ワンちゃんの避妊と去勢

2015.11.30

ワンちゃんの避妊と去勢

ワンちゃんを飼っている飼い主様なら皆さん一度は避妊、去勢について考えますよね。 避妊、去勢は望まない妊娠を避ける為だけではなく、最近では病気の予防や問題行動の抑制の為に避妊、去勢をする飼い主様も増えています。 今回は避妊と去勢についてお話したいと思います。

避妊、去勢のメリット、デメリット

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ワンちゃんの避妊、去勢にもメリットデメリットがあるので、手術を決める際にはそういった事も頭に入れたうえで考えましょう。
○ワンちゃんの避妊、去勢のメリット
・雌犬の場合
卵巣、子宮を摘出する手術をします。
この手術をする事によって、望まれない妊娠を避ける事の他に卵巣腫瘍、子宮蓄膿症、乳腺腫瘍の発症率が低くなります。
・雄犬の場合
睾丸を摘出する手術をします。
この手術をする事によって前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫瘍の発症率が低くなります。
避妊、去勢は雌犬、雄犬共に性ホルモンに関連した、イライラ、マーキング、マウンティング等の問題行動を抑制し精神的に安定するとも言われています。
○ワンちゃんの避妊、去勢のデメリット
・一度手術をしてしまったら元に戻す事は出来ません。
本当に子供は授からなくてもよいのかよく考えて決めましょう。
・避妊、去勢をすると新陳代謝が低下して太りやすくなります。
避妊、去勢をした子用のフードも出ていますが肥満にならないように注意が必要です。
・手術のリスク
避妊、去勢の手術は病院では頻繁に行われている手術です。
難しい手術ではありませんが全身麻酔をして体にメスを入れる手術ですので絶対に安全であるとは言い切れません。

停留睾丸

私が飼っている愛犬は生後半年の頃に保険に入る為病院で健康診断をしてもらったところ停留睾丸だと言われました。
普通のワンちゃんは赤ちゃんの頃は睾丸がお腹の中にあり、お腹から陰嚢と言われる袋へ下降します。
大体のワンちゃんが生後半年頃には陰嚢の中に睾丸がある状態になるはずなのですが我が家の愛犬の睾丸は通常ある場所には無く、両方の睾丸が下腹部にあり触って確認する事もできました。
それまで睾丸を気にした事がなかったので言われて初めて気がついた事でした。
私のように病院で指摘されて初めて気がつく方も多いようです。
手術をしてもらった先生によると停留睾丸をそのままにしておくと普通の子に比べて20倍も将来癌になる確率が高くなると説明を受けました。
その後も愛犬の睾丸は降りて来る気配もなく将来なるかもしれない病気を予防する為にも去勢する事を決めました。
お腹を切って取る手術になりとても不安でしたが、本来お腹にあるべき物ではないので去勢をした事で私の気持ち的にもすっきりしました。

乳腺腫瘍のワンちゃんを見て

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動物病院で働いている頃、乳腺腫瘍で片側全摘出という大きな手術をした子を見た事がありました。
それまでの手術は冷静に見ている事ができて術後の消毒等で傷口を見る事も平気な私でしたが、片側の乳腺を全部取るという手術はとてもショックなものでした。
ワンちゃんには複数のおっぱいがあるので、片側を全部取ると言う事は一番上から一番下までのおっぱいを全部取るという事でかなり大きく切る事になります。
その分縫合にも時間がかかるのでその間ずっと麻酔で眠っているワンちゃんにもとても負担のかかる手術です。
手術が終わった後のワンちゃんの傷口はとても大きくて痛々しく、小さい体でプルプルして耐えているワンちゃんの姿を見ると可哀想で涙がでました。
こんなに大きな手術をしなければいけなくなるのなら、避妊をする事で少しでも発症する確率が下がるのなら絶対に避妊手術はした方が良いと思いました。

最後に

病気の予防や問題行動を抑制する為に避妊、去勢を希望する場合は1歳前に手術をする事が必要になり、雌犬の場合は初めての発情を迎える前に手術をする事で、乳腺腫瘍の発生率が大きく低下します。
1歳前に手術をさせるのはとても心配な事だと思いますが、若いうちの方が体力もあり回復が早くなります。
避妊、去勢を決める事ができるのは飼い主様だけです。
ワンちゃんの為にたくさん悩んで後悔しない選択をしましょう。


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おぎゆみ

おぎゆみ

子供の頃から動物が大好きで動物関係の専門学校で数々の資格を取得後、動物病院で看護士兼トリマーの仕事をしていました。 飼い主さんとペットが毎日楽しく幸せに暮らしていけることを願って、私の持っている知識、経験を元にいろいろな情報を発信していきたいと思います。

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