1.日本でも馴染みのあるフランス原産の犬種
1-1.プードル
1-2.ビション・フリーゼ
1-3.パピヨン
1-4.フレンチブルドッグ
1-5.グレート・ピレニーズ
2.その他のフランス原産の犬種
2-1.バセット・ハウンド
2-2.ボルドー・マスティフ
2-3.ブリタニー・スパニエル
2-4.ブリアード
日本でも馴染みのあるフランス原産の犬種
イギリスやドイツは、犬の原産国として犬種数が多いことで有名ですが、フランスはそれに次いで三番目に原産犬種の多い国です。
そんなフランスが原産国の犬種にはどんな種類の犬たちがいるのでしょうか。
国内でも知名度の高い代表的な犬種を紹介していきましょう。
◆プードル
日本でも人気の犬種であるプードル。サイズは体高60cmが最大であり、スタンダードプードル・ミディアムプードル・ミニチュアプードル・トイプードルと、体格によって4つのサイズに分類されています。ここ数年では更に小型の、ティーカッププードルやタイニープードルなどもペットとして高い人気を誇っていますね。
頭の良さは全ての犬種の中でもトップクラスといわれており、体臭も少ないことから、飼育しやすい犬種としてもよく名前があがります。
愛玩犬として有名ですが、祖先は水辺での猟を得意とする犬種だったそうですよ。
◆ビション・フリーゼ
独特なフワフワのダブルコートが特徴的なビションフリーゼ。複数の色のバリエーションはなく、純白の毛色しか認められていません。体高さは23~30cmの小型犬です。
表情豊かな目と楽天的で遊び好きな性格を持っており、コンパニオンドッグとしても世界中で大きな人気を集めている犬種です。
◆パピヨン
こちらも国内では人気犬種の一つですよね。パピヨンという名前はフランス語で「蝶」という意味をもちます。
その名の通り、大きな立ち耳は蝶が羽を開いたように優雅で特徴的。美しく白い長毛と天真爛漫な笑顔がとても魅力的な犬種です
ちなみに、16世紀以降の貴族たちの肖像画にも描かれていることの多い高貴な愛玩犬で、ルイ14世やマリーアントワネットにも愛されていた歴史背景をもちます。
◆フレンチブルドッグ
個性的な風貌が特徴的なフレンチブルドッグは、ブサカワ犬の代表格ですね。活発で愛情深い性格をしており、無駄吠えも少ないので飼育しやすい犬種だといえるでしょう。
筋肉質で力強い体型をしていますが、自然な短い尻尾が愛らしいというのも魅力の一つでしょう。
ちなみにブルドッグの原産国はイギリスですが、それを元にフランスでフレンチ・ブルドッグが生まれ育まれてきました。
◆グレート・ピレニーズ
山岳地帯で牧羊犬や番犬として活躍していたグレートピレニーズ。体高65~80cm、体重50~60kg程になる大型犬です。小さめの垂れ耳に優しい顔立ちで、日本でも愛好家の多い人気犬種だといえるでしょう。
狼に近い血統のため、その名残から後ろ足に狼爪と呼ばれる2本の爪をもっています。
毛色は一般的に白一色ですが、白ベースにグレー・薄いイエロー・ウルフ・オレンジなどの斑が、頭・耳・尾の付け根などにあるタイプもいます。
その他のフランス原産の犬種
上記に記載したフランス原産犬種はほんの一部であり、もっと沢山の種類のワンちゃんがいます。次に、日本ではあまり見ることのない少し珍しい犬種に焦点をあてて紹介していきましょう。
◆バセット・ハウンド
長い垂れ耳に大きな頭、短い足が特徴的なバセットハウンド。忍耐強く献身的な性格をしており、鋭い嗅覚をもっています。映画などのメディアで目にしたことのある人は、結構多いのではないでしょうか。
吠え声は低く、犬種名が低音(バス/bass)に由来するという説もあるそうですよ。
ちなみに、バセットハウンドの起源は1500年代後半で、フランスの修道僧がブラッドハウンドなどを基礎として作出したと考えられています。
◆ボルドー・マスティフ
しわの多い顔と赤い毛色が特徴的な超大型犬のボルドー・マスティフ。顔立ちと体格から怖そうな印象を受けるかもしれませんが、とても穏やかで物静かな性格をしている犬種です。ただし、闘犬としての歴史をもっているため、強力な破壊力を持ち合わせています。
ハードな運動は必要ありませんが、運動不足から肥満のリスクが上がるので、若い内から毎日散歩の時間を作り、適正体重と丈夫な身体を維持しましょう。
◆ブリタニー・スパニエル
フランス北部ブルターニュの森林地帯で暮らしていた犬が祖先だと考えられる、ブリタニー・スパニエル。スパニエル・タイプの犬種で、最古のものの一つだといわれています。日本では珍しい犬種なのですが、海外ではフランス原産の鳥猟犬種の中で、最も頭数の多い人気犬種だそうですよ。
活動的で社交的な性格をしており、スマートですらりと伸びた足や高い位置から垂れている耳が魅力的なワンちゃんです。
◆ブリアード
フランス原産の牧羊犬の中で、最も古い犬種の一つといわれるブリアード。8世紀には既に存在していたのではないかと考えられている犬種です。勇敢で独立心がやや強い性質をしているそうです。
ウェーブがかった長毛に、全身を覆われたエレガントな外見で、無駄のない筋肉質な体つきをしています。
スタミナ抜群の犬種の為、1日2回2時間以上の散歩が必須となるでしょう。
「フランス」と「犬」について
フランスでは、全体のおよそ半数の世帯がペットを飼っているという統計が出ています。
レストランやカフェにペットとおでかけするのは当たり前、貸しアパートでも「ペット可・不可物件」といった条件は無く、基本的にはどこでも飼うことができます。パリに住んでいると犬を見ない日はない、という程だそうですよ。
飼い主さんにとっては嬉しい風土であり、ペット大国という代名詞がついてもおかしくないこのフランス。
しかし、深刻な犬事情も抱えているようです。まずはその問題点について解説していきましょう。
◆フランスの犬事情
前述したように、ペットの飼育率が約50%と高いフランスですが、残念ながら多くの捨て犬や捨て猫が保護されているという現状があります。
飼育率に伴って、飼育放棄率も高いという重大な問題を抱えているのです。
毎年4万もの捨てられた犬や猫が別の家庭に受け入れられるという数字も出ているのですが、捨てられるペットの数はそれを上回る8~10万頭だといわれています。全く保護が追い付いていない状況です。
フランスではペットを放棄する人たちと、ペットに至れりつくせりのことをしてあげたいという飼い主の2極化が進んでいる、というフランス在住のWriterさんの考察記事もありました。
日本でも現在は犬猫の保護活動が進んでおり、殺処分数は減少してきていますが未だゼロではありません。2022年よりマイクロチップの装着も義務付けられましたが、犬猫を捨てるという問題は他人事ではないですよね。
そんな気になるフランスの犬事情ですが、問題点解決のために新たな規制がかかることが決定したのです。
◆2024年よりペットに関する規制がかかる
2021年11月18日フランス議会上院は新たに、動物福祉法の改正案を可決しました。この改正によって2024年からフランス国内において、犬・猫の店舗での販売が禁止となるのです。
新たな法律の元ではペットを飼いたい場合、ブリーダーからの直接購入や保護施設からの引き取りなどに限られることとなります。認定を受けていないオンラインページで販売した場合には、罰金(7,500€/約100万円)が科せられるそうです。
また、購入後7日間は解約を可能とし、購入者には飼育に関する知識があることを証明する書類への署名も義務付けられます。これは、衝動買いによって捨てられるペットを減少させることが目的でしょう。
ちなみに犬と猫以外にも、イルカやシャチのショーは2026年から、巡回式サーカスでの野生動物の利用は2028年から禁止になるそうです。
ペットは家族の一員であり、大切に扱うのが当たり前だと感じている方は多いでしょう。しかし、一方では人間の勝手な都合で一部の犬・猫が苦しい境遇に置かれてしまう現実があります。
日本においても社会全体で、この様な問題に真摯に向き合っていかなくてはいけませんね。
まとめ
フランス原産の犬種について数種類のワンちゃんを解説してきましたが、もっと沢山のさまざまな犬種が存在します。
その犬の歴史背景、名前の由来や理由、言葉の意味などを調べて新しい知識を獲ると、また一つ愛犬家として成長できる気がしますよね。ネット上でもフランス原産犬種については、実際に飼育している方のツイートやコラム記載の記事などを簡単に確認することができます。他の犬種も気になる!という方は、ぜひ情報を集めてみてくださいね。
フランスの犬事情についても対岸の火事とは捉えられません。私達も真剣に考えなくてはいけない問題の一つだといえるでしょう。
これから愛犬を家族に迎え入れようと考えている方は、まずその犬に関する事前知識を獲ること、飼育方法を勉強しておくことを徹底してくださいね。
犬のお世話は可愛がるだけではありません。毎日の食事としてフードやおやつを準備する、運動不足やストレスを溜めないために散歩をする、体や被毛の定期的なケアを行う、そしてしっかりしつける、など、大変なことも山ほどあるのです。物理的にも精神的にも、しっかりと犬を飼う準備を整えましょう。
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