犬にわかめを与えても良い? 犬にとっての正しい与え方と適量とは

2023.12.10

犬にわかめを与えても良い? 犬にとっての正しい与え方と適量とは

わかめは、低カロリーなのに栄養価が高く、人間にとっては美容や健康維持のためにも、食べるべき食材のひとつです。 そのため、愛犬の健康のために食べさせたいと思う飼い主さんも多いのではないでしょうか? では、実際に、犬にわかめを与えることは可能なのでしょうか? ここでは、犬にわかめは与えられるか?の問いにお答えするとともに、与える際の注意などについて解説していきます。

犬にわかめは食べられる!

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スバリ!犬はわかめを食べることができます!!
わかめは、低カロリーでありながらミネラルや食物繊維が豊富な食材で、美味しく食べられれば犬の健康にも良い影響を与えてくれます。
しかしながら、何も気にせずどんどん与えて良いかというと、そうではありません。
わかめの豊富な栄養素のなかには、犬がアレルギーを起こす可能性のある物質も含まれているので要注意です。
ここでは、わかめに含まれる栄養素が犬に与える良い影響と悪い影響について、ご紹介していきます。

◆わかめに含まれてる栄養素

わかめには、ミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム、ヨウ素など)や食物繊維、ビタミンKなどの栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、犬の健康にも良い影響を与えるものばかりです。
そこで、わかめに含まれる栄養素にはどのような効果があるのか、次の表にまとめます。

●わかめに含まれている栄養素

栄養 効果
カルシウム  歯や骨を丈夫にする働きがある。
カリウム 浸透圧を一定に保つ。心臓や筋肉の正常な機能を維持する働きがある。
マグネシウム 歯や骨を形成する。代謝を助けたり、血圧を下げたりする働きがある
ヨウ素 新陳代謝を促進する。成長ホルモンの代謝を促したり、成長を助けたりする働きがある。
食物繊維 腸内環境を整えて便秘を防ぐ。脂質・糖・ナトリウムなどを体外に排出する働きがある。
ビタミンK 歯や骨を形成する。血液の凝固を促す働きがある。

◆わかめを与えるメリット

犬にわかめを与える最大のメリットは、栄養素が豊富にもかかわらず、低カロリーな食材であること。
特に、ダイエットが必要な犬には強い味方です。
また、わかめには、新陳代謝を促す効果がある栄養素も多く含まれているため、犬の健康的な皮膚や被毛の維持にも効果が期待できます。
さらに、海藻の中でも、わかめなどの褐藻類に含まれる「ぬめり」の成分「フコイダン」には、「コレステロールの低下」「血圧の低下」「抗ウイルス」「抗がん」などさまざまな作用・効能があるといわれており、犬が健康を保つために役立つ食材といえるでしょう。

◆アレルギー

犬の食物アレルギーの原因として、「わかめ」が挙げられることはあまり一般的ではありません。
しかしながら、遺伝や仔犬期からわかめを多く摂取していたなど、何らかの原因により、犬にアレルギー症状が出ることも考えられます。
なお、わかめアレルギーの場合、犬が摂取してから2〜3日以内に症状が出るケースが多いようです。
わかめを摂取した後に、犬に「嘔吐」「下痢」「目の充血・目ヤニ」「皮膚の赤味・かゆみ」などの症状がみられるような場合は、アレルギー反応が出ていると考えられます。
犬にこれらの症状が出た場合は、わかめを与えるのを中止し、様子を見ましょう。
それでも数日にわたり症状が継続するような場合は、速やかに獣医師に相談してください。


わかめの与え方

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わかめには、犬の健康にとって良い影響を与える栄養素が豊富に含まれているとはいえ、与えすぎたり、与え方を間違えてしまったりすると、かえって健康を害してしまったり、アレルギーを発症してしまったりすることが考えられます。
では、犬にとって、どのような与え方がベストなのでしょうか?
ここでは、犬に適したわかめの与え方をご紹介していきます。

◆最適な量

犬の主食はドッグフードです。
犬におやつや副菜など、ドックフード以外のものを与える場合は、1日に必要な摂取カロリーの10%以内といわれています。
例えば、10kgの成犬が1日に必要なエネルギー量は約670kcalで、その10%は67kcalです。
とはいえ、生わかめは100gあたり16kcalと、とても低カロリー。
だからといって、たくさん与えていいというわけではなく、いつも食べているドッグフードにトッピングとしてふりかけるくらいの量を目安にすると良いでしょう。

◆よく煮る

わかめは栄養素の豊富な食材ではあるものの、決して消化のよい食べ物ではないため、犬に生のまま与えることはおすすめできません。
犬にわかめを与える際は、消化しやすいよう、よく煮たうえで与えてあげてください。
また、わかめ入りのスープとして与えてあげるのもおすすめです。

◆細かく切る

犬には、よく噛んで食べる習慣はありません。そのうえ、わかめは消化のよくない食べものです。
犬にわかめのような食材を大きな状態で与えてしまうと、消化不良を起こし、体調を崩してしまう恐れがあるため注意しましょう。
そのため、犬にわかめを与えるときは、「よく煮た」ものを「細かく切って」与えるのが基本です。

◆味付けはしない

犬に食べ物を与える際、特に注意しなければいけないのが「塩分」です。
犬にとって必要な塩分は、主食であるドッグフードに十分含まれているので、あえて副菜に味付けをする必要はありません。
むしろ、塩分過多は、犬の心臓や腎臓に負担をかけてしまうことになります。
なお、犬が過剰に塩分を摂取すると、食塩中毒を引き起こすことがあるので注意しましょう。
万が一、犬が塩分中毒を起こした場合、摂取から数十分から数時間以内に嘔吐や下痢などの症状が出ます。重症化した場合は命にかかわることもあるため、注意が必要です。


茎わかめやめかぶは与えても大丈夫なの?

わかめと同様に、「茎わかめ」や「めかぶ」などを犬に与えても大丈夫。問題ありません。
そもそも「わかめ」「茎わかめ」「めかぶ」は同じ海藻(わかめ)です。
部位によって呼び方が変わり、「わかめ」は葉の部分、「茎わかめ」は茎の部分、「めかぶ」は根の部分を指します。
当然、茎や根の部分は硬さがあるため、わかめよりも時間をかけて煮てあげるなど、与え方や与える量に注意する必要はありますが、茎わかめやめかぶもわかめと同様にドッグフードのトッピングなどにおすすめの食材です。


犬にわかめを与える時の注意点

ここまで、犬にわかめを与える際の「与え方」について見てきました。
わかめそのものは、「カロリーが低い」、「栄養価が高い」など、犬の身体にとって「良い食材」といえます。
しかしながら、与え方以外にも注意しなければいけないポイントがいくつかあります。

◎与え過ぎに注意
いくら犬の身体に良いからとはいえ、わかめの与えすぎには注意が必要です。
犬に消化のよくないわかめを過剰に与えてしまうと、嘔吐や下痢を起こしたり、膨満感で食欲が落ちてしまったりといった、体調不良を誘発してしまう恐れがあります。
さらに、わかめに多く含まれる「ヨウ素」を過剰に摂取することで、甲状腺機能が低下したり、甲状腺がんのリスクが高くなったりする可能性もあるため、注意しましょう。

◎乾燥わかめは与えない
乾燥わかめを水で戻さずそのまま食べることは、犬にとっても人間にとっても良くありません。
万が一、乾燥わかめを水で戻さず乾燥したまま食べてしまうと、わかめは体内の水分で、次第に膨らんでいきます。
そして、犬の体内では、何倍にも膨らんだわかめを消化できず腸に詰まり、腸閉塞を起こしてしまう恐れがあるため、大変危険です。
最悪の場合は手術でわかめを取り除かなければならなくなることもあるため、犬に乾燥わかめをそのまま食べさせるのは絶対にやめましょう。

◎甲状腺疾患や尿路結石の子には与えない
わかめに含まれる栄養成分が、病気を持つ犬にとってはかえってよくない影響を与えてしまうことがあります。
たとえば、わかめに含まれる「ヨウ素」は、与え過ぎてしまうことにより甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が低下するなどの症状が出ることがあります。
そのため、甲状腺疾患がある犬には、わかめは与えないようにしましょう。
さらに、わかめに含まれる「ビタミンK」を与え過ぎてしまうと、腎臓病や結石の原因となる可能性があります。
そのため、尿路結石のある犬にわかめを与えてはいけません。
もちろん、甲状腺疾患や尿路結石のある子以外にも、注意が必要な場合があります。
もしも、持病がある場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。


まとめ

今回は、わかめを犬に与えても良いのか?という疑問を解決するとともに、わかめに含まれている栄養素や犬に与える際の注意点などについてご紹介してきました。
わかめは、人間の美容と健康にとって、非常に有効な食材といわれています。
それは犬にとっても同様で、犬がわかめを食べても問題はなく、むしろ、正しい与え方と適量を守ることで、とても良い栄養補助食品になることが分かりました。
しかしながら、これは必ずしもすべての犬に当てはまるわけではありません。
もしも、犬に持病があったり、アレルギーをもっていたりする場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
なお、最も大事なことは、与え方や適量を守ることです。
身体に良いからといって、決して与えすぎたりしないよう注意してください。



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