1.フィラリアとは
犬フィラリア症とは心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気です。感染した犬を刺した蚊が他の犬を刺す事で感染が広がっていきます。
フィラリアに感染すると、元気が無い・食欲が無い・咳をする・呼吸が苦しそう・お腹が膨らんできた・尿が赤くなるなどの症状が見られますが、初期の頃はあまり症状が目立たず見過ごしてしまう事があるので注意が必要です。
薬で駆除したり手術をして治療しますが、危険や負担を伴います。感染させないように予防してあげましょう。
2.予防方法
蚊取り線香や虫よけを使っているのに蚊に刺されてしまった事はありませんか?犬も同じで、虫よけは完璧に犬を守ってくれるものではありません。これらの虫よけ製品は補助的なものとして、予防薬を使用すると安心です。
でも、ただ予防薬を与えればよいというものでもありません。感染している事を知らずに予防薬を飲ませた場合、ショック症状を起こしてしまう事があります。予防薬の投与を始める前に、まずは犬フィラリアに寄生していないか確認してもらいましょう。動物病院で血液検査を受ければ、簡単に分かります。
予防方法には、錠剤・チュアブル・スポット・注射があります。簡単にメリットとデメリットをまとめてみました。獣医さんと相談して、最適な方法を選んであげましょう。
〇 薬が安い。
ノミ・ダニの予防と回虫駆除の効果を併せ持つ薬もある。
× 月に1度の投薬を忘れるリスクがある。
病気や体調不良などで嘔吐した場合、薬を一緒に吐き出してしまう事もある。
薬の味や匂いが嫌いな犬もいる。
〇 おやつや肉タイプがあり、犬が喜んで食べてくれる。
ノミ・ダニの予防と回虫駆除の効果を併せ持つ薬もある。
× 月に1度の投薬を忘れるリスクがある。
病気や体調不良などで嘔吐した場合、薬を一緒に吐き出してしまう事もある。
肉タイプの場合、お肉アレルギーのある犬には使えない。
〇 毛をかき分けて肌に薬を垂らすだけなので、薬を飲むのが苦手な犬への投与が簡単である。
× 投薬後、1週間程度はシャンプーや雨で濡れないようにしないと薬が流れ落ちてしまう可能性がある。
肌が弱い犬は皮膚が赤くなったり荒れたりする。
犬が薬を舐めてしまう可能性がある。
〇 年に1~2回の注射だけでフィラリア予防が出来る。
× 体内に半年以上薬効成分が残る為、副作用が出た倍は後遺症が長期に渡る心配がある。
副作用による死亡例もあり、注射の使用を見合わせている病院が多い。
うちでは去年までは錠剤を使用していましたが、薬だけでは飲んでくれず、毎回少量のウェットフードで包み込んであげていました。今年は獣医さんに勧められたチュアブルにしてみたところ、そのままでもおやつを食べる時のようにペロッと平らげてくれるようになり、投薬がとても簡単になりました。
3.投薬時期
フィラリアの投薬時期は『蚊を見かけるようになった1ヶ月後』から『蚊を見かけなくなった1ヶ月後』までです。参考までに、千葉県では5月~12月が投薬時期と言われていますが、今後温暖化の影響で暖冬が続くようになったら、通年投薬をする必要が出てくるかもしれません。地域によって蚊が出る時期に違いがあるので、お住まいの地域での投薬時期は獣医さんにきちんと確認してください。
フィラリア予防薬は、実際には「フィラリアを予防する」のではなく「幼虫の段階でフィラリアを駆除する」ものなので、涼しくなったから、蚊を見かけないからといって自己判断で投薬を止めた後で蚊に刺されるとフィラリアに感染してしまいます。ですから自己判断で投薬を止めず、獣医さんの指示に従って最後まできちんと投薬してあげる事が大切です。
4.まとめ
犬を飼っている限り、毎年7~8ヶ月に渡ってフィラリア予防をする事になります。愛犬にあった方法で確実に予防してあげる事がとても大事です。疑問点や心配な事があれば、動物病院で納得のいくまで質問して、愛犬をきちんと予防してあげましょう。
ライター/sura2460
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