犬は栗を食べても大丈夫!注意点を守って秋の味覚を楽しもう!

2023.09.24

犬は栗を食べても大丈夫!注意点を守って秋の味覚を楽しもう!

秋の味覚として代表的な栗は、犬が食べても大丈夫な食材です。 ただし、与え方や与える量には注意が必要となりますので、順番にご紹介します。 正しい知識をもって、安全に愛犬と秋の味覚を楽しんでくださいね。

犬は栗を食べても大丈夫!

栗

栗には犬にとって毒性のある成分は含まれていないため、犬が栗を食べても問題はありません。

ただし、与えても良いのは『適切な処理』がされた『味付けをしていない素の栗』を『少量のみ』です。

人間は栗を食べる時に栗ご飯や甘露煮といった料理、モンブランや栗きんとんといったお菓子・スイーツなど加工することがほとんどですが、犬にはそれらの状態で与えることは出来ません。
栗に限らず、人間用の食べ物は犬にとってカロリー方な物が多いですので、与えるのは控えた方がよいです。

栗は栗の実そのものに自然な甘みもありますので、そのままでも十分美味しく食べることが出来ます。
栄養豊富な食材で、少量をおやつとして与える分には問題はありませんので、主食とのバランスを取りながら、一緒に秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。

栗が持つ栄養と、処理の方法、与える量など詳しくご紹介します。


栗の栄養素と期待できる効果

栗はビタミンB1 やビタミンC、カリウムなど栄養豊富な食材で、スーパーフードとも呼ばれています。
ここでは、栗に含まれる栄養素と健康成分について紹介します。

◆ビタミンB1

ビタミンB1は、水に溶ける水溶性のビタミンです。
主な働きは糖質をエネルギーにかえることで、疲労回復や脳神経、筋肉の機能を正常に保つ大切な栄養素の一つです。
ビタミンB1が不足すると、イライラ、集中力の低下、疲労感のほか、稀ではありますがウェルニッケ脳症(脳の中枢神経異常)を引き起こす可能性があります。

◆食物繊維

食物繊維は、整腸作用など体内で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれています。
主な作用は便通を整えることで、糖や脂質、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きから肥満や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の予防、改善の効果も期待できます。

◆タンニン

タンニンとは、赤ワインや緑茶などにも含まれるポリフェノールの一種です。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、その仲間であるタンニンも同様です。
抗酸化作用とは、活性酸素の働きや発生を抑制したり、取り除いたりする作用があります。
活性酸素は体にとって必要な成分ですが、増えすぎると細胞を傷つけ老化や免疫機能の低下、動脈硬化、がんなどの原因に繋がります。

◆ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、コラーゲンの生成に必須な栄養素です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、動脈硬化や心臓血管系の病気の予防が期待できます。
また、免疫力を高める効果やストレスを和らげる効果、白内障や貧血の予防・改善など、さまざまな健康効果のある栄養素です。

◆カリウム

カリウムは必須ナトリウムの一つで、過剰な塩分を体外に排出するほか、筋肉の収縮や神経伝達、細胞内液の浸透圧を調節する機能があります。
カリウムは不足しても、過剰すぎても体に悪影響を及ぼすため、バランスよく摂取することが大切です。


犬に栗を与える際の調理のポイント

栗には犬にとっても良い成分が含まれているのが分かったところで、栗はどのように与えるのがよいかをご紹介します。

◆渋皮の処理まで行う

栗の鬼皮、渋皮

犬に与えても良いのは、栗の実の部分だけです。

栗といえば、イガイガとした一番外側の殻と実の周りを覆っている硬い鬼皮が特徴的ですよね。
実を食べる為に、この殻と鬼皮を剥くのはもちろんのことと思いますが、ここで気を付けたいのが実と鬼皮の間にある『渋皮』です。

人間はこの渋皮を栗の渋皮煮など手を加えて食べたりすることありますが、犬に与える時は必ず丁寧に取り除きます。

殻や渋皮に毒性はありませんが、殻は硬く消化器官を傷つけてしまう恐れがあるほか、渋皮には栄養素もたくさん詰まっていますが、消化が悪く犬の食べ物として適していません。

必ず綺麗なクリーム色の実の部分のみになるまで、綺麗に皮を取り除いてください。

◆必ず加熱処理をする

皮を取り除いたとしても、栗は生のままでは与えられません。

栗の実は硬くそのままでは上手く消化をすることはできませんし、何より食べた時に喉に詰まってしまったり、飲み込んだとしても消化管に詰まる可能性があります。
犬に栗を与える際には、必ず柔らかくなるまで加熱をし、細かく刻んでから食べさせるようにしましょう。

犬は基本的に咀嚼をしない動物ですので、人間があらかじめ犬にとって消化のしやすい形状・状態にして与えるということを心掛けてください。

◆味付けはしない

栗はお菓子やスイーツ、栗ご飯など様々な料理に使われますが、これらの加工には犬にとって過剰な油分や糖分が加えられているものが多く、犬にとってはカロリーオーバーです。

栗にはもともと甘味があるため、味付けをしなくても犬にとっては美味しく感じることができる食材です。

犬に栗を与える際には、一切の味付けをしないよう注意しましょう。


犬に栗を与える際の注意点

待ちくたびれている犬

犬に栗を与える為の調理のポイントについてご紹介しました。

栗を犬が食べても平気な状態に出来たからといって、安心するのは禁物です。

実際に犬に栗を与えるにあたって注意したいポイントがありますので、ご紹介します。

◆与える量には気を付ける

ご紹介した通り、栗には糖質や炭水化物、食物繊維といったものが多く含まれているため、与え過ぎると肥満や下痢など消化不良の原因に繋がります。

犬に必要な栄養は毎日与えている総合栄養食で摂ることができますので、栗はあくまで「おやつ」や「お裾分け」の認識で、与えるのは少量に抑えるようにしましょう。

栗に限らずですが、総合栄養食の他に食べ物を与えた場合には、総合栄養食を与える際におやつ分のカロリーを調整をしてあげてくださいね。

◆アレルギー

稀ではありますが、体質によっては栗にアレルギー反応を起こす場合があります。

また、栗を丸ごと飲み込んだ場合は、消化器官に詰まってしまう可能性もあります。
犬に栗を与える際は少量にして、元気や食欲、下痢、嘔吐、皮膚トラブルなどがないか様子を見ることも大切です。

◆加工商品は与えない

先程も味付けについてのところで触れましたが、人間用に加工された食品は犬の食事には適しません。

甘露煮や渋皮煮、栗ご飯や甘栗と様々な食べ物はありますが、これらのお裾分けはやめましょう。

犬が食べていい栗は、『丁寧に下処理され、加熱されている、味付けなどがない素の状態の栗』です。

◆与えるのを控えた方がいい子とは

心臓病や腎臓病、尿路結石を発症している犬に栗を与えるのは控えた方が無難です。

栗には栄養がたくさん含まれていますが、愛犬の状態によっては高カリウム血症や下痢などの原因になることがあります。
重篤な状態になってしまうと、最悪の場合命を落とす場合もありますので、注意が必要です。

また、栗は食物繊維が多く消化がしにくい食材ですので、消化器官が未発達な子犬や、消化機能が衰えているシニア犬には与えないようにしましょう。


まとめ

・犬は栗を食べても大丈夫
・栗はビタミンB1やビタミンCなど栄養豊富な食材
・犬に栗を与える場合は必ず加熱をして細かく刻む
・人間用に加工されているものや味付けしたものは与えない

秋の味覚である栗は、飼い主さんも愛犬も美味しく食べることができます。
しかし、犬に栗を与える際には、必ず注意点を守ることが大切です。
栄養豊富な天然のおやつとして、秋の味覚を愛犬と一緒に楽しんでみてください。



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PetSmilenews編集部

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