ジャックラッセルテリアってどんな犬!特徴、性格、飼い方など紹介

2023.07.15

ジャックラッセルテリアってどんな犬!特徴、性格、飼い方など紹介

人気の小型犬としても、比較的知名度の高いジャックラッセルテリア。映画などのメディア作品にも多数出演している犬種なので、賢いイメージを持っている方も少なくないでしょう。今回は、そんなジャックラッセルテリアに注目です!歴史や特徴・性格、飼育方法や気を付けたい病気などを紹介してきます。これから家族に迎え入れたい!と考えている方は、是非チェックしてみてくださいね。

ジャックラッセルテリアの歴史

ジャックラッセル

ジャックラッセルテリアは、キツネ狩りのための狩猟犬として誕生した犬種です。
1800年代、イギリスのデボン地域に住んでいたジョン(ジャックの別名)・ラッセル牧師が、キツネ狩りのために1匹の犬を譲り受けました。このワンちゃんがイギリス原産のフォックス・テリアの血統で、ジャックラッセルテリアの始まりだったといわれています。
ラッセル牧師は、外見的な部分よりもキツネ狩りに適した性格・気性を伸ばすため、ビーグル、ボーダー・テリア、ブルテリアなどとの交配を行います。その結果、ひるまずにキツネの巣穴に潜って獲物を追い出す、勇敢で気性の強い犬が誕生したのです。
当時は今よりも体高がありましたが、オーストラリアに渡った後、家庭でも飼育しやすいようにウェルシュ・コーギーとの交配が行われます。そうして体高が低くなった犬種が作出され、ジャックラッセルテリアと呼ばれるようになったのです。
ちなみに、ラッセル牧師時代の体高のある犬はイギリスで現存しており、パーソン・ラッセルテリアと呼ばれています。ジャックラッセルテリアとは区別して登録されている犬種で、体高が体長よりも長く、ジャックラッセルテリアよりも足長の体型をしています。毛色の多くの部分が白であることが、望ましいとされているようです。


ジャックラッセルテリアの特徴

筋肉質で引き締まった体つきをしており、太い四肢をもつジャックラッセルテリア。体高より体長が長いという特徴をもっています。
耳は垂れ耳もしくは半直立ち耳で、実猟目的の個体に関しては現在においても断尾されることが多いそうです。
それでは、ジャックラッセルテリアがもつその他の特徴として、大きさ・被毛・寿命に関して詳しくみていきましょう。

◆大きさ

ジャックラッセルテリアは小型犬に分類されており、体のサイズはオス・メス共に体高25~30cm程、体重5~6kg程度です。基本的には男の子と女の子で体格に大きな差が出る犬種ではありません。
ちなみにJKC(ジャパンケネルクラブ)では、体高5cmに対して体重1kgがスタンダードとされています。体高30cmであれば約6kgが理想体重、体高25cmの場合は約5kgが理想体重となる、というわけですね。
生後8~10ヶ月頃の体重を維持することが、理想的だといえるでしょう。

◆被毛

ジャックラッセルテリアの毛質は、長さによって以下の3種類に分けられます。

◎スムースコート…毛が硬く長さが1cm以下の被毛
◎ブロークンコート…長毛と短毛が混ざって生えている被毛
◎ラフコート…粗い手触りで2.5~5cm程度の長い被毛

毛色には、ホワイトベースに黒色、タン(茶色)、レモン色のマーキング頭部・胴部に入るもの、ホワイト単色、白黒茶の混ざったトライ、など豊富な種類があります。ホワイトが多い程、良いとされているようです。

◆寿命

ジャックラッセルテリアの平均寿命は、13~16歳だと言われています。犬種全体からみても寿命は長めだといえるでしょう。比較的病気になりにくい犬種のため長生きの傾向にあり、近年では16歳以上長生きする個体も増えてきているようです。
ちなみに、正式な記録ではないのですが、最高齢は21歳だそうですよ。
しかしもちろん個体差はありますし、長生きを叶えるためには日々の生活習慣において、飼い主さんが健康管理を行うことが必要不可欠です。
年齢・健康状態に合った食事を与えること、毎日の散歩や遊びで十分な運動量を得ることを心掛けてくださいね。運動は肥満予防に加えてストレス解消にも繋がりますので、決して怠らないようにしましょう。
また、かかりつけの獣医師をもち、定期的な健康診断を受けることもおすすめです。これにより、病気の早期発見・早期治療にも繋がるのです。


ジャックラッセルテリアの性格

ジャックラッセルテリアの性格

ジャックラッセルテリアは、素質として強いテリア気質を持っています。飼い主さん以外に従うことは少ない、典型的なワンマンズ・ドッグだといえるでしょう。
とても賢い犬種なのですがその賢さゆえに、飼い主さんの力不足を見抜くと、暴君と化すとさえ言われているワンコであることも事実です。
ジャックラッセルテリアを愛犬として家庭に迎えたいと考えている方は、正しい飼育方法はもちろんですが、性格についても、しっかり理解しておくことが大切だといえます。
以下の点をしっかり押さえておきましょう。

◆頑固で負けず嫌い

ジャックラッセルテリアには、頑固で負けず嫌いな性格をしている個体が平均的に多いといえるでしょう。
思い込んだら一直線という側面があり、その点は愛らしさを感じるポイントでもあるのですが、反対に大変なトラブルを発生させてしまうケースに陥る場合もあります。
簡単には諦めない粘り強さがあり、自分が信じるままに一途に行動してしまう所があるので、子犬の頃からしつけ方に気を付け、いつでも指示がきけるようトレーニングしておくことが大切です。

◆好奇心旺盛

狩猟犬としての素質を色濃く残しているジャックラッセルテリアは、その習性から好奇心が強く、動くものに対して反応してしまう傾向にあります。
子どもや他の犬、動物などを追いかけて、道路に飛び出してしまう危険性も十分考えられるのです。
このようなリスクを回避するためにも、「待て」のコマンドや呼び戻しができるようにしっかりしつけておくことが重要となります。

◆運動神経が良い

成犬となっても身体の小さいジャックラッセルテリアですが、その見た目からは想像もできない程、パワフルでタフ、運動能力も非常に高い犬種です。必要な運動量は、中型犬を超えて大型犬並みだともいわれているのです。
運動不足となるとストレスが溜まり、攻撃的になってしまう場合もあるので、散歩を欠かさないことはもちろん、室内でもボールなどを使用して一緒に遊ぶ時間を作りましょう。定期的にドッグランやアジリティを利用して、たっぷり運動させるのがおすすめです。
ちなみに、飼い主さんの体力も問われる犬種であるため、初心者には飼育が難しいといわれています。


ジャックラッセルテリアの病気

ジャックラッセルテリアは、比較的新しい時代に実働を目的として作出された犬種です。このため、他の犬種に比べると、遺伝性疾患などはとても少ないそうです。ただし、作出に使われた犬種の持つ遺伝的要因を引き継いだ面が見受けられる場合もありますので、日頃から愛犬の観察を怠らず、体調管理には十分注意しなくてはいけません。
ペット保険に加入している方は、保険の対象となる病気についても事前にチェックしておきましょう。
ジャックラッセルテリアが特に気を付けるべき病気のいくつか挙げていきますので、参考にしてみてください。

◆糖尿病

ジャックラッセルテリアは、遺伝的要因で糖尿病になりやすい犬種の一種です。水を飲む量が増える、オシッコの回数や量が増える、食事量が変わらないのに痩せていく、などの症状がみられた場合は糖尿病を発症している可能性が疑われます。
気になる様子や普段との違和感があるときは、一度動物病院を受診してみましょう。愛犬に異常を感じた際の前後の様子・行動などを覚えておき、しっかり獣医師に伝えてくださいね。

◆膝蓋骨脱臼

犬の関節の症状としても知名度が高い膝蓋骨脱臼とは、膝にあるお皿のような骨が外れてしまう病気です。
歩くとき、起き上がるときなどに足を挙上したり、スキップをするような歩き方をしている場合は注意が必要でしょう。
ちなみに症状は4段階に分けられており、グレード1では日常生活にあまり支障はないのですが、グレード4となると常に脱臼した状態となり歩行が困難となります。この場合、手術を要します。
原因のほとんどは、先天性の膝関節周囲の遺伝的形成異常によるもの、または後天性の交通事故、高所からの落下などによるものです。
愛犬の歩き方に異常を感じた場合は、早めに獣医師に相談してくださいね。

◆先天性重症筋無力症

先天性重症筋無力症とは、神経と筋肉の刺激伝達に障害が起こる病気です。主に、以下のような症状がみられます。

◎運動に伴って部分的または全身的な筋力低下がみられ、休息すると一時的に回復することを繰り返す。
◎四肢不全麻痺や、嚥下障害(うまく呑み込めない)、流延(ヨダレ)や吐出などがみられる巨大食道症を引き起こす。

犬の場合、先天性よりも後天性で現れることが多く、発症年齢には若齢(1歳~4歳)と高齢(9~13歳)に発症しやすいというパターンがあるようです。
頻繁に吐き戻すようになったり、散歩中に歩けなくなる、歩こうとしない、すぐに疲れる、などの様子が見られる場合は、この病気の可能性も考えられます。一度、動物病院を受診してみましょう。

◆網膜剥離

ジャックラッセルテリアは、眼球の硝子体という場所に変性を起こしやすい品種です。これにより、網膜剥離の発症リスクが高くなるのです。
網膜剥離とは、網膜が脈絡膜からはがれた状態のことで、愛犬の目が見えなくなっていることに気付いてから、動物病院へ連れて行く例が残念ながら多いようです。飼い主さんが気付く程の症状が出る頃には、両目の網膜の広範囲で剥離が起こっていることがほとんどでしょう。
目の前の物や家具にぶつかる、歩行時にしきりに地面を嗅ぐ、不安そうにおどおどしながら行動する、ものを目で追う様子がない、といった状態が愛犬に見られる場合は、網膜剥離や失明の症状が出ている可能性があります。
早期発見は中々難しい病気ですが、普段から愛犬の観察を怠らずに、少しでも気になることがある場合は獣医師に相談してみてください。
ちなみに網膜剥離による眼内出血が引き起こされた場合は、黒目の部分が赤くみえることもあるようです。

◆皮膚炎

犬の疾患として多い病気の一つである皮膚炎。ジャックラッセルテリアも他犬種同様、十分注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎や脂漏症などの症状を引き起こしやすい犬種なので、こまめなお手入れや定期的なシャンプー、ブラッシングによるケアなどを怠らず、皮膚・被毛を清潔に保つ必要があります。
尚、フードが原因で皮膚炎になるケースもあるので、愛犬の身体にあった良質なフードやおやつを与えることも重要ですよ。


ジャックラッセルテリアのしつけ

ジャックラッセルテリアのしつけ

ジャックラッセルテリアはしつけの難易度が高く、愛犬家初心者さんには飼育の難しい犬種だといわれています。
非常に賢く理解力があるので、一貫性をもたせたしつけと飼い主としての毅然とした態度を示すことが大切なのです。信頼関係をきちんと構築できれば、指示をきいてくれるようになりますので、甘やかすのではなく、子犬の頃からしっかりしつけを行いましょう。
狩猟犬であったことから、反応性が高く吠えやすい性質をもっています。無駄吠えや噛み癖などに悩まされるケースも少なくないので、きちんと指示をきけるよう訓練すること、そして安全な飼育環境を整えることを徹底してくださいね。クレートやケージに慣れさせておくのも重要なことですよ。
上手にしつけるポイントは、「叱る」のではなく、「褒める」のを繰り返すことです。褒められることで、飼い主さんを信頼し、期待に応えようと頑張ってくれるでしょう。


まとめ

活発で好奇心旺盛、遊びが大好きで元気いっぱいのジャックラッセルテリア。
しつけは難しいですが、学習能力に優れ理解力もあるので、信頼関係を構築できれば飼い主さんの指示をしっかり聞ける家庭犬として大切なパートナーとなってくれるでしょう。
運動量も十分に必要な犬種なので、それを負担だと感じる方には残念ながら飼育は向いていません。事前に特徴を理解しておき、飼育環境の準備きちんとできるか考えてから、迎え入れるかどうかを検討してください。
ジャックラッセルテリアは、そこまで珍しい犬種ではないので、散歩中に見掛けることができるかもしれませんし、ペットショップで子犬に出会える場合もあります。中々チャンスに恵まれない!という方は、ネット検索をしたり、犬図鑑を開いて事前に情報を集めてみたりするとよいかもしれませんね。
ブリーダーからの購入を考えている方は、実際に見学することをおすすめします。価格についてもバラつきがありますので、問い合わせをしてみてください。
小さな体でとってもパワフル!賢さも犬の中では上位といわれるジャックラッセルテリア。活動的な毎日を送りたい愛犬家の方は、家族への迎え入れを考えてみてはいかがでしょうか。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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