愛犬にオレンジを与えても良い?メリットや注意点は??

2025.01.02

愛犬にオレンジを与えても良い?メリットや注意点は??

柑橘類は国内でも人気の高い果実の一つですよね。食材としてはもちろん美容としても最適、その香りもさまざまな商品として利用されています。自宅で常備しているという家庭も珍しくないでしょう。今回はそんな柑橘類の中から、オレンジに注目していきます。犬がオレンジを食べても良いのか、メリットはあるのか、さらにオレンジがもつ栄養素や与える上での注意点についても解説していきますので、チェックしてみてください。

犬はオレンジを食べても大丈夫

オレンジ

オレンジとは、ミカン科ミカン属の常緑小高木の果実です。日本では主に、バレンシアオレンジ・ネーブルオレンジを指すことが多いでしょう。
人気の高いフルーツなので、大好物だという飼い主さんも多いのではないでしょうか。もし、愛犬と一緒に楽しめるのなら、それに越したことはありませんよね。
フルーツでいうとブドウ、野菜でいうとネギ類、他にもチョコレートやカフェインなど、人間にとっては問題のない食べ物でも犬にとっては中毒の原因となる食材も多々あります。
ではオレンジは犬にとってどんな存在となるのか、詳しくみていきましょう。

◆犬がオレンジを食べても基本的には問題ない

結果からいうと、オレンジは犬に与えても基本的に問題のないフルーツです。
オレンジに含まれるビタミンC・カリウム・クエン酸・ペクチンなどは、犬が食べても問題ない栄養素であるため、犬の体に悪影響を及ぼす成分は含まれていないのです。
甘味があり水分も豊富なため、りんごやバナナなどと並んでオレンジを好むワンちゃんも少なくないでしょう。
ちなみに、子犬や老犬に与えても大丈夫だといわれています。子犬の時期・成長期に食べても問題になる成分が含まれていないため、離乳後であれば与えても問題ないそうですよ。とはいえ、十分に体力が付いている必要があるので、1歳以上になってから与えた方が安心ですね。
ただし、年齢に限らず中には柑橘類のニオイが苦手な子もいるので、そういった場合は無理に与える必要はありません。
また、与える部位や量には注意が必要となります。それについては後述しますので、そちらもしっかりチェックしておきましょう。


オレンジを犬に与えるメリット

犬にとって有害な栄養成分を含んでいないオレンジですが、それでは犬にとってどんなメリットがあるのでしょうか。主な3つのメリットは以下の通りです。

◆水分補給ができる

オレンジの全体の9割弱は、水分でできています。このことから、水分補給にはピッタリの食材だといえるでしょう。
水をあまり飲んでくれないワンちゃんへの水分補給や、暑い季節の熱中症予防として、サポートしてくれる存在と成り得ます。

◆栄養が豊富

オレンジには魅力的な成分がたくさん含まれています。その中でも犬にとって嬉しい効果をもたらすものをピックアップしていきましょう。

◎ビタミンC
アスコルビン酸とも呼ばれるビタミンCがオレンジには豊富に含まれており、これには体内の異物を解毒したり、免疫機能を向上させる作用があります。
ちなみにオレンジには、いよかん・みかんといった他の柑橘類よりも、抗酸化作用のあるビタミンCが多く含まれていますよ。その量はネーブルオレンジで100gあたり60μg、バレンシアオレンジで40μg程だそうです。また、同様に抗酸化作用を持つβ-カロテンも豊富です。
ただ、犬はビタミンCを体内で合成することができるため、愛犬が健康的であればわざわざオレンジでビタミンCを補給する必要はありません。しかし、高齢犬や肝臓病を持つ犬の場合、十分な量のビタミンCを生成することができないケースもあるので覚えておきましょう。

◆便秘解消

オレンジには、水溶性食物繊維である、ペクチンが多く含まれています。
このペクチンには、大腸の悪玉菌を減らす働きがあるため、便秘解消の効果が期待できるのです。
ただし、与えすぎると消化不良を起こしたり軟便になりやすいので、与える量には注意が必要です。


犬にオレンジを与える時の注意点

たくさんのオレンジ

犬にとって健康維持にも効果的な成分が豊富なオレンジですが、与える際の注意点があります。
以下のポイントをしっかりチェックし、安心・安全に愛犬がオレンジを楽しめるよう配慮しましょう。

◆皮や種は取り除く

オレンジの皮や薄皮は犬にとって消化しにくい部分であり、農薬残留付着の危険性もあります。
食物繊維が多い部分でもあるため、与えることで下痢や嘔吐の原因となる可能性があるでしょう。取り除いてから与える方が無難だといえます。
また、オレンジの葉が付いているケースもありますが、この場合も同様に葉を取り除いてから与えるようにしてください。種も消化できないので、人間が食べる時と同じように必ず取るようにしましょう。
ちなみに、オレンジの外側の厚い皮を外果皮(フラベド)、内側についている白い皮は中果皮(アルベド)、さらにその中の房を包む薄皮は内果皮といいます。
この内、外皮にはツブツブの油胞があり、柑橘類の香り成分、虫除け作用のある精油成分(リモネン)が含まれているそうですよ。
こういった理由で果皮からはいい匂いがするため、愛犬が勝手に食べてしまうケースもあるかもしれません。
ただ、少量であれば大きな心配はいらないことがほとんどです。オレンジの果皮部分はオレンジピールとして、お菓子などに利用されることもありますし、漢方では熟したマンダリンオレンジの皮を干し、陳皮として用いられています。
しかしやはり、外皮には防かび剤・ワックスなどがついている恐れもありますし、皮に含まれるリモネンには口腔内の粘膜を荒らす成分も入っています。
もし愛犬にオレンジの皮を与える場合は、しっかり洗うこと、小さくカットしてから与えることを徹底しましょう。また、常備している家庭では保管方法や皮の捨て方に注意して誤飲・誤食を防ぐようにしてください。

◆与えすぎない

いくら魅力的な栄養成分をもっているとはいえ、与えすぎは体に悪影響を及ぼします。これはオレンジに限ったことではありません。
ペットフード公正取引協議会の指針では、犬のおやつや間食は、原則として1日当たりの給餌量(カロリー)に対し、多くても20%までに抑えることが望ましいとされているそうです。
避妊・去勢をした健康な成犬の場合の、1日に与えても良いオレンジの適量を紹介していきますので、目安として参考にしてみてください。

尚、数値はネーブルオレンジの場合を参照しています。
◎超小型犬(3kg)…116g / 1個強
◎小型犬(5kg)…170g / 2個弱
◎中型犬(10kg)…286g / 3個弱
◎大型犬(30kg)…424g / 4個強

◆オレンジの加工品は与えない

オレンジの加工品は、ジュースやアイス、ゼリーなど、幅広く市販されていますよね。
人間用に作られた製品の多くは、犬にとっては塩分・糖分が多く含まれていたり、不要な添加物などが入っている場合がほとんどです。オレンジが材料に使用されているといっても、加工品を与えるのは基本的に避けたほうがよいでしょう。
ただ、例えばオレンジジュースなどには果汁100%で作られていたり、無糖のタイプもあります。どうしても愛犬に与えたい場合は、こういった種類のものを選ぶようにしてください。
また食品に限らずオレンジは、キッチン用洗剤などの匂いとしても利用されています。オレンジ好きの愛犬が、誤って誤飲する可能性も考えられるため、保管・利用方法には注意しましょう。

◆アレルギーに注意

人間のオレンジによるアレルギーが報告されており、イネ科の植物がアレルゲンとなる人は、オレンジでもアレルギー症状が出やすいことが分かっているそうです。
犬においても同様のことが考えられるため、初めてオレンジを与える場合は、少量を与えてから様子をみるようにしましょう。
また愛犬にオレンジを与えた後に、下痢や嘔吐、口周りの皮膚を痒がるなどの症状がみられた場合は、食物アレルギーを起こしている可能性が考えられます。
すぐに与えるのを止めて、動物病院を受診することをおすすめします。

◆特定の病気を発症している場合

オレンジには、カリウムが多く含まれています。このため、腎臓病などの持病を抱えているワンちゃんには、与えるべきではないでしょう。
腎臓に障害がある場合、カリウムを十分に尿に排泄することができず、体内に蓄積してしまうのです。
万が一に口にしてしまったら、すぐに獣医師に相談するようにしてくださいね。


他の柑橘類は犬に与えても良い?

コーギー

オレンジの他にも、みかんやグレープフルーツなどのさまざまな柑橘類がありますが、これらも基本的には犬が食べても問題はありません。しかし消化には良くないので、熱心に与える必要はないでしょう。
みかんに至っては100gあたり35mg程度のビタミンCが含まれており、β-カロテンはオレンジよりも豊富だそうですが、グレープフルーツは、薬を服用中のワンちゃんには注意が必要です。フラノクマリンという成分により、薬の分解が遅くなってしまうのです。このため薬が効きすぎてしまう恐れがあるので、十分気を付けてください。
またさらにグレープフルーツに含まれる、犬が中毒を起こすソラレンという成分の量が、他の柑橘類に比べても多いようです。グレープフルーツを摂取することで中毒を起こしたという報告は今のところないようですが、情報として覚えておきましょう。


まとめ

オレンジは基本的に犬が食べても問題のない食べ物とされています。ただし、与える量や与え方はもちろん、アレルギーや腎臓疾患をもつ子には十分注意するようにしてください。
魅力的な栄養成分や与える上でのメリットのある果実なので、上手に利用して食事の時間を彩ってあげましょう。
オレンジを使ったペット用レシピなどの記事もありますので、興味のある方はぜひ情報を集めてみてください。栄養学の先生が監修したものなどがおすすめですよ。
犬猫・小動物など、ペットは家族同様の大切な存在ですよね。ストレスなく快適で健康的な暮らしを続けるためにも、健康的な食生活を心掛けていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


記事に関するお問い合わせはこちら