【獣医師監修】犬の鼻水の原因は?病気の可能性もある?

2019.07.18

【獣医師監修】犬の鼻水の原因は?病気の可能性もある?

犬の鼻は基本的に湿っているもの。愛犬家の方々にとっては周知の事実でしょう。しかし、ただ単に鼻が湿っているのではなく、明らかに鼻水を垂らしている子や、あまりに続くので気になっている…という飼い主さんも少なくないでしょう。 犬の鼻水の原因はなんなのか、病気の可能性があるのか、飼い主さんとしてはきちんと知識を得ておきたいですよね。鼻水の治療法も併せて紹介しますので、是非参考にしてみてください。

犬の鼻水の原因

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人間同様に、犬もくしゃみをしたり、鼻水を垂らしたりしていることがありますよね。人間の場合、風邪などの症状やアレルギーなどが原因で鼻水が出ることがほとんどですが、犬の場合はどうでしょう。

犬が鼻水を垂らす原因は、以下の2種類に大きく分けられます。

◆生理的要因による鼻水

一つ目に考えられる要因として、異物や寒さによって出てくる生理的な鼻水が挙げられます。

犬は、鼻で呼吸をする時に冷たい空気が肺に直接入らないように、鼻の奥で空気を一度温めてから肺へ送るという機能をもっています。この働きにより、鼻水を分泌する細胞が活性化するために、寒いと鼻水の量が増えるのです。

異物に関しては人間同様で、鼻の粘膜に異物・埃などが付くと、それを外へ排出しようと鼻水が多く出ます。

これらの生理的要因で出る鼻水は病気などではありませんが、日常生活を送る上で室内の温度管理や衛生管理を行うことをお勧めします。愛犬の飼育環境は適正温度や清潔を保つことが大切ですね。

ちなみに、愛犬の鼻の呼吸音が「プスプス」「ズーズー」など鼻詰まりを思わせる音をしている場合には、鼻の奥で何かしらの異常が起きている可能性があります。注意深く観察し、一度獣医さんに相談してみると安心ですね。

◆アレルギーや病気などの要因による鼻水

犬も風邪やアレルギーなどの炎症で、鼻の粘膜が敏感になります。この結果、鼻水の量が増えることとなるのです。

鼻は、喉・気管・副鼻腔などと繋がっているため、肺水腫・肺炎・副鼻腔炎のような液体が留まる病気の場合には、その液体が鼻水として出てくる場合もあります。更に、鼻の粘膜・眼のトラブルによっても、鼻水が多くなるケースもあるのです。

ちなみに、鼻水が出る特徴のあるウイルス、細菌による感染症には、風邪・犬ジステンパー・パラインフルエンザ・ケンネルコフ(伝染性咽頭気管支炎)などがあります。

鼻の中のできもの(腫瘍/ガン)が原因で炎症を起こすことでも、くしゃみ・鼻水・鼻血の症状が出ることもあるので、疑いがある場合は可能な限り早めに獣医さんに相談することをお勧めします。

鼻の腫瘍は、老犬に多くみられるとはいわれますが、若い成犬でもその可能性はあります。何らかの異変を感じた場合は、一度動物病院を受診してみてください。

そしてもう一点、歯周病が原因で鼻水が出るケースもあります。歯周病が悪化することで鼻腔炎を起こし、くしゃみ・鼻水・鼻血の症状が出る場合もあるのです。

異物の誤飲の際に鼻水が出ることもあるので、鼻水の病的要因には様々な種類があるといえます。

飼い主さん自身が原因の見極めをするのは、難しい場合もあるでしょう。気になることがあれば、病状の悪化を招く前に、獣医さんに相談するのが一番安心ですね。


こんな色の鼻水に要注意!

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鼻水の種類によっては、様子を見ても問題のないものと、病的な危険を伴うものがあります。

基本的に、さらさらした鼻水であれば、埃・異物などをくしゃみ・鼻水で排出しようとしている際に出るものであったり、鼻の炎症が比較的軽い状態の際に出る傾向があるといわれています。

ただし、何らかの病気を患っている場合には、炎症が悪化することでさらさらしていた鼻水に色や粘り気が出てくる可能性もあります。透明でさらさらした鼻水が出ている場合にも、注意深く愛犬の様子を見るようにしてくださいね。

愛犬の鼻から鼻水が垂れるほど出ていたり、鼻水に色がついていたりする場合には、病気の可能性があると思ってよいでしょう。

以下のような鼻水の色には、注意してください。

◆ピンク色の鼻水

呼吸障害が起きていたり、ピンク色の混ざった鼻水が出たりしている状態の場合、肺水腫の可能性が考えられます。空気と混ざって、泡のような鼻水となることもあるでしょう。

本来、空気が入っている部分に水が溜まる病気なので、愛犬に苦しそうな様子がみられると思います。正に溺れているような状態です。

呼吸の異常を併発する鼻水は、緊急性が高く危険な病気である可能性があります。すぐに動物病院を受診しましょう。

ちなみに、重度の肺炎の場合にも、類似した呼吸困難や鼻水が出るようです。

◆黄色や白い色の鼻水

愛犬に黄色や白っぽい色をした鼻水が確認できた場合、何らかの細菌・ウイルスに感染している可能性があります。

これらの状態は、侵入してきた細菌・ウイルスから守ろうと、身体が反応しているために起こります。白血球に敗れた細菌・ウイルスの死骸や、役目を終えた血しょうの色で、鼻水が白っぽい黄色の色となるのです。

この黄色・白い色の鼻水を垂らしたままで放置すると、愛犬の体調不良が悪化したり、蓄膿症を発症したりする可能性があります。蓄膿症は犬の場合、治療が難しいので、早めに処置することが重要となります。

◆緑色の鼻水

黄色・白っぽい色の鼻水が出る状態よりも、更にウイルスや細菌による症状が悪化・進行した場合に、緑色の鼻水がみられるようになります。

細菌・ウイルスの量が増えると、細菌の死骸や壊れた白血球が必然的に増加します。その結果、緑色の鼻水へと変わっていくのです。

また、粘り気がありドロッとした状態の緑色の鼻水や、臭いが強い鼻水が続いているのであれば、既に蓄膿症を発症している可能性が高まるでしょう。

◆茶色の鼻水

犬の鼻の粘膜から出血があった際に、鼻水が茶色になる場合があります。風邪などによって鼻の粘膜が弱まると、その粘膜の血管が普段よりも切れやすくなってしまうのです。

出血直後は赤い色をしていますが、時間の経過によって黒っぽい色に変わり、鼻水と混ざることで茶色の鼻水となります。

鼻の粘膜は切れやすく出血はしやすいのですが、その反面、回復は早く出血も止まりやすいです。基本的に茶色の鼻水が長い期間続くことはありません。

ただし、この色が長引くようであれば、副鼻腔炎・蓄膿症を発症している可能性が考えられます。茶色の鼻水が長引く場合には、一度動物病院を受診してみてください。


犬の鼻水の治療法

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◆原因や症状によって治療法は異なる!

紹介してきたように、犬の鼻水には様々な要因が考えられます。

生理的要因による鼻水であれば、飼育環境の室温管理・衛生保持によって、予防することができるでしょう。

動物病院での治療を必要とするのは、基本的に病的要因によるものです。鼻水が出る可能性のある病気にも種類があるので、まずは原因を見極めてからそれぞれの病気に対する治療法が決定されます。

例えば副鼻腔炎の場合は、原因となっている基礎疾患への治療が施されます。
鼻炎が原因であれば、抗生物質や抗真菌薬の投与が行われるでしょう。歯周病が原因の場合には、そちらの治療が優先されるようです。
犬に呼吸障害がみられる場合には、吸入器(ネブライザー)を用いて、鼻・喉などに薬剤を噴霧して炎症を抑えるでしょう。

蓄膿症を発症している場合は、外科手術によって、チューブなどを利用して溜まった膿を洗い流す処置がなされます。

腫瘍の可能性が疑われる際には、鼻の奥の検査を必要とします。この場合、全身麻酔でのCT検査となるのが通常です。腫瘍や異物の除去には外科的手術が必須となるでしょう。

ちなみに、鼻腔内の腫瘍は、鼻の長い犬種にできやすいといわれています。愛犬がマズルの長いタイプであれば、より注意してくださいね。

◆鼻水の放置は禁物!早期発見・早期治療を目指そう!

様々な原因によって出る可能性のある鼻水。飼い主さんが、原因を断定して一人で判断するのも正直危険なところです。病気が原因であれば、いち早く動物病院で獣医さんに診断してもらいましょうね。

様子をみても良い鼻水なのか…病気の可能性があるのか…迷った場合は、以下の項目が愛犬に当てはまるかチェックしてみましょう。

◎呼吸異常がみられる。(呼吸が荒い、苦しい様子をみせているなど)
◎鼻水に色や血が混ざっている。(ピンク・黄色・白・緑・茶色など)
◎鼻水が長引いたり、止まらない。

特にピンク色の鼻水と呼吸異常がみられる場合は要注意ですよ。サラサラした透明な鼻水であれば様子を見ても問題のないことはほとんどですが、後の症状が悪化するケースもあります。

普段から愛犬の様子をしっかりと観察しておき、身体に異変をきたした場合にはいち早く気付いてあげましょう。

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まとめ

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たかが鼻水…と思ってしまいがちですが、放置することで症状が悪化し、愛犬に辛い思いをさせてしまう可能性が秘められています。

生理的要因による鼻水であれば、紹介してきた通り、飼い主さんが適切な室温管理と掃除などによる衛生管理で予防することはある程度可能です。特に空気が乾燥する冬の季節は、埃っぽくなりがちですよね。花粉の舞う季節にも、お出掛けの際には花粉対策をすることが効果的でしょう。

しかし、病的要因を秘めている場合には、早めに獣医さんに相談することが勧められます。色の付いた鼻水が出ている場合は、拭き取った鼻水を病院へ持参したり、鼻水が出ている状態の写真や動画を見せたりするのも原因を絞るのに役立ちます。

鼻水に限ったことではありませんが、まず飼い主さんにできることとして、日常的に愛犬の健康状態をチェックしておくこと、普段の様子をきちんと観察しておくことが大切です。それが、早期発見・早期治療に繋がるでしょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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