【獣医師監修】猫は牡蠣を食べてもいいの?食べてはいけない魚介類まとめ

2020.07.14

【獣医師監修】猫は牡蠣を食べてもいいの?食べてはいけない魚介類まとめ

牡蠣は欧米では『海のミルク』と言われ、豊富な栄養素を含んでいます。さらに低カロリーという魅力的な食材です。おいしくて栄養豊富な牡蠣なら、愛猫にも与えたくなりますが、猫が食べても大丈夫なのでしょうか?牡蠣の栄養成分として有名なタウリンは、猫にとっても必須の栄養素の一つです。ここでは、猫に牡蠣を与えてもいい理由と、猫が食べてはいけない魚介類についてまとめます。

猫は魚好き?

大根おろしアート猫

猫と言えば魚というイメージがあります。
魚をくわえた猫のモチーフや、魚の形をしたキャットフード・オヤツも少なくありません。
しかし、実は「猫は魚好き」というのは、海に囲まれ魚食中心の食生活を送ってきた日本に特有のイメージです。
日本以外では、イタリアなど、やはり海に面した地域の漁港の猫に魚好きの子が多いそうです。
猫は肉食なので本来肉を好みますが、幼いころに魚を食べて育つと魚好きになると言われています。
そのため、日本の猫は魚が好きな子も多いかもしれません。


猫は牡蠣を食べてもいいの?

牡蠣

牡蠣は欧米では『海のミルク』と言われています。
これは、牡蠣が良質のたんぱく質やビタミン、ミネラルをバランスよく含むことによります。
低カロリーでありながら豊富な栄養素を含む魅力的な食材である牡蠣ですが、猫が食べてもいいものなのでしょうか?

◆牡蠣の栄養素①タウリン

タウリンの体内での合成能力が低い猫は、一方で、タウリンの必要量が多いため食事からの摂取が必要です。
タウリンは、ほとんどの動物の体内に含まれる含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)の一種ですが、他のアミノ酸と異なり、タンパク質の合成には関与しません。
アミノ酸のメチオニンとシスチンから合成されます。
主な供給源は動物性タンパク質で、心臓、腎臓、肝臓などに含まれます。
タウリンは、細胞内外へのカルシウムの移動を調節するため、心筋の収縮に不可欠な栄養素です。
また、タウリンは、活性酸素の影響を抑える強い抗酸化作用を持っています。
肝臓における胆汁酸塩の合成に必要であるほか、繫殖能力や視力、聴力を正常に保つためにも必要な栄養素です。

◆牡蠣の栄養素②亜鉛

亜鉛は、微量必須ミネラルであり、タンパク質の合成や骨の発育などに欠かすことができません。
一般的な供給源は、精白していない全粒の穀物および肉類です。
牡蠣は、亜鉛の含有量が食品随一とも言われています。
体内では、細胞の複製、炭水化物・タンパク質の代謝、膜構造に関与しています。
コラーゲンやケラチンの合成においても非常に重要な栄養素で、皮膚・被毛の健康と創傷の治癒のために欠かせません。
欠乏すると発育不良および肉球などのすり減りやすい部位に皮膚病変が見られる一方、過剰になると猫では発作を起こすことがあります。

◆牡蠣の栄養素③グリコーゲン

動物が消化できる炭水化物であるデンプンは、ブドウ糖まで分解されて体内に吸収されます。
猫は、人間と比べて、デンプンをブドウ糖まで消化する酵素が少ないので、デンプンの消化が苦手です。
吸収されたブドウ糖は、血糖として体内を循環して、直接エネルギーとして利用されるほか、体脂肪として脂肪組織に蓄積されたり、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられたりします。
牡蠣に含まれるグリコーゲンは、そのまま使える形なので、摂取後すぐに体内に吸収されて筋肉や肝臓などに貯蔵されます。
必要に応じて、即効性のエネルギーになるので、非常に効率の良いエネルギーと言えます。

◆食中毒・ノロウイルスに注意

牡蠣の内臓には、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着していることがあり、十分に加熱せずに食べると感染する危険性があります。
また、生牡蠣を食べてノロウイルスに感染した事例もあります。
ノロウイルスは熱に弱いので、中心温度が85℃以上になった状態で1分以上加熱してから食べさせましょう。

◆猫は牡蠣を食べてもよい

牡蠣には、猫が食べ物から摂らなければならないタウリンが豊富に含まれており、また皮膚・被毛の健康によい亜鉛も含まれるため、過剰に与えなければ、猫も牡蠣を食べて大丈夫です。
体重4kgの子で、1度の食事で牡蠣2個程度がよいでしょう。
食中毒やノロウイルスを防ぐため、必ず加熱したもの与えましょう。


猫が食べてはいけない魚介類

ダメな魚介類

ここでは、猫が食べてはいけない魚介類をご紹介します。
これらの魚介類は、少量食べただけで猫が死に至るわけではありません。
しかし、日常的に与えていると、体調不良を引き起こしたり、最悪、死に至ったりすることがあります。
普段から与えないようにしておく方がよいでしょう。

◆青魚

アジ・サバ・イワシ・サンマなどの青魚には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
不飽和脂肪酸を分解する時には、ビタミンEが大量に消費されます。
青魚ばかり食べているとビタミンE不足になり、その結果、脂肪が黄色く変色する黄色脂肪症(イエローファット)という病気になります。
黄色脂肪症の症状は、脂肪が暗い黄色に変色するだけではなく、発熱、元気がなくなる、触ると痛いなどです。
青魚を与える量や頻度は、できるだけ控えめにした方がよいでしょう。
なお、DHAやEPAを含む不飽和脂肪酸は少量であれば、猫にとっても有益な栄養素です。

◆生の青魚

青魚には、アニサキスが寄生しやすいです。
アニサキスは、猫にも害があると言われています。
アニサキスは、温める程度では死滅しないので、猫に青魚を与える場合には十分に加熱しましょう。

◆アワビ・サザエ・トリガイなど

貝類の中では、海藻を食べるものが猫にはよくありません。
これらの貝の「肝」と呼ばれる黒い部分(中腸腺)には、海藻に含まれるクロロフィルが代謝されたフェオフォルバイドという物質が含まれています。
フェオフォルバイドは、光を浴びると活性酸素を作り、炎症を起こして腫れやかゆみの原因となります。
これを「光過敏症」と言い、太陽の光を浴びやすく、毛や皮膚の薄い耳などに症状が強く現れます。
逸話的に「猫にアワビを食べさせると耳が落ちる」と言われるのは、皮膚炎によって耳がボロボロになることを示しています。

◆イカ・タコ・スルメ

生のイカにはビタミンB1を分解する「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。
猫は、体のわりにビタミンB1の必要量が高く、チアミナーゼを含む魚介類を生で食べるとビタミン欠乏症になりやすいです。
ビタミンB1欠乏症の初期段階では、食欲低下や嘔吐が見られ、進行すると瞳孔が開いて歩き方がフラフラになります。
通説で、「猫にイカを食べさせると腰を抜かす」というのは、これによるものです。
ビタミンB1不足が重症化すると、けいれんを起こす、異常な姿勢を取ったり大声で鳴き続けたりするという症状を見せ、最終的には昏睡状態に陥り、死に至ります。
チアミナーゼは加熱すると失活しますが、イカやタコは消化が悪く、嘔吐や下痢・便秘の原因となるので、与えない方がよいでしょう。
また、イカやタコは、コレステロール値が高い点にも注意が必要です。
スルメは、水を含むと数倍に膨らむため、急性胃拡張を引き起こす可能性があると言われています。

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◆エビ・カニ

甲殻類の肝臓には、季節によって毒素が蓄積されます。
この毒素が猫に悪影響を与え、嘔吐や下痢を引き起こすことがあるので、生のまま与えてはいけません。

◆ハマグリ

生のハマグリにも、チアミナーゼが含まれているので、与えない方がよいでしょう。

◆シラス

シラスなどの加工品は、塩分が高いので、猫の腎臓に負担がかかります。
与えることは避けましょう。

◆煮干し

出汁を取る前の煮干しは塩分が高いです。
また、出汁を取って塩分が減っても、リンやマグネシウムの量は変わらないので、継続的に与えると結石ができやすくなります。
煮干しを与える場合は、水やお茶で塩抜きをしたものを、週に1回、3cm程度のものを2本までにしましょう。

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猫に魚を与えるなら

◆タイ

脂肪酸の少ない、タイなどの白身の魚がおすすめです。
生で与えても大丈夫ですが、傷みやすいので新鮮なものを与えましょう。
猫は食べ物を丸呑みしてしまうので、消化器官を傷つけないよう小骨は取り除きます。
ただし、塩焼きは厳禁です。
どんな魚でも、塩がきいた焼き魚は腎臓に負担を与えるので、食べさせてはいけません。
与えるなら、刺身一切れの半分くらいにしましょう。

◆かんぱち

タンパク質の多いかんぱちは、少量であれば生で与えても大丈夫です。
食中毒予防のため、新鮮なものを与えます。
与えるなら、刺身一切れの半分くらいにしましょう。

◆生サケ

生サケには、猫の体にも良いタンパク質と脂肪が含まれています。
塩サケは腎臓に負担がかかるので、厳禁です。
与える場合は、刺身を一切れの半分くらいあげましょう。

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カキエキスのほか、マグロとカキも含まれており、愛猫に牡蠣の豊富な栄養を与えたい場合におすすめです。
ビタミンEも含まれているので、安心して与えることができます。


まとめ

タウリンや亜鉛など、猫にも大切な栄養素が豊富な牡蠣は、あげすぎないよう注意すれば猫に与えても構いません。
4kgの子で、1度の食事に2個くらいに留めましょう。
魚食中心の食生活を送ってきた日本では、猫には魚がつきものですが、猫は特別魚が好きだというわけではありません。
猫の食べ物の好みは、生後3ヶ月ごろまでに食べたもので決まると言われています。
このころに、肉を食べて育った猫は肉が好きになり、魚を食べて育った子は魚を好むようになります。
魚介類には、猫にとって害があったり、栄養の偏りにより病気に繋がったりするものがあるので、与える際には注意が必要です。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。

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