狂犬病ってどんな病気?ワクチンは飼い主の義務!その必要性とは?

2017.10.13

狂犬病ってどんな病気?ワクチンは飼い主の義務!その必要性とは?

狂犬病とは、人間に感染することもあり、発病するとほぼ100%が死亡するという恐ろしい感染症のことです。 発病した場合、精神錯乱や麻痺、呼吸困難などの症状が認められ、更には死に至ります。 日本では1956年を最後に発生していませんが、世界では約5万人が毎年命を落としており、海外渡航の際には注意が必要です。 狂犬病予防法では、飼い犬に対して狂犬病ワクチンの予防接種を行う事が義務として定められています。 狂犬病ワクチンには元気の消失や、アナフィラキシー症状などの副作用もありますが、接種は義務であるため何らかの理由で接種出来ない場合は獣医師による証明が必要です。 狂犬病について、もっと詳しく確認してみましょう。

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狂犬病とはどんな病気?人間にも感染する?

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狂犬病とは、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症です。
人獣共通感染症とはヒトとヒト以外の脊椎動物が罹患する感染症のことを指します。
ですので、狂犬病は人にも感染します。

狂犬病は毎年世界中で約5万人もの死者を出している感染症です。
感染すると攻撃性が高くなり、脳神経や、筋肉が麻痺する症状が出始め、最後は昏睡状態から呼吸障害によって死亡します。
発症した場合の死亡率が、ほぼ100%と高く、確率した治療法はありません。
水などを恐れる症状が広く知られ有名であるため、恐水症とも呼ばれています。


世界における狂犬病の発生状況

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日本、イギリス、オーストラリアなどの一部の国を除いた全世界で狂犬病は発生しています。
しかしながら、年間5万人以上いる死亡者数のうちの約90%以上がアジアとアフリカです。
最も多いのはインドで、死亡者数も多いですが、狂犬病ワクチン治療を受ける人も年間100万人以上ととても多いです。

狂犬病は、潜伏期が数日~数年と長い事が特徴です。
噛まれた場所が脳から遠ければ遠いほど、発症は遅いと言われています。
狂犬病への感染が疑われる地域で、犬や野生動物に噛まれた場合は咬傷治療として狂犬病ワクチンの暴露後予防接種(PEP)を受ける必要があります。
適切に狂犬病ワクチンの暴露後予防接種(PEP)を行う事で、狂犬病の発病は起こらないと言われています。
ですが、世界での狂犬病ワクチンの暴露後予防接種(PEP)率はとても低いです。

それは、狂犬病ワクチンの暴露後予防接種(PEP)の平均費用がアフリカで40USドル、アジアで49USドルと高額な為です。
貧困地域に暮らす人々には、高額な狂犬病ワクチンの接種はほぼ不可能です。


狂犬病の症状は?

狂犬病を発病した場合、ほぼ100%の人間が死に至ります。
狂犬病は、最も致死率の高い病気として、後天性免疫不全症候群(エイズ)と共に、ギネス世界記録に記録されている病気です。
人間と犬、双方の症状を確認してみましょう。

◆人間の場合

風邪に似た症状から始まり、食欲不振や咬傷部分の痛みや痒みを感じる様になります。
水を怖がるなどの不安感が強くなり、麻痺、幻覚などの精神錯乱などの神経症状が出現します。
攻撃性が高くなり、瞳孔が開き、よだれが止まらなくなるなどの症状も出ます。
脳神経や、筋肉が麻痺し、最後は昏睡状態から呼吸障害によって死亡します。

◆犬の場合

性格が変化し、行動が異常化します。
全ての犬が凶暴になる訳ではなく、荒々しい犬が従順に、従順な犬が荒々しく、など普段の性格と異なる性格に変化します。
興奮期に入ると、徘徊し、無作為に噛みつく、光や音に過敏に反応する、などが見られる様になります。
その後、全身の麻痺から歩行不能、よだれが止まらなくなるなどの症状が出ます。
昏睡状態から、最後は死に至ります。


狂犬病にはどうやって感染するの?

狂犬病にすでに感染している動物の噛み傷から、唾液と共にウイルス感染する場合が高いです。
眼や唇などの粘膜を舐められた場合感染の危険性が高いと言われています。

狂犬病感染の多くが、犬から人などの哺乳類へ感染するパターンです。
コウモリ、マングース、キツネなどの野生動物も感染源となりますが、人への感染源と限定した場合は、99%が犬が占めています。
人から人への感染は通常無いですが、臓器移植による感染の例は存在します。


現代の日本で狂犬病ゼロなのは何故?

日本でも1950年の狂犬病予防法が制定されるまでは、狂犬病の発生がありました。
狂犬病予防法により、犬の登録や、狂犬病予防接種、野犬の管理・抑留の徹底を行いました。
それから7年間で日本での狂犬病発病はゼロになったと言われています。
いかに登録や狂犬病ワクチンの予防接種が大事かということが解ります。

ですが、「日本での」感染はゼロですが、日本で狂犬病で死亡した例はあります。
それは、海外旅行中に犬などに噛まれ、帰国後に発病し死亡した、というケースです。
2006年にも、36年ぶりとなる発症例が2例報告があります。
そのため「今」はゼロですが、危険はゼロでは無いという危機感を持つ事は大切です。


狂犬病予防のためには予防接種は必須!

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狂犬病の感染源は限られており、アジアでは殆どが犬が占めています。
そのため、犬の狂犬病発生を抑える事が一番の狂犬病予防と言えます。

そもそも、狂犬病予防法により犬への狂犬病ワクチンの予防接種は飼い主の義務だと定められています。
受けなくてはいけないものですので、日本という国で暮らしていく以上狂犬病ワクチンの予防接種は必須です。
法で定められた規則のため、予防接種の未接種、注射済票の未装着などがある場合は罰則の対象となります。


●狂犬病ワクチン接種をしなかった場合の罰則は?

狂犬病予防法により、自治体への犬の登録と狂犬病ワクチンの予防接種は飼い主の義務となっています。
違反した場合には罰則が設けられています。

◆人間(飼い主)への罰則

20万以下の罰金があります。
過去には狂犬病予防法違反容疑で書類送検や、逮捕の例もあります。

◆犬への処置

狂犬病予防法で定められている登録及び鑑札、注射済票の携帯、狂犬病ワクチンの予防接種を怠った犬に対しては取り決めがあります。
都道府県知事が指定した捕獲人を使用し、その犬を捕獲、抑留することができる、というものです。

その犬が狂犬病を発生した場合は、けい留、隔離の義務があります。
人命に危険があり、緊急かつやむを得ない場合には殺処分する事も法で妨げないと定められています。


狂犬病ワクチンに副作用はあるの?

・元気、食欲の消失
・消化器官の不調(下痢、嘔吐)
・アナフィラキシーショック
・アレルギー反応
など、狂犬病ワクチンの副作用症状も多数確認されており、中には死亡という報告もあります。
ただし、平成27年度に獣医師より報告された狂犬病ワクチンによる副作用の件数は18件となっており、混合ワクチンによる副作用よりも発症率が低いというレポートもあります。
ワクチンによる副作用には愛犬の体調も影響します。

狂犬病ワクチンの予防接種は、春に接種のお知らせが来る事から春にしなくてはいけないと思っている方が多いです。
ですが実際には、予防法では毎年一回の狂犬病ワクチンの予防接種が義務付けられているだけで時期については、必ず春に接種しなければならないわけではありません。愛犬の体調が悪い時には無理をせず、獣医師とよく相談の上ワクチンを接種するようにしましょう。
ですので、体調を考慮し時期を選ぶことは可能ですので、犬の健康チェックを欠かさない事が大事です。

持病がある、高齢など健康不安がある犬の場合は、獣医師により「狂犬病予防接種の猶予証明」が発行されます。


狂犬病ワクチンの予防接種率は?

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狂犬病ワクチンの予防接種は、日本で犬を飼う以上義務として定められているものです。
ですが、予防接種率は実際のところ高くはありません。
厚生労働省が行った調査では、平成27年度の犬の登録数は6,526,897匹、うち予防接種を受けている犬は4,688,240匹で、全国で71.8%の接種率です。
接種率には自治体によって差があり、一番接種率が高い長野県の92.4%に比べ、沖縄県は48.5%とほぼ半分という調査結果が出ています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

接種率の低下には、日本での犬の狂犬病発症が昭和31年以降に無く、過去の病気と判断している意識の低さにあります。
また完全室内飼いの犬が増えた事で、外界との接触が少ないため必要性を感じないのではないか、と言われています。


犬が他人を噛んでしまった場合

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平成26年度、犬による咬傷事故は4364件あったことが環境省の調査により判明しています。
飼い犬が人を噛んでしまった場合には、被害者の救護と再発防止措置に務めます。
それと同時に24時間以内に事故発生届書を自治体に提出する必要があります。
届出場所は最寄りの保健所、動物愛護相談センターなど自治体によって違いますので確認が必要です。

殆どの自治体では、動物愛護及び管理に関する条例を定めています。
東京都の場合は事故発生から48時間以内に、その犬の狂犬病の疑いの有無について獣医師に検診させなければならない、と決まっています。
獣医師はその旨を診断書に書き、自治体に届け出る必要があります。
狂犬病未接種の場合は、間隔を開けた上で狂犬病鑑定をする必要があります。
また、自治体が任命した狂犬病未接種の犬に対し抑留などの権限のある予防員から協力を要請された場合、獣医師には拒んではいけないことが狂犬病予防法で定められています。
義務とされていた狂犬病予防法に違反していた犬を、守ってくれる制度はありません。


狂犬病ワクチンでの予防接種は、愛犬を守るためのもの

狂犬病は、現在の日本での発生率はゼロです。
ですが、海外渡航中の罹患で国内で発症した人はゼロではありません。
爆発的に感染が拡大する恐れもゼロでは無いです。
狂犬病ワクチンの予防接種は、法で定められた義務でもありますが、何よりも愛犬を守るための方法のひとつです。
必ず毎年接種するようにしましょう。



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St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。

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