犬のトイレの回数は1日に何回が普通?普段より増えた・減った時の原因は?

2020.08.09

犬のトイレの回数は1日に何回が普通?普段より増えた・減った時の原因は?

飼い主の皆さんは、愛犬の平均的なトイレの回数を把握していますか?飼育環境や個体差によっても変動する犬のトイレの回数ですが、愛犬の健康状態を知るためにはその平均的な回数を知っておく必要があります。最近、愛犬のトイレの回数が減った、または増えたと感じるようであれば、そこには何らかの原因が潜んでいるかもしれません。今回は犬のトイレの平均的な回数や、それが増減する理由について紹介していきましょう。

【掲載:2017.06.20  更新:2020.05.01】

健康な犬のトイレ回数は1日何回?

犬のトイレの回数

年齢・飼育環境(室内・屋外飼い)・健康状態などによって、1日の犬のトイレの回数には差がでます。
愛犬が健康な状態である時に、どれくらいおしっこやうんちをするのか、排泄の頻度をしっかり理解しておくことが大切なのです。
1日の排泄回数を把握しておくと愛犬の身体の異常にいち早く気付ける場合があるので、まずは愛犬の普段のトイレ回数をチェックしてみましょう。
あくまで目安となりますが、平均的な排尿・排便回数を紹介していきますので、普段のトイレ回数と照らし合わせてみてください。

◆子犬のおしっこの回数

子犬の時期は、成犬よりもおしっこの間隔が短いためにトイレの頻度は多くなります。特に生後半年未満の子犬であれば、膀胱が成長途中であることから、溜められる尿量が少ないのです。
子犬の月齢+1という式を覚えておきましょう。これが、子犬の頃の排泄頻度の目安となります。
例えば、3か月の子犬であれば「3+1=4」という数字が出ます。つまり4時間に1度、1日24時間のうちに平均6回程度おしっこをする計算となります。

生後半年を過ぎてくると少し排泄回数が減り、1日5回程度に定まってくることが多いです。おしっこをするタイミングも大体決まってくるので、トイレトレーニングもしやすくなってきます。
このころになるとワンちゃんによっては、散歩時に済ませるだけになるケースもみられます。
このように、生後半年頃から少しずつトイレの回数は減っていきますが、排泄器官は未だ成長途中ですし、回数はあくまで目安です。
飲水量が多くなった日は、4時間が経過する前におしっこをする場合ももちろんありますので、愛犬のトイレをしっかり見守ってくださいね。

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◆成犬のおしっこの回数

個体差はありますが成犬となるとおしっこの頻度は1日3~5回程度が目安の回数となるでしょう。
膀胱の機能ができあがることで、おしっこを十分に溜められるようになります。
ワンちゃんによっては、1日2回の散歩時にのみおしっこをするというケースもあるでしょう。犬種や犬の体格、習慣によっても、排泄回数には差が生じます。
基本的に、身体の成長と共に消化器官も強くなっているため、体内リズムが定まってきており、体調的にも一番安定している時期だといえるでしょう。

◆老犬のおしっこの回数

愛犬がシニア期に入ると、加齢により若い頃よりもおしっこの回数が増加します。
主に原因として挙げられるのは、膀胱・腎臓など泌尿器系の機能低下です。摂取する水分量が多くなることも一因となります。

犬は10歳を超えると、身体の機能弱体化が特に目立つようになるといわれています。
おしっこを十分に溜められなくなったり、トイレに間に合わずに漏らしてしまうケースも増えてくるでしょう。また1回でおしっこを出し切れないことで、粗相につながる場合もあります。
シニア期に入った愛犬に粗相が増えたと感じたら、それは飼い主さんの手助けが必要な時期がきたということかもしれませんね。
愛犬のトイレのタイミングをしっかり把握しておき、トイレを我慢しなくて済むように、失敗して気落ちさせないように配慮してあげましょう。飼い主さんがトイレを促してあげること、付き添ってあげることをおすすめします。

◆子犬のうんちの回数

子犬の時期は1日に5~6回程うんちをします。多いのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、これもおしっこと同様に、長く溜めることができないというのが主な理由のため、心配する必要はありません。
また消化吸収率の悪さや、消化器官の弱さといった身体の未成熟さから、お腹が緩くなりやすいことも要因の一つとなります。
うんち1回の量は少量ですが排便頻度は高いので、踏んでしまう、食べてしまうといった問題が起こりがちです。
この時期にトイレトレーニングを行い、成犬になってから困らないようにしておきましょう。

◆成犬のうんちの回数

成犬となると、うんちの回数は1~2回程となるケースがほとんどでしょう。
おしっこと同様に、体内リズムが整ってきますし、散歩中に済ませるワンちゃんも多いと思われます。散歩の回数によって、排便回数に差が出る場合もあります。

◆老犬のうんちの回数

老犬のうんちの回数は、1日に1回程と、子犬・成犬期に比べて回数が減少します。これは、うんちをしたくても出ない、踏ん張る力が足りなくて排便できない、といった理由が要因となるケースが多いためです。
愛犬がシニア期に入ったら、1日1回は排便できているかを、しっかりチェックしてください。うんちが出ない日が何日も続く場合、病気が原因となっている可能性もあるのです。単なる便秘と思い込まずに、一度獣医師さんに相談してみましょう。早期発見が愛犬の健康を守るカギとなります。
現代ではシニアの身体に合わせたドッグフードも多種多様に販売されています。食物繊維が多く含まれているサポート機能を持つものもありますので、便秘が気になるようであれば試してみるとよいでしょう。

📌【おすすめ記事】【獣医師監修】多い・少ない?犬のウンチの回数や状態でわかる健康状態


犬のトイレ回数が増える理由

犬のおしっこ

愛犬が頻尿気味、トイレの回数が明らかに増えているといった場合、そこには何らかの理由が潜んでいます。
身体の不調を示していたり、病気のサイン・症状の一つであるケースも十分考えられるのです。

◆病気が原因

膀胱の筋肉の機能が低下することによって、収縮できにくくなる、膨らまなくなることから、尿を溜めることができなくなるために頻尿となります。
また、膀胱炎を発症し排尿時に痛みが伴う場合、この痛みによって少量ずつしか排泄できなくなることがおしっこの回数が増える原因となるケースもあります。
特にメス犬の場合は尿道が短いので、陰部から細菌が入りやすいです。膀胱の細菌感染症を起こしやすいので注意しましょう。
また、メスの場合は子宮蓄膿症が原因で尿量が増えたりトイレに行く回数が頻繁になることがあります。避妊手術をしていないメスは要注意です。

📌【おすすめ記事】【獣医師監修】メス犬は要注意!子宮蓄膿症の症状・原因・治療法

◆オス犬のマーキング

病気ではなく、性別によっておしっこの回数にも差が出る場合があります。
散歩中にマーキングをするのが犬の習性の一つですが、これはメス犬と比べオス犬のケースがほとんどです。
これは去勢手術の有無に関わらず、あまり変化の起こらない習性といわれています。
自分のテリトリー内で他の犬のニオイを感じたら、すかさずマーキングをして自身のテリトリーを主張するワンちゃんは多いですよね。
愛犬がマーキングをする回数が多い場合、必然的に平均的な1日のオシッコ回数との差は出ると考えておきましょう。

◆食事内容による変化

栄養バランスの悪いドッグフードやおやつを与えていることが原因で、うんちの量が増える場合もあります。
健康的なうんちではなく、消化不良の状態で排便回数が増えているようであれば、愛犬の身体にフードが合っておらず、腸に大きな負担がかかっているのかもしれません。
この場合は、与えるドッグフードの見直しをおすすめします。


犬のトイレ回数が減る理由

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トイレの回数が減る、少ない場合にも体調不良や病気が理由として潜んでいる可能性があります。
頻尿とは反対に尿が出ないケースでは、どのような原因が考えられるのかチェックしていきましょう。

◆腫瘍や結石などの病気が原因

排尿姿勢をとっても尿が出ない場合、膀胱から尿道口までに、腫瘍・結石などの障害があることが考えられます。
膀胱内にできた結石が尿道に入り詰まる場合もありますが、これは特に尿道が細くて長いオス犬によく見られます。
結石ができている場合は、血尿によりおしっこが赤みがかっていることがありますのでトイレシーツを確認してください。

📌【おすすめ記事】【獣医師監修】愛犬が血尿をしたとき考えられる病気は?血尿をしやすい犬の特徴

また、骨盤付近の筋肉が弱まることで隙間ができると、そこから膀胱が腹腔外に飛び出してしまうこともあります。この場合、尿道が異常な方向に曲がる、細い隙間で尿道が圧迫されるなどの状態によって排尿できなります。
さらにオス犬の場合は、前立腺が腫瘍などで大きくなってしまい、尿道が圧迫されることで排尿に影響を及ぼすケースも考えられるでしょう。
前立腺の他にも、膀胱・尿道内、もしくは外に腫瘍ができた場合も、尿道を塞いで尿が出にくくなることもあります。

排尿姿勢すら取らない場合は、膀胱の筋肉の収縮機能不全が起きていることが考えられます。それでも、尿は膀胱に溜め続けられるので、膀胱が尿でいっぱいになると尿漏れに繋がるのです。
脳・脊髄の病気や外傷によって中枢神経の損傷が起きている場合は、膀胱に尿が溜まっていても、排尿の指令が伝わらずに膀胱が収縮しなくなります。

おしっこの姿勢をとっても尿がでにくい場合、すぐに動物病院で診察してもらうことをおすすめします。
前述したように下部尿路の疾患や腎臓病をはじめとした重大な病気が潜んでいる可能性もあります。早期発見することでワンちゃんの痛みを取り除くことが可能になります。
泌尿器関連の病気の場合、基本的に尿検査が行われると思いますので、検尿の準備もしておくと安心です。

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◆トイレが汚れている

愛犬のトイレの回数が減る原因が体調不良や病気以外のところにある場合も考えられます。
それは、トイレの汚れです。

犬は基本的にきれい好きな動物です。自分のトイレが汚れていることが原因で、おしっこやうんちを我慢してしまい排泄回数が減ってしまうケースがあります。
トイレトレーニングが身についておりトイレの場所を理解できているのに排泄してくれない場合は、トイレスペースの汚れが放置されていないか、ペットシーツの交換がされているかどうか確認してください。

トイレの汚れが原因で排泄を我慢してしまうワンちゃんはトイレシートをこまめに交換する、トイレスペースを清潔に保つなどの方法によって、トイレの回数を元に戻すことができるでしょう。
トイレの我慢が病気に繋がってしまう恐れもありますので、安心して排泄できるトイレ環境を用意してあげてください。

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◆飲水量が少ない

おしっこの回数がいつもより少ないという場合は、単純に水分摂取量が減ったことも考えられます。
夏場は熱中症を用心してこまめな水分補給を心がけると思いますが、冬はいかがでしょうか?
冬でも脱水症状を起こす可能性はありますので、時々水を飲んでいるかワンちゃんの様子を確認をしてあげてくださいね。


犬のトイレの回数に関するまとめ

愛犬のおしっこやうんちの回数は、健康状態を知るための大切なバロメーターの一つです。
回数と共に排泄物の状態に関しても、通常時と異常時の違いを把握しておくようにしましょう。
ライフスタイルによっても、回数には差は出ます。日頃から愛犬の観察をしっかりしておくことで、身体の不調・病気の兆しにいち早く気付けるように心がけてくださいね。
犬のトイレに関して紹介している記事もたくさんあります。読者である飼い主さんのコメントが参考になることも多いので、愛犬の排泄が少ない、または増えたかな?と感じる場合は、愛犬との比較のためにチェックしてみるのもおすすめです。
なんらかの異常を感じたら、一度動物病院を受診して獣医さんに相談しましょう。
愛犬の健康を守るためにも、トイレのチェックを、飼い主さんの日課に加えてみてくださいね。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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