激レアな犬種?サツマビーグルとは?

2020.09.19

激レアな犬種?サツマビーグルとは?

みなさんは『サツマビーグル』という犬種があることを知っていますか? ビーグルといえば、あの人気キャラクター「スヌーピー」の犬種としても有名ですよね。 サツマビーグルは、現在日本で100頭近く存在する大変希少な犬種です。 ビーグルと聞くと普通はイギリス原産の洋犬ですが、一体どのような犬種なのでしょうか? 今回はサツマビーグルの特徴をご紹介したいと思います。


サツマビーグルとは

明治時代後半、西洋から持ち帰ったセントハウンド(獣猟犬)と日本の薩摩犬の交配により誕生した犬種で、その100年という歳月をかけ、薩摩で品種改良された日本固有の獣猟犬です。薩摩は鹿児島県の西部地域を指します。
持ち帰られたセントハウンドがハーリア、ビーグル、バセットハウンド等と考えられているため、サツマビーグルの見た目もそれらの犬種の特徴と良く似ています。
また、サツマビーグルはビーグルをひとまわり大きくしたような容姿をしています。


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◆サツマビーグルの名前の由来

原産は日本の鹿児島県です。江戸時代「薩摩」と言われていたことから、現地では現在のサツマビーグルのことを「サツマ」と呼んでいました。 狩猟犬として国内に知られたのは約50年前のことで、それまでは門外不出の狩猟犬として鹿児島県の各集落で色んな系統のサツマが飼育されていました。ところが、昭和40年代後半からの狩猟ブームにより、狩猟雑誌に取り上げられることになったようになったため、色んな系統のサツマがいることによって、犬種名の特定で悩まされました。当初はサツマ犬と言う名も候補に挙がりましたが、外観が日本犬と大きく異なり、むしろ耳が垂れてビーグルに良く似ていることから「九州ビーグル」として紹介されました。 その後、色んな系統・品種のサツマが氾濫し、同一犬種としては認められず総称して「日本在来種ビーグル」などと長い間呼ばれていましたが、その間も犬種の固定・統一はされませんでした。しばらくしてから、ウサギ猟にアメリカン・ビーグルが輸入され、小柄で飼育が容易なことから急速に普及し、全国でビーグル犬の競技会が活発化すると、一転人気が無くなりましたが、一部のブリーダーが細々と繁殖する活動を行いました。しかし、このことが幸いして、存在した系統は姿を消し、品種改良された純度の高いサツマとして残りました。このブリーダーが狩猟者に販売する際、「サツマ・ビーグル」と記述していたことから、この名が一般的に用いられるようになりました。 この様な時代背景から、ビーグルと言う名前が残りました。


サツマビーグルの特徴

見た目や顔立ちは、バセットハウンドに大変良く似ています。バセットハウンドのタルミをとり、引き締まった容姿をしています。特に顔よりも大きな垂耳が特徴的です。 サツマビーグルは体臭が非常に少ないと言われているので、家庭で飼育する場合も、匂いはあまり気にならないと思います。また、病気に強いという嬉しい特徴もあります。

◆体型や体重

平均体重は15~20kgの中型犬。 なかには20kg強になる子も少なくないようです。少し大きめの中型犬という印象があり、足が長いので、体高が40cm~50cmになります。 すっきりと長い奇麗な足が印象的ですが、とても筋肉質です。

◆被毛について

カラーはホワイト・ブラック・茶系で、白をベースに、黒と茶色の斑が入っている子が多いようです。 被毛は短毛の為、お手入れは比較的楽です。短毛犬種専用のブラシでブラッシングをし、春と秋の換毛期は抜け毛の量も増えるので、その時期は特にしっかりとブラッシングしましょう。

◆お手入れの仕方

大きく長い垂耳が印象的なのですが、垂耳の特徴として耳の中が汚れやすいです。 1週間~2週間に一度、耳のお掃除をしましょう。必要以上に回数を増やすと皮膚を痛めてしまいますので、汚れをしっかりと観察し、定期的なお掃除を心がけてください。


性格

性格は優しく従順で、人に対して友好的なため、家庭犬としても向いています。洋犬の様に人懐っこく甘えん坊という傾向は低いようですが、飼い主に対して忠実で従順なため、飼いやすい一面もあるかと思います。 温和な性格なので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭にもお勧めできます。猫などの小さな動物を発見すると、狩猟犬の為、吠えてしまうので、小さな頃からしっかりとしつけを行いましょう。


サツマビーグルの飼い方

もともと獣猟犬であるサツマビーグルですが、見た目の愛らしさから、家庭犬として求められる方も多くいます。 サツマビーグルを飼う際は、性格や特徴をしっかりとおさえた上で、どのような環境下で飼ったらいいのかを考えていきましょう。

◆外飼い?室内飼い?

現在、実際に狩猟犬として、家庭犬として、サツマビーグルを飼育されている方が徐々に増えてきています。 家庭で飼育する際に、どのような注意点があるのでしょうか。


サツマビーグルを飼う上での注意点

サツマビーグルを飼う際におさえておきたいポイントをご紹介します。


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◆飼育環境

とても大きなお家なら、室内飼いでも大丈夫かと思いますが、一般的なマンションなら室内で飼育をする場合、ギリギリのサイズかと思います。一軒家で外飼い、欲を言えばサツマビーグルが遊べるくらいの、少し広めのお庭などあると最適かもしれません。

また、狩猟犬のため、やはり運動量は多いです。毎日のしっかりとしたお散歩が大切です。
可能であれば朝夕、一日二回、30分以上のお散歩が好ましいです。

◆食事・健康管理

飼い主さんがしっかりとエサの量や内容を管理しないと、肥満になってしまいます。
肥満はヘルニアや糖尿病と言った病気の原因となりますので、きちんと食事の管理をしていくのが大切です。

また、狩猟犬は狩りをしていた時の名残から、特に肉を好んで食べる習性があります。
肉類がふんだんに使用され、動物性たんぱく質を豊富に含んだドッグフードが理想的です。
ただ、もともと太りやすい体質なため、肥満に注意が必要です。
「椎間板ヘルニア」など肥満が影響しやすい病気に注意が必要なので、体重をきちんと管理できるドッグフードが良いでしょう。
「グルコサミン」や「MSM」、「コンドロイチン」など、骨や関節の健康を支える成分が含まれ、添加物や合成酸化防止剤などの物質には注意が必要です。

◆平均寿命

一般的に12~15年です。
中には13歳でも狩猟犬として活躍している犬も多く、18年くらい長生きする場合もあります。

◆しつけ方

サツマビーグルは穏やかな性格ではありますが、かつては狩猟犬だったので、「吠え」と「噛み」についてのしつけはしっかりとする必要があります。遊んで欲しい、ごはんが欲しいといった時に吠えるいわゆる「要求吠え」に応えてしまうと、「吠え癖」になりやすくなってしまいます。「噛み癖」についても子犬の時の甘噛みから止めさせ、噛んでも良いもので遊ぶようにしましょう。
狩猟犬として、獲物を追い詰め、吠えてハンターに居場所を伝えるという役割を持っていたため、興奮すると吠えやすいという一面もあります。
基本的に愛嬌があり社交的な性格なため、家庭犬としても向いています。

◆散歩や運動

もともとハウンドとして、狩猟におけるさまざまな局面で活躍していたことから、運動量が必要になるので、必ず毎日お散歩に連れて行きましょう。
とても嗅覚が優れているので、食べ物にすぐ反応します。食べ物に対する強い執着心も伴って、お散歩中の拾い食いには特に注意が必要です。
週末にはドッグランに連れて行ってあげたり、日々のお散歩も長めに歩いてあげたりするのが良いでしょう。


激レアな犬種?

サツマビーグルは、「初めて聞いた」「名前は聞いたことがあるけど、よく知らない」と思われる方が多いと思います。また、狩猟雑誌等にも紹介などの記載はありますが、サツマビーグルの特性等については、ほとんど報告されたことが無く、未知の犬種として一部の愛好家に飼育されてきました。

◆絶滅が危惧されているサツマビーグル

サツマビーグルは、現在もまだ犬種登録に至っていません。
その理由は、長い間、鹿児島の各集落で門外不出の狩猟犬として飼育されていたことや、アメリカン・ビーグルの人気から頭数が激減し、犬種の固定・統一が遅れてしまったことが挙げられます。現在のように”サツマビーグル”と記載されるようになったこと自体も、約10年前に狩猟雑誌などに「サツマビーグルのルーツ」を発表したことから。それ以前は、「サツマ」「九州ビーグル」「鹿児島ビーグル」「日本在来種ビーグル」などとも呼ばれ、一部の愛好者のみが知る存在でした。
サツマビーグルは、未だ100頭近くの数字で絶滅が危惧されています。

◆サツマビーグルが絶滅寸前の危機になった理由

高度成長と共に狩猟もスポーツとして普及し、サツマビーグルも一部の先人により狩猟雑誌の「全猟」や「狩猟界」に紹介され、全国に認知され、飼育されるようになりました。
しかしながら、上記した品種改良の経緯の他、サツマビーグルの詳しい特徴も紹介されること無く、一部の利益優先とも思われる無秩序な繁殖等によりサツマビーグルの猟能が低下した犬が多くなり、アメリカン・ビーグル、プロットハウン等が輸入されましたが、長続きせず(上手くいかず)、今日のような絶滅寸前の危機になったと考えられます。

現在はハンターやブリーダーの減少と高齢化等により、鹿児島でも純粋種が激減し、絶滅が危惧されています。最近はペットとして飼育されることも少なくないですが、犬種の品種改良や固定保存には、専門のブリーダーの存在が不可欠であり、絶滅を救うためにはこれらが今後の課題となっていきます。

◆狩猟犬、家庭犬にもふさわしいサツマビーグル

サツマビーグルは非常に能力が高く、優れた狩猟犬であり、また、温厚で従順な性格のため、家庭犬としても向いている犬種なのです。
容姿は洋犬ですが日本犬の様な性格を持ち合わせているため、そのギャップも大きな魅力の一つです。


サツマビーグルの迎え方

サツマビーグルは大変希少なため、ペットショップでの販売は稀で、純血のサツマビーグルを求められる方は、専門の犬舎へ問い合わせるのが確実となります。
狩猟犬としてサツマビーグルを保護・飼育・育成している団体があります。実際に見学に行くなど、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができ、安心です。

現在、鹿児島県ではサツマビーグルの血統の保存・普及に取り組んでいる団体もいます。
狩猟犬として、とても優秀なサツマビーグルですが、家庭犬としての魅力もたっぷりなため、家庭で飼育される方も増えてきています。


まとめ


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サツマビーグルは、名前の通り、和と洋の魅力と愛くるしさ・凛々しさを持ち合わせている素敵な犬種です。
上手にコミュニケーションをとることができ、穏やかで素直な性格です。体力がある犬種でもあるので、毎日の運動や遊びの時間をたくさん取ってあげましょう。
「ビーグルやバセットハウンド等の洋犬の容姿は好きだが、日本犬の様にクールな性格が好みだ」という方は、ぜひ一度、ご自身の目でサツマビーグルを見ていただければと思います。
今後、狩猟犬としてはもちろんですが、サツマビーグルが家庭犬として、より求められることで絶滅の回避につながっていくでしょう。


 

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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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