環境の変化が多い春。ゴールデンレトリバーを飼う上で気を付けることは?

2019.12.16

環境の変化が多い春。ゴールデンレトリバーを飼う上で気を付けることは?

人懐っこい性格で愛され続けている「ゴールデンレトリバー」。 美しくゴージャスな黄金色の毛と穏やかな性格で、人気犬種2位、大型犬種ランキングでは1位に選ばれています。 とにかく家族に優しく、SNSでも小さな赤ちゃんや猫と仲良く暮らしているゴールデンレトリバーをよく見かけます。 外で走り回ったり遊ぶことも大好きで活発な性格なのですが、あの大きな体からは想像し難い、実はものすごく寂しがり屋な一面も。 ゴールデンレトリバーのデリケートな性格と、生活の変化が起きやすい春に気を付けておきたいことをご紹介します。

ゴールデンレトリバーの特徴や性格

◆歴史

「ゴールデンレトリバー」という名前は、直訳すると「黄金色の獲物を回収する犬」です。
レトリバーとは英語の「retrieve(レトリーブ):回収する」という意味で、猟師が仕留めた獲物を回収する役目があったことから「レトリバー」と呼ばれるようになりました。
ゴールデンはそのまま毛色からとった名前で、以前は「イエローレトリバー」と呼ばれることもありました。
ちなみに、見た目や名前が似ている「ラブラドールレトリバー」は同じく猟で活躍していましたが、ゴールデンレトリバーとは親戚関係にあたるわけではなく、カナダのラブラドル地方が由来して「ラブラドールレトリバー」と呼ばれるようになったのです。

実は、ゴールデンレトリバーの起源ははっきりとわかっておらず、小型のニューファンドランドとウェイビーコーテッドレトリバーの交配により誕生したといわれています。
その黄色い毛の犬をした「ヌー」という犬をスコットランドのダッドリー・マシューバンクス伯爵が購入し、ツウィードウォータースパニエルと交配し、その後もさまざまな種と交配を重ねて、19世紀末頃には現在のゴールデンレトリバーに近い形となっていきました。

●あわせて読みたい
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーって何が違うの?

大きな犬の代表格とも言える「ラブラドール」と「ゴールデンレトリバー」。 パッと見たときの体の大きさや表情はとても良く似ていると思う方は多いでしょう。それに「レトリバー」と名前にあるので、 親戚のようなものだろう…と考えてもしまいますよね。よく似ている「ラブラドール」と「ゴールデンレトリバー」ですが、 実は全く異なる犬種。 この記事では、それぞれの特徴や歴史、性格などを交えながら、その違いについてまとめてみたいと思います。

記事はコチラボタン

◆種類

ゴールデンレトリバーのイギリスタイプとアメリカタイプ

ゴールデンレトリバーには2種類存在します。
薄めのゴールドやクリームなど、白っぽい色をした「イギリスタイプ」と、赤に近い茶色など濃い目の毛色をした「アメリカタイプ」です。
イギリスタイプは骨太でがっしりとしていて、瞳や鼻の色が黒く、マズルは短めです。
アメリカタイプに比べて毛が短くウェーブがかかっていることが多いです。
アメリカタイプはイギリスタイプに比べてすらりとした体型で、マズルは長め、全体的にスタイリッシュな雰囲気が特徴的です。
瞳や鼻の色は茶色く、毛は柔らかいストレートで、イギリスタイプとは対照的なイメージです。
この2種類のはっきりとしたルーツはわかっていないのですが、ダッドリー・マシューバンクス伯爵によって生み出され、イギリスで人気を博した後、1890年代にアメリカやカナダへ持ち込まれ、アメリカタイプが誕生したのではないかという説もあります。
一般的に白っぽい毛色はイギリスで好まれ、濃い目の茶色い毛はアメリカでの人気が高いようです。

◆性格

ゴールデンレトリバーの性格はご存知の通り、一言で言って「穏やか」です。
猟で活躍していたこともあり、飼主に忠実で、人と一緒に働くことが大好きな犬種です。
他の犬種や動物とも友好的なので、多頭飼いや小さなお子さんがいる家庭にもおすすめできます。
また、レトリバー種は基本的に大変賢く、訓練性能が高いので盲導犬や介助犬として活躍することでも知られています。
人の言葉をよく理解することができ、人の役に立ちたいと思う気持ちが強いので、忠実に行動することができるのです。
ただし、人懐っこいことが魅力でもあるのですが、攻撃性がほとんどない犬種なので番犬にはあまり向いているとは言い難い性格です。
また、人と過ごすことが何より大好きなので一人でのお留守番もあまり得意ではありません。
普段は攻撃性が少ないのですが、あまりにも精神的にストレスを感じすぎると、物を壊そうとしてしまったり思わぬ行動に出ることも考えられるので注意が必要です。
なるべく一緒に過ごすようにして、長時間家を空けることが少ない方が望ましいですね。
基本的には大人しく、知的なイメージもあるレトリバー種ですが、中でもゴールデンレトリバーは他に比べて精神的にやや幼い傾向にあり、はしゃいだり興奮したりすることもあるので可愛らしい一面を見ることもできます。


ゴールデンレトリバーは環境の変化が苦手?

ゴールデンレトリバー 春

ゴールデンレトリバーの性格を見るとわかるように、大きくてどっしりとした体にしては意外なデリケートな一面もあるのです。
そのため、「変化」にはなるべく注意した方がいいことがあります。
特に春は世間的に変化が多い季節です。
人間でも新しい環境に馴染むのに時間がかかったり、3月や4月は人の入れ替わりが激しくなって身の回りの環境が変わることに戸惑うことがあります。
それは犬にとっても同じで、特にゴールデンレトリバーは穏やかな性格だからこそ環境の変化を受け入れるのに時間がかかってしまったりするのです。

ちなみに、ゴールデンレトリバーと似ているラブラドールレトリバーは、同じように頭がよく人懐っこい性格ですが、ゴールデンレトリバーに比べると少し大人っぽいイメージを持つ人が多いようです。
盲導犬の印象が強いラブラドールレトリバーは、人のために働くことに喜びを感じています。
人に寄り添って、自分で判断することを得意としているのであまりゴールデンレトリバーのように環境の変化に戸惑うということも少ないのです。
より穏やかな性格で寂しがり屋のゴールデンレトリバーの方が幼く見えてしまうのかもしれませんね。

◆気温

春は寒い冬から気温がだいぶ上がって過ごしやすくなってきますね。
季節の変わり目は体調を崩しやすいといわれることもありますが、ゴールデンレトリバーは基本的に体が丈夫な子が多く、気温の変化には強い犬種です。
春のあたたかな気温はゴールデンレトリバーにとっても気持ちがいいものなので、たくさん外で遊ぶ機会を作ってあげましょう。
ただし、高齢な場合や体調が悪そうな場合、子犬の時期など免疫力が低い時期は注意が必要です。
また、人間と同様、朝晩の気温の変化には注意が必要なので、毛布や布団の準備をしっかりとおこなってあげましょう。
気温の感じ方にはもちろん個体差があるので、様子を見ながら温度調整などをしてあげてください。

◆引っ越し

春は新生活の季節。
新年度・新学期も始まり、引っ越しをするいいタイミングでもありますよね。
人間の目線で見ると心機一転して気持ちがいいものでもありますが、ゴールデンレトリバーにとっては気持ちの整理が追い付かないこともあるのです。
自分の匂いがついたものがなくなってしまったり、それまで見ていたものがすっかりなくなってしまうと、知らない場所に感じてしまいます。
なるべく匂いが残っているものを一緒に持っていくことで、なるべく早く慣れてもらえるように工夫してみましょう。
元々、一人でのお留守番はあまり得意ではないので、特に引っ越ししたての時期は新しいお家に慣れるまで一緒に過ごす時間を多めにとってあげた方がよいかもしれません。

◆家族の変化

ゴールデンレトリバーはとにかく人が大好きなので、家族がいなくなってしまうことが最大のストレスになってしまいます。
学校や仕事などで変化が起きやすい春は、家族にも変化が起きることが多いですよね。
例えば、卒業や入学がきっかけで家を出たり、仕事の異動などの関係で単身赴任になったりすることもあるかと思います。
家族が減ってしまったり、反対に新しく家族が生まれたり同居犬が増える時、デリケートな性格のゴールデンレトリバーはストレスを抱えてしまうかもしれません。
家族が増えることは嬉しいことですし、減ってしまうことは寂しいですが連れて行くことも難しいと思うので、これから一緒に過ごす家族みんなで精一杯の愛情を注いであげてください。
本来、ゴールデンレトリバーは大変頭がよく、人が大好きなので家族が愛情を注いでたくさん遊んで絆を深めていけば、じきに新しい家族の形にも慣れていくはずです。


解消するためにできること

ゴールデンレトリバーの寂しがり屋な一面は可愛らしく、家族が愛されている証拠でもありますが、できればストレスを抱えないように解消してあげたいところです。
ゴールデンレトリバーに限らず、ワンちゃんは強いストレスを感じすぎると、食欲がなくなったり下痢や皮膚病を引き起こしてしまうことがあります。
環境が変わって、何か症状を起こしていないかこまめにチェックしてあげましょう。

環境の変化によるストレスを解消してあげるためには、子犬のうちから慣れさせることが最も効果的です。
獣医さんから散歩の許可が出れば歩かせて大丈夫なのですが、子犬は初めての外に戸惑ってなかなか歩けずにいたり、不安そうにしてしまうことがあるかもしれません。
そんな時は抱っこして歩くのも、最初のうちはOKです。
とにかく環境に慣れることが大切なので、知らない景色を見たり、外の空気を感じさせてあげましょう。
元々デリケートなゴールデンレトリバーの性格を否定するのではなく、ゆっくり自分のペースで環境に慣れていけるようサポートしてあげることが大切なのです。

また、ゴールデンレトリバーの家での居場所は室内にしてあげましょう。
体が大きいのである程度の広さが必要にはなりますが、外で長時間過ごすことは寂しがり屋のゴールデンレトリバーにとっては苦痛でしかありません。
外飼いする場合は十分な広さと、家族の顔が常に見える場所であることが必須条件となります。
ゴールデンレトリバーは走り回ったり泳いだりすることが大好きなので、休日は広い公園や川など、家族と思い切り体を動かして遊べる場所に連れて行くと喜んでくれそうです。


性格は個体さまざま。飼う上で気を付けたいこと

ゴールデンレトリバー性格は個体様々

◆しつけ

ゴールデンレトリバーの性格は男の子と女の子でも違いが出るといわれていて、男の子は我慢強く活発な子が多く、女の子はよりおっとりしていて、面倒見が多い子が多いようです。
特にその性格を求める人は性別で選んでみるのもいいかもしれません。
もちろん、子犬の頃からのしつけや環境が大きく関係するので、一緒に過ごす人を覚えさせたり悪いことをした時はきちんと叱ることが大切です。
ゴールデンレトリバーは一般的にデリケートな性格と言われていますが、もちろん性格は個体さまざまなので、それぞれに合ったしつけ方を見つけていきましょう。

◆ブラッシング

ゴールデンレトリバーの美しい被毛を保つためには毎日のブラッシングが必要です。
毛足が長いので、毛玉ができてしまったり、絡まってしまいやすいのでこまめなお手入れをしてあげましょう。
毎日おこなう分、皮膚には優しい獣毛ブラシなどとコームを使い分け、余分な毛が皮膚に残ってしまっていると湿気や熱がこもりやすいので、きちんと最後まで丁寧におこなうことが大切です。

◆毎日の運動

ゴールデンレトリバーは元々体が大きく、太りやすい性質だといわれているので、きちんとした食事管理と毎日の運動は欠かせません。
毎日朝夕に1回ずつ、小1時間程度じっくり歩いて、公園などでボールやフリスビーを使った遊びをするのも効果的です。


愛らしいゴールデンレトリバーと暮らすために

ゴールデンレトリバーは賢く活発な子ですが、寂しがり屋で少し幼い一面も持つ愛されキャラの犬種です。
家族のことは大切にしてくれるタイプなので、一緒に過ごす時間を大切に、お互いに深く愛情を注げることが理想的です。
もちろん性格は個体さまざまですが、ゴールデンレトリバーの性格や性質を理解して、ストレスを与えすぎないようにできるか、時間をたくさん作れるかなど今一度考えてみると良いですね。
たくさんの時間を一緒に過ごして絆を深め、人懐っこく愛くるしいゴールデンレトリバーに癒してもらいましょう。



– おすすめ記事 –

・ゴールデンレトリバーは性格までかわいい?
・ゴールデンレトリバーの寿命の最長は何年?やっておきたい健康法とは
・ゴールデンレトリバーの子犬を飼いたい!準備しておきたいわんちゃんグッズをご紹介
・優しく天真爛漫な大型犬、ゴールデンレトリバーのかわいさにせまる!


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


記事に関するお問い合わせはこちら