気象病ってご存じですか?気圧はワンちゃんの体調にも影響します

2015.10.20

気象病ってご存じですか?気圧はワンちゃんの体調にも影響します

台風が近づいてきたり、雨や雪が降りそうになったりするとワンちゃんの体調が悪くなる。そんな経験をなさったペットオーナー様はいらっしゃいませんか? 最近、人間の病名として「気象病」(meteoropathy)という概念が知られるようになってきました。ヒトの健康に気象が関係するなら、やはりワンちゃんにも影響すると考えられます。筆者も脳腫瘍のフレンチ・ブルドッグを介護していたとき、気圧の変化でてんかんの発作が起きるので、天気予報にはかなり注意していました。 今回は、「気象病」とワンちゃんのケアについてご紹介します。

まずはヒトの「気象病」を知っておきましょう

犬_気象病_センサー

気象病とは、気象、あるいは気圧の変化によって発症する、またはもともとの症状が悪化する疾患の総称です。おばあちゃんが「腰が痛いから、明日は雨だよ」「今日は雨だから肩が痛いよ」などとおっしゃっているのを耳にしたことはありませんか? あれがまさしく「気象病」だと考えられています。
「気圧の変化によって発症する」気象病は、めまい、頭痛、肩こり、イライラ、吐き気、異常な眠気などが知られています。
「もともとの症状が悪化する」気象病は、喘息、メニエール病、神経痛、関節炎、リウマチ、アトピー、じんましんなどのアレルギー症状があります。
「気象病」のメカニズムとは?
「気象病」は最近、ヒトの医学で研究が始まった疾患ですが、気圧、気温、湿度変化などの気象変化がヒトの健康に影響を及ぼす鍵となっていることは間違いありません。特に影響が大きいのは「気圧」だと考えられています。気象病のメカニズムについては様々な考え方がありますが、気圧の変化を受けてヒトの内耳にある「気圧センサー」が「体のバランスが崩れた」という信号を出すことによって自律神経のバランスが交感神経優位となり、それがストレスとなって様々な症状が出るという考え方があります。また、気圧の変化によって血管が収縮し、その後反動によって拡張することによっても、様々な症状が出るといわれています。

気象の変化とワンちゃんの健康との関係

体調崩す

ひざや関節の痛みは、低気圧に高湿度や気温の低下が重なるとひどくなるという性質があります。もともとリウマチなどの持病がある人は、雨が降る前や梅雨時などに症状が悪化します。変形性関節症や股関節形成不全、椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼など関節系の疾患があるワンちゃんは、低気圧の日や梅雨時、雨が降る前などに傷みが強くなる可能性があるので、注意してください。低気圧になると関節を痛がっているようなときは、かかりつけの動物病院に相談をしてみましょう。
また、脳腫瘍やてんかん、水頭症、前庭疾患などの持病があるワンちゃんは、低気圧のときに発作が出る可能性があるので特に注意してください。筆者のフレンチ・ブルドッグは晩年、低気圧のときは必ず脱糞、垂直眼振(すいちょくがんしん・黒目が一定のリズムで上下に動く)などひどい症状を伴った発作が出たので、かかりつけの獣医師に相談をして、事前に睡眠薬を投薬していただいていました。獣医師によって対処が異なると思いますので、信頼できる獣医師にじっくりと相談をしてください。

相談するときはメモがあるととても便利

犬_気象病_φ(`д´)メモメモ...

気象病は人間でも研究が始まったばかりの疾患ですので、いきなり「うちのワンちゃんが気象病で」などと相談するより、メモがあると効率的です。
例えば、関節炎があるワンちゃんでしたら
9/28 晴れ 特に痛がらない ウンチ◎
9/29 台風接近中 関節炎がある右後ろ足をしきりとなめる。ウンチいきむときに辛そう
9/30 台風通過中 とても痛そうで、歩くときもひきずる。ウンチができない
など、お天気と体調の相関関係をメモで記録しておくのです。続けることが大切なので、簡単なメモで大丈夫です。このメモを見せながら獣医師に相談すると、先方も症状を掴みやすいでしょう。

スマホアプリの「頭痛~る」が愛犬の体調管理にとても便利です

症状の悪化予測と、症状のメモにとても便利なアプリが
「頭痛~る」です。
↓↓iPhone↓↓
https://itunes.apple.com/jp/app/tou-tong-ru-qi-ya-yu-baode/id602991338
↓↓Android↓↓
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.pocke.android.zutsu
今後の気圧の変化をグラフで確認できますし、薬を飲んだ時間や体調などを日記やメモとして1時間ごとに記録できます。11月で13歳になる筆者のトイ・プードルは膝蓋骨脱臼のグレード2を患っていますが、雨の日はちょっと痛そうです。このアプリで愛犬の体調を管理するようにしてからは、獣医師への相談もとてもスムーズです。ぜひ使ってみてください。

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石原 美紀子

石原 美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

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