
パピーコングは、乳歯から永久歯への生え変わりの時期の甘噛み対策におすすめです。サイズは、XS、S、Mの3種類があるので、愛犬の体格や成長に合わせて選んであげてくださいね。
◆JOYSele デンタルトーイ
遊びながら歯磨きをできるロープのおもちゃです。
引っ張りっこもでき、お口のケアだけでなく、飼い主さんとワンちゃんのコミュニケーションにもおすすめ。愛犬の噛みたいという欲求に答えてくれますよ。
子犬の噛み癖を直さないとどうなる?
では、子犬の噛み癖が治らないまま成犬になってしまうと、どうなるのでしょうか?
◆飼い主さんや周囲の人にケガをさせるかも
子犬の頃は甘噛みでも、成犬になればそうはいきません。何針も縫うような大怪我を負うことも、実際にあります。
散歩中やお出かけ時に他の人に噛みついてしまうと、過失傷害罪に問われる可能性があり、治療費や損害賠償を請求されることも十分にあり得ます。
相手との関係次第では、愛犬が殺処分になる可能性もなくはないのです。
◆日頃のお手入れが難しくなる
爪切りやブラッシングなど、日頃のお手入れをする時に噛むことを許していると、十分なケアのできない子になってしまいます。
噛み癖のある犬の場合、トリミングサロンで受け入れてもらえないこともあります。
◆物や家具などを壊す
飼い主さんの洋服や靴、家具などを傷つけてしまうようになります。
今は室内飼いが一般的なので、テーブルや椅子の脚に傷がついたり、ソファやクッションが破れたりして、使えなくなることもあります。
まとめ
子犬が人や物を噛むのは、歯の生え変わりに伴う違和感の解消のためや犬の習性によるものかもしれません。あるいは、興奮しているから、遊んでほしいから、ストレスを感じているからなどの理由があるかもしれません。
理由に合わせて、対処していきましょう。
子犬の甘噛みであれば、噛まれてケガをすることも少ないですが、成犬になっても噛み癖が残ると、他の人や犬を噛んでトラブルになったり、ケガをさせたりする恐れがあります。
人を噛んだ犬は、最悪の場合、殺処分されることもあり得るので、子犬の甘噛みのうちに、噛んではいけないと教えておきましょう。
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