しつけやすいから大丈夫。フレンチブルドッグの噛み癖について。

2020.02.24

しつけやすいから大丈夫。フレンチブルドッグの噛み癖について。

フレンチブルドッグのお茶目な仕草には、思わず笑顔がこぼれます。 ただ、思いのほか力強く、噛み癖が気になるところ…。 学習能力が高めでしつけやすいフレンチブルドッグの「噛み癖」についてまとめてみました。

【目次】
1.フレンチブルドッグの体の特徴
 1-1.筋肉質で安定したボディ
 1-2.丸くて大きめな頭と離れた目
 1-3.短めの足とプリッとしたお尻
 1-4.しっかりした顎の持ち主

2.フレンチブルドッグの噛み癖のこと
 2-1.筋肉質なのでパワーがある犬種
 2-2.どうして噛むの…?フレンチブルドッグの「噛む理由」に迫る
 2-3.犬の噛み癖を直した方がよい理由とは

3.子犬期の甘噛みは放置せずに「しつけ」で改善しよう

4.噛み癖にしないための「しつけ」で注意すべきポイント
 4-1.その1:社会性を身につけよう
 4-2.その2:ストレスが溜まっていないかチェックしよう
 4-3.その3:体調が悪くないか気にしよう

5.フレンチブルドッグはしつけがしやすい犬種
 5-1.しつけポイント①:飼い主さんのリーダー性をアピール
 5-2.しつけポイント②:オモチャだけを噛ませる
 5-3.しつけポイント③:体罰でのコントロールはNG

6.まとめ

フレンチブルドッグの体の特徴

フレンチブルドッグ

まずは、フレンチブルドッグの体の特徴から見ていきましょう。

◆筋肉質で安定したボディ

体の筋肉が発達しているので、全体的に安定感があるフレンチブルドッグ。
丸みを帯びた体型で、ガッチリ体型ながらにも愛嬌も持ち合わせています。

◆丸くて大きめな頭と離れた目

フレンチブルドッグは、頭が少し大きめです。
鼻が短いため、横から見ても丸い感じが印象的に見えるでしょう。
また、幅広の顔のため、目が少し離れているのも特徴です。

◆短めの足とプリッとしたお尻

前から見ると幅広で厚い胸、そして短いながらにも筋肉質の足がついています。
前足の方がやや短いため、腰からお尻にかけて持ち上がったスタイルに見えるかもしれませんね。
後ろから見ると「プリッと」丸いお尻が印象的です。

◆しっかりした顎の持ち主

フレンチブルドッグの顎は、結構しっかりしています。
頭部の大きさに比例して、口元も大きく感じますね。


フレンチブルドッグの噛み癖のこと

基本的には穏やかなフレンチブルドッグですが、パワーがある犬種のため、噛み癖には注意しなければいけません。

◆筋肉質なのでパワーがある犬種

フレンチブルドッグは、全体的に筋肉質で「たくましい」「がっしり」「骨太」という表現がぴったりの体つきで、体育会系の雰囲気が満載。
ただ、内面は見た目とは少し違い、基本的に大らかで優しく、甘えん坊です。
人間に対して友好的な性格のコも多いので、一緒に遊んだり触れ合ったりもこなせるでしょう。

ただ、注意したいのは、「力強さ」です。
発達した筋肉により、パワーが溢れています。
ワンちゃん自身は意識していなくても、ふとした瞬間に力が入ることも。
散歩のときに「走りたい~」と走ったフレンチブルドッグに、急に引っ張られる形になるかもしれません。
顎も強靭なので、噛む力も強く感じるでしょう。
遊びのつもりで人間の手に噛みつき、それがケガに繋がることも考えらえます。

◆どうして噛むの…?フレンチブルドッグの「噛む理由」に迫る

フレンチブルドッグの噛む理由

犬が噛むことには、何かしらの理由があります。
その理由をおさえておきましょう。

・噛む理由①:動物的本能で噛む

今でこそ、人間社会で「ペット」として生きている犬たちですが、かつては自然界で多種多用の動物たちと共存していました。
誰かがエサを用意してくれるわけではないため、生きている動物をターゲットに狩猟して食べるしかありません。

「歯で噛む」のは、犬にとっての最大の武器となると同時に、安全なものを見分けるために歯で噛んで選別することもあります。
本能的に、何かを噛んだりするのは、過去の名残と言えるでしょう。

また、フレンチブルドッグという名前からもイメージできるように、祖先を辿ると闘犬であるブルドッグがいます。
「闘わせる」を目的に繁殖されたブルドッグの血に、家庭犬にできるように穏やかな犬種を混ぜ、見た目がワイルドなのに性格がおっとりしたフレンチブルドッグが生まれたという歴史があります。

そのため、基本的には落ち着いて穏やかですが、犬種としては深い部分に闘犬としての血統が混ざっています。
育つ環境や個体差にもよりますが、ときどきは少し意固地な部分を見せるかもしれません。
それが、「噛む」という行動に繋がっていることもあります。

・噛む理由②:歯で確認している、甘えている、遊んでいる

子犬は、「これは何だろう?」という確認の意味で何かを噛むことがあります。
また、コミュニケーションのひとつとして、「もっと遊んでよ」と飼い主さんの手を噛むこともあるでしょう。

こんなときには、自分の幸せで楽しい感情を噛むことで表現しているのかもしれませんね。

・噛む理由③:自分を守る

甘えで噛んでいるときは、いわゆる「甘噛み」というもので、それほど力が強くないかもしれません。
ただ、防衛本能が働いて噛むケースは、甘噛みと比べると力も強く、ケガのリスクがあります。
撫でられるのが嫌いな性格のコにいきなり撫でようとすると「何するの!?」とガブッとされることもあるでしょう。

また、無防備で寝ているときに不意に近づくと「こっちに来るな!」と怒って噛もうと応戦体勢になることも。
こんなときは、自分を守ろうと必死なので、フレンチブルドッグの力強さもMAX。
危険なので気をつけなければなりません。

◆犬の噛み癖を直した方がよい理由とは

野生社会で暮らす分には、噛むことは生きるために必要不可欠な行動です。
しかし、人間社会では「噛む」ことは危険な行動として捉えられてしまいます。

「散歩に行く」「動物病院に行く」と、飼い主さん以外の人と交流するタイミングは日常的です。
犬が好きな人はもちろん、犬が苦手な人もたくさんいる人間社会。
そんななかでは、「噛む」という行動ひとつで、「危険な犬」と判断され、愛犬が生きづらくなってしまいます。
幸せにしたくて迎えた愛犬が、社会的に敬遠されるのは悲しいことですよね。
人間社会で幸せに生きるためには、本格的に噛み癖となる前に、直してあげましょう。


子犬期の甘噛みは放置せずに「しつけ」で改善しよう

子犬の頃には、一般的に「攻撃的に噛む」よりも、「甘えて噛む」というケースが多いかもしれませんね。
特に、フレンチブルドッグは好奇心旺盛で人間とじゃれるのが大好きで、飼い主さんに対して「遊んでよ♪」「撫でて~!」「飼い主さん、好き~!」という甘えモードの時間のなかで、甘噛みをすることもあります。
ちょっとおっとりした表情で、ガジガジと噛みついてくるところを見ると「甘えているのだから仕方がない」とデレデレしながら放置しそうになるものですよね。

しかし、体や力が成長を続けていく段階で、「噛むのはNG」をしつけなければ、本気噛みにより、いろんなトラブルのリスクが出てきます。
甘噛みのうちに、「噛んではいけない」としつけていきましょう。


噛み癖にしないための「しつけ」で注意すべきポイント

噛む行動は、犬にとって本能的なものです。
人間の都合で一方的に止めさせるのではなく、しつけによって「噛むのはよくない」を教えてあげることが大事です。
噛み癖に発展しないように、しつけで注意すべき点を見ていきましょう。

◆その1:社会性を身につけよう

「これは何?!」といった好奇心や、「止めて欲しい」という防御心は、社会性が不足していると起こりやすいです。
それが、噛むという行動に繋がりやすいです。
そのため、社会性を深めるために、毎日の生活でいろんな経験をさせることが大事。

「飼い主さん以外の人も安心できる」「噛んで攻撃するのは悪いこと」をさまざまな行動を通して学習させましょう。
社会性は、年齢が低いほどに身に付きやすいものです。
トレーニングは、子犬の頃から始めましょう。

◆その2:ストレスが溜まっていないかチェックしよう

「暇だな~」「誰も構ってくれないな~」というストレスから、噛む行動に繋がることもあります。
フレンチブルドッグは、家族との距離が近く、甘えん坊な性格です。
コミュニケーションや散歩、スキンシップが足りないと、孤独感からストレスを溜め、それが噛む行動に繋がることも考えられます。

◆その3:体調が悪くないか気にしよう

「撫でようとしたらいきなりガブッ」、いつもは撫でさせてくれるのに何故…というケースもあるかもしれません。
そんなときは、体調が悪くて「痛いところを触られたくない」という表われのことも。
普段噛まない犬が噛んでくるときは、体調が悪くないか様子を見てみましょう。


フレンチブルドッグはしつけがしやすい犬種

力が強いと聞くと、フレンチブルドッグの噛み癖のしつけにナーバスになるかもしれません。
しかし、前述したように、フレンチブルドッグは、基本的には大らかで穏やかなワンちゃんです。
しかも学習能力が高いため、飼い主さんが意欲的にしつけていくと、いろいろと覚えてくれるかと思います。
成犬になってからでもしつけはできますが、吸収力が高い子犬の頃から行うとより効果的です。

◆しつけポイント①:飼い主さんのリーダー性をアピール

フレンチブルドッグは、愛情に溢れているワンちゃんです。
飼い主さんのことは大好きで、「一緒にいれることが嬉しい」「飼い主さんが喜んでいると自分も楽しい」と、スキンシップも好みます。
基本的に忠実な犬種ですが、大事なのは「愛情」です。

よく「主従関係を築く」と耳にしますが、一方的に命令される厳しいだけの関係では、フレンチブルドッグは嫌悪感を示すようになります。
一見、指示に従っているように見えてもワンちゃん的には「無理に応じている」だけかもしれません。
最終的に「この人は怖い」と感じると、防衛本能から強い力で噛もうとすることも。

本来、フレンチブルドッグは愛情深い犬です。
愛情によって築かれた主従関係なら、「指示される」「教えてもらう」というトレーニングに対し、意欲を発揮します。
飼い主さんは、犬にとっての「リーダー」「親」「安心できる家族」となってあげてくださいね。

◆しつけポイント②:オモチャだけを噛ませる

「噛む」という行動を100%禁じてしまうと、ワンちゃん的には本能を出せずにストレスになるでしょう。
それに、子犬時期には歯の生え変わりのため、歯のかゆみやウズウズする違和感を解消したいがために「噛む」ということもあります。

人間の手を噛まないまでも、クッションやぬいぐるみ、テレビのリモコンを噛んでしまうかもしれません。
噛んでいるうちに、中から出てきた綿を飲み込んでしまうと大変ですし、プラスチックの破片によって口中をケガするかもしれません。
ボールやロープなどの犬用おもちゃなら、安全に噛むことができます。

それでも誤飲のリスクはあるかもしれません。
素材やデザインに注意しつつ、「噛ませる用」のアイテムを準備してくださいね。
犬にとっての噛む行動は普通のことと理解し、そのうえで「噛んではいけないもの」を教えていきましょう。

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◆しつけポイント③:体罰でのコントロールはNG

甘噛みで甘えられるととても可愛らしいですよね。
でも、先にも述べましたが、フレンチブルドッグは思いのほか力が強いです。
「甘噛みだから」と油断すると、いつの間にか流血するリスクもあります。
子犬の甘噛みの時期に、「噛むのはダメだよ」と矯正できるのが理想です。

叱るときに注意したいのが「叩かない」ことです。
体罰でねじ伏せるのは、犬側に恐怖心をもたせるだけです。
結果的に、それまで築き上げた主従関係が崩れる可能性も考えられます。

噛む行動をコントロールするには、愛犬がビクッと驚くような一喝した「ダメ!」「イケナイ!」という言葉が効果的です。
ビー玉を入れた空き缶、キーンと響くような金属音など鳴り物を準備するのも、対策のひとつです。
飼い主さんの手や足を噛んできたら、言葉や音でビックリさせます。

噛むのを止められたら、高いトーンの声で褒めてあげ、「噛む⇒叱られる⇒ビックリしちゃう」「噛まない⇒飼い主さんが褒めてくれる⇒嬉しい」と関連付けて学習させましょう。

フレンチブルドッグの持ち前の賢さも手伝って、繰り返していくと覚えてくれるようになるでしょう。


まとめ

フレンチブルドッグは、飼い主さんに忠実で優しいワンちゃんです。
おどけた仕草や愛嬌のある表情がかわいいですが、パワーがある犬種のため、噛み癖に発展しないようなしつけが重要です。
根気よさが求められるしつけやトレーニングは、難しそうに感じるかもしれません。
ただ、基本的には頭が良い犬種なので、愛情を持ってしつければ「飼い主さんに従おう」とトレーニングもスムーズです。

まずは、噛む行為について知識をもつことが大事。
そして、愛犬の気持ちに寄り添いながら、「噛むことはいけないこと」をじっくり教えていきましょう。
大事な愛犬が、快適に気持ちよく生活できるように、飼い主さんの愛情のあるしつけが重要です。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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