【獣医師監修】猫もうつ病になることはある?発症した際に表れやすい症状7つ

2023.10.14

【獣医師監修】猫もうつ病になることはある?発症した際に表れやすい症状7つ

日常生活の中で気分が落ち込み憂鬱(ゆううつ)な気持ちになる、何事に対してもやる気が出ないなどといった、精神的な症状を患ったことのある方は多いのではないでしょうか。 精神的な問題だけでなく、眠れないなどの身体的な症状が出てしまう総称を「うつ病」と呼びますが、このような病状は人間だけではなく、猫などの動物にも現れる症状だということをご存じでしょうか。 猫がうつ病になる原因や症状、改善するためにはどのような対処法が効果的なのかをご紹介させていただきます。

【目次】
1.猫もうつ病になる
2.猫がうつ病になる原因4選
 2-1.引っ越しなどの環境変化
 2-2.コミュニケーション不足によるもの
 2-3.老化などによる、運動不足や退屈な生活
 2-4.家族構成の変化
3.猫のうつ病の症状7つ
 3-1.食欲不振で元気がない
 3-2.過剰なグルーミング、またはしなくなった
 3-3.よく鳴くようになる
 3-3.おもちゃや家族に興味を示さなくなる
 3-3.睡眠時間が多くなった
 3-3.よだれを垂らすようになった
 3-3.トイレの失敗や回数の変化
4.猫のうつ病を改善する方法
 4-1.コミュニケーションを沢山とる
 4-2.新しいおもちゃやおやつを取り入れる
 4-3.サプリメントを与えてみる
 4-3.落ち着く音楽を流す
 4-3.猫の好きな香りを使う
5.まとめ

猫もうつ病になる

寝ている猫

「うつ病」という病気を耳にしたことのある方は多いと思いますが、ストレス社会と言われている現代では、誰もが患う可能性の高い病気です。

過度なストレスを感じたことによって、脳内の神経伝達物質(ニューロン)によるバランスが崩れた状態となり、不安や悲しみなどの情動(一時的で急激な感情の動き)に関わる部分が、過剰活動してしまう病気となっています。

精神面だけでなく身体面でも不調が続くため、通常であれば精神科や心療内科を受診して、うつ病の治療を行っていくことが一般的となりますよね。

このような見た目では分からない心の病とも言えるうつ病は、人間だけでなく猫も発症する可能性があることをご存じでしょうか。

自由気ままにのんびりと暮らしているイメージの強い猫ではありますが、私たちが思っているよりも繊細で、ささいなことでもストレスを受けやすい動物となります。

しかし言葉が喋れない猫の場合、精神的に不安定な状態が続いていたとしても、飼い主さんにその感情を伝えられないことから、猫のうつ病は気付きにくく確定的な診断が下されるケースがほとんどありません。

日常生活の中で愛猫の行動を観察することにより、うつ病を患っているかどうかの判断を下しますが、うつ病の症状はほかの病気と似たような症状が出る場合も多く、診断が非常に難しい病気であると理解しておきましょう。


猫がうつ病になる原因4選

<椅子に乗る猫

猫のうつ病の根本的な原因は、日常生活の中で受けたストレスの場合がほとんどです。

猫がストレスを感じやすいシチュエーションは、以下の通りとなります。

◆引っ越しなどの環境変化

猫は環境の変化に対して敏感に反応しやすく、とくに引っ越しなどの急激な環境変化は、適応できるまでに多大な時間を費やすことがあります。

もちろん個体差によって順応する時間は異なり、猫ちゃんの性格も大きく関係してくるため、慣れるまで長い時間がかかる子ほど、強いストレスを感じやすい傾向が強いといえるでしょう。

そのほかにも飼い主さんによる生活パターンの変化、騒がしい環境(近隣の工事など)、トイレ環境が整っていないなどは、猫ちゃんに多大なストレスを与えやすくなります。

◆コミュニケーション不足によるもの

飼い主さんとのコミュニケーションが不足すると、著しく気持ちが低下していきストレスをためやすくなります。

人間と一緒に生活する猫のほとんどは、人に対する依存心や愛情が大きくなっているため、その状況が一変(減ったり急になくなったり)すると、精神が不安定になってしまうことでしょう。

無償の愛情を私たち人間に向けてくれている猫ですから、同じように気持ちが返ってこないとなると、不安になってしまうことは当然とも言えますよね。

気持ちを保つために転位行動を見せる子も多いため、そのような行動を見逃さないようにすることも、飼い主さんの役割と言えるでしょう。

◆老化などによる、運動不足や退屈な生活

猫も加齢が進むとすべての物事に対して億劫になり、何もする気が起きずに眠っている時間が増えていきます。

常に倦怠感が続くようになってやる気が起きなければ、活発に動き回ることができませんし、さまざまな物事に対して興味を失いながら退屈な日々を送るようになっていきます。

自分の思い通りに身体が動かなくなっていけば、日々の退屈な生活にもストレスを覚えやすくなるため、結果的にうつ病を発症する猫ちゃんが居たとしても不思議ではありません。

◆家族構成の変化

飼い猫にとって家の中は自分の縄張り(テリトリー)となるため、環境の変化だけでなく家族構成の変化も重要となってきます。

とくに飼い主さんに子供が生まれる、ほかのペットを迎える、家族が亡くなるなどの変化は、不安感が募ってストレスを感じやすくなります。

家族構成によって強いストレスを感じ続ければ、突発性膀胱炎や心因性脱毛になってしまう子も居るため、家族が増える、減るなどの変化が起きたときには、愛猫の気持ちに寄り添ってあげるようにしましょう。


猫のうつ病の症状7つ

外を見る猫モノクロ

実際に猫がうつ病を発症した際に、どのような症状が出やすいのかも気になるところです。

猫のうつ病は判断がとても難しいため、以下のような症状が愛猫に見られるときには要注意となります。

◆食欲不振で元気がない

ご飯を食べることは生きるためにも必要なルーティンとなり、食事の時間を何よりも楽しみにしている子は多いはずです。

キャットフードやおやつに対しての反応が薄く、食欲不振な状態が続いて元気が消失しているときには、うつ病を発症している可能性があります。

食欲不振はうつ病だけでなく、別の病気が関係している場合もあるため、見過ごすことのできない症状と言えるでしょう。

◆過剰なグルーミング、またはしなくなった

グルーミングを日常的に行う猫ちゃんはとても多いですが、あまりにも頻繁に過剰なグルーミングを行っているときは、ストレスからくる転位行動の可能性も否めません。

転位行動は気持ちを落ち着かせたいときに見られる行動となるため、この行動を猫がするときは強いストレスを感じていると言えるでしょう。

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◆よく鳴くようになる

猫は不満を言葉では飼い主さんに伝えられないため、鳴き声を使って不満を示すことがあります。

普段はあまり泣かなかった子の場合でも、何かのきっかけにより遠吠えや夜鳴きを繰り返すようになったら、発散しきれていない不満な気持ちを抱え込んでいる証拠です。

もちろん個体差があって普段からよく鳴く(おしゃべり)性格の子も多いため、鳴く回数やそのほかの症状が出ていないかなどを考慮し、うつ病を発症させていないかを考えてみてください。

◆おもちゃや家族に興味を示さなくなる

飼い主さんとのスキンシップが多く、自らコミュニケーションを図ろうしてくる猫ちゃんが、飼い主さんと距離をとろうとしてきたり、大好きなおもちゃに興味を示さなくなったりしてくると、「ひとりになりたい」といった気持ちの表れのため、うつ病がかなり進行していることが考えられます。

気が付くと姿が見えなく狭い場所で隠れている、かまおうとすると攻撃してくるなどの態度が見られるようになったら要注意です。

◆睡眠時間が多くなった

さまざまな物事に対して興味を示せなくなり、無気力な状態が続いてしまえば、必然的に眠る時間が多くなっていきます。

もちろん猫はもともと睡眠をとる時間が多く、加齢によっても眠る時間は増えていくため、なかなか判断が難しいところではありますが、うつ病が睡眠に大きく関係することも覚えておきましょう。

◆よだれを垂らすようになった

猫は強いストレスを感じたときや、極度の緊張をしているときなどに、交感神経が優位になって粘度が高い唾液を分泌します。

普段はサラサラとした唾液が分泌されていますので、ストレスで口の中が気持ち悪くなってしまえば、うまく飲み込めずによだれを垂らしてしまうことでしょう。

よだれを垂らしている場合には、ほかの病気が関与している可能性も高いため、このような症状が見られた際には早急に動物病院を受診してください。

◆トイレの失敗や回数の変化

トイレの失敗は泌尿器系の病気を疑う方が多いかと思いますが、強いストレスや不安を感じた際にも猫は粗相をすることがあります。

頻繁に室内のいたる場所で粗相をしてしまう場合は、「非スプレー型マーキング」を行って自分の存在をアピールしつつ、自分のニオイをつけて安心感を得ようとするようです。

また、トイレの回数が著しく増えたり減ったりしているようであれば、愛猫からのSOSとして受け止め、しっかりと原因追及に努めましょう。


猫のうつ病を改善する方法

寝ている茶トラ猫

猫のうつ病は動物病院であっても診断が難しい病気となるため、日常生活の中で愛猫がストレスをためないような対策が必要不可欠です。

愛猫の心と体の健康を守れるのは飼い主さんだけとなるため、愛猫の気持ちに寄り添った生活を心がけていきましょう。

◆コミュニケーションを沢山とる

飼い猫の多くは飼い主さんと離れることによりストレスを感じる子が多く、かまってアピールをしてくる子は少なくありません。

飼い主さんが家に居るときに自分のことを優先してしまい、愛猫の「かまってほしい」「寂しかった」「甘えたい」などの気持ちに気付いてあげられなければ、どんどん不満は募ってうつ病の傾向が強くなってしまいます。

1日に必ず愛猫とスキンシップやコミュニケーションを図る時間を作り、不満な気持ちにさせないように努めてあげましょう。

◆新しいおもちゃやおやつを取り入れる

いろいろなことに興味を持てなくなっているときは、新しいおもちゃやおやつなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。

猫ちゃんの中には飽き性の子も多く、キャットフードやおやつを好き嫌いしたり、使い古したおもちゃに興味を失ったりする子は少なくありません。

気分を一新するためにも、効果的な方法と言えるでしょう。

◆サプリメントを与えてみる

ペット用のサプリメントの中には、不安な気持ちを和らげて落ち着かせるといった、リラックス効果が期待できる商品が多く販売されています。

錠剤タイプや粉末タイプなどがあり、猫ちゃんの好みによって選べる点も魅力的です。

インターネットなどでも購入可能ですが、どんな商品を選ぶべきか分からない場合には、獣医師さんに相談してみることもおすすめです。

◆落ち着く音楽を流す

猫のストレスを軽減させるために、リラックス効果やヒーリング効果を目的とした、猫に聴かせるための音楽が存在していることをご存じでしょうか。

そのような音楽は猫が喉を鳴らすときの音や、鳴き声に似た周波数の音で構成されているため、猫に特効のある音楽としても知られています。

もちろん飼い主さんが普段聴いている音楽に対して、落ち着いている様子を見せているようであれば、猫ちゃんが落ち着かないときなどに流してみると良いでしょう。

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◆猫の好きな香りを使う

猫用の商品の中には香りを嗅ぐだけで、リラックス効果が得られる商品も存在します。

猫がリラックスしているときに分泌されるフェロモンをイメージして作られているため、フェロモンが出ていないときにも使用することによって、同等の効果が得られるといった仕組みです。

スプレータイプ、噴霧タイプなどの商品がありますので、ストレスから粗相を繰り返してしまう子にも有効ですよ。

フェリウェイ スプレー
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フェリウェイ 専用拡散器+リキッド
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まとめ

猫のうつ病は精神的な問題であるため、明確な診断の下りにくい病気と言われています。

心の病と言われている通り精神面が大きく関与してきますが、うつ病になっていたとしても「猫はのんびりしている動物」「ツンデレだから」「老化が進んでいる」などの言葉で片付けてしまえば、病状が進行するだけでなくほかの病気を併発することも否めません。

大切なのは日常生活の中でストレスになり得る不安要素を排除し、愛猫がリラックスをして落ち着ける環境作りこそが基本となります。

愛猫に辛い思いをさせないためにも、常に気持ちに寄り添うようにし、安心して暮らせる環境を整えておきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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